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平成20年10月07日

知事定例記者会見

知事定例会見録

平成19年 4月24日
       於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目

  • 4月15日に発生した三重県中部を震源とする地震について(報告)
  • 自動車税のコンビニ納付の開始について(発表)
(知事)

まず、報告事項であります。4月15日に発生した三重県中部を震源とする地震についてでありますが、これにつきましてはまず、お怪我をされた方あるいは住家等に被害を受けられた方々に、お見舞い申し上げます。県内全体を見ました場合に、震度5強という大きな地震であったにもかかわらず、火災も発生せず、大きな被害に至らなかったということが何よりであったと、このように思っております。発災後、設置をいたしました災害対策本部につきましては、20日の19時をもって廃止をいたしましたが、その後も防災危機管理部や県土整備部を中心に、引き続き余震を警戒するとともに、土砂災害危険箇所の点検に努めているところでございます。また、県営鈴鹿スポーツガーデンの吊り天井落下を受けまして、該当施設の再確認を早急に行うよう指示をしております。今回の地震への対応状況を検証いたしまして、課題を洗い出した上で今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。これまで東海地震、東南海・南海地震に注目してまいりましたけれども、内陸部における地震にも注意をいたしますとともに、今回の地震や近年発生をしております地震等を教訓にし、想定できる最悪の状況というものを踏まえまして、着実な地震対策を進めまして、地震災害に強い三重県の実現を目指してまいりたいと考えております。県民の皆さんにおかれましても、住宅の耐震化や、あるいは非常持ち出し袋の準備であるとか、また防災・避難訓練への参加など、自助・共助の考え方にご理解をいただきまして、ご協力をお願いいたしたいと思います。

次に、発表事項として、自動車税のコンビニ納付の開始について申し上げます。平成19年度の自動車税から、従来の金融機関などに加えまして、全国のコンビニエンスストアでも納付ができるということになりました。これは、平日の昼間に金融機関に行くことができないという県民の方々の声に応え、準備を進めてきたものでございます。仕事の帰り道あるいは休日でも納付が可能になりまして、納付機会が格段に向上すると考えております。これに伴いまして、毎年5月下旬に県内各地のショッピングセンターなどで実施をしてまいりました「出張窓口」及び県税事務所の窓口を休日や時間外にも開きます「休日窓口」・「延長窓口」、これは行わないことにいたします。また、5月7日から5月31日まで自動車税納期内納付推進キャンペーンを行います。5月初旬に納税通知書を郵送いたします。必ず納期限の5月31日までに納付をお願い申し上げます。

2.質疑応答

(質)

まず、地震の報告の方からお伺いします。これは、課題を洗い出した上で今後に生かしたいというお話ですが、現段階で特に知事自身がお考えになって、何か指示されるものというのはございますか。

(答)

先程申し上げた土砂災害等の危険箇所、こういった点検を今いたしているところでありまして、これは17日から10日間程度ということで今やっております。5月の初めぐらいには、内容について公表させていただけると思います。今、この調査箇所としては震度5弱以上の地域の土砂災害危険箇所でございますけれども、対象となる地域として、亀山市、鈴鹿市、それから津市、伊賀市等でございますが、その中で、箇所数としては1,094箇所ございます。今、調査をやっているところですが、そのうち数カ所についてはかなり対応しなければならない危険箇所があるのではないかと、こう考えております。したがいまして、結果が出ました後、これについてはしっかり対応をしていく必要があると、こういうふうに考えております。それから、プール天井が落下したというようなことがございました。これについては、その調査の時点で問題もございましたので、再度、これについても今、確認をいたしているところでございます。すぐに耐震等の対策が必要だという箇所、これにつきましては、これまでも順次その対応をやってきたところでありますけれども、できるだけ早くこれも、大きな減災目標もございますが、それに向けて大事な項目でありますので、県営施設等について早急に対応をしていきたい、このようにも考えております。いずれにしましても地震対策につきましては今、第2次の三重地震対策アクションプログラム、これを策定中でございまして、もう間もなくこれについては打ち出しができると、こういうふうに思っております。したがいまして、これまで通り県政の最も重要な施策の一つとして第2次アクションプログラム、そして策定中の第二次戦略計画において重点的な取り組みとして進めてまいりたいと、このように思っております。なお、内陸活断層における地震につきましては、県内に6つの大きな活断層の存在が分かっておりますので、平成17年から3カ年で名古屋大学との共同研究をやっているところでございます。こういった調査につきましても、今後生かしてまいりたいと、こういうふうに思います。

(質)

第2次アクションプログラムは、いつ頃公表予定ですか。

(答)

これについては、今度の第二次戦略計画がございますが、これとほぼ一緒に出てくるのでないかと思います。

(質)

ということは第2回定例会、6月定例会?

(答)

そうです。

(質)

やはり今回の地震で、伊賀市長のゴルフ問題を含めて、それぞれの自治体の首長の対応に対して、一部批判も集まっているところもあるのですが、その点に関していかが考えてらっしゃいますか。

(答)

地震に対しては、まず県民の皆さんに自ら、自分の命は自分で守るという、そういう意識をしっかり持ってください、ということを私どもは言っております。したがって、そういうことを住民の皆さんにしっかり申し上げながら、そして公助という公の立場をしっかり遂行していかなければならない行政でありますので、したがって行政の取り組みは住民に言う前に、やはりしっかりそういった意識を持って高い防災意識の下でしっかりと指揮を執っていく、このことが極めて重要であると、こう思います。

(質)

では限定すると、今回の伊賀市長の対応についてはどう評価されていますか。

(答)

伊賀市の状況だとか、あるいは市長自身のことにつきまして、私も詳しくは分かりませんが、しかしご本人が深く反省をしておられるように、適切でなかったということだと思います。したがって、ご本人もその反省の上に立って対応されている、というふうに思ってます。

(質)

地震発生後からの県庁の初動体制などは、どのように評価していらっしゃいますか。

(答)

当日の参集等について、私としては昼間ということもありました。そして、参集等についても特段悪かったという程ではないと思いますけれども、今後よく担当部の方で分析をしてもらって、それも生かせるものは今後に生かしていかなければいけないと、こう思います。

(質)

机上訓練というのは毎年何回かやられていて、ずっと積み重ねてこられて、東海、東南海・南海を想定してやってたわけですけれども、実際に起きてみると、机上でやってた部分と現実の部分で、違っていた部分とかありますね。その辺で、知事自身が特に心に留められたことは何ですか。

(答)

私どもが最も恐れているのは、やはり東海地震及び東南海・南海地震、しかもこれが同時に、あるいは連動して発生するということであります。これについては、やはり東海地震はいつ起こっても不思議でない、また東南海地震についても30年以内の確率が60%、南海地震についても50%以上というような、そういう非常に必ず何年か後には起こると言われているもの、これに対する警戒心、これは非常に強く持っております。一方、内陸型につきましては、今回起こりました布引東縁断層ですが、これらにつきましては非常に確率的にも低いという状況が言われております。例えば、東縁断層帯の今回起こった西部の発生確率は、今後30年以内に0%~1%というようなことでございますから、したがって意識としては非常に海溝型の巨大地震に向いているわけでありますが、しかし実際にこの内陸型の活断層がいつ地震を起こすかということは、今回起こってみて初めて本当にすぐ起こっても不思議でないと、またこういうことでありますので、そういう意味では、地震対策といっても本当にいろんなものを想定していかなければいけないのだな、ということを改めて思ったところです。

(質)

ご自身、グラッときた時どう思われました?

(答)

私は、その時には鳥羽市におりまして、ちょうどジュゴンのセレナというのが入館して20年という、そういう節目の行事があって鳥羽へ行っておりました。したがって、その時に鳥羽では震度2ぐらいだったですね。すぐの時は、「あっ地震だな」というのは分かったのでありますけれども、そんなに大きな地震、特に県内で震源地があって、しかも震度5強であったというような、そんなことはすぐには想像できなかったです。

(質)

観覧席か何かに座っておられた?式典?

(答)

式典が終了しまして、鳥羽国際ホテルでフィリピン大使と一緒に昼食をとっているところ、その時にグラッときたのです。

(質)

ホテルだから耐震性もあって、余計震度も少なかったのでしょうか、揺れの感じが。

(答)

どうなのか知りませんが、鳥羽は震度2というのでありますから、まあ震度2というとあの程度ではないでしょうか。

(質)

震度5強だと知らされたのは何時頃ですか、19分発生以後。

(答)

地震が起こってすぐに防災担当部長と連絡を取りました。ですから連絡を取れたのは5分以内ぐらいだったと思います。

(質)

5強があると知らされましたが、その時どう思われましたか。

(答)

それで5強というので、これはなかなか被害がどうなのかなということがすぐ頭に浮かびましたが、部長の方から状況、まだ今は大きな被害が出ているとか、そんなことも連絡がまだ把握できていない状況でした。すぐまた把握して状況を順次連絡してくると、こういうことで、携帯電話で連絡を取っていたところです。

(質)

県庁に入られたのは2時ぐらいでしたか。

(答)

そうです。

(質)

もう、すぐそのまま食事を終えられて?

(答)

それですぐ県庁へ直行してまいりまして、すぐここで災害対策本部員会議を招集して開いた、ということです。

(質)

完全に海溝型ではない直下型という想定外、先程言われた感想でしょうけれども、驚かれた?

(答)

直下型ということについては、本当に確率が極めて少ない、今後30年以内に1%以下のそういった確率であり、あるいは起こる周年を考えても千年とか何千年に1回ということを聞きますと、とても普段はそれを想定してというのは難しいことだなと思ってましたが、実際起こってみると、本当に現実いつ起こっても不思議ではないことだということを実感しました。

(質)

国が発表した県庁所在地の確率でも、津市がワースト3ぐらいですね。発生確率が60%超ぐらいですか。

(答)

おっしゃっている数字の中身がよく分かりません。

(質)

ホテルで揺れをお感じになったのですか。食事中にコップが揺れたとか。

(答)

そうです。ちょっとガタンという音で、本当に少し、一瞬グラッとしただけです。

(質)

フィリピン大使とか、皆さんも地震だと感じられた?

(答)

その場にいたみんな、地震だとすぐに分かりました。

(質)

フィリピンの方も地震には敏感なのでしょうね。あそこも多いからすぐ分かるのでしょうね。

(質)

コンビニの自動車税の納付ですが、例えば度会郡玉城町では、町民税とか県民税を全部含めてクレジット会社と契約して、全部そういう納金の仕方というのが実施されてる状況なんですけど、そういう形で拡大するというようなお考えはないですか。

(答)

やはり県民の利便性ということを考えたときに、今後そういったことについて検討していくというのは引き続きやっていけばいいと、こういうふうに思います。今回、この自動車税をやりましたのは、これは納税通知書を発送している税金として、この自動車税というのはあるわけでございます。これは事前にバーコードを印字する必要があるというために納税通知書を発送する税金ということでございます。それから金額的なものをとっても、やはりコンビニの1件当たりの取り扱い条件というのが30万円以下ということで、そういうものに該当する税金であるということ、それから納税者が非常に多い、毎年大体78万件を課税しているということで、この利便性の向上ということから考えますと、最も効果がある対象であるということで、自動車税のみを今回こういう形にしているということでございます。今後はまた、納税の利便性あるいは県の立場からも効果が挙がるというようなことは引き続き追求していきたいと、こう思いますが、その中で納税方法について拡大するということも一つの選択肢としては出てくることかと思います。今後の検討を待っていただきたいと、こう思います。

(質)

取り扱うコンビニには、何%ぐらい手数料が入るんですか。

(答)

手数料につきましては基本料金と、それから手数料と、両方あります。しかし、それについては、実は収納代行会社としてエヌ・ティ・ティ・データ第三公共システム事業本部、これを一般競争入札で決定いたしたところでありますけれども、その中で、1件当たり61円95銭、これには消費税それから地方消費税2円95銭が含まれております。これで契約をしたわけであります。その中で、コンビニの方に払う基本料金あるいは手数料、こういったものも含まれております。想定として年間24万6,000件ぐらいがコンビニ納税を利用するんではないかと、こういうふうに試算をいたしますと、エヌ・ティ・ティ・データの方に支払う取り扱い及び手数料については1,529万円ぐらいになるということであります。一方、この納税方法を取ることによりまして、私どもは少なくとも納税率が少し上がるんではないかなと、こういうふうに思っているところであります。自動車税は、平成19年度の県税収入の当初予算額で見ましても、約296億円であります。これは県税収入の10.8%を占めるという貴重な財源でございます。私どもも、今回このコンビニの納税が可能ということになりますと、ほぼ2%ぐらいアップするんではないかなと、こういうふうに思います。2%ということになりますと、約6億円程が金額的に推定されるところであります。一方で督促状の発付件数、督促状を出す件数が約1万5,000件減少するのではないかと、こういうふうに見ているということでございます。

(質)

都合、全体でどのぐらいの経費削減か、という試算はされてますか。

(答)

そこまでは私の方では分かりません。しかし、納期内納付率が約2%アップするということは、6億円、対象が増えたと。督促状を出して、また納付してくるものもあるでしょうけど、期限内だけでも2%、6億円の効果があるであろうということは、大ざっぱな言い方ですが、言えるということです。

(質)

納付率が上がれば督促状を再度送る必要もないし、そのために職員が時間外手当を、夜残って電話入れとかも含めて、する必要もないので、その分も削減されていきますね。

(質)

78万件のうち24万6,000件で2%、というのはそんなものなんですか。

(答:総務部)

全国で、先行するコンビニ導入県の調査を行った結果における納期内納付率が2%上がるということと、納めていただく全体の金融機関の中の3割弱ぐらいがコンビニエンスストアを利用されるという調査結果も出ておりますので、それを基に算出しています。

(答)

これまで期限内納付をやっていた人たちも、コンビニでできるということになったら、今までの支払い方法からコンビを利用するという、そういうのは相当数あるはずです。

(質)

純粋に増えるのは6億円、2%であると。

(答)

そうです。

(質)

12日前後に自民党本部へ行かれて、道州制の小委員会の方たちとお会いになって話をされたということなんですけど、その中身についてお聞かせいただける範囲でお願いします。

(答)

道州制の議論につきましては、国の方でも今やっておりますけれども、自民党には道州制の調査会というのが設けられておりまして、ここでも議論が進められております。今現在は、5つの小委員会があって、その5つの小委員会でいろいろ議論をしているということでございます。私に入っておりました情報としては、この小委員会が今月中に大体考え方をまとめ、そして来月、5月の中旬に道州制調査会としての中間報告みたいなものをまとめると、そしてそれを参議院選挙のマニフェストにしていくんだということを聞きました。そこで、4月中に小委員会の方での考え方もまとまるということでありますので、私としては選挙直後でありましたけれども、実は上京して、三重県としての考え方を申し述べてきたところです。三重県は既に、昨年の秋、安倍内閣が発足いたしまして政府として道州制に今後本腰を入れていくような、そういうふうなことが伝えられましたので、県としてやっぱりそれにしっかり対応していく必要があるということで、県庁内に勉強会を設けて、これまで検討も積み重ねてきていたところでありますので、その考え方を今回、自民党の調査会の方にお伝えしようということでありました。県としての考え方、これにつきましては、まず1つは、道州制の議論というのが、ついこの間の三位一体改革のような、ただ単なる国の財政再建のため、みたいな議論でやられたのではいけませんね、ということ。2点目に、実は今、第2期分権改革を推進していくということで、これは政府の方でも進めているところであります。したがいまして、これをしっかりやってもらうということが重要だということ。3点目に、その上で道州制の議論については中・長期的な課題として、しっかり議論を進めていく必要があるということ。4点目に、したがって第2期改革をしっかりと、権限・税源の移譲を含め、しっかり進めていただく必要があるということ。5点目に、道州制の議論についてはこの国の形を、中央政府あるいは地方政府のあり方も含めて、決めていくものであるということから、まずはこの国の形というものをしっかり示して、国民的議論をしていかなければならないということ。6点目、その際には特に国と地方の役割分担、こういったことについてしっかり議論を進めていかなければなりません。そして7点目に、その上で三重県として、この道州制の議論の中で、一般的ないろんな課題は幾つもありますけれども、例えばいわゆる小規模基礎自治体、これのあり方というものはどうなるのか、あるいは財政・地域間格差が懸念される中で、財源調整の仕組み、財政調整の仕組みというものはどうなっていくのか等々、三重県としての地域の心配事に対して、それがどういうふうに整理されていくのかということが非常に大事ですね、ということ等を申し上げてきました。そうでないと、県として三重県民の皆さんに道州制について説明をし、そして議論を深めていくということもできないではないかと、こういうことであります。こういったことを申し上げましたが、会長あるいは小委員長、それぞれ全ての方にお目にかかってきましたが、三重県としてのこういう論調については素直に大体ご理解をいただいてきたという感じでございます。それからもう一つは、私どもはどれぐらいの中身の考え方をまとめられるのかということを心配しておりましたが、感じではそんなに大した迫力のある中身には、今の状況でとてもそんなまとめ方にはならないであろうと、こういうことでありました。したがって私としては、自民党のこの調査会も極めて慎重に、しっかりと議論を進めていこうという、全体的な雰囲気としてはそういう中にあるのかなということを感じたところであります。

(質)

会長はどなたでしたか。

(答)

杉浦正健さん、前の法務大臣をされた方です。

(質)

衆議院時代から顔見知りですか。

(答)

杉浦さんはもちろんそうです。それから小委員長は額賀(福志郎)さん、大島(理森)さん、これらは私と衆議院の時の同期で、とても親しい友人でもあります。

(質)

額賀さんとかにもお目にかかれたんですか。

(答)

はい。

(質)

全体観測として、それ程心配する形で今、進んでいるわけではないという感触を得られた?

(答)

そう突出した形で進んでいくという感じは受けなかったわけです。

(質)

4月14日に、自民党の参院選候補者の選対の発足式があって、その中で川崎(ニ郎)さん自身も、マニフェストに盛り込むような、要は参院選の争点になる程のものじゃないと、それと、本来分権がしっかりした上で、最終段階で出てくる話だという、知事がおっしゃってたことと軌を一つにするようなご発言があったんですけど、その辺はやっぱり同じような感じなんですか。

(答)

同趣旨のご発言を渡辺担当大臣もされておりまして、それは雑誌等に掲載されている大臣の発言を見まして、ほとんど、ほぼ一緒のような発言をされていると思ってます。

(質)

第2期分権改革で、特にここだけは外してほしくないというような、そういうポイントというか、注目点のようなところがあれば教えてください。

(答)

第1次で裏切られたような、そういう気持ちになったのは何かということを先に申し上げると、それは結局、地方分権というのは、地方の自立性・自主性というものを高める、そのために権限それから税源、こういったものをやっぱり移して、地方がやはり自らの努力で、それをしっかり活用できるようにしていくということであります。したがって、三位一体改革の中でも我々が常に言ってきたのは、地方の裁量権が広がるものでなければならない、しかし実体としてこれまでの国の対応というのは、見せかけのお金、3兆円という額だけにこだわって、そして実質、地方が裁量権を増すような、そういう実質の分権というものについてはほとんど行われなかった、あの3兆円の中でも、実質1割か、そういう類の裁量権を増すような税源移譲が行われている部分というのは、ちょっと正確に数字は覚えてませんけど1割か1割5分程度ではなかったかなと、こう思います。このようなことであったのでは駄目でありますから、私としてはやはり国が実質、権限も、そして財源もしっかり移譲する、こういう第2期の分権改革が必要であります。最近の動きを見ておりますと、逆に懸念しなければならないようなことが起こってきております。それは、実は国がいろんな事業を展開していくときに、いろんな団体等に対する助成を直接、国が手を突っ込んでコントロール、直接手を突っ込んだ補助制度等にしてきているわけです。これは地方公共団体をかまさずに、今度は直接、むしろコントロールできる、あるいはNPOに対する助成についても国が直接手を突っ込んでくるというようなことで、なんと言いますか、地方の行政体、地方行政の方がいろいろうるさいんで、直接国民に手を突っ込んでいこうかというような、そういう雰囲気さえ見えます。これは全く、分権とは逆行するようなことであります。私は、これが官僚の、権限を絶対渡さないぞという、知恵回しなんでありましょうけど、ああいうのを見てますと、本気で本当にやる気があるのか、分権に対してもやはり大変、懸念を持たざるを得ません。道州制などと言えば、なおさらどこにそういうそのようなものをやろうという気構えがあるのか全く見えない、こういうふうに思わざるを得ないです。それから、先程の自民党へ行った時の少し特徴的な話として気になりましたのは、東京問題でありました。この今日の状況は、地方分権あるいは道州制の議論以前に、今現実の東京問題というのは、これをしっかり対応してもらう必要があると、こういうふうに思ってます。東京に、人も、それからお金も集中していくという、この現象を何とか変えていかなければ、どんないいことを言っても、地方分権はますます地方を地域間格差で窮地に追いやる、そういうことになってしまうのではないかと、こういう懸念を持ってます。こういうことの、東京問題の認識というのは、自民党の調査会の会長や小委員長等も共通して持っていただいているという感じを、私としては持ちました。

(質)

この時に、改めて首都機能移転の問題も持ち出されたんですか。

(答)

そこまで話は広げてやっておりません。

(質)

今日ちょうど全国学力テストをやっていますが、三重県では受けないというのは国公立・私立(※)を含めて、ないみたいですけれども、このテストが三重県の教育に及ぼす影響、もしくは何か期待していること、心配していることというのがあったら教えてください。

(※私立小学校は6年生の児童がいない1校のみ不参加。私立中学校はすべて参加。)

(答)

これについては、県の教育委員会でもしっかり議論をし、対応をしてきて、そして市町教育委員会ともいろいろ連携して議論をしてきているのではないかなと、こういうふうに思います。調査結果そのものについては、いろんな悪影響をもたらさないように、そういう範囲の中で調査結果についても公表等について対応していくということを聞いているところであります。私としては、いろいろ議論はあるでしょうけれども、やる以上はそれが三重県の、例えば全体の学力向上であるとか、教育向上に資するようにそれぞれ市町の教育委員会等で、あるいは県の教育委員会でもそうでありますが、役立てていただく方向で取り組んでいただいたらいいと、こういうふうに思ってます。

(質)

今回の知事選の時に、三教組でこの学力テストの問題というのは何らか話題になったことはあるんですか。ぜひ反対して欲しいとか?

(答)

全くありません。

(質)

長崎市の伊藤一長市長が射殺されるという事件がございましたけれども、知事として今まで身の危険を感じられたことがあったかというところと、そういったことを防ぐ手立てというのはなかなか難しいと思いますが、どういうことをお考えでしょうか。

(答)

私自身はこれまでの4年間の知事という経験、あるいはその前の市長の経験も含めて、私自身が直接身の危険を感じるという程のことはございませんでした。ただ、実は県でも知事である私だけではなくて職員等についても、不当要求に対する対応ということは職員の安全、あるいは事務遂行に影響をもたらさないというようなことから非常に大事なことでございます。したがいまして三重県では平成15年の11月に「三重県不当要求行為対策要綱」というのを作ってきているところであります。その中で不当要求行為が発生しているのかということですが、平成15年度に7件、平成16年度に6件、それから平成17年度に9件、平成18年度に6件、合わせてこの4年度で28件起こっております。その中で、警察へ通報を行うというようなことになったのは2件、これは県庁の方でカウンターに刃物を置いたとか、あるいは電話機を床に投げつけたというような時に警察の方へ通報した、これが2件あります。それから警備依頼をした、あるいはフロア待機をしたというものが2件ございます。それから被害届、これは生活保護の関係でナイフ等で脅して、帰ろうとすると監禁したというようなことがありまして、これは被害届として1件出している、こういうふうな事例がございました。やはりこういったことについては、私自身だけでなく組織的に検討し対応すべきことであると、こういうふうに思っておりまして、その意識の浸透にもこの対策要綱はつながっておりますし、ひいては職員の安全安心につながっていく、また円滑な事務遂行にもつながっていくことだと、こう思っているところであります。なお、私自身はああいった長崎のことを受けまして、以前から思っていることをちょっと申し上げれば、やはり私ども公の立場で責任ある立場の者というのはいろんな危険もあり得るかも知れない、ということは常に意識の中に持っております。したがってそういった不当行為、あるいは脅迫的な行為、強圧的なことには断じて屈しないという、そういう思いをしっかり持っていくということが何より我々行政の責任者においては必要なことだと、こういうふうに思います。多分、伊藤市長もそういうところがあったんだろうと思いますが、結果としてああいうことが起こったのはあるまじきことであり、大変残念なことだと、こういうふうに思います。

(質)

事件後に何か対応を変えられたり、見直されたりというようなことは特にございましたか。

(答)

防災危機管理部の方から、知事身辺について何か対策を講じる必要はないだろうか、という相談はありましたが、私の方から、必要ない、ということで返答してあります。

(質)

統一地方選ですけれども、日曜日に後半戦が終わりましたが、前半戦・後半戦を振り返って、改めて県内の選挙執行状況、結果等、どのような感想をお持ちですか。

(答)

津市では第2陣の選挙がなかったので、雰囲気として、今選挙が行われているというのがなかなか実感できないような状況でありました。それから全体としてやはり投票率の低下であるとか、少し選挙への関心が薄くなっているということについては心配もいたしているところであります。やはり前にも申し上げましたように、投票するということはそれぞれ義務なんだという意識をもっと強く持っていただいて投票に行っていただきたいなと、こういうふうに思います。

(質)

民主党県連代表の方が、結果について決まり切っている、勝ち負けが決まっている選挙構図への批判の意味を込めての低投票率かも知れないということをおっしゃられたんですけれど、その辺は同調されますか。同感?

(答)

ここのところずっと下がってきているという傾向があります。したがって、結果として選挙の状況というものはいろんなことが作用して決まってくるものであります。したがってそういう説明をしたとしても、それについてどこにどういうふうな責任、対応の仕方があるのか、これは答えがなかなか出せないものであると、こういうふうに思います。

(質)

国民投票法案が衆議院で可決されました。もうすぐ憲法記念日ですけれども、憲法改正論議について知事のお考えを聞かせていただけますか。

(答)

憲法議論については、知事という立場でかねてから申し上げておりますけれども、やはり地方自治という立場からいきますと、地方自治の位置付けというものをやはり憲法の中にもう少しきちっと明記をしていくべきではないか、特にこれまでの実質中央集権体制で進んできた我が国が今、とにもかくにも分権議論がここまで行われ、そして道州制の議論さえ始まってきているところであります。したがってこの分権改革そのものを今後も推進していく中で、憲法問題というのは当然その中でも議論が今後増していくのではないか、こういうふうに思っております。

(質)

5月中旬に全国知事会の会長選挙が予定されていると思いますが、現会長の福岡県の麻生知事が再選出馬するんじゃないかということも言われてますけれども、麻生知事の2年余りの会長職、会長としての麻生知事に対する評価と、その麻生知事が再選出馬された際に野呂知事として支持されるおつもりがおありなのかどうか、それと他にこの人がいいという意中の方がいらっしゃれば教えていただきたいのですが。

(答)

麻生知事についてはこれまでこの2年、無難にこなされてきたのかなと、こういうふうには思っているところであります。今後のことについては、今の段階で全国知事会の会長選にどなたが出られるのか、その状況も今よく分かりません。したがいまして今の段階で会長選でどうするのか、どう考えていくのかということについてはまだ未定であります。

(質)

麻生さんになられて去年の8月の島根、松江もそうでしたけれど、梶原さんの残任期で麻生さんがやられているわけですが、「闘う知事会」と掲げられた梶原さんの時の色彩というのが弱まった感じはするんですけれど、その辺はどう感じておられますか。

(答)

「闘う知事会」も小泉さんとすぐ談合してしまったり、表で言っている程迫力はありませんね。言葉はいくらケンカ調に言ってみても中身の問題です。世間受けを狙っただけだと思います。私はそんな言葉に左右されずに実質やっぱり、しっかり地方分権を進めていくということに知事会が共同して一緒に行動していくということが大事だと思います。それを引っ張っていく方が会長というのがふさわしいんだろうと、こういうふうに思います。

(質)

少し戻りますが、国民投票についてはどのようなお考えですか。

(答)

国民投票そのものについて、ですか。

(質)

ええ。

(答)

これは憲法議論がここまで出てきているのですから、その手続きとして当然国民投票についてしっかり規定を整備していくということは必要なことで、今までなかったということはこれまでの政府の怠慢じゃないですか。

(質)

18歳以上というような考え方には、どうお考えですか。

(答)

私としてはそれはそれでいいのではないかなと、こう思いますね。今後、各種の選挙の投票権等についても、年齢についての議論をもっとされていったらいいと、こういうふうに思います。

(質)

18歳に下げてもいいと?

(答)

私はそういった方向というのは、メリットと言いますか、若い人たちにもやっぱりそういう気持ちを持った人、そしてフレッシュな感覚というのがありますから、そういうのを取り入れるというのは一つの方法だなと、こう思ってます。

(質)

全国知事会の話に戻りますが、麻生さんが選ばれる時に、確か野呂知事は岩手県の増田さんを支援するというふうにおっしゃって、結果的に麻生さんになったわけですけど、今は麻生さんの会長としてのあり方というのはある程度評価されているということでよろしいんですか。

(答)

あの時はどちらかということで選挙になりました関係で、私としては増田さんということに対して支持をするということにしたわけであります。麻生さんは会長になられた後、自分の対立候補であった増田さんを知事会の分権改革の先頭にも立ててやってまいりました。したがってそういう点では、麻生さんは決して後退させるというような話ではなくて、そこのところは知事会全体の雰囲気を十分くみ取りながらその後の運営に当たってきたと、こういうふうに思います。

( 以 上 )

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 広聴広報課 報道班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2028 
ファクス番号:059-224-2032 
メールアドレス:koho@pref.mie.lg.jp

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