知事定例会見録
平成19年 5月22日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- 「県と市町の地域づくり支援会議(ブロック会議)」の開催について(発表)
- 「みえチャレンジプラザ」の開設について(発表)
それではまず、「県と市町の地域づくり支援会議」の開催について申し上げます。
お手元に配付いたしております資料のとおり、「県と市町の地域づくり支援会議」を5月の下旬から6月上旬にかけて、4つの地域で開催いたします。現在の地域政策の動向を考えますと、市町村合併の進展や第2期地方分権改革がスタートいたしております中で、国土形成計画や道州制における広域ブロック化への動きにも対応できるような強じんな地域づくりが必要であるという認識を持っております。このため、市町が取り組まれます地域づくりと、県が行います県土づくりとの連携を強化いたしまして、戦略性に富んだ効果的な地域づくりの推進を図るということを目的といたしまして、「県と市町の地域づくり支援会議」を設置いたしまして、県と市町が共に地域の多様な主体が参画する地域づくりについての調査・研究を行い、情報共有を行うべく、県民センターが主催して今年度から初めて開催するものでございます。支援会議は、別添資料にありますとおり、県の地域機関である県民センターと市町が構成員となり、ブロック会議・推進会議・課題会議の3つで構成されております。今回開催いたしますブロック会議では、地域づくりに造詣の深い講師からのご講演の後、市長や町長から忌たんのないご意見をいただくとともに、講師からもアドバイスをいただきながら意見交換を行うことといたしております。また、今回が初めての開催となりますことから、私も参加をいたしまして、地域づくりについて意見交換をしたいと考えております。このブロック会議の後、市町との調整を行った上で、推進会議等を順次開催していく予定でございます。今後、この支援会議を、市町が取り組みます地域づくりを支援し、地域主権社会の実現に向けた仕組みとして展開をしていきたいと考えております。
次に、2点目の「みえチャレンジプラザ」の開設について申し上げます。6月2日(土)、近鉄四日市駅前にございますJA三重四日市ビル6階に、「みえチャレンジプラザ」を開設いたします。少子高齢、人口減少社会に対応いたしまして、豊かで活力ある地域社会をつくっていくためには、女性や高年齢者の社会参画は重要なことでございます。このため、女性や高年齢の方々が自己の能力を十分発揮し、社会参画していただけるよう、総合的なチャレンジ支援を行う拠点として開設するものでございます。チャレンジプラザにおきましては、相談員による面接相談やニーズに応じましたアドバイス、情報提供など、社会参画の実現に向けた支援を行うことにいたしております。こうした取り組みによりまして、女性や高年齢者が生き生きと輝いて活躍する、そういう男女共同参画社会の実現につながっていくものであると考えているところであります。私からの2点は以上でございます。
2.質疑応答
(質)支援会議は、これをやって推進会議に切り替えることになって、今、首長たちでやられている膝づめミーティング等は整理される意向なんですか。それとも、それはそれで続けられる?
(答)「県と市町の新しい関係づくり協議会」というのは、県・市町間の役割の明確化であるとか、市町への包括的権限移譲など、県と市町との関係を明らかにして、分権型社会の実現を目指すというものでございます。膝づめミーティングにつきましては、県政運営の課題等について、私が市長や町長、市町の長と直接対話を通じて相互理解を深めていくものでございます。それから一方、「地域づくり支援会議」でありますが、これは県の地域機関である県民センターが主催いたします。地域が自ら地域の持つ資源を活用して、県民や企業、NPO等多様な主体とともに取り組む地域づくりの先進事例等を調査・研究し、戦略性に富んだ効果的な地域づくりを推進していくために開催するものでございます。それぞれ目的とするところが違います。膝づめミーティングについても、これとは別途開催をしていく予定でございます。
(質)権限移譲の時に、各市町、課長級とかで作っていた会合があったと思うんですけど、それはこれにもう集約されるわけですか。
(答)いえ、これはやはり「県と市町の新しい関係づくり協議会」として、県と市町間の役割の明確化だとか包括的な権限移譲、こういったことについて議論をしていきますが、これは県全体のレベルという形で議論をしていきます。一方、今回これをやることにいたしましたのは、地域政策について議会でもいろんな議論が出されました。そういう中で現実には、県は圏域を越えた、より広域的なブロックというものを意識をした動きを考えていかなければなりません。そういう意味では、より広域的な観点から県土づくりは県域全体を対象としてやっていくのに対して、県域よりも狭いエリアを対象とした地域づくり、これについては住民に最も身近な基礎自治体である市町が行う、その2つの方向で今後地域政策に取り組んでいく必要があるわけでございます。もちろん、県土づくりと地域づくりは密接に関連をいたしておりますから、そういう意味では県は市町との協働・連携をより一層強めていこうということでございます。県域におきましても、南北に細長い、そしてそれぞれの地域の状況がございます。したがってそれぞれの地域において、地域を取り巻く状況の変化だとか、あるいは地域の課題、こういったものを共通認識として持ちながら、地域づくりの方策についてまずは意見交換をし、そしてそれを少し掘り下げ、具体的な検討をしながら、その中で出てきた個別具体的な問題あるいは個別具体的な事業等について検討をさらに突っ込んでやっていきたい、したがって県全体で取り組んでいる「県と市町の新しい関係づくり協議会」とは違って、それぞれ地域の状況を認識し掘り下げ、そしてそれぞれの事業について具体的に県と市町との協力・協働を検討していこうと、こういう場でございます。
(質)議会の特別委員会に、ある程度対立ではなくて対抗的なものという捉え方もできるんですか。
(答)そうではなくて昨年、本会議でのいろんな議論でも幾つか出ていた時に、もう少し地域づくりということについて県の方でもっと関係付けができないのか、関与ができないのか、連携できないのか、こういうご指摘、ご意見がございました。その際にも、私としては今後、工夫をしていきたいということをお答えしてまいりました。今回、県民局がなくなって、地域における取り組みということについては議会でもいろんなそういった議論が出ているところでございまして、今後、今回設けましたこの場を通じて、より市町との戦略的な、あるいは効果的な地域づくりについて協働でやれるものをしっかり取り組んでいきたい、このように思います。
(質)ブロック会議は4つなんですね。推進会議は9つなんですね。
(答)そうです。これは各県民センターで行います。
(質)課題会議も9つですか。
(答)そうです。ただ、課題によりまして組み合わせはいろいろあるかも知れません。例えば、北勢全般で取り組むべき課題だとか、いろんなそれぞれのテーマによって変形はあり得るんではないかなと、こう思っています。
(質)9県民センター、9圏域が前提になると、4ブロックは例えば津・松阪・伊賀だったら最初から同一課題は見えてこないような気がするんです。最初から伊賀は伊賀とか、そういう展望になりそうな気がするんですよ。
(答)県としてはご承知のとおり、今回策定をし、もうすぐに発表できるかと思いますが、次期戦略計画におきましては一応、県の地域での方向性というものを2つのブロックに分けて、北の方は産業支援等を中心にした、そういった地域づくりの方向、そして南の方は観光・文化といった自然を活用した、そういうゾーンということで、2つのゾーン分けをしているところであります。ただ、より個別具体的な課題にということになりますと、それよりもう少し細かく分けたブロックで、まず地域の全体にかかる課題、状況というものを共通認識して捉えていく必要があるだろうということで、4ブロックに分けて開催するということにしたところでございます。しかしその上で、そこから出てきた検討項目等については、その状況に応じて地域をもっと細かく限定した方が良いとかというような、そういったことが出てくるかと思います。そういう意味では、最終的にセンターごとの取り組みもまたできるような、そういう柔軟な考え方でいきたいと、こう思います。
(質)北と南のときに伊賀はどちらなんですか。
(答)伊賀は津・松阪と一緒に、このブロック会議ではまずやらせていただきます。
(質)次期戦略計画の中の産業支援の北と観光・文化の南のときは、伊賀はどちらになるんですか。北ですか、南ですか。
(答)一応ゾーンとしては北の方でありますけれども、個別の、私どもはイメージとしては2つのゾーン分けをしてますが、この地区はどうだと言ったときに、例えば北の方でも湯の山であるとか伊賀であるとか、いろんな所は観光だとか文化、こういったものを地域資源として活用していかなければならない、そういう所であるかと思いますので、そういう個別具体的に地域を限定して言うというのではなくて、表現が2つのイメージとして分けているということです。
(質)じゃあ、津・松阪もそのボーダーなんですね。
(答)どの地域でも、南の方でも、そういう意味では地域の資源を活用した産業の誘致ということも行われますし、いろんなそれぞれの地域においては、地域の課題として取り組んでいくものは各般あろうかなということです。
(質)推進会議と課題会議は既存の会議も活用も良しと書いてますけど、それは?
(答)例えば東紀州においては、既にいろんな形で地域での県民センターあるいは市町が共に入ったいろんな取り組みもなされておりますので、そういう意味では屋上屋を重ねるばかりじゃなくて、既存の形の中で進めているものについてはそういった形で進めていくということも含めているわけでございます。
(質)知事はいつ参加されるんですか。
(答)私はとりあえず今回、これを初めてスタートしてまいりますので、お手元に資料をお配りしているかと思いますが、その中で4回ございますが、4回ともこのブロック会議につきましては出させていただいてスタートを切っていただこうと、こういうことで考えております。
(質)首長のブロック会議自体は今後、年に何回ぐらい想定されてますか。
(答)一応、ブロック会議としては年に2回程度、今のところ考えているところであります。
(質)推進会議、課題会議はもうちょっと頻繁に?
(答)もう少し具体的な検討をしていく場として推進会議がございますが、これにしても、あるいは個別具体的な事業の検討を行う課題会議にしても、その上で必要に応じてやっていくということになります。
(質)チャレンジプラザは、全く県費だけでやるという事業なんですか。
(答)基本的には、国の方で「マザーズサロンみえ」というのが開設されまして、これは女性の就労に向けた支援を行う所でございます。かねてから県としては、女性のチャレンジ支援をどのようにするかということを考えておりましたが、今回、国がこういった形でやりますので、それと連携した形で、県はこの「みえチャレンジプラザ」をひとつ一緒に連携をしながら運営していこうということにしたところであります。
(質)国は、「マザーズサロン」的なものは全国に置くということなんですか。
(答)そうですね、だいたい何カ所、今ありますか。
(答:生活部)国の方は、去年から「マザーズハローワーク」というものを全国11都道府県12カ所で開設していたのですが、その「マザーズハローワーク」がない県においても、「マザーズサロン」という形で全国展開するということになりまして、三重県においても四日市にあります「ハローワークプラザ四日市」の中に「マザーズサロン」という形で開設するということになっております。実際4月に、ある程度の準備はされてるんですが、本格オープンは私どもの「みえチャレンジプラザ」と一緒にということで、6月2日に本格オープンということになりました。
(質)高齢者向けにはどんなことをやるんですか。
(答:生活部)高齢者の方の社会参画へのご希望ですとか、中には再就職という方も多いのかなと思っておりますが、そちらの方もハローワークと連携して対応しておりますので、最終的な職業斡旋も可能になっております。
(質)職業斡旋以外、趣味の世界とか、そういうことには乗らないんですか。
(答:生活部)社会参画という形で、地域活動ですとかボランティア活動ですとか、そういうこともご案内させていただきます。ご自分で仕事を起こしたいという方に対しても、いろんな所のセミナーのご案内ですとか、情報を提供したいと考えております。
(質)常設場所というのは、ここなんですか。JAなんですか。
(答:生活部)四日市の「ハローワークプラザ」がここにあるんですが、ここと同じフロアに開設します。
(質)なぜ四日市なんですか。
(答:生活部)県内1カ所しか開設できないということで、最終的に「マザーズ」とご一緒の方がより連携してやっていけるのではないかということで決めました。
(質)今、「マザーズ」は四日市で開かれてるから、その関係で四日市で開いたということなんですか。
(答)まだこれからなんですけど、国の方も四日市でやるということでありますから、連携した、同じフロアでやっていくということの方が、より効果が挙がるのではないかということで、四日市で開設ということになったわけです。
(質)今後、例えば場所を拡げられるという考えは、今後の検討課題ですか。
(答)まずはこれでスタートいたしていくわけであります。もちろん、圏域は広いわけであります。したがってそういう圏域の広い方々に対しては、いろんな形でここをPRもし、ご認識もいただいて、できるだけここを広くご活用できるようにしていくという形がいいのではないかと思ってます。その後の状況を見なければ、またその後のことについては分からないことであります。今、例えば就労についての数字として、平成18年2月に「男女共同参画に関する県民意識と生活基礎調査」というのを実施しておりますが、その調査では、就労していない20歳以上の女性のうち、「今後働きたい」と回答した女性は41.8%ございまして、これは未就労の20歳以上の女性の総数で計算しますと約13万人に上るということでございます。それから、同じく平成18年3月に実施しました「三重県職業能力開発ニーズ調査」におきましては、「定年後働きたい」と回答した、いわゆる高年齢者が74.4%あるということでありますので、まずはこの人たちの活用を今後できるだけいただいて、有効に機能していくことを期待しております。
(質)いみじくも屋上屋は避けたいとか、重複は避けたいとおっしゃいましたけど、既存のシルバー人材センターとかゴールド人材センターとの整合性はどう取られるんですか。
(答:生活部)年齢的なこともございますし、高年齢者ということで55歳以上から65歳ぐらいまでの方を対象というふうに考えておりますので、そちらの方とは重複はしないのではないかと考えております。
(質)なるほど。シルバーは65歳以上ということですか。
(答:生活部)そのぐらいを対象にされていると思います。ただ、別にそれ以上の方がいらしたら対応しないとか、そんなことはございませんので、こちらにいらした方はこちらで対応させていただきます。
(質)部局横断でやった方が効率が上がるんじゃないですか。要は、部が違うからそれぞれやってるだけの話でしょう。
(質)アリバイで作ってるように見えますが。
(答:生活部)部局横断という形では、関係部局との連携や託児の協力依頼でのシルバー人材センターなどとの連携という部分もあります。
(質)これは、就業だけでなく結構幅広いんですけど、相談員というのはどういうふうな方が何人ぐらい対応されるんでしょうか。
(答:生活部)キャリアカウンセラーの資格を持った方を2名と職員が1名、計3名の対応です。
(質)国は何人?
(答:生活部)国も相談員は3名です。
(質)なぜ国と県が併設するんですか。国だったら国に任せたらいいんではないでしょうか。
(答:生活部)県として女性のチャレンジを支援していきたいという思いがありました。どういう形で具体化していくかという検討の過程で、去年の調査の結果から言いますと、最終的には就業を希望される方も相当な人数がありますということが分かっておりましたので、いろんなご相談には応じるんですけど、最終的に就職を希望するという方があったときに、すぐそばでそれを総合的に支援していけるということで、最終的に就業を希望されるならもうハローワークの方で紹介できますということもあって、いろんな調整の結果、こういう形で開設することになりました。ただ、足りない所もあるかも知れませし、今後、開設してからニーズがまだ他にもあるということがございますので、そちらの方は、足りない所は足していくという形で充実していくというふうに考えております。また、今年度のニーズ調査も予定していますので、そちらの結果も見まして、充実させていきたいと考えております。
(答)チャレンジ支援の窓口としては、いろんなものがあろうかと思いますけれども、国の職業紹介機関である「マザーズサロン」と併設する形で設置するというのは、全国でも千葉県にあるようでございますが、あとはないようでございまして、三重県としても、そういう意味では前向きな形で連携して取り組んでいこうということにしたわけであります。もちろん、就労支援だけではなくて、先程話がありましたように事業を起こしていきたいという起業であるとか、あるいはボランティア活動、いろんな社会活動、こういったものへの社会参画を支援するために設置するということでございます。その上で利便性も増していかなければならないということで、土曜日も開設するということにいたしたところでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
(質)県議会についてなんですけれども、昨日、塩谷氏が選挙違反で逮捕されたということなんですけど、改めてこういう事態を受けて、知事の受け止め方等をお聞かせ願いたいんですが。
(答)私もその連絡を受けまして、本当に驚いたところであります。特に今回、県議会では、合併前に町長をされておられた方が何人か当選されてこられました。塩谷氏についてもそのお一人でございまして、そういう意味ではこれまでの県議会では、そういった方というのはあまり多くはなかったんではないかと思いますし、直近では、なかったように思います。そういう意味では、住民に最も身近な所で、しかもいろんな課題山積の中で合併という難事もやってこられた、そういう町長経験者の方が県議としてお務めになるというのは、非常にまた意義あることであると、こう思っております。したがって一般的な形でありますが、塩谷氏も含め、私としてはそういった方々の県議会でのご活躍というものに期待もいたしていたところであります。そうでありますだけに、また今回、塩谷氏も当選されてまだすぐの段階でありますのに、こういう状況になられたということで、そのことについては残念な気持ちもあります。しかし逮捕されたことが選挙違反に関わることだということでありますので、そのことについては私としてはまた大変遺憾なことであると、こう言わざるを得ません。
(質)塩谷氏は町長経験ということで、知事とも懇談する機会があったということだと思うんですけれども、塩谷氏の印象というか、その辺りはいかがでしょうか。
(答)町長の立場の塩谷さんとは、知事になってからいろんなことで接触やお話もしてまいりました。特に平成16年の秋、豪雨災害がございました。海山町も相賀地区を中心に大変な被害が出ました。当時、町長であった塩谷氏は家に帰らず、夜も役場で陣取って、陣頭指揮を執っておられたわけでありますが、その当時の町長としての行動振りを思い出しましても、非常にテキパキと物事を処理され、また県や国に対してのいろんな連携ということについても非常にしっかり取り組まれ、私としてはなかなか、そういう意味ではその町長としての手腕は非常に高いものだと、こういうふうに思っておりました。
(質)ちょっと事件とは別に、また県議会のことなんですけども、先週、正副議長が決まりまして、各委員会の委員も決まったということで、議会の方も新しいスタートを切ったわけですけれども、これから6月議会を迎えるということで、議会に対する知事の姿勢といいますか、それをお聞かせください。
(答)この度、第100代の議長に岩名氏が就任をされました。そして、桜井氏は101代副議長に就任をされたところです。岩名氏についてはこれまでも2回、議長を務められておりまして、今回3度目であります。最も古い、最長老の議員でもございます。それだけに、県政については非常に知り尽くしておりますし、これまでの経緯についてもよくご存知のところであります。また最近は議会改革につきまして、先頭に立ってそれをリードしてきた、そういう立場でもございます。県政を取り巻く環境は、言うまでもなく非常に厳しい状況の中、また新たな社会現象であるとか、あるいは地域課題、こういったものも出てきているところでございます。そういう中で、県民の負託に応え、しっかり県政を推進していくという立場から、私も今後の4年間しっかり取り組んでまいりたいと思っておりますが、併せて県議会におかれてもそういった課題に、やはり果敢に挑戦をしていただかなければならないところであります。ぜひ車の両輪として、行政と議会がしっかり県民に顔を向けながら、今後もちろん適度な緊張感を持ちながら、しかし県民に対して、一人でも多くの皆さんがそれこそ幸せを実感していただけるような県土づくり、三重県づくりを、しっかり議会とともに進めていきたい、このように思っているところであります。
(質)塩谷さんの件に絡んで、ということですけど、例えば塩谷さんも昨日逮捕され、川越町議も全く別の問題ですけども先日逮捕されました。三重県議会でも前議長の逮捕が前にありました。政治家のモラルがまた問われるのかなと思うんですけれども、知事も政治家として、モラルについてはどういうふうにお考えか、改めてお願いします。
(答)首長であれ議員であれ、地方に限らず国政においてもそうでありますけれども、特に公人たる立場の者については、そのモラルというものは、より厳しく追求されるところが当然あるわけでございます。そういう意味では、もちろん個々の問題でありますけれども、しっかりしたそういうモラルを持って行動していくということが大事であります。もちろんそれは、選挙で選ばれる者は、またそれを選んだ住民もあるわけでありますから、そういう意味では国民、住民も併せて、やはりそのモラルについてはしっかり考えていくということが必要であります。とかく社会全般が非常にモラルがなくなっている、あるいは秩序が乱れてきていると言われておりますけれども、公人にある者はそういう世間の状況に押し流されるようなことであったのではいけないと、こういうふうに思います。
(質)正副議長選の時に少し県議会の中で課題になったんですが、議長の任期を現状の1年から複数年にしようではないかという議論があったようなんですが、その点に関しては知事はどのようにお考えでしょうか。
(答)これは議会の方で判断されるべきことでありましょう。そして、1年がいいのか、もっと長くていいのかというようなことについて、その中で議論としてメリット・デメリットがいろいろあるでしょうから、議会の方がそれこそ議員間同士で十分話し合われて、やはりいい形を追求されていくというのがいいんではないかと思います。
(質)議長就任とかで出てる話で、議会基本条例のさらなる改革を進めていくというところで、次に控えるのが住民自治基本条例、これについては知事部局と協働でやっていかなければ成り立たないものなので、その辺の取り掛かりを始めたいというふうな意向を示されてるんですが、その辺りはいかがでしょうか。
(答)地方自治の将来というものを考えていきますと、今後どんどん変わっていかなければならない、あるいは変えていかなければならない、そういった観点が幾つかあろうかと思いますが、しかし一方では現行法令上の法令遵守という問題もあります。先の議会基本条例でも、そういったことで私と議会との間でもいろいろ議論をいたしました。私としては今後、地方自治が本当に地域主権の社会を実現する中で、しっかり住民に顔を向けて住民サービスをやっていくということのためには、随分変わっていかなければならない点がありますから、そういった課題について共に勉強していくということは大いにいいと思っております。一方で、しかし今日の状況の中でどこまでできるのかという、また一方で非常に、上位法、法律の厳しい状況もあります。そういう意味では、岩名議長が就任におきまして挨拶をされました中で、地方自治法等の必要な改正に向けて、知事や知事部局の人たちと協力して取り組んでいきたいというような意向も示されたところであります。しっかり勉強しながら、そして協力して、やれるものは協力してやっていくと、そういう姿勢が大事ではないかと、こういうふうに思っています。具体的にはいろんな課題があろうかと思います。私は私として、この知事部局の中でも、必要な勉強は積み重ねてまいりたいと、こういうふうに思っております。議会との協力関係も、そういう中で今後議会と話し合ってまいりたいと、こういうふうに思います。
(質)具体的に住民自治基本条例を、議会と手を携えて作ることにはやぶさかではないんですか。それとも、それはちょっと待てと?
(答)自治基本条例につきましては、既にいろんな取り組みもされておりますけれども、やはり今の状況の中では、地方自治法等の現行法令が壁となって、なかなか一歩踏み出せないというのが現状であろうかなと思います。私は特にそのことについてしっかり取り組みをされてきました神奈川県、神奈川県においては松沢さんの前の知事の時に、かなり積極的に自治基本条例について勉強をされてまいりましたけれども、結局勉強をすればする程、その難しさが一方で明らかになっていくというような点がありました。したがって、何のためにやるんだ、誰のためにやるんだということをまずスタートにしながら、そして置かれた状況の中でどういうふうに取り組むのがいいのかということについては、しっかりお互い考えていかなければならないことだと、こういうふうに思います。まず手柄を先に想像して取り組んでいくというのではなくて、やはり地方自治の今の現状では、地道に一つ一つ取り組んでいくということが大事ではないかなと思います。
(質)現実、地方自治法の現行の、ある程度しばりはあるにしても、実際、四日市市は自治基本条例を作ってますよね。ということは、できないわけじゃないんですけども目的がやっぱりはっきりしないということ?
(答)これはいろんな言い方があるかも知れません。自治基本条例がいいのか、法律等があるから中身は大したものではないということならば、憲章として高らかにあり方を謳うのか、というやり方もあるでしょう。ただ、それは何のため、誰のためということを考えていきますと、それがなければできないのか、それがあることによってやっぱり状況が違うのかということも含めて、法律議論と併せてやっていく必要があると思います。私は、やはり地方自治の基本的な問題とすれば、憲法というものがありますが、憲法の中で地方自治の本旨と言われているそのことについても、実はなかなかはっきり規定されているものではありませんから、やはり憲法であるとか、あるいは地方自治法であるとか、そういった法律体系を直していく、このことはまさに地方自治の形を、あり方を変える力を持っていると、こう思います。それがない中で、どこまでやるのかということについては議論があるからこそ、今なかなか、この議会基本条例であるとか、あるいは自治基本条例については、その取り組み姿勢の差が大きく出てきているということが言えるんじゃないかと思います。
(質)議会の側はそういうのを、できれば前に提案のあった二元代表制パートナーシップ会議でしたか、ああいう形に乗せたいという話も出てるんですけど、仮に働きかけがあればそこに乗っかると?
(答)県民にとってプラスになることであれば、これは大いに積極的に取り組んでいくべきことです。実効性の問題だと思います。
(質)県議会の年間の回数ですけど、4回を3回とか、場合によっては通年議会にするとか、そういう議論の検討を始めようということなんですけど、そういうことについて知事のお考えはありますか。
(答)議会は議会の側で、そういういろんな議論をされてますけれども、今、実際のところ県庁の実態として言いますと、議会のために割かなければならない時間、エネルギーはもう相当にきております。したがって、いろんな事務事業を遂行していかなければならない職員にとりましては、議会の負担がこれ以上増していくということはかなり大きな問題でありますから、議会の方がそういうお考えがあるとすれば、よく話し合わさせていただきたいなと、こういうふうに思います。
(質)お隣の愛知県で、拳銃を使った立てこもり事件がありまして、5月に入って全国でもそういう事件が相次いでいますけれども、この銃器に対する対策について知事のお考え、あるいは行政としての対応というのは何か考えていらっしゃるのであればお伺いしたいのですが。
(答)ああいう事件が起こりまして、本当に身近なところでああいう事件が起こってまいりますと、住民の皆さんの不安、本当におちおち子供を外へ出せない、もう寝てもいられないと、家をちょっと出ることも怖いというような、そういうふうな状況に至ります。したがって、あるまじきことだと、こういうふうに思いますが、現実にああいう形が起こってきておりますから、私は法律等でもっと厳しくしなければならない点はするにしても、本来、銃器等は持てないことになっているのでありますから、そういう意味では、その取り締まりやそれを防止する方策というものを、よりしっかり工夫してもらうということが大事だと思います。また、我々行政はもちろんのことでありますが、こういったことが起こらないように住民の皆さんともどういう取り組みができるのか、例えば防犯ということならば、今、三重県においても地域の防犯組織、住民の防犯組織ができて、それが警察等関係機関とも連携しながら、地域の安全を高めようという取り組みもされております。そういう意味では、住民の力というものをより連携させていくということは、銃器等、不法な物を持っている者を早く発見し、早く処置をするとかということにもつながっていくのではないかなと、こう思います。
(質)亀山で震度5強の地震がありまして1カ月経ったということですが、吊り天井の問題とかで改めて調査して、2年前、宮城県沖地震で調査したことが対応が甘かったということが分かったのですけれども、1か月経って改めて、今回の地震の教訓、あと危機管理についてもお考えをお聞きしたいのですけれども。
(答)まず先般の地震については、震度5強ということでありましたが、被害全体としてはまだあの程度であったということで、少なかったことは良かったと思います。しかし、一方であの地震におきます行政での対応等についても、いろんな反省点を持つところでございます。特に吊り天井等の問題がございましたが、平成17年当時の調査については、吊り天井そのものの定義というものも、どうもまだ十分はっきり分からないまま調査をいたしましたけれども、十分な認識がないまま調査が終わっているというようなことが、今回改めて再点検をした中で分かってきたところであります。実は先般、「日本まんなか共和国」の知事会がございましたので、三重県では先般の地震について吊り天井の問題が非常に大きな課題として再調査をやっているけれども、かなり以前の調査で漏れていたところが出てきそうだ、というような話をしておりましたところ、他の県では、やはりそこまで吊り天井のことについて調査をしていないようなことでした。地震が起こって被害が大きければ、吊り天井の話題どころではないという所もあるかも知れませんし、したがってそういう三重県の話を聞くと、吊り天井のことを一つ取っても大変だな、ということを実は話をしていた状況でもありました。やはり機会があれば、国にもこういった安全基準というものをもう少し調査時点でも明確に指示等もしてもらうようにお願いをしていく必要もあるのかなと。先般、名古屋の中部地方整備局長の金井さんが見えましたので、金井さんには私の方から吊り天井の状況について三重県の状況をお話して、国としてもこういった状況が今回の反省として出てきたので、ぜひ国の施策の中にも生かしてもらうところがあったら生かしてほしい、というお話をしたこところであります。それから職員の参集状況についても、参集可能職員に対して約30%強の職員が参集しなかったという状況でありましたので、これについても再度、各所属において研修を行うとか、今後、参集の基準だとか、あるいは参集場所等の見直し、こういったこともこの機会にやってまいりたいなと、このように思っているところであります。いずれにしましても三重県におきましては、危機管理ということは県政運営の中でも最もベースにした重要なことだと捉えているところでありますので、今回の地震におきましてもそれを検証しながら、ぜひ今後に生かすようにしていきたいと、このように思っております。
(質)吊り天井そのものの問題は大したことないと思うのですけれども、要は技術屋さんなどに聞くと、柱のない天井は吊り天井と思えというのは常識だという話もあるし、基準がないにしてもそういう専門性がなかったとか、あるいは行政の発表の中にあれだけ多くの間違いがあると、少なくとも行政への信頼というのが県民は揺らぐと思うんですけれど、その辺の観点からは吊り天井問題をどうお考えですか。
(答)そうですね、今おっしゃったとおりだと思うのです。我々も吊り天井ということについて、今回こういうことがあって初めて、上のフロアに張り付いている天井以外は、少し空間があればほとんど吊り天井と言えるというような話まで聞きまして、例えばこの部屋でもこの上、これはしたがって吊り天井であるわけです。少し認識を改めたところであります。しかしその中で、防災という観点から減災、災害をより少なくするという観点から、どこまで基準がきちっとでき、そして対応していくのか、こういうことが大事であります。我々としても、よりそういった点を明確にしながら、吊り天井だけではなくていろんなものにもそういう考え方を・魔トはめていかなければならないのではないかなと、こういうふうに思います。
(質)あれだけの発表を繰り返す、しかも訂正を繰り返すことによっての、県民への信頼を欠いたということは知事はお感じになってますか。
(答)むしろあのおかげで、私は地震の被害が少なかっただけに、今回、吊り天井ということが逆に大きくクローズアップされて、そういう意味では他の県よりも先んじてこういった課題というものについて対応するということができたのではないかなと、こう思ってまして、そういう意味で一つ一つそれで学びながら前進をしていくという意味では良かったのではないかなと、こう思っております。
(質)前向きですね。
(答)例えば吊り天井と言っても、公の施設で500㎡以上を今回やりましたが、ここなどは揺れたらどうなのかと言われると、それはもう至る所にあるし、個人の家でもほとんど吊り天井だというような状況です。したがって、地震はある程度の揺れがあれば必ず崩壊してくるということがありますから、したがってそれぞれ耐震でしっかり対応してくださいよ、補強してくださいよということを申し上げているわけであります。ただそのことで、騒ぎ過ぎたらこれはもう地震が起こったら必ず起こるのだから、では建物の中に居ること自体が怖いというふうになっていってしまうと。公としてはある程度の基準、500㎡以上という、そういう中でやっておりますけれども、500㎡というのは相当広い部屋でありまして、それ以下の所はどうなのだということになりますと、これはまた大変大きな課題です。したがってそういう意味では、一つ一つどこまでどういうふうに対応していくのかということを、県政としては着実にやっていかなければならないと、こういうふうに思います。ただ今回の反省としては、やはり一度調査をしたけれども、その時の把握が十分ではなかったという、そのことについては県民に対しても申し訳なかったことだと、こういうふうに思います。
(質)昨日発表された関係職員の処分の件についてはそこが、今おっしゃったことが原点にあるということですか。
(答)教育委員会においては、特に調査につきましては、職員自らが確認をせずに委託をしている団体の職員に報告をさせたために、そのために結果的に実は見過ごしたというような、そういったことになっておりまして、そこは管理監督の責任ということもあって、教育委員会が教育長に対して訓告という、そういう対処をしたということであります。県の方におきましては、職員が国の通知等に基づき17年の調査をやったのでありますけれども、十分でなかったという点はありますけれども、職員自らその調査を行ったというような規律違反まではなかなか認めにくいということがありまして、処分にまで至らなかったという点がございます。
(質)行政システムとして、お得意のシステム工学の観点から、何かこれはやはり知っている経験値から「違うぞ」とか、何か今回お感じにならなかったですか。これだけドミノ倒しのようにボロボロ出てきて、元々の基準があいまいというようなことがあるとは思うのですが、でも17年のことは置いておいても、今回にしてもまた調査してもなおかつ訂正が出る形ですよね。というのはやはり、今の県が抱えている行政システムがどこかおかしいとか、そういう感じはお持ちにならなかったですか。
(答)むしろ17年の時に不十分であったことを、再度すぐ確認できたということは、むしろ大変良かったと、こういうふうに思います。
(質)再点検で新たにそういうのが分かってきたわけですけれども、それで予算との関係もあるでしょうけれども、もう少し補強とか要対策とされた所はスピードアップするとか、そういう考えは?
(答)これはその使用している所の状況によってもいろいろあるでしょうけれども、ぜひ重要度を考えて対応をするようにしていきたいと、こういうふうに思います。それから今回のことでさらに気が付いた検討としては、500㎡以下についてどういうふうな対応をしていくのかというようなことも、今後併せて公の施設としては考えていかなければいけないと、こういうことで検討の開始をしているところです。
(質)最近、ふるさと納税のことが取りざたされていますけれども、そのことについてご所見をお願いします。
(答)ふるさとの定義とかいろいろ議論がありますけれども、少なくとも都市に住んでおられる方が、自分のふるさとだと認識している地域に自分の税の一部をぜひ役立てさせたいと、そういうふうな思いでやろうとするこのふるさと納税については、一見、非常にふるさとを思う人たちをくすぐるような、そういう点があるかもしれませんが、私はちょっとした思いつきでそういうことが出てきたのでしょうが、このことが税の本質的な議論を目くらましのごとく隠してしまうと、あるいは本質的な議論を放ってしまって、この議論に走ってしまうということは極めて危険なことだし、むしろ評価できないことだと、こう思います。したがいまして、ふるさと納税とかそういったことよりも、今、国と地方との関係で言えば、第2期の地方分権改革が進もうとしているところでありますから、その中で地方の税源の確保と、それから税収格差ということをしっかり補らまえて、本質的な議論を私は進めてもらわなければいけないと、こういうふうに思っております。とかく消費税の議論を選挙の人気取りのために避けてしまうというようなこと、あるいは経済界からの反発が強いからというようなことで、法人関係税について議論をまともにできないというようなことがあっては、これは困るわけであります。私は、これは全国知事会でも言っているところでありますけれども、国と地方の税源配分についてまずは1対1にすること、現状は6対4であります。これを4対6にすべきだという議論がありますが、これも実は税の再配分を考えると、いわゆる格差是正等に再配分で補っていくということを考えると、4対6も危険な議論でありまして、まずは1対1にする、そのために税の偏在性が少ない消費税を地方税に差し替えていくとか、あるいは税源の偏在性が非常に大きい法人関係税を見直すというようなことで税収格差の是正を行う、こういった本筋の議論、これをしっかりすべきでありまして、むしろふるさと納税といったようなことで、そっちの議論を怠るということがあったとすれば、私はそのことの罪の方が大きいのではないか、このように思います。
(質)法人関係税が見直されると、三重県にとってどうですか。
(答)まずは、国と地方との関係ということを基本において議論をしていくべきことだと思います。三重県にとって都合がいいとか都合が悪いというのは、その次の話なのかなと思います。ただ法人関係税につきましては、ちょっとここに数字がありませんので恐縮ですが、全国の中のシェアでいきますと、三重県がプラスになるのかプラスにならないのかということについては、微妙なところなのだろうとなと、こういうふうに思います。しかし、それはいじり方ということでありまして、例えば、私も法人関係税については今現在、従業員数と事業所数で実は分割基準が定められており、それで見直されているところであります。これを例えば、国税にもう少し比率を大きくするとか、あるいはこの分割基準を見直してはどうだという考え方もあります。分割基準で見直すということになりますと、例えば事務所の面積であるとか、あるいは設備投資額、こういったもので配分をするというようなこと、こういったことを考えてやっていくということは、例えば地域によっては地域で自治体が道路を、あるいは下水道、あるいは工業用水、あるいは排水処理、いろんなことで行政として対応をしています。そういう観点のいわゆる税の応益原則にも、より現状よりも添うような形の分割基準の見直しというのも検討されていいのではないかなと、こういうふうに思います。そうしますと、企業誘致等のインセンティブも残したまま地域の偏在、都市との格差ということについてももう少し是正されていくのではないかな、こんな感じもします。
(質)ふるさと納税は、選挙目当てという点が強いというふうにお感じということですね。
(答)この時点では、そればかり強調すれば、やはり私としては税の全体の議論というのを見えなくしてしまうのではないのかなという危惧を持ちます。
(質)地方の医師不足解消のために、国が研修医の受け入れを拠点病院に限って、へき地勤務を義務付けるというような案も出ておりますけれども、知事はそれに関しては評価なさいますでしょうか。
(答)私は今、医師の偏在、地域における非常に不足状況がきている、こういったことについて一つの効果がある方法だと、こういうふうに思っております。実は明日、三重県においては、平成20年度の国の予算編成に対する提言・要望活動というのを行います。その中で重点的な項目として、5つの項目について私自身が直接各省庁等に出向きましてご要請をしてくることにしておりますが、その中の一つに医師の不足、配置偏在を是正する施策の推進ということを挙げているところでございます。その中で、私ども三重県からも、医師の不足する地域あるいは診療科等での一定期間の従事を義務化するといったような形での地・謨ユ在の解消を促進する抜本的な方策の検討をしてほしいということや、あるいは産科・小児科等において病院の勤務医を確保するためには、やはり業務実態を反映した診療報酬体系を構築してもらう必要がある、というようなことでご要請をしてくるということにしておりまして、私どもの行政の内容にもそぐう一つの方向ではないかなと、こう思ってます。
(質)先程の岩名議長のところで、地方自治法の関係で岩名議長が不備な法律の改正をおっしゃったのですけれども、知事としては同じ意見ということでよろしいですか。
(答)地方自治法について、いろいろ問題点があるということはそのとおりであります。ただ、思考過程としてどういうふうに考えていくのかということですが、これぐらい抜本的に今、国と地方との関係を変えていこうという議論が進められようとしているわけです。少なくともそういった中で、道州制の議論まで出てきてもいるところであります。したがってその中では、地方というものをまず憲法の中でどういうふうに位置付けられていくのか、位置付けていくのか、そして、あるべき地方の姿としてどういう姿が望ましいのか、こういう時でありますから、白紙の状態から考えていく必要があるのではないかなと、こう思います。こういうふうな今のような、いわゆる大統領制に近いような首長制と呼ばれている中での二元代表制というものなのか、あるいは国のように政党と行政とが一体化したような議院内閣制というような形でいくのかというような、基本的なところまで議論をし尽くしていく必要があると、こういうふうに思いますから、単に地方行政法だけではないということが言えます。ただ、そうは言いながら、細かい一つ一つの点ということになりますと、その一つ一つの点をまず改正を勝ち取っていくということは、これも一つの手法でもあろうかと思います。
( 以 上 )