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平成20年10月07日

知事定例記者会見

知事定例会見録

平成19年 6月18日
       於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目

なし


2.質疑応答

(質)

県議会が開会しましたけれども、一般質問、代表質問の中で例えば博物館などに対して整備をするという方針が公約で掲げられて、それで当選をされたのですから、従来のような審議の方法ではないやり方でできないかというようなご提案もございましたが、知事として改めて、どのような形で審議を進めていくというふうにお考えでしょうか。

(答)

一応、私としては博物館の問題については、これまで4年間いろいろ県の中で議論してきた経緯、状況を踏まえまして、私としてはもう一度ゼロから考え直していくべきだと、したがって選挙の際の公約にも掲げているところであります。それにつきましては、これまでの検討の経緯ももちろんありますし、特に議会においても、これまでいろいろ議論してきた経緯等もございます。したがいまして、そういったことも参考にしながら、しかしやはりゼロからの検討ということでありますので、専門的な、あるいは学術的な、そういった知識を持った方々にきちんと議論をしてもらう中で、詰めていくのがよろしいのではないか、このように考えております。もちろん、新たな博物館のあり方ということを白紙から考えていくわけであります。そしてそれは、県民のいろんな皆さんの考えも十分にお聞きをしていった方がいいと、こう思っております。したがって、県民の意見をどういう形でお聞きをしていくのか、パブリックコメントももちろんかけていかなければなりませんし、その他の方法についても検討をしていきたい、こう思っております。また、議会の方にも検討状況を節目節目でご報告を申し上げ、そして議会のいろんなご意見も頂戴をいたしていきたい、このように思っております。以上のような状況の中で、まずは早いうちに、たたき台みたいなものを作っていきたいなと、こう思っております。

(質)

議会の質問の中では、もっと知事がリーダーシップをとった方がよいというご意見もありましたが、その点に関してはどのようなご感想をお持ちでしょうか。

(答)

個別の問題に限らず、議会の方はそれぞれの意見をお持ちであります。ガバナンスの時代へ三重県は転換をしていこうと、こういうことであります。したがいまして、こういったものについても、やはり県民の皆さん等としっかり共にいろいろと考えていくということが大事だと、こう思っております。したがって、専門的、学術的な委員の方々の協議、これはもちろん大変基本として大事でありますけれども、白紙からいろいろと議論しながら積み上げていく、この方法が私はいいのではないかと、このように考えております。一個人としての思いを、これをやるんだということが、得てして良いことよりも十分でない、そういうことも多いのではないかなと、こう思っておりまして、三重県は、むしろもっと手堅く、しっかりそういう議論をしながら作っていく、ということをしたいと思っております。

(質)

その専門的、学術的な人たちの協議の中でたたき台を作ってもらって、その上で県民が参加して、あれやこれや意見をもらうということでいいのですか。

(答)

そうです。それは、基本的に文化審議会を想定しております。今回、審議会はこれまでいろんな議論をやってきていただいているということ、これは一つあります。ただ、これまでの文化審議会は、どちらかというと狭い意味での文化行政の審議というようなことでありましたから、今回ご議論いただくのは、もう少し広い角度からご議論をお願いする、ということになろうかと思います。今、そのメンバーについても検討をいたしているところでありますが、これまでの委員の方々も、それぞれなかなかの方々ばかりでございます。最終的に、そういう中から決めていきたいと、こう思っております。

(質)

多分、代表質問での議員の質問の意味は、たたき台作りの段階から県民や議員を参加させて、全体的な議論をすべきではないかという質問だったと思うのですが、それについてはいかがですか。

(答)

博物館を議論する場合には、かなり専門的な議論も必要でありますし、それからこの間、県議会の質問の中でも、学術的なそういう側面、これを抜いてもらっては困るというお話もありました。そういうことでありますから、やはり、かなり高度な議論も積み重ねていただいて、それに皆さんの意見をいただきながら仕上げていくという、そういう方法が、博物館の場合にはふさわしいのではないかと、こう思ってます。

(質)

文化振興策の現メンバーで残る方もいるのですね。

(答)

ええ。

(質)

そこへ新たに付け加わる場合もあるのですか。

(答)

基本的には文化審議会でありますけれども、その中に小委員会なり部会なり、そういったものを設置もしなければならないでしょうし、そういった全体の検討のあり方、これは今、検討中でありますので、その上でこれは当然、条例において設置をするというものでありますから、成案ができ次第、報告をしていきたいたいと、こう思っております。

(質)

仮に文化審議会というものは元々、文化振興策のためと言われて去年立ち上げてやっていて、それが継続して博物館もやるという話ならば、仮にメンバーが新しく加わるとしても、そもそも今回の文化振興策の審議会を設置された時に、知事のお考えの中には博物館の構想というのがあったということになるのですか。

(答)

そうではありません。ただ、文化審議会が新しい文化振興策について、先般考え方をまとめられました。その中では、旧来の文化行政の枠を超えて、もう少し広い角度から総合的に行政展開をする必要があるという考え方を附帯してご意見を頂戴した、という経緯がありました。

(質)

博物館をそういう幅広い観点、行政展開というのがあるので、そこは博物館というのもいいのではないかということで、今回、審議していただくという形でお考えになったということですか。

(答)

そうです。どこでご議論いただくのがいいのかなというときに、やはり、そういったこれまでご議論も積み重ねていただいてきたわけであります。そういう意味では、そのメンバーというのは、ご検討いただくのにもふさわしいだろうと、こういうふうに考えております。

(質)

所管が県教委から生活部に移されたというのは、やはりゼロからということなのでしょうか。

(答)

そうです。三重県のこれからの行政全体につきまして、文化力という考え方も政策に反映していこうということになりました。したがいまして旧来、文化という言葉を使っていたよりも、広い意味で政策の中でいろいろと生かしていこうということであります。また、これまでの文化施設であるとか、あるいは生涯学習施設等も、やはり「知の拠点」として県民の皆さんのそれぞれの生き方を高めていく、そういう拠点として今後活用できるように、というようなことを考えてまいりますと、やはり文化というものの取り扱いも、もっと総合的に考えていく必要があるな、こういうふうに思っております。したがいまして今回、博物館を含む今後の施策の展開につきまして、旧来の教育委員会とかそういうことにこだわらない形で検討したいと、こういうことで生活部が主担当でやっていくと、こういうことにしたところであります。

(質)

専門的知識というふうに先程から、議会においても本会議場でおっしゃいましたけれども、今のメンバーの方が良い悪いは別にして、必ずしも専門的知識を有されている方々だけで構成されているわけではないですね。

(答)

専門的というその意味合いは、いろんな、例えば歴史、考古学的なそういったことに詳しいとか、学者的な要素ばかりではなくて、行政のこと、あるいは社会学という広い意味で知見を有しておられる、そういう方々でありますから、そういう意味では今の審議会のメンバーはなかなかの方々ばかりだと、こういうふうに思っております。

(質)

県民の意見を十分に聞くべきだというお考えで、パブリックコメント、それからその他の方法も検討されるということですが、やはりパブリックコメントだけでは不十分だというご認識ですか。

(答)

私としては、パブリックコメントだけではちょっと十分でないというふうに思っておりまして、何かもう少し別の機会も設けていきたいと、こう思ってます。

(質)

知事にとって、県営の博物館の存在というのはなぜ必要なのか、改めてお聞かせください。ご自身のエピソードでも結構ですけれども。自分の人生に博物館が与えた影響でも結構ですし、博物館ってなぜ必要なのか、ということを。

(答)

必要でないというお考えでそういうご質問ですか?

(質)

いえいえ。改めてお聞かせください、ということです。

(答)

それぞれ地域には過去からの先人たちの生活の足跡があるわけです。その上に現在の私たちの生活があるわけでございます。そういう意味では自分たちの先祖やその地の歴史だとか、そういったことについてやはり、三重県というのはこういう県です、ということがよそから来た人にもきちっと見てもらえる、このことも大事なことであります。それから、私たちはやはりその中で、未来に向けていろんな思いを持って生活をしているわけであります。その人々の未来へ向けた創造する、そういった力、こういったものを伸ばしていくような機能というのもあってほしいなと、こういうふうに思います。博物館の設置は、ただ単に公だけではなくて民間でもそういった類のものはあるでしょうし、それから、市や町においても、博物館とまでは言えなくてもいろんな形のものがあります。そういった所としっかり連携、ネットワークを組みながら、より県民の創造力を増していくような、そういう機能の付加の仕方というのもあるでしょうし、これからそういった中身についてはしっかり詰めていってもらおうと思っておりますが、少なくとも博物館というものが必要ないというような考え方というのは、まずどの府県においてもないのではないか、と思います。

(質)

今の博物館というのは収蔵施設が十分でないということがあるのですけれども、専門家とかにたたき台を作っていただくということですが、知事個人の考え方として、そういうものの充実ということは、新しく造るのであれば必要というふうにお考えですか。

(答)

もちろん、そうですね。今、ちょっとここに詳しいデータを持ち合わせておりませんけれども、県が持っているいろんな収蔵物についても、その収蔵する保管場所がなかなかないような状態で、今はいろんな所へ工夫しながら民間にも預けたり、とても収蔵するような場所でないような所でも収蔵していたり、というようなことがございます。それから、新たに例えば旧家が取り壊しになる、したがってそういう中で貴重な文化財があるので県の方で預かってほしいというような要請を受けても、今はとてもそれにお応えできないような状況であります。それから、博物館とは少し違いますけれども、例えば三重県では公文書館、こういったものもないわけで、随分古くから公文書館の必要性というのも言われてきたところでございます。そういう状況の中でありますので、どういう機能、そしてどういう範囲での検討ということについても、いろいろとやっていかなければならないのではないかなと、こう思っています。

(質)

介護事業大手のコムスンの、事業所の監査はもう既に終えられていると思いますが、今後にかけましてのサービスの移管などで、不自由な方が出てくるのではないかという全国的な懸念はございますが、三重県に関しては今どういう状況、それから今後どういう懸念が生じてくるであろうというふうに把握していらっしゃいますか。

(答)

まず、先般から全事業所への監査に入っているところであります。これまでのところ特に取り消しにつながるような、そういう問題はないのではないかと、こういう報告を受けておりますが、実は全体をより精査いたしたいということで、今、引き続き作業をいたしておりますので、この結果については6月25日に健康福祉病院常任委員会が県議会で行われますので、この時には報告できるようにしていきたい、こう考えているところであります。さて、三重県で今、サービスを受けられている方々の状況でありますが、コムスン及び関係市、これは7市ございますが、そこに対しましてその後どういう状況になっているのか報告を求めているところであります。廃止された6事業所につきましては、50名の方がサービスを受けられておられましたが、その中で亡くなられた方がいらっしゃったり、入院中の方、あるいはサービスが終了した方々が5名ほどいらっしゃいますので、残りの45名の方々につきましては、今現在もコムスンからサービスを受けておられる、あるいはコムスン以外の事業者から受けておられる方々など、全員の方が継続してサービス提供をされているということを確認したところでございます。今後につきましては、国の方から新規の指定、更新をしてはならないことや、利用者のサービス利用に支障が出ないよう対応を取ることなどを内容といたします通知が来ているところでございます。県としては、今の施設の更新は平成20年3月には3事業所が対象となるということでございますし、今、コムスンについては国と協議をしながら経営譲渡等のそういった協議もやられているようでございます。県としては、利用者の介護サービスが損ねられることがないようにしっかり指導をし、また今後のことについては、必要に応じて国とも協議をしていきたい、このように考えております。

(質)

個人的な感想で結構なんですけれども、コムスンの介護報酬の不正請求から始まって、ヘルパーの水増しだとかの一連の問題について、これに触れて知事ご自身のコムスンという会社に対するご感想は何かありますか。

(答)

私としては、とにかく違法的な行為をするということ、そのことが結果的に、社会に大変な不安を与え、そしてサービスを受けられている方々にも、全国的に見ても多くの皆さんに影響を与えているところであります。やはり今後は、よりしっかりルールを守って法律を遵守してやっていく、そういう意味で健全な業者がしっかり担っていただく、このことを心から期待いたしたい、このように思います。

(質)

コムスンという会社、その親会社であるグッドウィルという会社も含めて、非常に金儲け主義で福祉を食い物にしたんじゃないかというような指摘も言われていますけれども、その点についてはどういうふうに評価されていますか。

(答)

私としては、三重県も監査をいたしまして、県の全体的な精査をいたしました状況も併せて考えていかなければならないと、こういうふうに思っているところであります。もちろん民間でありますから、経営が成り立つように効率的な合理的なやり方を追求するということは当然あり、そのことはプラスの効果としても求められている、世の中は今そういったことを強く求めているわけであります。しかしそれだけに、実はその事業展開をする法人、事業者等においてはしっかり公正であること、法令を遵守すること、そしてやはりサービスの受け手、こういったものを第一に、一番大切にして事業をやっていく、こういうことが大事だと、こういうふうに思っております。

(質)

民間で介護事業をすることについて、それ自体は別に知事としては非とはされない?

(答)

民間がしなかったら・・・。

(質)

いや、ですから、ある程度公といいますか。

(答)

今まで、公のことで民間ができることは民間にということで、特に福祉サービスのような、どちらかというと行政は画一的になりすぎるものについては、民間の得手する分野でもあると、こういうふうに思っております。ですから、コムスンの例があったから民間は駄目なんだというような理屈は成り立たないだろうと、こういうふうに思います。

(質)

こうした問題が起こる背景に、例えば指定をする、それから監査をするなどのシステムを作ってはいますけれども、制度の構造的な、何か不備とか欠点が誘因したのではないかなと思われるようなことはございますか。

(答)

ちょっとそこまで詳しいことは分かりません。厚生労働省においてもこれを一つの例として、もっと制度的な面を追求されるということがいいのではないかなと、こういうふうに思います。

(質)

久居庁舎への津南署の移転というか改棟というか、あの件というのは、当初予算をお決めになった段階で既に話は決まってたんですか。

(答)

今回の補正予算の方で出させていただきまして、それ以前に正式に決めているということはありません。

(質)

当初予算の段階では、なかったんですか。

(答)

当初予算には出してありません。

(質)

予算は付いてないですけど、年度が切り替わって3月末までの段階で、久居庁舎の話というのはある程度、水面下でないと、いきなり補正で出てきて、というのはちょっと何となく納得しがたい部分があるんですが。

(答)

警察署のいろんな老朽化、狭あい化に対する対応については、考え方としては、これはもう4年前からいろんな状況は伺っているところであります。今回のことにつきましては5月に、補正予算で最終的に査定を行う中で、しっかり議論をしながら決めさせていただいたということであります。

(質)

ということは、5月段階で査定をする中で、最終的に決まったということですか。

(答)

もちろんそうです。

(質)

買い取りなんですか。譲渡?

(答)

いや、あれは県の施設です。

(質)

県施設でも例えば志摩庁舎とかは、志摩市に貸したりしてるじゃないですか。今回の場合は貸すんですか。

(答)

警察署については、県が建てているわけであります。県有の施設です。

(質)

県有に久居庁舎がありますね。そこに警察が移るわけですから。

(答)

同じ県の施設として使うわけです。

(質)

改修とかは、されるんですか。

(答)

もちろんこれは、警察署として使用するのには、また一つの基準が必要でありますから、今後あそこについてはしっかり改装をするということで対応していくことになります。

(質)

県議会の議論の中で、志摩市に警察がないのはなぜだという議論がありますけど、その辺を改めて、感想はありますか。

(答)

公安委員会に聞いてください。

(質)

知事はどう思われますか。

(答)

しっかり議論をされた結果であります。私としては、それでよしといたします。

(質)

津南署の移転で、県議会の中では、警察署の場所というのは地域づくりにも関わることだというご指摘があって、もっと住民の意見とか、事前にもっと周知なども必要だったんでは、という話がありましたが、議論の進め方、久居庁舎に移そうということの内定ということに関しては特に問題はなかったというふうに、知事はご覧になってますか。

(答)

県議会での議論というのは?

(質)

一般質問で。

(答)

一般質問で、あった議論ですか。

(質)

はい。

(答)

いろいろと質問された方の、議員の思いとして、いろいろとあるだろうと、こういうふうに思います。

(質)

客観的に考えると久居庁舎も県有施設ですが、そのまま警察に移管するというのは問題ないという話ですけど、ただ警察は警察で、この前の一般質問の答弁でも一応、国に所管される部分があって、そことのやり取りがあってそれをクリアしないとなかなか表へ出せなかった部分があるというお話でしたけど、その辺、県知事としてもどかしさみたいなのはお感じになってますか。

(答)

行政のいろんな手続きの問題でありますから、したがって今、結論付けたことは突然出てきて決めた話というわけにはなかなかいかない、それはそれまでの経緯の中でずっと説明を聞き、ご相談もしてきた、そういう経緯は当然あります。

(質)

参院選を前にして、参議院の存在意義とか役割について、国会議員の経験のある立場として、知事のお考えを伺いたいんですけど。

(答)

憲法で規定され、我が国はこの二院制というものを敷いているところであります。したがいまして、この議論はなかなか大変な議論だというふうに思います。いろんなあり方が考えられるんだろうというふうに思いますけれども、やはり憲法に決められた二院制がきちっと機能していくという、そのことがまずは大事であろうと、こういうふうに思います。そういう意味からいきますと、衆議院の与党、野党の論戦というものと、それから参議院の議論のあり方というものについては、どうもやはり、党というものがどちらもコントロールが利き過ぎて、参議院の特異性というものが十分でないんではないか、こういうふうなことは随分前から言われてきているところであります。今後、いろいろと議会のあり方について、これは国で議論をされていったらいいと、こういうふうに思います。私ども地方から考えた場合の国会のあり方ということになりますと、知事会でのいろんな議論の中では、国政の中で、やはり国民生活に密着する部分については、大部分を実際には地方行政が担っていっているところであります。したがいまして、地方行政が担うような、そういうものについては国政の中できちっと意見を反映させることのできるような、そういう制度、仕組みが大事ではないか、こういうふうな議論をしてきている経緯があります。私としても、そのことは大変大事なことでございまして、いろんな意見の中には、いわゆる地域代表という形で国の議決機関に入っていってはどうかというような意見もあります。例えばドイツ等では、上院については例えば州知事が構成をして、そして地方行政の立場から、関係のあるものについてはきちっとチェックができるというようなことにもなっているところであります。したがって、今後もしも憲法改正議論というものが本格的に進んでいくということになれば、我々は地方という、そういう立場から国の議会制度のあり方についても意見を申し上げていくということが必要だろうと、こういうふうに思っているところであります。しかし、当面は今の二院制の中で、参議院は衆議院とはやはり持ち味の違う、そういったところをより発揮してもらうということが期待されていると、こう思っております。

(質)

衆議院とは違う役割というのは、発揮されていると思われますか。

(答)

なかなかそれが見えにくいから、いろいろ議論があるんだろうと、こういうふうに思ってます。

(質)

参院選の中で、あえて話には挙がってきませんが、消費税が、政府としてプライマリ・バランスが達成できれば消費税を上げようではないかというような議論もあるようですけども、知事としては今、消費税を上げることに対しては賛成ですか、反対ですか。

(答)

単に消費税というような、そういう側面だけではなくて、これまで国は財政政策を失敗してきたわけであります。その責任をやっぱりしっかり反省しながら、やっぱりまともな、しっかりした財政の再建策というものを考えてほしいと、こう思います。少なくとも、それぞれ政党は人気取りの面もあって、財政出動をこれまで安易に、あるいは財源の手当てのないまま借金を積み重ねながらしてきたという、そういう面がありました。しかもその中には、景気雇用策として、実は効果の非常に少なかった公共工事等も含まれていたわけであります。しかし実は、福祉の問題、高齢者の問題だとか、社会的ないろんなニーズの高まり、これについても財政出動で、あるいは仕組み、制度を変え、やってまいりましたが、そもそもそのサービスをするのに見合った、実は財源確保、税の仕組み、これがないままされてきた、こういう感じがございます。したがいまして、やはりそこのところは人気取りではなくて、しっかり国の財政再建策を国は真面目に考えて、そして国民に、少し厳しい面があってもやはりきちっと提示をしなければならない、こう思います。併せて、実は同じサービスを国が統制的に中央集権的にやるよりも、地方が自らその判断、自主性に基づいて住民と共にやっていく、そのことが今、地方分権の中で求められているところであります。そういう意味では、その生活に密着した部分の行政体に財源をしっかり移譲する、必要な住民サービスに必要な財源を、やっぱりしっかり仕組みとして与えていく、このことが大事でありまして、そういう意味では地方へ税源移譲をしていくということも含めて、この際しっかり国は提示をすべきではないかと、今行われております第二期分権改革の議論、これもそういったところにしっかり立脚して進めていただきたいと思ってます。

(質)

安易に消費税を上げるというだけでは納得はできないということで、ちゃんと考えた上で、国民に財政再建策なりを提示するべきだということですか。

(答)

そうでしょうね。財政再建だけではなくて、例えば年金制度についても、これ程今、国民の信頼を欠いている状況の時はありません。そういう中では、前の会見の時にも少し申し上げましたけれども、私は基礎年金については税方式がふさわしいと、これは国会議員の時から考えておりました。したがって、そういった税方式にしたときの財源、これをどこで手当てするんだと、その場合には消費税がふさわしいんではないかというような考え方、これもあります。したがって、そんなことも含めてきちっと考え方をまとめて出すべきだと、こう思ってます。

( 以 上 )

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