知事定例会見録
平成19年 5月 9日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- 三重県経済交流団の中国渡航について(報告)
4月25日(水)から4月27日(金)までの3日間、中国河南省へ出張してまいりました。本日は、この出張の報告をさせていただきます。今回の河南省訪問は私にとりまして2年ぶりでございますが、鄭州市内の鄭東新区という、黒川紀章さんが設計をされた新しい新都づくりが行われている所でありますが、ここにおきましては高層ビルの建設、あるいは道路等のインフラ整備が急速に進んでおりまして、こういう代表的な状況も見まして、河南省の目覚ましい経済発展というのを改めて実感したところでございます。また、今回参加をいたしました第2回中国中部投資貿易博覧会でございますけれども、これは中国政府の中部勃興戦略の一環といたしまして、中国の商務部など行政部門及び中部6省の人民政府が共同で開催する大規模な博覧会でございまして、約3,000社が出展をし、参加者は3日間の開催でありますが約4万2,000人とのことでございました。この博覧会に参加をいたしまして、目覚ましい経済発展が続く中部地域が、国内外から大変魅力的な投資対象の地域と認識されているということがよく分かりました。今後とも、三重県と河南省との経済交流を進展させていく必要性というものを、強く実感いたしました。なお、今回の訪問におきましては、李成玉省長から河南省でも環境保護が重要な課題であり、中央政府の規制も厳しくなっておりますので、日本の優れた環境技術について学ぶなどの交流をしたいという申し入れを受けました。三重県には、ご承知のとおりICETT(国際環境技術移転研究センター)という機関がございます。環境技術について優れた取り組みを行っておりますので、こういったところを中心に、これまで以上に協力をしていきたいとお伝えをしたところであります。一方、経済面では、河南省の経済が目覚ましく発展をしております中で、三重県内企業の中国進出が増えているというようなことを考えますと、相互の経済交流をより一層発展させていくことが必要と考えております。そのようなことから、今年の適当な時期に、河南省からの訪問団を三重県に派遣していただくよう、李成玉省長にメッセージを送りたいと考えております。そして、その訪問団に、県内企業の視察でありますとか、河南省の経済情勢等についてのプレゼンテーションを行っていただきまして、中国進出を考えている企業への河南省からのPRや、あるいは相互の産業・経済の理解を深めていきたいと、こう考えています。また、今後一層の発展が期待されております、中国中部地域で開催されます中国中部投資貿易博覧会でございますが、これは三重県をPRする良い機会でございます。そして、相互の経済発展にもつながると考えられますので、次年度以降、まだ6省の中でどこで開催されるかというのは決まっておりませんが、河南省を通じまして展示ブースへの参加の意思を伝え、これについても検討していきたいと、こう考えております。さらに昨年、三重県・河南省友好提携20周年記念式典におきましては、記念品として、三重県の萬古焼と河南省の鈞磁(きんじ)、鈞磁というのは中国の5大磁器の一つでございまして、北宋・徽宗(きそう)の時代、今から約800年から900年前程の宮廷用の磁器を焼いていたという、許昌(しょうしょう)という市の鈞台付近に、これは官窯が設置されまして、そのことから鈞磁あるいは鈞窯(きんがま)というように呼ばれるようになったということでありますが、その鈞磁と三重県の萬古焼との交換を行ったわけであります。そこで今後、陶磁器産業におきます人材、技術、デザイン、こういったものの交流を促進をしていきたいと、こう考えているところでございます。なお、27日につきましては、午前中に鄭州市水道局の水道設備工場を視察いたしました。そして、その日の昼に鄭州から日本の方に帰国をしたということでございます。
2.質疑応答
(質)特に、商談とかいうのはなかったんですか。
(答)商談と言い切れるものではないと思いますが、ただ、一緒に参りました三重県食品産業振興会の会長、それから三重県中小企業団体中央会の副会長それぞれ、中国河南省に対するさらなる投資に、大変意欲を燃やされておりました。例えば三重県食品産業振興会の山崎会長の方からは、既に鄭州の方に工場進出をされているわけでございますけれど、そこで新たにニンニクの製品を開発し製造をやろうという話が新たに起こってきていたり、三重県中小企業団体中央会の副会長の佐久間さんは、ご自身が油の搾り機で特許を取っておられて、日本でもほとんど佐久間さんの方が製造機械について占有しているという、非常に中小企業では代表的な、特異な会社でございます。それで中国へも既にいろいろ機器の輸出をしているということでありますけれども、今後河南省においても、中国で一番のゴマの産地でもありますので、ゴマ油を搾る機械等で、今後中国進出ということについてもご検討をされているという、こういうご意思を中国訪問の中でお示しされていました。今後こういったお話も進んでいく可能性があると思います。なお、まだこれからでありますけれど、先程申しましたように、今年適当な時期に河南省から三重県に訪問団を出していただくよう、李成玉省長にメッセージを送ってまいりたいと、こう思っております。それにつきましては、ちょうど秋、11月に三重県ではリーディング産業展というのをやっております。今年のこのリーディング産業展のこういう機会に河南省から経済交流団を受け入れるということができましたならば、県内企業の視察であるとか、あるいはこのリーディング産業展の会場で河南省の紹介をしていただく機会と、こういうことにもなりますので、こういう機会を捉えるということができますれば、相互の経済交流の発展にさらにつながっていくのではないかなと、こういうふうに考えているところでありまして、そういう意味では今後さらに具体的な商談等がここから発生してくるという可能性があるのではないかと思っています。
(質)相手の企業なりがこちらへ来られるとかいう話はまだないんですか。
(答)向こうからのこちらへの進出というようなことについては、企業関係では具体的に今起こるような、そういう感じは受け取れない状況であります。ただ一方で、ご承知のとおり中国でも、旅行についての規制が非常に解かれてまいりました。民間の団体関係については既に中国全土、日本への旅行ができるようになってまいりました。河南省だけの人口も9,000万人と、中国で最も人口の多い省でございまして、今の経済発展ぶりからいきますと、そのごくわずかの人達が日本訪問をしてくるということになっても大変な数になろうかと思っております。したがって三重県としても、今後はそういったことにも力を入れてまいりたいなと、中国の旅行訪問団、こういったものを受け入れられるようにしていきたいと、こう考えております。
(質)県として力を入れられるために、河南省現地にスタッフを送るだとか、事務所を設けるだとか、何かしら将来的にそういうことも必要だな、というお考えはありますか。
(答)今現在、県の担当部と河南省政府とは、必要に応じて連絡を密に取っている状況であります。今の時点でそういったテナント等で実際に向こうに現地事務所が必要であるというようなことは感じておりませんけれども、今後、状況次第でいろいろ一番効率的な、また経済的にも効果が挙がるような、そういう方法というのは適宜考えていけばいいのではないかなと、こう思います。
(質)知事としては河南省の産業のどんな分野に、三重県との交流が進展できる要素があるとお感じになっていますか。
(答)河南省はあらゆる点で今、産業発展を生んでいますから、そういう意味では業種が特に限定されてということではないと思います。ただ三重県側にしてみれば、やはり三重県に拠点を置く企業、特にそういう意味では三重県の場合は中小企業関係が多いわけです。すばらしい技術を培ってきた、そういう技術を今後、河南省の経済発展の中で生かしていこうというのはいろいろあるのではないかなと、こう思います。そういう意味では今後、向こうからの訪問団を受け入れ、そしてこちらの県内企業の方々と接触を深めてもらうということで、いろんなチャンスが拡がっていくのではないかなと、こういうふうに思っています。
(質)それは、三重県の企業が河南省に進出をする場合に、友好関係にあるということもあって、何かしら進出に当たって優遇措置を取ってもらえるようなことを県としてお願いしたいとか、そういうことも含まれてきますか。
(答)もちろんそういう、行政としてお願いをしなければならないような状況というのがあれば、していったらいいんじゃないかなと思います。向こうもかなり熱心に誘致というのは考えているところでありますので、そういう意味ではいろんな優遇的な措置というのがあるのではないか、例えば工場を造るということになってもその工場用地についてそれぞれの省内の市等からの譲渡を受けるとか、あるいは貸してもらうとか、そういう方法もあるでしょう。それからもう一つ、例えば向こうの企業との提携で技術移転等をやっていこうというケースの場合には、向こうの適当なしかるべき企業の紹介だとか、そういうことは河南省政府としてもいろいろお骨折りいただけるのではないかなと、こう思います。
(質)北京オリンピックも間近いですけれど、そういう雰囲気は河南省みたいな地方でもあったんですか。
(答)とにかく中国の目覚ましい発展ぶりからいきますと、例えば上空、飛行機の中から河南省鄭州へ行く状況、少し雲があったり見えにくい所はありましたけれども、見ているだけでも建設中の高速道路がどんどん延びているというのが見えました。それから、鄭州~北京間は列車で少し昔には18時間かかったそうであります。それがつい最近、鄭州~北京間を4時間で結ぶ高速鉄道が今、開設されているということでございまして、あらゆる点でその発展ぶりが見えるところでありまして、これらはやはり北京オリンピック開催等もあってさらに拍車がかかってきているのだろうなと、こういうふうに感じました。
(質)2年前とも鄭州はだいぶ違うんですか。
(答)その高速列車もその時にはなかったです。まだ最近のようです。それから冒頭の報告の中で、鄭東新区のことを申し上げました。黒川紀章さんが設計されて建設が始まっていたわけですが、2年前は全く土ぼこりの中で、ビルの建設等もニョキニョキと工事が始まっているというのは見えたんです。ところが今回行きましたのは、その工事をやっていた近辺はまずほとんど完成してきているということです。この新しい鄭東新区全体の開発というのはまだまだ、10年近く完成までかかるようでありますけれども、これができ上がりますと、人口150万人もそこに生活するという、一大都市がポコンとできあがるというものでありまして、少し国内の開発等のイメージでは考えられないようなことが中国では起こっています。それからレセプションの時に、私の隣に安徽(あんき)省の省長が来られまして、安徽省の省長さんに「河南省でこういう大きなプロジェクトが進んでいるが、安徽省でも行われているのか」と聞きました。そうしましたところ、規模はこれ程ではないけれども、やはり安徽省でも今やっている、どうも各省長はこういった開発をどんどんやっていますし、河南省では何もこの鄭東新区だけではなく、幾つもこういう大規模な開発が進んでいるということでありまして、驚くと同時に、少々空恐ろしいことだなと、中国は今、大展開をやっているということがありました。
(質)冒頭の、環境保護のところをもう一度改めて、どうされるとおっしゃいましたか。
(答)環境保護については、最近中国政府が環境の規制を厳しく言い出してきているところであります。たまたま、李成玉省長とお目にかかりました時に李省長の方から挨拶の中で、わざわざ環境問題について触れられまして、三重県との協力関係の中で特に環境技術について交流したい、学びたいと、こういうふうな申し出があったところでございます。したがいまして私の方からは、それについてはICETT等の優れた取り組みを三重県ではやっているところであります。そして旧来からも環境問題については研修員の受け入れであるとか、あるいは職員を派遣いたしまして研修会や向こうの現況調査をやるとか、こういったことをやっていますが、今後もこういったことについて、向こうのご要請も強くありますから、三重県としては協力関係の中で成果の挙がるような、そういう態勢を取っていきたいと、こう思っています。
(質)メッセージはいつ頃までに送られるんでしょうか。
(答)今ちょっと検討しているところであります。この間訪問いたしましたので、その簡単なお礼状をまずは出させてもらおうと、こう思っております。その上で河南省政府と三重県とで少し実務的に連絡調整を取り合いながら、大体こういう形がいいのかなというようなものを少しイメージしまして、その上で、私の方から李省長に知事としてのメッセージを出すというようなことがいいのかなと思っております。
(質)今年のリーディング産業展は、もう日にちは決まっているんですか。
(答)はい。今年は11月9日から10日、金・土でありますけれども、この2日間で「リーディング産業展みえ2007」を四日市ドームで開催する予定になっております。
(質)ここに来てもらいたい、というのが三重県としては一番狙いにしたいと?
(答)私としては、このリーディング産業展では三重県の中小企業も含めた優れた県内企業の技術、製品等が展示されます。したがってこれらは中国の訪問団にも大変興味あるものばかりではないかなと、こう思っております。また、県内企業にとりましては、あの場は今、企業のマッチングの場としても活用されてきております。昨年も、あそこで相当数の企業のマッチングの商談会が進められました。したがってこういう所に訪問団においでいただくと、河南省のいろんな企業、あるいは事業等との提携話というものが出てくる可能性、これは非常にあるのではないか、そういう意味では、こういうリーディング産業展あたりにおいでいただくというのはより有効なチャンスなのかなと、こういうふうに考えております。
(質)友好を深めたり交流するのはいいんですけれども、昨今、例えば中国産の犬とか猫の餌で犬猫が大量に死んだりとか、かつては農薬問題もありました。先程言われた環境、公害問題も大量発生するでしょうし、そういうことで無条件に交流とかはできないと思うんですが、その辺のことはどう考えていらっしゃいますか。
(答)今回、李成玉省長から環境問題についての発言があったのも、中国政府そのものが国際社会における中国の評価、やはり経済発展等をしてまいりまして、国際社会に占める影響と国家の信頼度、こういったことに関して、環境問題についてももっと力を入れていかなければ国際社会になかなか受け入れがたい点を残していくということがあって、最近非常に厳しい規制も打ち出そうとしてきているわけであります。昨今いろいろな食品とか、あるいは薬に関しても、問題、トラブル、こういったものも報道されているところであります。そういう意味では、中国政府のより一層こういったことへのしっかりとした対応が期待されるところであります。国内の企業につきましてはそれぞれそういったリスクというものについて、十分にそれぞれが対応を考えながら、それぞれの商売の中で対策を取っていくというふうに考えているところでありまして、そういう意味ではそれぞれがしっかりこういったリスクの問題については対応していただきたいと、こういうふうに思います。
(質)中国への進出に関して、知事の展望というか、県内の企業進出の展望みたいなお話が出ましたけども、実際のところ中国というのは第1次進出が終わって、大手は今、ベトナムとかマレーシアにどんどんシフトする形になっています。第2次進出の形態が出てくる形になりつつあります。具体的に、例えば中国進出したいと考えている企業がどれぐらい三重県内にあるか、というのをまず県で把握されているのかなということと、それから向こう側、鄭州側が具体的にこういった所に来てもらえたらいいな、みたいな話があって、それで今度の四日市ドームのリーディング産業展などで、具体的にこういった物を見たい、みたいな話が起きているのか、その辺があればお願いします。
(答)前段でおっしゃったことについては公式なものでは、ないと思いますし、今、現在も大企業がまだどんどん中国に進出をしております。したがってインドであるとか、あるいは東南アジア、これはそれぞれの戦略等の中で考えられることであります。少なくとも、中国について第1次が終わったとか何とかというような、それはあなたのご認識であろうかと思いますが、一般的に私としては、だからという受け止めはできない話であります。それから、例えばブリヂストンタイヤが天津の近くに大きな工場を出しまして、そのゴムの最終工程での水分を搾り出すのに、先程言いました佐久間さんのところの油搾り機が使われているということで、今、進出してその機械が動いているということであります。いろんな中小企業の持っている技術というのは、日本から進出する企業もそうですし、それから中国のいろんな企業にとっても、喉から手が出る程ほしい技術というのは相当いっぱいあるのではないかなと、こう思います。ただ、まだそういったことについて、これからいろんなマッチングをしていく中で、どういうものがあるのかというのをそれぞれ企業で見つけていただかなければならないことだと思います。中国への進出を前提にした三重県内の調査を今、現在しているわけではありませんが、今後中国の訪問団等が参りました中で、そういったことについて、より具体的な進展が見られる状況というものがあれば、行政としてもそういった把握をしていった方がいいのかも知れません。今の時点ではまだ、そういったことについても、どうするということまで決めているわけではありません。
(質)この訪中は、いつ頃計画されて、なぜ行かれることになったんですか。
(答)これは既に、この訪中についてご報告を申し上げた時に言いましたが、私はちょうど選挙がございました。もちろん選挙前からご案内があったわけでありますけれども、向こうから、省長からの非常に強いご要請があるということを伝え聞いておりましたので、選挙が終わりました翌々日、10日に登庁をしましてから、この問題についても担当部と打ち合わせをいたしまして、ならば出る、という前提で少し準備しようかなということで検討を進めました。そして発表させていただいたということであります。
(質)5月18日に全国知事会があるそうなんですが、知事会長選についてはどうお考えなんでしょうか。
(答)前回の記者会見でも申し上げましたが、選挙についてはこれからであります。昨日、福岡県の麻生知事が立候補を表明されたということでありますが、あと、他にどういう方が出られるのか、ということも承知しておりません。したがいまして、今の段階でどうするということを申し上げる状況ではありません。ただ、麻生会長については前回申し上げたとおり、これまでの2年間、梶原会長の後を受けて全国知事会長として取り組んで来られましたが、いわゆる対立候補でありました増田さん(前岩手県知事)をまた分権改革等の一番の責任者に据えて、コンビとして取り組んで来られまして、無難に着実に取り組んで来られたのかなということついては評価をしているところでございます。
(質)知事会長というのは、申し合わせで何期以上とか、そういう決めごとはあるんですか。
(答)ないです。
(質)1期でもOKなんですか。
(答)はい。
(質)知事ご自身が知事会長選に出られるというのは?
(答)全く意識の中にありません。
(質)前回は、片山前知事とか増田前知事が自分としては望ましいんじゃないかということで、実際に片山さんは出られませんでしたけど。確か推薦人にもなられたんじゃなかったですか。
(答)増田さんのね。
(質)ええ、それで今回は、知事ご自身としてはどの方が出れば望ましいとか、そういう方はみえないんでしょうか。
(答)特に思いつく人はありません。
(質)今回は石原さん(東京都知事)は出られるという動きはあるんですか。
(答)知らないです。
(質)前回はありましたよね。
(答)前回少しあったわけですけども、今回は聞いておりませんし、出られないでしょうし、出たら私は反対します。
(質)なぜですか。
(答)やはり東京というのと、東京という立場は他の府県とは状況も違うと私は思うんです。それから東京問題という、言ってみれば是正をしなければならない当事者が全国知事会のトップとして行動していくということは、これは期待されるものはない、プラス面もないと、こう思います。
(質)知事の耳に入っている情報として、誰か立候補されるという、そういうのは全然ないですか。
(答)...。
(質)地震関連ですけども、その後、伊勢の県営体育館の吊り天井が落ちたり、関連があるかどうか知りませんけど、松阪で天井の物が落ちたり、地割れ等々、それから危険箇所の調査も済んで、14カ所あったり、3カ所緊急を要するものがあるんですけども。例えば南伊勢町で国道沿いの崖が崩落してるんですけども、多々、危険に変わりはないわけですよね、差し迫っている危険があると。それに対して、緊急に知事として指示されるようなことは何かありましたでしょうか。
(答)まず、今回起こりました地震の関係についてでありますけれど、鈴鹿スポーツガーデンの吊り天井が落下したというような、ああいったことがございましたので、すぐさま県営施設については現在、調査・再確認をさせているという状況でございます。これにつきましてはなるべく早く、この調査・再確認作業をやりまして、結果がまとまり次第、皆さんにも資料を提供していきたいと、こう思ってます。実はこれにつきましては、平成17年度に調査をしたわけでありましたが、その調査対象の中にも鈴鹿スポーツガーデンとか、あるいは他にも県営競技場であるとか、入っていない所がございました。今回はもう一度、17年に調査しました所をきちっと再確認しながら、その調査結果をまたご報告申し上げたいと、こう思います。なお、県営総合競技場の体育館の天井の問題でありますけれども、これはこの調査の全体の中でご報告するつもりで今、進めてまいりましたが、実はその調査におきまして、アスベストを含有している可能性がある吹き付け剤が使用されているということが判明したために、これについては個別に27日に発表させていただくという措置を取ったということでございます。それから、この吊り天井以外にも、先程お話がありましたように、山腹の亀裂であるとか、いろんな危険箇所等が心配されるところであります。したがいまして今回、そういった危険箇所の点検を行ってきたところでございまして、対象となりました1,094箇所、これについては震度5弱以上を記録した地域の土砂災害危険箇所でございますけれども、この中で応急対応等が必要な箇所が3カ所、それから再点検が必要な箇所が11カ所判明したところでございます。しかしながら、実は震度5弱以下の所でも、津市におきまして中村町で山腹の亀裂が起こり、その後、一部土砂が崩落してきたというようなことがあって、緊急対応をしてきているところでありますけれども、こういう箇所もいろいろと現実にはあると思います。今、実はこういう土砂災害の危険箇所につきましては、県内で約1万6,000箇所ございます。したがって、これらについては全てを把握できるというのはなかなか難しい状況がございますので、こういったことにつきましては引き続き情報収集を行うと同時に、市町と連携をし、そして住民の皆さんの土砂災害等に対する情報提供、これを求めて対応してまいりたいと、このように考えております。なお、今回の調査で分かりました、11箇所の再点検が必要な箇所については、今後6月~7月、梅雨などによります本格的な降雨時期を迎えてくるということでございますので、5月中には再確認の調査を行ってまいりたいと、こう思ってます。それから、応急対応の必要な3箇所については、この対策方法につきまして地元市と調整をいたしまして対策を行ってまいります。以上、このような状況です。
(質)県有施設、吊り天井関連は、以前の議会での防災危機管理部長の答弁で、8箇所ぐらいと聞いてたんですけど、それはどうなるんですか。
(答)8箇所というのではなくて、前回、17年度の調査をした所の再確認、それから前回の調査で漏れている所がないかどうかも含めて今、調査をいたしているところであります。
(質)漏れるということは、全施設を対象に再調査してるということですね。
(答)前回、17年度の調査の時には、調査対象の中に鈴鹿の件とか、あるいは県営競技場、こういったものがその対象としてリストアップされていないわけであります。そういう意味では、そういった漏れているものがないのかどうなのか、これも含めて今、確認をしているということです。
(質)再調査対象箇所数は何カ所ですか。
(答:防災危機管理部)補足しますと、17年度に国の指示で500㎡以上の所を調べた結果、吊り天井かどうかは別にしまして、対象施設が18カ所ありました。今回は、基本はそれなんですけど、先程知事が申し上げましたように、それに漏れている所があるかもわかりませんので、500㎡以上の所を全て再確認させているということです。
(質)それは、県庁5階(防災危機管理部)で調べてるんですか。
(答:防災危機管理部)各部です。各部にはそれぞれ管理者がいますので、点検をさせて、防災危機管理部の方へ報告せよという指示になっています。
(質)それにしても1カ月経ってるのに、まだ進まないわけですか。
(答:防災危機管理部)現場などを見ないと判断しかねる場合もあります。今回、徹底した再確認を指示してますので、前回、素人判断で漏れがあったということですので、営繕室の担当職員と連携しながらやっており、ちょっと時間が要るということです。
(質)いつまでを目処に?
(答)今回の調査につきましては、やはり設計図面、これも確認をしなければなりませんし、技術者への照会もしながら、確実な方法でやってまいらなければならないと、こういうふうに思っております。したがって、できるだけ早い時期に、ということを目標にやっておりますが、まだ今の時点で、その作業につきまして、今週中に終わるのか来週までかかるのか、まだちょっと分からない状況です。
(質)サービスで、もうちょっと目処を。
(答)今、お答えしたとおりです。
(質)では、5月いっぱいには終わりますか。
(答)もちろん、早く終えなければなりません。先程申し上げましたように、今週いっぱいか来週にかかるか、まだ時期は分かりませんけれども、そういった近い時期に集計をしまして、その結果を皆さんにはちゃんと報告いたします。
(質)遅くとも来週中には、ということでいいですか。
(答)私の方からそういう限定した言い方はなかなかしにくいんですが、来週中ぐらいには遅くともできるんではないかなと思います。
(質)1万6,000カ所とおっしゃった、あれは市町に何か指示は出されるんですか。
(答)これは当然、市町で状況把握も協力をお願いしていかないと、とても分かるものではないと思います。したがいまして、市町の方に改めて協議を行いまして連携していきたい、啓発そして市町との連携を図っていきたい、これは近いうちに指示をいたしたいと思います。
(質)ゴールデンウィークは何をされていましたか。
(答)ゴールデンウィークは、実はもう津にずっとおりまして、公舎におりました。ちょうど初孫ができて、娘が孫と一緒におりまして、まだ首も座らないし、私の妻は娘及び孫にかかりきりというわけではありませんが、興味はもうそちらしかありませんでして、したがいまして、私としては連休中に新しいパソコンをまた1台組み立てをいたしまして、これまでのパソコンをさらに直して、私の妻が使っているコンピューターと入れ替えようといたしましたが、実はその時点でこれまでなかったのですが、とんでもない、ちょっと電気をショートさせるという大失敗をしまして、結局、大幅にまた部品交換をやりまして、2台組み立てたような状況でした。
(質)デスクトップですね。
(答)そうです。
(質)お孫さんは、男のお子さんですか。
(答)女の子です。
(質)もう名前は付けられたのですか。
(答)奈桜という名前です。奈良の奈に桜と書きます。
(質)桜ですか、これは、植物の桜ですか。
(答)4月4日生まれであります。ちょうど桜の満開の時に生まれまして、これは子ども達が付けた名前でありまして、私が論評することはないのですが、彼らは最も良いと、こう思って付けたのだと思います。
(質)読み方は「なほ」?「なお」?
(答)「なお」です。
(質)ゴールデンウィークの観光ですけれども、微増したらしいですけれども、それは伊勢神宮中心、伊勢志摩方面ですけれども、他はちょっと冷え込んでいる、熊野などは特に大きな打撃を受けているみたいですけれども、その辺は?
(答)微増とおっしゃいましたけれども、県の調査では前年に比べ0.4%微減という数字でございました。ただ警察の調査では増えているというようなことで、調査の方法、また調査の箇所等も違いますので、こういった違いも出てくるのかなと、こう思います。今年のゴールデンウィークにつきましては、特に伊勢神宮への参拝者数が、前年と比較いたしまして21.3%増でございました。これにつきましては、ちょうど東京で今年、2月3日~4日に六本木ヒルズのお木曳をやったわけでありますけれども、あれもやりました後、伊勢市の市長に伺いましても、間違いなくあれの影響もあってまた増えているのでははないかと、こういうことを言われてました。今年、いよいよこの4日からお木曳行事が始まったわけでございますけれども、今年の、このゴールデンウィーク中の4日~6日までのお木曳行事の参加者自体は、奉曳団や一日神領民や観客数を合わせて4万8,400人で、前年同時期には4万7,600人で、ちょっと増えていますがほぼ同数と言える状況でございました。まだこれからお木曳につきましては、6月の最初までずっと金・土・日と行われていきますので、この数字は今後どういうふうになっていくのか注目したいと、こう思います。その他、ミキモト真珠島が22.2%増になっていますし、鳥羽水族館が13.2%増と、こうなっておりまして、そういう意味では伊勢志摩地域が好調であったのかなと、こういうふうに思います。なお、東紀州の方でありますけれども、鬼ヶ城センターにつきまして、かなり減っているということでありますけれども、これにつきましては算出方法が変更されたということが最も大きく影響しております。それは乗用車1台で4人のカウントをするというのから、乗用車1台で3人へのカウントをするということで、この乗用車のカウント数だけでいっても3/4になるというようなことがございます。そこへ若干、やはりマイカーとかバスが少なくなったような感じがあったというようなことは聞いておりますので、そういった影響がこの数字の中に出ているのかなと、こういうふうに思います。
(質)この3/4カウントは、鬼ヶ城だけの話ですか。県全体のカウントの方法なのですか。
(答:農水商工部)鬼ヶ城だけです。
(質)なぜそうなったのですか。県全体は3/4カウントですか。
(答:農水商工部)いえ、それぞれの所でカウントをきっちり一人ずつ数える所もあれば、その自動車台数を見ながらおおよその数をはじいていただいているという所もありますので、鬼ヶ城についてはそのようなカウントということであります。
(質)施設ごとは見ていないのですけれども、例えば地震の影響等の観光減みたいな、そんな感じの分析というのはあるのですか。
(答)それは聞いていないです。
(答:農水商工部)特に地震の影響ということは聞いておりません。
(質)旧関町とか鈴鹿サーキットとか、あのあたりで落ちたとか増えたとかいうのは?
(答:農水商工部)鈴鹿サーキットでも若干減っておりますけれども、地震の影響というよりは、お天気が悪い日がありましたので、どことも減っておりますので、どちらかというとそういう天候不順による影響が大きいのかなと、私どもは考えております。
(質)大阪のエキスポランドでああいう大事故が起きたのですけれども、県管轄の遊具、コースターというのは志摩だけなのでしょうけれども、それにしても桑名、鈴鹿といろいろあって、民間のお話ですから民間の自主点検に任せるところが多いのでしょうけれども、それにしても県として、そういうコースター関連、危険なものを扱う業者に対してどのようなお考えをお持ちですか。
(答)先般の事故を受けまして、この6日に国土交通省からコースターに関する緊急点検実施の依頼がございまして、この依頼が6日の夕方であったために、実際には7日に県内の特定行政庁、それからコースターを持っている施設管理者、これに対しまして緊急点検を行っていただき、5月16日までに報告を行っていただくように通知をしたところでございます。県内にコースターのある遊戯施設としましては3施設ありまして、ナガシマスパーランドと鈴鹿サーキット、それから志摩スペイン村、この3つでございます。したがいまして、ナガシマスパーランドと鈴鹿サーキットにつきましては、特定行政庁の桑名市及び鈴鹿市にそれを通知いたしました。志摩スペイン村につきましては、三重県が直接業者に点検を指示したところでございます。16日までに報告を行っていただいて、県としては5月18日までに国土交通省に報告をするということにしているところでございます。ただ、今回大阪でありましたコースターにつきましては、立ち乗りタイプという、そういうタイプのコースターだそうでございますが、これと同じ種類のコースターは三重県内にはないということでございます。
(質)民間の話ですから県が直接関与できないのですけれども、例えばナガシマスパーランドでも以前に大きな事故があったりと、志摩スペイン村でも小さな事故もあるのですけれども、そういうことに関して、県なり知事職としてどういうふうにやってほしいとお思いですか。
(答)これは特定行政庁である桑名市、あるいは鈴鹿サーキットについては鈴鹿市ですが、そこへ通知をしているところでございますので、責任を持ってその中で業者にその指示を行い、そしてきちっとした把握をしていただき、報告をしていただくということが必要でございます。
(質)知事はジェットコースターは乗れるのですか。知事はジェットコースターはお好きですか、お嫌いですか。
(答)最近、乗ったことはありません。若い頃に乗ったことはあるかもしれませんが。
(質)これは知事の個人的なご感想でも結構なのですけれども、今回の事故の話で、遊戯施設あるいは旅客輸送、鉄道を全て含めてそうなのですけれども、安全というものについてこれを機会に盛んに一般市民から言われるようになっておりますが、とにかく箱に自分を乗せる、人間が乗る、ということは自分自身の命をそこに預けるわけですから、自分の命を業者に預けるという部分が出てきますけれども、そういった業者さんの安全に対する意識というものがそれぞれバラバラみたいなところも要因なのですが、そういった安全というものに対する、知事の私的な感想で結構なのですけれども、どのように意識を高めていってもらいたいというお考えはありますか。別に知事としてではなくて結構です。
(答)安全・安心ということは、やはり安定した生活を、日常の生活を暮らしていく上で最も大事なことでありまして、どれだけ経済的に豊かになろうとも、どういう立場であろうとも安全・安心が脅かされたのではひとたまりもない。したがって、生きていく上での非常に最大の大事な要件であると、こういうふうに思っております。ただ、その安全・安心の捉え方も技術の進展、時代の進展等でやはりどんどん変化をしてきているところであります。最近は、本当に新たな設備等が設けられたりしておりますし、それからエレベーターの事故であるとかいろんな事故等もその中で起こったりしているところであります。これはやはり、それぞれの役割、責任、これを念じて、しっかりそこで対応していくということが大事だと思います。施設の管理者については、もちろんそういう観点から自ら安全を最大限確保する、その努力をしていくべきでありますし、それから利用する側も、利用する側の不注意ということも実は危険につながっているということがありますから、そこのところも意識啓発をしていかなければならないのではないかと、こう思います。時代が進む中で、新たに利用する機械設備というものはどんどん増えていく、どんどん進化をしていく中で、やはりリスクが相当その中にあるのだということは避けられない状況の中で進展も行われていくということでありますから、今後そういった、新たにこれまでは認知できなかったリスク等をどう把握し、そしてそれにどう対応していくのか、非常に大変なことだと思いますけれども、日々しっかり心がけていかなけらばならないことだと思います。
(質)県有施設で、オーチスエレベーターで異常の報告というのはありませんでしたか。
(答)このオーチスエレベーターにつきましては、点検結果を5月23日までに取りまとめる予定でございまして、その上で25日に国土交通省に報告をしたいと、こう考えております。対象となりますエレベーターは、408基と報告されているところでございます。実は、5月6日までにその内の176基、43%に当たりますが、これについては点検を行ったということですが、その中では支障がなかったという報告を受けているところであります。今後、引き続き点検結果については取りまとめてまいりたいということです。
( 以 上 )