知事定例会見録
平成19年 7月 3日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- 第2回定例会を振り返って(報告)
- 「伊勢から熊野へ『平成の熊野詣』ふれあいウォーク月間」の開催について(発表)
- 知事と市町長との「膝づめミーティング」の開催について(発表)
- 伊賀線・養老線の鉄道事業許可について(報告)
まず、先週、第2回定例会が終わったところでございますけれども、これにつきましては、先般の統一選挙後の初の本格議会でございました。補正予算をはじめ、所要の案件全て議決、成立をいたしましたし、また次期戦略計画につきましても、その他いろんなご議論もいただいてまいりました。これで、今後の4年間の県政につきまして、全体として本格的なスタートをさせていくということができる状況になっております。そこで、私の方から今後の方針等について少し申し述べさせていただきたいと思います。
まず、第2回定例会におきまして、最終案について説明をいたし、議論をいただきました「県民しあわせプラン・第二次戦略計画」についてでございますけれども、所要の修正を加えたうえで、近く成案として決定をいたしてまいります。第二次戦略計画の策定を受けまして、平成19年度の県政運営方針につきましても、併せて確定をするということにいたしております。また、「県民しあわせプラン」を着実に推進するため経営資源の重点的・効率的な配分を進めます「みえ経営改善プラン」につきましても、策定後の環境変化を踏まえた見直し案を作成し、同じく第2回定例会にお示ししたところでございますけれども、この度、「みえ経営改善プラン(改定計画)」として取りまとめをいたしましたのでお知らせしておきたいと思います。それから、第二次戦略計画の冊子、計画書についてでありますけれども、これについては現在、印刷・製本に向けた作業に着手をしておりまして、今月末にはPRパンフレットと併せまして、県民の皆様に見ていただく、お配りできる、そういう状況でございます。なお、「2007年版県政報告書」につきましても現在、印刷中でございまして、7月半ば頃にお配りすることができると考えております。これにつきましては、三重県の取り組み状況などをご理解いただく資料としてご活用いただきまして、県政運営に対して広くご意見をお聞かせいただければと思っております。次に、補正予算が成立したことで、これからいよいよ第二次戦略計画がスタートするわけでございますけれども、「みえけん愛を育む“しあわせ創造県”」を目指しまして着実に取り組んでまいりたいと考えております。また、図書館や新しい博物館など「知の拠点」づくりにつきましては、その取り組みを進化、発展させていきたいと考えております。博物館の整備構想を含めました文化振興策の検討の中で、本県の豊かな資源を生かし、地域の文化の振興を図っていけますよう、これからの検討に期待をいたしているところでございます。それから、特にご議論の中で数々ご意見がございました警察庁舎の整備に関しましては、今回議会から附帯決議をいただいたところでございますが、ガバナンスに関しましては、今後とも適切な役割分担の下で、議会と議論を行いまして、説明責任を果たすことによりまして、より良い公共サービスが提供できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、発表項目の2項目について申し上げたいと思います。まず「伊勢から熊野へ『平成の熊野詣』ふれあいウォーク月間」の開催でございます。熊野古道が平成16年7月世界遺産に登録されましてから、まもなく3年目を迎えるということになります。この度、この9月から11月の3カ月間を「伊勢から熊野へ『平成の熊野詣』ふれあいウォーク月間」と定めまして、熊野古道伊勢路を歩くというイベントを開催いたします。この事業は、JR東海などの協力も得ながら、熊野古道伊勢路を「甦る巡礼の道」として、伊勢から熊野まで通して歩きたいという人をサポートする、そういう事業でございまして、三重県と熊野古道沿線の10市町、伊勢市観光協会、宮川流域ルネッサンス協議会、東紀州観光まちづくり公社、これらによりまして「伊勢路を結ぶしくみづくり実行委員会」というのを立ち上げましてやっていこうというもので、これは「みえの舞台づくりプログラム」の一つとして実施をしていくものでございます。今は世界遺産ブームが一段落して、歩く人のニーズも世界遺産の峠道というだけではなく、伊勢から熊野へ、かつての巡礼者と同じように通して歩きたいといった声が上がっております。このイベントにおきましては、歩くために必要な「イラストマップ」、また「ウォーク手帳」、こういったものを提供することによりまして、誰もが自分のペースで伊勢路踏破にチャレンジできるようにしていこうというものでございます。また、地域でまちづくり活動や歴史・文化の掘り起こしを行っている人たちなど、多様な主体が一体となって来訪者を受け止める、このことによりまして、それぞれの地域にあります観光や人などの資源を生かしながら、魅力ある地域づくりを行っていこうというものでございます。具体的には、3枚の帆を揚げて風の力で熊野川をさかのぼる三反帆(さんたんぽ)という川舟が地域の人たちにより復元をされまして、川の参詣道を体感できる、そういうプログラムが作られております。また、熊野古道沿線にある自宅を休憩所として開放し、地域の人たちが交代で古道客をもてなそうという、そういう動きもございます。こういった地域の個々の活動を熊野古道伊勢路で結ぶことによりまして、地域全体の魅力を高めていきたいと思っております。実行委員会では、3カ月間のイベント開催にとどまらず、歩く人の視点に立った、統一したサイン整備計画づくりや、歩く人にとっての危険な場所のチェックを行ってまいります。多くの人たちに、地域の歴史や自然を感じながら、楽しんで熊野古道伊勢路を歩くことができる環境整備やしくみづくりを行ってまいります。実は一昨年、スペインのサンテャゴ・デ・コンポステーラの方に私も訪問をいたしましたが、同じキリスト教の聖地であるローマに、このサンテャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路というのを比べてみますと、華やかな世界的な建築物、これは少ないわけでありますけれども、しかし、地域の自然や文化というものを体感しながら目的地を目指して歩く人たちがいて、そういった人たちと地域とのふれあいというものが観光資源となりまして、ローマに負けないような魅力ある観光地になっているところであります。ぜひ今回、こういうイベントを催すということにより、多くの人たちに「峠から峠へ」「伊勢から熊野へ」連続して歩いていただくということによりまして、人と人、伊勢と熊野との交流を進めまして、スペインのように「道」としての特性を生かした文化観光を推進していきたいなと思っているところでございます。
次に、発表項目の2項目めでございますが、「知事と市・町長との膝づめミーティングの開催」について申し上げたいと思います。お手元にお配りしています資料のとおり、「知事と市・町長との膝づめミーティング」を8月に4会場に分けて開催をいたしてまいります。この膝づめミーティングは私が直接、地域に出向きまして、県政の最大のパートナーでございます市長さんや町長さんと直接対話することを通じまして、互いの理解を深める、そういうことで、知事に就任して以来ずっと実施してきたところでございます。今回で5回目を迎えるわけでございますが、これは、忌たんのない意見を交換できる場として定着してきているのではないかと思っております。今年度、県から提案をさせていただくテーマにつきましては「美し国 三重」イベントを考えております。もちろん、これ以外にも各市長さん、町長さんから幅広くご意見がいただけるのではないかと期待をいたしているところでございます。このミーティングにつきましては、県といたしまして市・町のご意見を把握していくためのシステムの一つとして位置付けまして、積極的な対話を行うことによりまして地域主権社会におきます個性的で魅力的な地域づくりを進めていくための新しい地方自治の仕組みを作っていきたい、こう考えております。
それから次に、もう一つ報告事項として、伊賀線・養老線の鉄道事業許可のことについて申し上げたいと思います。先般、近鉄より発表がございましたが、伊賀線・養老線につきまして鉄道事業の許可が下りたということで、お手元に配付いたしております資料のとおり、6月27日に、両鉄道事業につきまして申請通り許可されたところでございます。鉄道事業者をはじめ沿線市町など関係各位が並々ならぬ努力をいただいて、両路線が新しい事業形態によりまして存続できることになったことは、大変喜ばしいことでございます。伊賀線・養老線につきましては、沿線住民の方々をはじめ、県民の皆様にもご活用願いまして、今後とも多くの人に愛される鉄道として発展をしていきますよう、心より願うところでございます。県といたしましては、今後とも、地方の鉄道の活性化につきまして、国の制度のさらなる充実も含めまして働きかけをしていきたいと、こう考えているところでございます。
2.質疑応答
(質)第2回定例会が終わってからということでいろいろ述べられましたけれども、まず確認なのですが、第二次戦略計画ですけれども、近く成案として決定すると、これは今月末ぐらいということになるのですか。
(答)いろいろご意見をいただきました。そういうことから記述についても少し改める、また表現の微修正もございます。全体としては最終案からそう大きな変化はないものでございますけれども、これにつきましては今、印刷・製本に向けました作業をやっておりますので、今月末くらいになるのではないかと思います。
(質)あくまでも表現の微調整という形ですか。
(答)そうです。記述について、議会での議論も踏まえまして少し改める必要があるというところも8施策程ございました。そういった所と、まだ他にも微修正が記述の中でございましたので、そういったところを含めて手直しをさせていただいてきているところです。
(質)その精査に絡んで、図書館、新博物館の取り組み、進化・発展というふうにおっしゃいましたが、博物館について、文化審議会でされるというような議会のご答弁にもあったと思うんですが、確か今月7月にも審議会を開いて、というふうな答弁だったと記憶しています。
(答)博物館にだけ特定をしているのではなくて、三重県の新しい文化政策のあり方という全体を含めてご議論をいただき、その中で「知の拠点」としての一つの核となる博物館についてもご議論をいただいていこうと、こういうことにしているところでございます。
(質)文化審議会のメンバーの人選でありますとか、これまでの進捗状況などを教えていただけますか。
(答)今、鋭意その作業をやっておりまして、基本的にはこれまでの文化審議会のメンバーの方々、いずれも大変ふさわしい方だと思っております。そう大きく変わるというものではないと考えております。今、最終を詰めているところでございます。
(質)人数は何人くらいですか。
(答:生活部)メンバーは15名で予定しております。
(質)それは以前と変わらずですか。少し増えましたか。
(答:生活部)昨年度の人員と同じの予定です。
(質)議会の、警察庁舎移転問題の附帯決議ですけれども、改めて附帯決議が付いたということについてどういうふうに受け止められてますか。
(答)先程も申しましたように、県としては「新しい時代の公」にふさわしい進め方をしていこうということでございますので、課題によって対応の仕方それぞれ違いもございますけれども、できるだけ早く議会や県民の皆さんにお示しをし、あるいはいろんな考え方というものを聞く中で進めていくということが主だろうと、こう思っておりまして、今回の県議会でいただいた議論をしっかり受け止めて、今後ガバナンスに努めてまいりたいと、こう思っています。
(質)実際問題として「新しい時代の公」の前期4年の間で打ち出された方針で、今回の、今知事がおっしゃったような点があるとするならば、新しい時代の公の進め方にふさわしくない進め方という認識は、今おありにならないですか。
(答)今回の警察署の問題については、選挙があったということで、本来なら3月議会の方で、本格予算の中でいろいろとご提示をしていくという状況の場合に、やや少し違いはあったかもしれませんけれども、今回ああいったご議論をいただいて、今後やはり配慮していかなければならない、そういうことの認識を強めたところでございます。
(質)ただ、県警というのも全体として県の機関の中の一つではありますが、実際問題、独立した組織であって、知事の権限は必ずしも県警に及ばない部分もあると思うんです。今回の場合も、何かその辺の齟齬(そご)というものが感じられたんですけど、今後その辺は県警に対してどういう形で臨まれるのですか。
(答)県警、あるいは三重県公安委員会につきましては今回、議会での議論、これをしっかり受け止めて、今後の運営のあり方に生かしていかれるものだと、こう思っております。私から県警、あるいは公安委員会のあり方について、どうのこうのと言う立場にはありませんけれども、ぜひこういった議論を生かされていくよう期待をいたしているところであります。
(質)少し戻ります。文化審議会、これからメンバーを確定していって今月中には第1回会合なりが始まるということなんですね。
(答)できるだけ早く議論を開始していきたいと、こう思ってます。
(質)議会が打ち出された博物館構想検討会議については、何かご感想はありますか。
(答)議会も議論されるわけでありますから、それは私どもとしてはこちらの文化審議会等での議論の状況、こういったものもぜひご報告をしながら、それも参考にしていただきながら、また議会での意見をお聞かせいただくということにしていきたいと思います。ただ博物館ということ以上に、これからの三重県行政としても、文化というものをより総合的に、一元的にどういうふうに考え、そしてまた「知の拠点」といったような取り組みをどういうふうに全体として取り組んでいくのか、こういった視点から幅広く、ぜひご意見もいただきたいものだと、こう思っております。
(質)幅広い意見というのは議会の会議からですか。
(答)ええ。議会においても、私ども県としてはそういった幅広い角度から検討をしていこうということでありますから、ぜひその視点も持ちながらご意見をいただければ、と思っております。
(質)議会がある程度成案をまとめた時に、知事部局から出てくる、知事に答申される案と突き合わせて議論する場というのもあり得るんですか。
(答)議会でのご議論が、どういう形でどういうものを目指しているのか、詳しく承知をいたしておりません。
(質)議会でも、政策討論会議というのが立ち上がりまして、その第1回のテーマとして新博物館の構想について話し合うというようなことだったんですが、議会の説明としては、結論が出てそれの結論の結果を必要と判断されれば知事にも伝えていく、というようなことだったんです。だから議会としての意見と審議会としての意見をどういうふうに絡めていくのか。
(答)先程も申し上げましたように、議会での議論がそういう一つの結論を得るために議論をされるのか、そういったことについても承知をしておりませんので、お答えできません。
(質)「平成の熊野詣」の件ですが、全部踏破した人には踏破の証でしたか、それを発行するということですけれども、特別に170キロを1日なり、2日なりということではなくて、3ヶ月間に170キロ歩けばいいということなんですか。
(答)そういうことです。それぞれご自身のペース、それから日程的にもいろいろやりくりをされながら参加をされて歩くということになりますから、歩く順番もいろいろ人によって違うのではないかなと、こう思います。しかし最終的に全体として、全部それを歩いたということになると、全て歩いた証が得られるということであります。
(質)シミュレーションが3つくらい示されていますけれども、必ずしもこの通り歩きなさい、ということではないんですね。
(答)そうですね、それは参考までにということです。
(質)実行委員会の委員長というんですか、それはどういう団体か組織なんでしょうか。
(答:政策部)実行委員会の委員長は、東紀州対策室の室長の廣田になっております。実行委員会自体は行政が中心でやっております。
(質)実行委員会の委員長が東紀州対策局の廣田さん?
(答:政策部)室長です。(質)
どんな字ですか。
(答:政策部)難しい方、旧字の「廣」です。
(質)下のお名前は。
(答:政策部)「恵子」です。
(質)「伊勢路を結ぶしくみづくり実行委員会」は、この「ふれあいウォーク月間」のために結成された、という理解でいいですか。
(答:政策部)ふれあいウォーク月間だけではなくて、今後の伊勢から熊野まで歩く人の視点に立った山林整備とか、そういうものを実践を通じながらやっていったり、地元のいろいろな動きを結びつけて、この月間以外でもどんどん歩いてもらえるようにというようなことを目指して作っております。
(質)先程、知事がこのイベントでJR東海も協力をしているとおっしゃいましたが、具体的にどういう協力方法でしょうか。
(答)JR東海については、この歩くという今回のイベントについては、JRをご利用いただいて全部踏破をしていくというのが最も踏破しやすいというか、JR東海を併せてご利用いただくということが、今回のイベントをやっていく中では非常に大事なことだと思ってます。したがいまして、例えば踏破をした証明、これはスタンプを押してもらうわけですが、それを駅の方にお願いをして、そこでどこからどこまで歩いたというような、そういう作業についてもJR東海の協力を得ていこうということであります。
(質)積極的にJRが観光イベントとしてPRするというところまではいかないんですか。
(答:政策部)まだ確定ではないんですが、駅貼りポスターとか中吊り広告とか、JRの主催のいろんなウォークイベントでPRをしていただけるというような話で調整はしております。それとお手元の資料に、シミュレーションの方で書かせていただいているのが全部JRの駅です。JRの駅を目指すことによって、自分で今日はここまで歩こうとかというのが決められるということで、駅を目標にというふうにさせていただいております。こちらによくお問い合せで、伊勢から出発しまして1日でどこまで行けますかとか、そこに宿がありますかという問い合わせをよくいただくのですが、出発する時間とか歩くスピードによってどこまで行けるというのはなかなか説明しにくいんですけれど、これを見ながら、例えば自分で伊勢から栃原まで目標で行きましょう、ただ早く着き過ぎたので、1時間半あれば隣の川添駅まで行けますとか、そういうふうに使っていただくこともできます。
(質)ターゲットは県民なんですか。それとも県外、東京とか関西とかから来てもらうわけですか。
(答)特定しているわけではありませんけれども、今回は人数的にこの伊勢路踏破にチャレンジする人というのが月平均で500人ぐらい、3カ月で1,500人ぐらいはいらっしゃるんではないかなと、こう思っております。もちろん、その上で全体踏破を達成される方がどこまでおられるかというのはちょっと分かりませんけれども、かなりの方が挑戦をされるのではないかなと、こう思ってます。それはやはり今、物質的に豊かになってきた時代でありますけれども、精神的なものを求めてかつての巡礼者と同じような思いで、再生の地である熊野を目指して歩いていきたいなと、こういう人たちがいらっしゃると思います。それは県民の方々の中にもいらっしゃるでしょうし、県外からも来られる方がいると、こう思っております。
(質)ということは、宿の斡旋とかはしない?
(答)これについても、どこからどこまで歩くときに、その近くで泊まる所はどういう所があるということをきちっと、さっき申し上げたウォーク手帳の中に分かるようにご案内をしていきたい、こう思ってます。今、このパンフレットがありますけれども、これは第一巻になっておりますが、これが今、第二巻くらいまでできてきているということですが、最終的に始まるまでに第五巻全体ができ上がってまいります。これと別にウォーク手帳というのもできてまいりますが、ウォーク手帳の中にはそういった宿泊についてもご案内できるような情報を入れていくということにしております。歩く方々に便利な、そういう十分な情報をできるだけ入れていきたい、ということで担当の方で今、作業をやっております。
(質)参加申し込み料は要らないんですか。
(答:政策部)無料です。
(質)3カ月1,500人で、地元への経済効果はどれぐらいだというふうに踏んでいらっしゃるんですか。
(答:政策部)それは把握しておりません。
(質)どれぐらいいきたい、という、地元でもてなしができる商店ですとか、いろんな関連したイベントなんかも民間などでもいろいろ作っていらっしゃるようですけれども、そういう活用、利用も含めてどのぐらいあったらいいな、というような試算とかはしていらっしゃらないですか。あと、世界遺産登録から3年ということで、3年経った今の、どれくらい集客効果があって、どれぐらい経済効果があるかというようなことが、もし数字などお持ちだったら教えていただきたいのですが。
(答:政策部)熊野古道への来訪者につきましては年間約16万人ということで、世界遺産に登録されてから概ねそのぐらいの人数で推移しております。ただ、経済効果とかそういうものの試算については、今のところ行っておりません。
(質)実行委員会の立ち上げというのはいつですか。
(答:政策部)昨年はリレーウォークというイベントをやりまして、それを発展的に解消してこの6月にしくみづくり実行委員会を立ち上げております。
(質)いつですか。
(答:政策部)日ですか。日は...。(※会見終了後に「6月8日」と回答。)
(質)膝づめミーティングの件ですが、今回あくまでもテーマとして「美し国 三重」イベントとは掲げられていますが、いつもというかこれまでと同様に、幅広く地域づくりについて、ということなんですね。
(答)ええ。県としては、さっき申し上げました「美し国 三重」イベントについてテーマとして挙げさせていただいておりますが、いろんな地域のそれぞれ首長さんからご意見、ご提示、ご提案があろうかなと、こう思っております。そういた幅広い意見交換になればさらにいいと、こう思っております。
(質)19年度から始まったブロック会議、地域づくりでしたか、1つか2つ拝見すると、結局参加している市町長自身が、この膝づめミーティングとの区別が付いていないような意見が多いんですけれど、その辺は今後どう調整されますか。
(答)ブロック会議の方でやっておりますのは、実は基本的には私があれに臨むということは、当初考えていなかったところであります。今年はあれをスタートさせるということでありましたので、第1回目についてはぜひ私の方から趣旨についても説明を申し上げたい、そんな気持ちから私がぜひ行きたいと申し出て、今回、この間やったところであります。今後は、私としては膝づめミーティングでいろんな意見交換をしながら、地域の課題での県と市町との連携、県の支援のあり方、こういったものについての具体的な検討はブロック会議を初めといたします地域支援会議のシステムの中でやっていきたいと、こういうふうに考えております。もちろん、この膝づめミーティングでの議論、その中にもああいった支援会議の方に議論を委ねて引き続き市町と県とで議論を行っていく、検討を行っていく、そういう課題にふさわしいものはぜひそういう場に引き継いでいけたらと、こう思っています。
(質)知事自身としては、屋上屋という感じではないのですね。
(答)そうではないです。元々、本来仕組みとしては別のものを考えてまして、今年はたまたま最初のスタートになるものでありましたので、私が1回目について出させていただこうということにしたところであります。
(質)その辺、市町長の方もご理解いただいているんですか。つまり、2つは目的とか機能が違うという?
(答)と思いますけれども。仕組みについてはきちっと説明を申し上げているところであります。
(質)伊賀線・養老線ですが、知事は先程、国へさらなる働きかけをしていきたいというふうにおっしゃいましたが、伊賀線・養老線以外で国に何かしらの申請などが必要だと思っていらっしゃる線というのはおありですか。
(答)実は昨年の秋、三重県が国家予算要望をした時にも、大手の民間鉄道業者の支線を含めました鉄道助成制度の拡充ということも要望いたしているところでございます。実は現在、国の方で、中小事業者が行います安全対策であるとか、あるいは近代化のための設備の整備につきましては国の補助制度がございまして、国が2分の1、地方で県も含めて残り2分の1を負担していくという制度がございます。しかしこれは近鉄等のいわゆる大手の事業者には適用されておりません。私ども三重県にとりましては、三重県の各地域の生活交通を支えるという意味からいけば、事業者をこういう規模で区分するということについてはいかがなものか、ぜひそういう意味ではこういった助成制度につきまして国の方でしっかり見直しをしてほしいと、こう思っておりまして、こういったことを含めて国での地域交通への支援のあり方、これをお願いしていきたいと思っております。
(質)三重県で近鉄に対して何か金銭的な補助、支援をしていらっしゃいますか。
(答)近鉄そのものについて、というのは例えばバリアフリー、駅にエレベーターを付けるようなバリアフリー化、こういった整備につきましては国と一緒になりながらそういうものがございます。あるいは鉄道の耐震補強事業だとか、幹線鉄道の活性化事業費補助というもので、例えば高速化のための施設改良、こういったいろんな制度がございます。こういったものについては、大手とか中小とかということではなくて国の助成制度としてあるわけです。したがってもう少し地域交通全体について支援できる、そういうところへの拡充をお願いしていくということであります。
(質)フェロシルト問題です。先頃、石原産業や元副工場長らに対する判決が出ましたけれども、改めて知事の方からコメントなり、感想をお願いします。
(答)6月25日、フェロシルト問題について石原産業他2名に対して廃棄物処理法違反の有罪判決が言い渡されたところでございます。この判決の中で、石原産業の会社としての責任にも判断が下されておりますので、こういったことを会社としてもしっかり受け止めていただきまして、私は石原産業がコンプライアンス、これをさらに徹底をさせていただくとともに、まだフェロシルトについては回収が済んでいない地域が多くありますから、これにつきまして早期に撤去等を完了していただくよう最大限努力をするべきだと、こう思っております。それから、このフェロシルトの一連の事件から、私ども三重県としてもいろんな得た教訓がございますので、ぜひこれを生かしましてリサイクル製品の認定制度、これについても的確に運用をして、そしてやはり安全・安心なリサイクル製品の普及など、循環型社会実現に向けての取り組みに一層しっかり取り組んでいきたい、こう思っているところであります。
(質)会社としての責任、それをしっかり受け止めていただきたいということですが、その会社としては控訴しない方針を決めていると聞いています。それについては、知事としては評価されますか。
(答)ちょっとその控訴するしないについては、私も伺っていないところであります。この判決について石原産業がしっかり受け止めて今後に生かされる、このことが何よりも大事なことだと思います。
(質)元副工場長については実刑判決という判断が下されたわけですが、それについては。
(答)これはもちろん、裁判所での十分な審理の上、下されたことであります。私はそのことをしっかり受け止めていくべきだと、こう思っているところであります。今回の事件全体、県としても大変遺憾なところを感じてきたところでございます。
(質)そして、県としても得た教訓があると、それで特に認定制度について触れられましたけれども、安全・安心を一層しっかり取り組んでいきたい、例えば発生前と発生後、今現在、例えばどういった取り組みを進めていらっしゃるか、一例を挙げていただけると。
(答)これは、一連のことについて前にも申し上げたと思うのですが、まず条例に基づいてやっておりますので、このリサイクル製品の認定制度についての条例、これについても見直しをやりましたし、運用の中でも、この間のフェロシルト問題の反省に立っていろんな審査の方法、認定の方法等についても所要の見直しをやってきたところでございます。ただ基本的には、やはりリサイクル製品をより活用していくということ、普及をしていくということ、このことはやはり大事なことであると、こう思っておりますので、今後フェロシルトのような問題が起きることのないように、より厳格にこの制度を見直し、運用をしていこうとしているところであります。
(質)今後もその条例、あるいは運用面での見直しの可能性もあると?
(答)これはもちろん、やっていく中でまた問題点なり課題が認識されたら当然、より手直しをし、より良くしていくというのは当然のことです。
(質)環境ということで関連しまして、産業廃棄物の処理の問題です。四日市の内山地区の不適正処理事案なのですけれども、履行期限が確か6月13日ということで期限が過ぎているということなのですが、県として今どういうふうに事業者を指導していらっしゃるのか、あるいはその対象者は今、どういうふうな動きをしているのかというのを教えてください。
(答)こういう不法投棄、廃棄物処理法に基づいた措置命令についてはその着手期限というのを設けているわけでありますが、これは法律に根拠を持っているということではなくて、これは目的としてその支障が生じていることを十分除去する、このことを目的としておりますので、それがしっかり履行されるということを促すための条件として付しているところでございます。したがいまして着手期限というのは、措置命令の内容が具体的に実施されると判断し得る、そういう適切な実施計画書を提出をさせる期限であるというふうに考えているところであります。したがって、できるだけこれは原因者から地元関係者、地権者、こういった所とのいろんな同意手続き等が必要でございますが、いろんな諸状況があって延長、期限が過ぎてきているということについては、ぜひこれを早急に出させるようにしてまいりたいと、こういうふうに思います。
(質)今お話しになったのは、大矢知・平津事案だと思うのですが、私がお伺いしたのは内山の方、有害ガスの発生の件でございまして、履行期限が6月13日となってたはずなのですが。
(答:環境森林部)内山事案につきましては現在、代執行をいたしておりまして、7月中旬ぐらいにはガスの処理が可能だと思っております。ご質問の履行期限について、事業所をどうするか、今、履行期限がもう過ぎた状態ですので、後の法的措置について警察当局と今も調整をしている段階でございます。
(質)もう告発の準備に入っているということですか。
(答:環境森林部)調整をしているところであります。
(質)知事、刑事告発をするということでいいのですね。
(答:環境森林部)その方向で調整をしております。
(質)6月13日に切れまして、今現在まで告発をされていないという理由は何でしょうか。
(答:環境森林部)措置命令の、相手方の措置命令をかけた後の状況を、どういう形で履行できなかったのかということの今、そういう調査をしておりまして、それの警察との調整にちょっと時間がかかっているという状態でございます。
(質)でも、もうちょっと前にこれは履行する気がないなとか、そういう感触みたいなのはあったのでしょうか。もう少し早く準備に着手できたような気もするのですが。
(答:環境森林部)もちろん履行期限までは相手に履行をさせていく必要もありますし、そういうことも含めまして、履行期限が過ぎてから警察との調整に入ったものであります。
(質)知事はどうですか。この産廃処理で事業者が手を付けない、刑事告発をも実際に準備しているということについて、やはり強い態度で臨もうという姿勢なのですか。
(答)当然です。私は法もまだ不備が多い、十分でないとこう思っております。しかしながら、まずは法を犯してそういう不法投棄等をやってきた、しかもそのことについて、後で改善をする力もない、とにかくその時のやり得だけでやってしまっている、こういうことをそのまま許すということは、また同じようなことを繰り返すことにもなりかねませんので、やはり一つ一つ、ここは厳しく対応をしていくということが必要だと思ってます。
(質)先程お話しになられた大矢知・平津についても着手期限が過ぎていると、あと芸濃町についても7月19日に履行期限が迫っていると、これについても同様に、その事業者なり対象者が履行する気がない、あるいは履行できないといった場合には刑事告発も辞さないという態度で、それは間違いないですか。
(答)基本的にはそういう同じような、強い厳しい姿勢で臨んでまいります。
(質)フェロシルトに戻るのですが、石原産業が控訴しないということで、もし有罪が確定しますと、例えば建設業者で有罪が確定とかしますと、県の名簿に入っている業者ですと指名停止とかいったような、ある種のペナルティというのが県から下せると思うのですが、こういう石原産業の場合、そういった有罪が確定したとして、県とのつながりの中でペナルティ的なものというのは何かあるのでしょうか。
(答)そういうものがあるのかどうか承知していませんけれども、ある場合にはそれについてはどうするのか検討しておかなれけばならないと思いますから、一度、それについても受け止めておきたいと思います。
(質)年金問題です。県には直接関係ないかもしれませんけれども、やはり県民を含めた全国民の一大関心事であり、老後に不安や不満を残すような問題になっていますけれども、これについて政府与党は1年以内に全て照合させると、野党側はまた違った意見を持っているというようなことなのですが、知事の立場からして今、その年金記録の問題についてどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
(答)あれだけ大事な年金制度を管理・運用している社会保険庁において、誠にもってずさんなああいった状況があったということ、これには改めて驚くと共に、大変遺憾なものであります。我が国の社会保障制度の、一番の根幹とも言える大きな柱の年金制度が、こういうことで国民との信頼というものを全く欠いてしまった状況であります。本当に国そのもののあり方を揺るがすような、私は大きな問題だと、こう思っております。したがいまして、具体的にはそれをどういうふうにやっていくのか、これは作業が大変だと思いますけれども、政府は責任を持って、やはりしっかり取り組んでいただきたい、早急にこれについては制度そのものの信頼を回復できるように取り組んでいただきたいなと、こう思います。ただ、これで受けた国民の不信感、これは本当になかなか取り返すのは難しいぐらい大きな不信感が今回は生まれたのではないかなと、こう思って心配をいたしております。
(質)その社保庁についてなのですが、参院選が近いですけれども、ある候補は社保庁を解体して新しい組織にすればいいのではないかと主張されていて、また別の候補は社保庁はそのまま残して社保庁としての責任を取らせるべきであるというような意見が様々ありますけれども、この社保庁の存在自体については、知事は?
(答)今、私の個人的な意見で言えば、社保庁がどうあるべきかなどというようなレベルの話ではないだろうと、こう思います。私はとにかくこういったことを見過ごしてきた国として、この事態をどう始末を付けて収束をしていくのか、そういうことに全力を挙げてやっていくべきだと、こう思っております。したがって、私としては先般いろいろ社保庁の組織の議論をやっていましたけれども、私はそれ以前の大変な問題が今回露呈をしてきたと、こういう思いで、ちょっとそういう議論は焦点が違うのではないかなという気はしていました。
(質)その社保庁のあり方以前の問題ということなのですが、今、年金制度は皆保険というか、そういう制度になっていますけれども、これについて問題点とかは?制度上の不備というか、個人的なご意見で結構ですが。
(答)前にもちょっと申し上げたと思いますけども、やはり基礎年金については社会保険方式でいくのか、税方式でいくのか、いろいろ前にも国会議員であった時に議論もしてきた経緯がございます。私としては、皆保険制度として制度を早く充実・拡充していくということで、一定の期間は効果あったと思いますけれども、やはり昭和50年代後半からはこの日本の社会が急速に高齢社会に向かっていき、特に日本は超高齢社会になっていくであろうと、その中で年金がどうあるべきかということについては、日本最大の課題として議論をされてきたところであります。その時にやはり私は基礎年金は、税方式に長期間かかっても具体的に移行していくような、そういう議論が必要だったと思います。そういう議論としてはあったけれども結局、政府は特に厚生省、厚生労働省はこの保険制度に今もこだわって執着しているわけでありますけれども、移行するといっても、これは制度的にはすぐに移行できるような簡単なものではありません。けれども年金でありますから、本当に長期間の制度設計、運用を展開をしながら、やはり本来あるべき年金制度に変換をしていくということを目指すべきだったと、こう思っております。今後もそういった取り組みは必要だろうと、今後もそういう方向性というのは必要だろうと、こういうふうに思ってます。
(質)税制度への移行議論というのは今、国の動きなので分かりませんけれども、今後も続けていかなければいけない課題であるだろうということですか。
(答)そう思います、基礎年金については。
(質)基礎年金レベルを消費税で全部まかなうというお考えには、知事はご賛成ですか。
(答)税制度でやるという場合には、どういう税がふさわしいのかということになれば、やはり社会保障制度のものについては、特に年金でも消費税が、今の税制度の中では最もふさわしいのではないかなという気かします。
(質)民主党が、消費税5%に据え置いた状態でそれをやれというふうに主張していますが、以前、消費税はやはり多少は上げていく方がベターであるというなお話を知事がなさいましたが、多少税率を上げてそれを年金の財源にするという方が、理想的であるというふうにお考えですか。
(答)私は年金の財源については、消費税は一つ考えられるものだと、こういうふうに思います。中央でやっている議論について、コメントするつもりはありません。
(質)社保庁の仕事を国税庁に一元化するというそのあたりは、考え方に対してはどう思われますか。
(答)私としてはそういう議論に入っておりませんので、特に県という立場でコメントするという必要もないかと思います。ただ、先程から申し上げているように、国がこの問題について本当に責任をしっかり果たしていく、それにふさわしい、当面、今、社会保険庁の業務の組織というものを考えていかなければならないであろうと、こう思います。したがって、これまでできるだけ民営化ないしは民営化に近い、そういった行政改革という視野で考えているものと、今起こってきている問題とは相当質が違う問題であると、こういうふうに私は捉えております。
(質)久間さんの発言が問題になってますが、聞かれたうえでの知事のコメントをいただけますか。
(答)私はあの発言が、アメリカの原爆投下というその行為を認めたような、そういう誤解をどうしても生じてしまうような発言であったと、こう思いますから、私はあの発言は誠にもってふさわしくないご発言であったと、こういうふうに思います。
(質)ふさわしくないというのは、防衛大臣という立場として?
(答)本人もその後、いろいろ言い訳はされているようでありますけれども、もちろん内閣の閣僚として、特に防衛大臣という、そういうお立場での発言でありますから、よりそれは大きな問題を呈したと、こう思っております。
( 以 上 )