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平成20年10月07日

知事定例記者会見

知事定例会見録

平成19年 6月 5日
       於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目

  • 知事定例記者会見のライブ配信開始について(報告)
(知事)

本日の定例記者会見から、今後、定例記者会見を動画配信するということにいたしたところであります。これからは県政の方針であるとか、あるいは重要施策等につきまして、私の生の声でインターネットの動画配信を使いまして、県民の皆さん方にお届けをしようというものでございます。そして、記者の皆さんとの質疑、やりとりについてもこれも実は生で見ていただくわけでございます。私としては、こういったことを通じまして、より県民に分かりやすい、そういう説明をしてまいりたいと、こう思っております。そして三重県としては、情報公開の質的向上、これを増してまいりたいと、このように考えております。どうぞ記者の皆さんにもよろしくご理解の上、ご協力の程お願いを申し上げます。

2.質疑応答

(質)

式年遷宮のお木曳なのですけれども、この間の日曜日に陸曳が終わりまして、お木曳も一応の区切りがついたかなといったところであります。そのお木曳による一日神領民などの観光客も増加し、そして先日、東京から伊勢志摩地域に修学旅行にみえた学校もあったということで、伊勢志摩観光も盛り上がってきているのかなというふうに見えるのですが、このお木曳を終わってみての知事ご自身の感想、そして伊勢志摩の観光におけるこれからの見通しと言いますか、そういうのをお聞かせください。

(答)

昨年、今年と、お木曳行事がずっと行われてまいりまして、陸曳の方は一応、一段落つきましたけれども、まだ川曳の方はこの7月にかけ行われてまいります。平成25年のご遷宮までの一連の行事の中で最も大きな行事でありますお木曳は、昨年、今年と一日神領民という形で、一般の方々にご参加をいただけるようにしてきているところでありますけれども、大変多くの皆さんがご参加をいただいておりまして、観光という面から考えますと大変喜ばしいことだと、こういうふうに思っております。県といたしましては、このご遷宮、特にこういうお木曳行事もそうでありますが、あと熊野古道の世界遺産登録、こういったことを契機に観光・交流、これをしっかり盛んにしてまいりたい、こういうことで取り組んできておりまして、特に東京方面に対する情報発信を多くやってまいりました。一連の取り組みの成果としては、入込客が増えているという状況からも感じ取れるところであります。まだ、直近の数字は把握をしておりませんけれども、これを契機に、ますます三重においでいただく方々が多くなるということを期待いたしているところであります。

(質)

首都圏からの修学旅行生も訪れるようになったというのはいかがでしょうか。

(答)

かつては修学旅行のメッカ(中心地)というような三重県でありましたが、最近、めっきりそれが減っているという状況でございました。そうしたことから、私が知事に就任しました後、実は修学旅行の誘致ということにも県としても力を入れてまいりまして、例えば東京地区におきましては、県の職員も直接、学校側の方に働きかけをしていく、そのような誘致活動も進めてまいりました。関係の皆さんの努力が少しずつ成果として出てきているのではないかなと、こう思います。そしてやはり、「こころのふるさと三重」というものは、小学校、中学校のそういった子どもさんにも、しっかり直接見て、感じてもらうということが極めて大事なことではないかなと、こう思っているところでございます。

(質)

伊勢神宮への参拝客が増えていく中で、交通渋滞というのが長い間の懸案課題かと思いますが、一部では参宮線が要らないというようなことをおっしゃる方もおみえになるようですが、知事としては、そういう交通渋滞を解消するためには、どういう方策が必要だとお考えですか。

(答)

まず、正月等の特に来客の多い時期、こういった時につきましては今、パーク・アンド・ライドの実施を行っているところでありまして、これは年末年始にかけて、相当大きな効果を生んでいるところでございます。しかし、最近は平素から神宮あるいは伊勢志摩の方へ来られる、そういう方々が極めて多いところでありまして、車で来られる方々が渋滞に巻き込まれるという状況が日常的に、特に土・日にかけて見られるというような点がございました。そこで実は、今年は特にそういったことについて、さらに改善できないかということで、この春、その改善等について検討してもらいました。私の知事選挙が過ぎまして、また再びこの県庁へ登庁いたしましたその時点で、その検討について指示をいたしました。それで今、工夫をしていただいたところであります。例えば、交通案内の標識等についても、適切に車を誘導できるようにする、というようなことをやってまいりましたが、土・日あるいは今年の春のゴールデンウィーク、連休等においても、予想したよりも相当その渋滞は緩和されたのではないか、このように思っているところであります。引き続き、こういった対策については有効な手段をとってまいりたいと、こう思っております。なお、参宮線廃止のことにつきましては、そういう個人的なご意見を言われたということを聞いているところでありますけれども、まだそういった段階の話というふうに承知をしております。

(質)

修学旅行で、かつてのようにある程度集めたいという話なのですけれども、県内の小中学校の伊勢神宮参拝とかが、社会見学とか含めて昔に比べて減っているとか、あるいはそこ自身が全然増えないので、他県の小中学校の修学旅行とかがネックになっているのではないかという話もあるのですけれども、その辺は今後どうされていきますか。

(答)

ちょうどご遷宮等がある関係から、当然、県内の学校等においてもいろんな興味を高めてきているところだと、こういうふうに思います。先般は、津市の小学校の生徒さんがお木曳行事に参加をされたというようなことを、新聞報道でも知ったところでございます。今は、子ども達の興味の範囲も拡がり、また、いろんな教育効果の挙がるものがあります。そういう中で、その選択はそれぞれがやっていくところでありますけれども、ぜひ、県内にある有効な、こういう貴重な資源につきましては、子ども達にもできる限り触れていただく機会を持ってほしいものだなと、こういうふうに期待をいたしております。

(質)

知事の選挙の時の推薦母体である三教組等で、教組が引っかかっているのは、やはり皇国史観における伊勢神宮というのがあったと思うのですけれども、その辺のお話とかはされたことはないのですか。

(答)

特にありません。

(質)

改めて伊勢神宮について、知事はどのようにお考えですか。文化力指針の時には、神宮を抜きにして三重県は語れないというふうにおっしゃったのですが。

(答)

伊勢神宮を語る時には、私は日本のDNAみたいな所だと、伊勢の地は、そしてそれは伊勢神宮に象徴されるものであります。なお、私は伊勢神宮のすごさというのは、意外と承知されていない部分があるのではないかなと、こういうふうに思っております。したがいまして、私が伊勢の地を紹介する時にどのように表現したらいいのかなと、実は少し頭を悩ます点も多いことでございます。しかし最近、どういう言い方をしているかと言いますと、世界で世界遺産と言われるものは本当にたくさんあるわけでございます。しかし、伊勢神宮は世界遺産に登録されている施設とは全く違って、そういう意味での遺産ではないわけであります。文化庁の言うところの、その遺産というものではないわけであります。それは20年ごとに社殿、それから装束、また神宝、こういったものを全く新しく造り替えていくわけであります。しかもそれは、例えば唯一神明造りと言われる社殿については、弥生式当時のそういう様式であると言われておりまして、その古式のままに、実は20年ごとに繰り返し新しく造られていくことになってございます。まさにこれは、世の中の人が世代を通じてつながっていくように、実は伊勢神宮というのは、このご遷宮を通じまして、まさに日本の昔、古式の状況をDNAのごとく受け継いできている、すなわち「常若」、常に若いという字を書きますけれども、その「常若」という言葉に象徴されるものであります。そして実は、神宮に訪れる多くの方々、特にこれは宗教を超えて、世界のいろんな方々が来られて、その「常若」の今も生き続けている伊勢神宮というものに、皆さんは非常に感動を受けられるところであります。私は、まさに日本の最大の、よく使うパワースポットという、そういう表現に値する所、あるいは癒しとしてのヒーリングスポットとして我が国最大の存在だと、こういうふうに思っておりまして、世界広しと言えども、このような伊勢神宮のような所は他には例がないのではないかと、こう思っているところであります。

(質)

政教分離との関係はどう解釈されますか。

(答)

私は、宗教というものと文化というのは、なかなかこれを切り離して考えにくいことだと、こういうふうに思います。しかし私自身は、神宮につきましても、むしろこれを宗教ということよりも、日本で受け継がれてきている精神文化であると、こういうふうに受け止めた方が神宮の存在というのは分かりやすいのではないかなと、こういうふうに思っているところであります。

(質)

さらに今の神宮が、伊勢神宮の、一宗教法人の建物としての神宮ではなくて、精神文化の拠りどころとしての遺産、という言葉は神宮司庁は使わないですけれども、そういう精神文化の拠りどころという捉え方をされているということですか。

(答)

文化というのは、広い意味で私たちの生き様、生き方、そういう全体の状況を指すわけであります。したがいまして、その中でいろんな活動、行為がなされているわけでありますが、その一つとして宗教という側面で捉えることもできるところもありましょう。しかし、それは捉え方によってこれを精神文化だと、こういうふうに捉えて考えていくこともできるかなと、こういうふうに思います。

(質)

かつて三重県がやった東紀州フェスタなどでは、政教分離の批判があって若干修正したり、それから総合文化センターなどでクリスマスイルミネーションを展開したら、それもやはり政教分離の原則に反しているということで、単なるイルミネーションに変えた経緯があるのですけれども、知事が言われる伊勢神宮は日本人の精神の、心の拠りどころだとおっしゃる部分は相容れない、例えばクリスチャンであるとかいう方も多々おられると思うのですけれども、そういう方にもそういう説明で通用できると思われますか。

(答)

先程も申し上げましたけれども、宗教を超えていろんな方が来られて、神宮の偉大さ、その存在というものの意味に感動されるわけです。その多くの方々は、むしろキリスト教であったり、他の宗教の方々も多くあるわけでございます。そういうことを乗り越えた、実は神宮のすごさというものを皆さんに素直に感じ取っていただいているのかなと、こういうふうに私は思っております。もちろん、私ども行政が特定の宗教行為というものを推奨したりとか、そういったことがあってはなりません。したがって、政教分離ということにつきましては、十分に行政としても配慮しながらやっていかなければならない、そのように思っております。

(質)

松岡大臣が自殺されました。光熱水費であるとか、緑資源機構であるとか、いろいろ言われておりますけれども、知事として、松岡大臣のこの時期での自殺についてどういうご感想をお持ちでしょうか。

(答)

現職大臣の自殺という、今までなかったようなことが起こったところであり、私としては本当に驚いた事態だというふうに思っております。大臣という職責の重さからいけば、やはり自らの行為について国民に十分な説明をすべきものであり、最もそういう責任を持っている立場であると、こういうふうに思っております。亡くなられたわけでありますから、その説明を、今はその・繧ノおいて受けるということはできないわけでありますが、国会等の議論等につきましても、やはり説明は十分でなかったと、こう感じておりまして、そういう意味では残念なことであります。亡くなられましたので、故人に対しましてはご冥福をお祈りするところであります。

(質)

ご面識はあったんですか。

(答)

顔はもちろん存じておりますし、かつて自民党にいた時、少しの間同じ党の議員でありますから、そういう意味ではいろんな会合でも顔を見合わせたことはございました。親しく付き合っていたことはありません。ですから、特に2人で会話をしたとか、そういう記憶はございません。

(質)

そんなに近しい間柄ではなかったということですけれども、どういう印象をお持ちですか。性格とか?

(答)

私が存じ上げている感じというのはだいぶ前でありますが、当時まだ新人議員として国会に来られまして、相当目立つ存在であった、あるいはどこでも物おじせずに発言をされると、そういう方でありました。

(質)

目立つというのはどういう?見た目が?

(答)

いろんな所で積極的に発言したり、行動されておられました。

(質)

それが原因かどうかは別にして、一つの要因として事務所経費問題があったんですけれども、国会議員を経験された知事として、事務所経費問題というのはどうお考えですか。

(答)

どうお答えすればいいんでしょうか、そういうことについてはやはりしっかりと説明のつくようにご報告をするというのが当然であると、こう思います。

(質)

知事は国会議員時代に、事務所経費では透明性の確保と、きちんと処理されていたいう自信がおありですか。

(答)

もちろん、事務所でしっかり対応してやっていたと考えております。

(質)

還元水の話が出た時に、それで年間5千万円、ということに関しては何か感じられたものはありますか。

(答)

私に聞かれる質問ではないと思いますが、全く松岡大臣の説明は十分になされていないと感じております。

(質)

年金の問題です。5千万人分とも言われる年金が宙に浮いた形になっているということで、政府・与党としてもいろいろと対応をしようとしているようで、安倍総理も1年間で何とかするというような発言もありましたが、この年金の問題について、県は直接関係ないとは思われますが、知事としてどういうふうにお考えでしょうか。

(答)

年金につきましては、将来のそれぞれ老後設計の基本になるところのものであります。したがいまして国としては年金制度の設計においても、そしてその運用についても国民の信頼をしっかり得られるようにやっていかなければなりません。そういう意味では、今回の社会保険庁のやり方については、やはり国民は大変大きな怒りを感じるのも当然であろうと、こういうふうに思っております。そもそもは国会でああいう議論がなされた上に今回のようなことが出てきているところであります。このような事態はもっと早くから把握できていたはずであります。国会でああいった議論が出てこなければ、今回のようなことが、そのままうやむやにされていった懸念もございますから、そういう意味では、こういうことを契機にしっかり政府において取り組んでいただきたいと、こういうふうに思います。

(質)

県として、国に年金で物申すとか、そういうお考えは。知事会なりで?

(答)

先程申し上げたように、国民の信頼をしっかり回復できるように対応していただきたいと、こういうことです。知事としてあまり個別的な課題に私個人の思いを言うというのはどうかなと、こう思いますから、避けた方がいいのかなとも思いますけど、あえて申し上げるならば、我が国の社会保障は皆保険制度ということで、年金も保険制度でやってきたところであります。しかしながら、いろんな他の社会保障制度、福祉制度との連携、比較からいけば、成熟化してきた我が国においては、やはり年金についても税法式に改めていった方がいいのではないかなと、こう思っているところであります。したがいまして、基礎年金についてはそういった方向を目指していくべきだと思いますが、何しろ今まで保険制度でやってきたものをどうやって移し替えるんだということについても、いろいろ難しさがありますし、一気にできるというものではありません。しかし、年金制度は国民との信頼というものがあってこそ成り立つものであります。したがいまして、今後長い将来の先にわたって国民の信頼がより・bュなるようにすべきで、年金問題についてはしっかり取り組みをしてほしいと、こう思っております。

(質)

関連するかも知れませんが、そういった国民との信頼という面が国民の怒りを招いている結果なのかどうなのか、内閣支持率が非常に下がっていると、これはそういうものかなという印象ですか。

(答)

政府においては、我が国を今後どういうふうに持っていくのか、この国の行方に対して最大の責任を持っているところであります。いずれにしてもしっかり取り組みをいただきたいし、国民にしっかり説明をしていただきたい、そして国民の信頼を高める努力を期待いたしております。

(質)

この時期に内閣の支持率が下がってくると、7月に予定される参院選への影響もかなり大きいのではないかと思われますが、いかがでしょうか。

(答)

やはりいろんな国会での議論、あるいは事件、そういったことがその時の内閣の支持率、人気というものに影響をしてくるということは当然のことでございます。したがって、そういう中でしっかり政府は舵を取っていくということが大事だと、こう思います。また、国会は論戦の場でありますから、民主党等の野党においてもしっかり議論をしていく、そのことが大事だと思います。その上で、選挙で国民は審判をしていくということでございます。

(質)

4月の知事選挙において、知事は自民党、民主党の支援を受けられたわけですけれども、今度の参院選についての知事のスタンスというか、それはどのように現時点でお考えですか。

(答)

私は知事に限らず、市長の時もそうでありましたけれども、特に特定の政党といったことに支持を打ち出すとか、そういうことは避けた方がいいと、こう考えているところであります。したがいまして前回の選挙のことだけではなくて、私自身はかねてから、そういう意味では特定の政党支持という姿勢は打ち出してきていないところでございます。今後もそうしていきたいと考えております。

(質)

三重県議会が、海外視察の制度につきましてこれを廃止することを決めたということであります。今後は海外に視察なり、調査に行きたい議員が政務調査費の中で費用を捻出するという形になるわけですが、この議会の決定について思うところがあればお願いします。

(答)

議会におかれては、より効果の挙がる、また、質の上がる議会活動のあり方というものをしっかり議論していただくことが大事だと思っております。そういう中で、今回海外視察等について、対応を変えられるということでありますけれども、海外視察についての必要性を否定しているというわけではありませんので、より適切な運用のあり方を取られて、議会としての、より効果の挙がる、質の上がるものを目指されるということがよろしいのではないかと、こう思っております。

(質)

今回の決定は評価される?

(答)

議会が決められたことでありますから、私が評価するとかしないとかいうものではないと思います。

(質)

県議会は、海外視察の目的、内容によっては、従来どおりの県議会の議決の対象にして、中身もきちんと合意を得た上で実施するという道も残しているわけですけれども、例えば知事部局で職員の方、それから三役は皆さんもですが、視察に行かれる際に、その妥当性というのをもう少し透明性のあるものにしようとかいうようなお考えはないでしょうか。透明性のあるものに変えていこうというふうな。

(答)

透明性がないと?

(質)

そうではないですが今、実際に内容を決められたりするときに、どのように県民にわかりやすく伝えられる努力をしていらっしゃるかというところと、もし改善の余地があるようでしたら、それも併せて教えていただきたいのですが。

(答)

今程、財政の厳しい時はありません。したがって各部でそういった海外視察等、あるいは海外に限らずですが、経費を執行する場合には、必要最小限そして最大に効果の挙がるような事業から行うというような、それぞれ具体的な中身によって違うのかなと、こう思います。例えば私の場合も、いわゆる企業誘致等でトップセールスに出かけるというようなこともあるわけですが、そういう場合には具体的な固有名詞を挙げた中身まではなかなか明らかにできない、成功したあかつきに報告というような、そういった類のものも中にはございます。したがいまして、部局によってもその目的、狙っている効果、こういったものはそれぞれでございますから、そういう状況の中で当然、大事な県の経費を使うわけですから、適切に、そして透明性に心がけて、しっかり報告できるようにしていく、これは当然のことだと思っております。

(質)

海外視察の数自体は、一時に比べて随分減りましたか。数自体ですとか、かける金額自体というのも、一時に比べて今だいぶ減っているような状況ですか。

(答)

分かりません。集計していませんので。事前に言っていただいたら書類を準備できたのですが。

(質)

附属機関の件です。議員から指摘がありまして、法的根拠のない附属機関、審議会とかいろんなものに関しましては県で見直されました。その結果、かなり経費も削減されたというふうに聞いておりますけれども、まず、見直しをして県費が削減されたということについての知事としての見方、そして今までいくらかかっていてどうなのか、ということが分かれば教えてください。

(答)

附属機関については、これまでやや基準が曖昧であったということはご指摘を受けたとおりでございまして、そういう意味で今回、しっかりその基準というものを見直し、そして整理をしようとしているところでございます。その中で、特に無駄なものがあったのかどうかということについては、例えば類似のものを一緒にするとか、いろんな取り組みでそういった経費が削減された部分もあるかと思います。しかし、必要に応じてこういったものについては臨機応変にしっかりと実践していくことが大事だと、こう思っております。基本的には、そもそも誰のために何のために置くのかということが一番重要であります。もちろん国の法律等、国から必置義務として押し付けられている部分もあることはございますけれども、我々としてはそういった意味では法を遵守しながら、県にとって誰のため何のためにやるのだということに基準をしっかり置きながら対応していくことが大事だと、こう思っております。

(質)

先だって、議会の代表者会議で会期日数の延長ないしは9月議会と12月議会を統合して年間3定例議会というふうな話が出ていて検討に入っているわけですけれども、議会レクとかを含めた職員の負担の心配を当局はされているんですが、議会の今の案について知事はどのようにお考えですか。

(答)

まず、そうしなければならない必然性というものがどこから出てきているのかということについて承知をしておりません。議会改革はいろんな観点で議論されたらいいことだと、こう思っております。今の年間定例会4回ということについては、運用上特にそれが問題あるというふうには思っておりませんし、長期間ということになりますと議会に対する行政側の事務作業量あるいは時間の拘束、それから議会経費の増加、いろんな観点がありまして、それによるメリットやデメリットというものをしっかり出して、慎重に対応を考えていかなければならないのではないかと、こう思います。議会側の議論の推移を、今は注意深く見守っていきたいと、こう思います。

(質)

いわゆる口利きについて、この前の議会で、運用の見直しについて委員長報告の中でも議会側から述べられましたけども、議員の中にはあれで一応、今までの運用というのは終わったというふうに理解している方もみえるんですけども、知事のお考えとしてはいかがでしょうか。

(答)

当初のとおり、厳格にしっかりと運用をしてまいりたいと、このように思っているところであります。特に、いわゆるいい口利きというものについては、議員活動の中でしっかり、いい口利きはやっていただくということが大事だと、こういうふうに思います。特定の個人や企業に利益をもたらすような、いわゆる悪質と言えるような、そういう口利きは、それをしないように当然していかなければなりません。いいか悪いかという判断はなかなか難しいものでありますから、したがってそれは情報公開の対象にして、そして県民が判断できるようにしていく、こういうことが極めて大事であります。いわゆる悪質口利き防止策としては極めて有効な手段であると、こう思っております。したがいまして、今後もしっかり運用をしてまいります。

(質)

ただ、議会側が付帯意見として3月議会で、「早急な見直しを」という一文が付いていますが、今の現行のやり方のまま行かれるのか、それとも議会が付けた条件の「早急な見直し」ということに何らかの対応をされるんですか。

(答)

細かい点のいろんな改善点があれば、これはそういうふうにしていけばいいと思います。ただ、この仕組みの本質的なものというのを変えていくということは、できないことであります。

(質)

今度の近畿ブロック知事会議ですけど、三重県として提案なり要望なり、何か考えていることがあればお話しいただけますか。

(答)

ちょっと今、資料をここに持ち合わせておりません。時間的にあまりあるわけではございません。その中で、これまで連携して、いろんな事業等に取り組んできているところでありまして、そういう意味では報告事項等が相当数ございます。今回の知事会の方で、新しいテーマについて各県から、例えばどういう提案があるかということについては、提案があったものについてしっかり議論をしてまいりますが、やっぱり時間的には、そう余裕はないわけでありますので、数多くというわけにはいかないんではないかなと思います。

(質)

開催県の三重県として、何か提言したいものというのはあるんですか。

(答)

今、新たな提案というものについては、ありません。提案して、皆さんの合意を得られていくというものであればいいわけでありますけれども、今そういうふうな観点でのものというのは特にありません。強いて言うならば、例えばリニアについて、その促進を近畿ブロック知事会としても皆で協力していくとか、そういうことはあるのかなと、こう思います。それから、あとは道州制だとか地方分権だとか、いろいろそういうことについても、昼食を一緒に取りますので、そういった時の意見交換としても、いろいろとさせていただくということかなと、こう思います。

(質)

今、リニアのお話が出ましたが、4月の下旬にJR東海の社長が「2025年開業」というふうに言われましたが、知事としてのご感想と、あと三重県として何か実現に向けた取り組みを加速されるようなことがございましたら、教えてください。

(答)

JR東海が先般発表したことで、リニアについての展開が少し、将来に向けての展望が強く生み出されたということだと思います。国においてはまだ、このことについて結論を出しているわけではありませんけれども、JR東海の先般の意思表明を受けまして、我々としては国土形成計画、やはりこれを明記できないかというようなことで、国に対しても要望活動をやっているところでございます。三重県といたしましては当然、東京圏から中京圏へということをまずやるという計画でありますが、その先、名古屋圏から大阪圏へつないでいく中で、県内を通るルートが考えられるわけであります。したがいまして、全線が早期に実現することを強く期待いたしておりまして、そういう意味では東京~名古屋間の、まずは第一弾の実現を目指して、新たな展開が始まっているということは歓迎するところであります。なお今日の午後、三重県においてもリニアの促進協議会の大会がございます。そこでも、そういった期待感を、会長である私も申し述べたいと思っております。

(質)

国立大への補助金の運営費交付金について、財務省が競争原理を持ち込むということで、三重大の学長が強い反発をされてるんですけれども、この件についてのご見解を伺いたいんですけど。

(答)

政府においては今回、成長力加速プログラムを推進していこうということで取り組まれているところであります。その中には、成長力底上げ戦略であるとかサービス革新戦略であるとか、そういうことも入っておりますが、併せて実は、成長可能性拡大戦略というのを取るということにしております。その成長可能性拡大戦略、これは創造力を伸ばしていこうということですが、その中に大学改革、3つの重点パッケージというのがございます。競争的資金の拡充であるとか、あるいは入試改革であるとか、そしてもう一つが国立大学の運営費交付金の改革であります。私は、最近の議論の状況を見ておりまして、これは単なる、教育予算を財政改革のためにスッポリ取ろうという狙いそのものでやろうとしているのではないか、こういう危惧を持っております。先般、財務省が試算をいたしましたものによりますと、もう地方では国立大学の運営そのものができない事態に追い込まれていくのではないか、それから経済的な成長戦略への大学の成果を求めるあまり、例えば教員の養成をしております教育学部であるとか人文学部であるとか、いろいろ大学によって呼び方は違うかと思いますが、そういう人材育成というようなことに力を入れているものについては、今回の試算等に基づきますと、極めて、より厳しい状況が出ているというようなことでございます。私は、一体何のため、誰のための改革をやるのか、ただ単に経済成長力を伸ばすために大学を一つの片面からだけ見ているということに、行き過ぎているのではないかと、そんな心配をいたしているところでございます。今後、政府の検討状況をしっかり見守っていきたいと、こう思いますが、今心配されるような状況でどんどん過ぎていくとすれば、これは大学の問題というよりも実は三重県という地方の、全体のゆゆしき問題だということで、これはしっかり政府に対して物申していかなければならない、あるいは闘っていかなければならない、こういうふうに思います。

(質)

人材育成とおっしゃいましたけれども、先日、三重大の豊田学長が県庁で記者会見をされまして、その時に声明を発表されたんですが、特に三重県内では医学部について都市部の裕福な家庭の子弟しか進学できなくなり、ますます地域の医療問題を深刻化させるだろうというふうに、学長も非常に懸念されてるんです。そういった中で三重県の医療に与える影響というのも、かなり大きいのかなと思いますが、いかがでしょう。

(答)

言うまでもないことであります。特に今日、医師確保の問題は、地方にとりましては大変深刻な状況になっております。私はやはり、医師は絶対数が足りないわけではない、多過ぎる現状がある、こう言ってきた政府が今日のような状況をもたらしたということは、それは医師の養成と廃止というバランスから見て、その機能を失わせてしまった結果であると、こういうふうに思っているわけであります。したがって三重県としても、県でできる独自の取り組みをやってまいりますけれども、国にも強く訴えかけてまいりたいと、こう思っております。そしてさらに大学改革というものが、運営の交付金を、地方の大学にとって運営できないような状況にしてしまうというようなことがあれば、根こそぎ地方での医師の養成はできなくなるというようなことにもなりかねない状況でございます。十分、今後経緯を見ながら、しっかり県としても取り組むべき大きな課題だと、こういうふうに思います。

(質)

県の危機管理の問題について、知事のお考えを伺いたいんですけれども、先月27日に博物館の外壁のタイルが剥がれ落ちました。去年には外壁の浮きが指摘されて、長い間放置すれば落下することは予測されていたというふうにも聞きました。県営鈴鹿スポーツガーデンの吊り天井の問題では、2年前の調査で調査漏れがありました。県営鈴鹿スポーツガーデンにしても県立博物館にしても、ケガ人は出なかったんですけれども、ひとつ間違えばケガ人は出ていたということで、県の危機管理のあり方、知事は十分だとお考えでしょうか。

(答)

まず吊り天井の問題につきましては、平成17年に調べていたわけでありますけれども、この当時は宮城県で吊り天井が落ちるという、そういう事態があって、それを受けて緊急調査ということで国からも言ってきていたところであります。ただ、吊り天井そのものが、ああいった形で大きな課題として取り上げられたのがあの時からでございまして、その当時は吊り天井そのものの定義、構造、こういったものも十分、分からないという状況があったわけでございます。また、技術的に熟知していない、そういう職員が、結果的に確認を不十分な状況で行ったということでございまして、そういう点では大変遺憾に思いますし、県民の皆さんにはご心配をおかけして、お詫びをしなければならないと、このように思っております。今回、建築技師による現場の確認を実施いたしますなど、早急に対応しているところでありまして、また緊急に対応しなければならないものについても、その対応措置を取ることにいたしているところでございます。今後、状況の緊急度、こういったものもしっかり見ながら、それから吊り天井のいろいろな構造によりまして、どういうふうな強化の仕方がいいのか、そういう工法も含めて今、検討をしていきたいと、こう思っております。博物館の外壁につきましては、ご指摘がありましたように昨年調査をいたしました時点で、壁の浮きがあるという指摘があったと聞いております。教育委員会としては、実は本年から博物館については大規模な修理を当初考えていたということであり、その修理に向けては、その間は大丈夫であろうかなと、そういう専門家の判断もお聞きしていたということでございます。ただ今回、事態が少し変わりましたのは、4月15日に地震がございました。それで外壁の剥がれ部分が、より剥がれやすくなったと言いますか、もろさを高めたということになるのかなと、こう思っております。もちろん博物館については今後、新・博物館構想を検討していく中で、現・博物館についてどういうふうにしていくのかということがあり、これも併せて検討していきますが、取りあえず外壁等については緊急対応が必要でありますので、したがって今度の補正予算の中で、その応急処置についても対応するということにいたしているところであります。

(質)

三重県は大きな地震がいつ起こるとも限らないと言われている中で、博物館については外壁のタイルの浮きが指摘されていて、長い間放置すれば落下の恐れ・烽?るというふうに予測はできているわけですよね。そういった意味では、危機管理は十分ではないというふうにお考えになりませんか。

(答)

その判断基準というのは、なかなか難しいところがあろうかなと思います。一般的な公の建物についても、耐震強度が不足しているものについては、その優先度を判断しながら順次対応していくということであります。そしてまた、そういった耐震化ができていない建物についても、耐震化ができるまでの利用の仕方をどう考えていくのかということについては、いわゆる県民へのサービス提供を行っているということと、それからその施設の使用をどう考えていくのかということを十分考えながら、勘案をしていかなければならない、現に今、地震対策についてはそういう中で進めているところであります。タイル等については、当面まだ大丈夫であろうという去年の判断が今回、地震等によっても変化があったということで、今回ああいう形でその後も崩れてまいりました。大変残念なことだし、遺憾なことだと、こう思っております。ご心配をおかけしましたが、緊急に対応をしてまいるつもりであります。今後とも、危機管理ということは県政上、非常に大事なことでありますので、今後も細心の注意を払ってまいりたいと、このように思っております。

( 以 上 )

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 広聴広報課 報道班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2028 
ファクス番号:059-224-2032 
メールアドレス:koho@pref.mie.lg.jp

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