知事定例会見録
平成19年3月9日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- 第43回(平成19年度)県民功労者表彰について(発表)
第43回、平成19年度でございますが、県民功労者表彰の受章者の方々を決定いたしましたので、発表させていただきます。お手元に資料があると思いますが、地方自治功労 伊藤作一(いとうさくいち)さん、教育功労 井ノ口昭太郎(いのぐちしょうたろう)さん、文化功労 山田信義(やまだのぶよし)さん、社会福祉功労 森本孝子(もりもとたかこ)さん、社会福祉功労 岡山良太郎(おかやまりょうたろう)さん、運輸港湾功労 小菅弘正(こすげひろまさ)さん、林業功労 樋口幸一(ひぐちこういち)さん、地域活動功労 岡與一(おかよいち)さん、県民特別功労 奥田碩(おくだひろし)さん、以上の9名でございます。今、申し上げましたいずれの方も、本県の各界において県民の模範となり、かつ、県勢の伸展に寄与いただくなど、真に県民功労者としてふさわしい皆様でございます。なお、奥田碩さんにつきましては、世界的もしくは全国的に卓絶した功績がございまして、県民が誇りとして等しく敬愛するにふさわしい方でございますので、県民特別功労として表彰をいたします。皆様のご功績につきましては、お手元にある資料のとおりでございます。表彰式でございますが、4月14日(土)に総合文化センターで開催をいたします「県民の日」記念事業の冒頭で行います。なお、この章は、最高位の知事表彰として昭和40年に制度が定められまして、昨年度までに受賞されましたのは463名及び6団体の方々が受章をしております。本年度受章の9名を含めますと、472名及び6団体ということになります。
2.質疑応答
(質)特別功労、奥田さんの場合ですけれども、今までに特別功労受章者は何人いらっしゃるんですか。
(答)ございません。
(質)ということは、初めて?
(答)初めてでございます。
(質)これは普通の県民功労と違って、奥田さんの功績に鑑みて今回特別に出そうというふうな、そんなお考えがあったんですか。
(答)県民功労者表彰につきましては、実施要領におきまして「本県の各界において県民の模範となり、かつ地域社会発展及び県政の振興発展に寄与し、真に県民功労者としてふさわしい個人又は団体に対して行う」というふうに定められているところであります。奥田碩さんにつきましては、財団法人の三重県産業支援センターの設立当初から会長を務めていただきまして、本県の地域産業の活性化あるいはベンチャー企業の育成などに多大なご尽力をいただいたところでありますけれども、トヨタ自動車の代表取締役社長ならびに日本経済団体連合会会長などの要職を歴任されておりまして、本県のみならず日本経済の発展に多大な貢献をされているところでございます。今回の選考にあたりましては、奥田碩さんにつきましては、県民功労者としてふさわしい方であるということは当然にいたしましても、例えば「商工業功労」といった既存の功労では馴染まないのではないかという議論をしていただきました。そこで実施要領を一部見直しまして、「世界的もしくは全国的に卓絶した功績があり、県民が誇りとして等しく敬愛するにふさわしい方」ということにつきましては、県民特別功労として表彰するということにしたところでございます。したがいまして、前例はこれまでないということであります。
(質)ということは、実施要領を今回、一部変えたということですか。
(答)そういうことです。
(質)選考されるのはどういうメンバーですか。
(答)選考委員につきましては、6名の方にお願いしております。中川製作所の代表取締役の中川千恵子さん、鈴鹿国際大学の名誉教授の水谷令子さん、百五銀行会長の飯田俊司さん、県議会議長の藤田正美さん、望月副知事と土橋出納長、以上の6名が選考委員でございまして、いろいろと議論をやっていただいたということであります。
(質)この時期に奥田さんというのはなぜだったんでしょうか。去年ではなくて、今年というのは。
(答)奥田さんにつきましては、先般、経団連の会長を辞められました。多くの公職についてそれを機会に退かれるというようなことで、今はトヨタ自動車の相談役という立場で社業の方の世界への顔として動かれているということで、一応、公職的なところから区切りを付けようということでやられてきた時でもあるということでありますから、この時期というのは我々としても選考の中で考えられる一つの時期ではなかったかと、こういうふうに思います。
(質)公職に就いていないほうが表彰しやすい?
(答)必ずしも、年齢の関係とか、それ以前のご功労の状態だとか、そういうのがありますから、そこはいろんな議論がここでなされていると思います。今、議論の議事録を私も持っているわけではありませんので。
(質)経団連会長辞任は何年?
(答:総務部)平成18年5月です。
(質)当日は一応、ご本人出席のご返事はいただいているんですか。
(答)奥田さんについては海外へご出張中だというふうに伺ってます。この計画をしております4月14日につきましては。
(質)ということは、ご本人は来られないということですね。
(答)そうですね。
(質)みえけん愛ネットワークの代表の方のお名前がありますが、その点は特に重なっているということで配慮された?もしくは配慮してない?
(答)この選考にあたって私自身は一切、ご推薦をしたり意見を申し述べておりません。港湾協会からのご推薦があり、前々から何度か選考で議論をされてきたというふうに聞いています。
(質)副知事や出納長に口利いたわけじゃないでしょうね。
(答)全くこういったことについて意見は申し上げておりません。
(質)奥田さんが表彰されることについての知事自身の感想は。そのめでたさを語ってください。
(答)言うまでもなく財界総理としてもご活躍され、世界に向けての日本の顔の一つにもなっていただいた方であります。三重県ご出身ということで、それだけでも大変、我々も誇りとするところでありますけれども、県にとりましては先程申し上げましたように産業支援センター設立当初から会長もお引き受けをいただきまして、大変、社長業とかあるいは経団連の会長になられた後も、会長を続けていただいてまいりました。しかも、そういうお忙しい合間に三重県にも度々お越しをいただいて、いろいろご講演もいただき、あるいは私どもこの産業支援センターほか、県政のことについてもご尽力をいただいてきたわけでございます。そういう意味では本当に我々としては誇りであると同時に、ふるさとに対する愛着、「みえけん愛」もしっかりお持ちをいただき、またそれを実践してこられた、心から敬愛するにふさわしい方だと、こういうふうに思っています。
(質)個人的にお知り合いになっていろいろお話とかを聞かれて、どのあたりがさすがだなあというふうな、そういったものはございますか。
(答)私は個人的には奥田さんには、松阪市長に就任しました直後、東京でお目にかかりました。大変忙しい状況の中でありますけれども三重県に、そして津もそうでありますが、松阪にも住まわれ松阪の高等学校も卒業されているというようなこともありまして、私としては当時は松阪についてもいろいろとご指導いただきたいなということでお目にかかりました。非常に気軽にお目にかかっていただいたということがあります。それから私の中学、高校時代の親友がトヨタ自動車にその後就職しまして、奥田さんの下で社内カンパニーを任されてやっていたという経緯もありまして、しょっちゅう奥田さんのことは話題にしてきただけに、私にとりましても非常に前々から親しみを感じているという経緯がございます。知事になりましてからは県の産業支援センターの会長もやっていただいておりまして、なおのこと奥田さんには知事としての立場からも、より近いものを感じておりましたし、その後ちょくちょくお目にかかる機会もございまして、大変、私としては三重県にとってはありがたい応援者だと、こういうふうに思っておりました。
(質)物の考え方とか見方とかで何か教えられたことはありますか。
(答)奥田さんはいろんな所でご発言をされ、それが雑誌や新聞等でもよく報道されます。できるだけ目を通すようにいたしているところでありまして、そういう意味では経営感覚だとかそういうことについても非常に私としては、民間企業と行政という違いはありますけれども、民間の立場から考えられているということは私にとりましても参考になったと思います。
(質)先程の、ご友人がトヨタに入社されてという、その社内カンパニーというのは系列会社ということですか。
(答)違います。トヨタの本社内にある社内カンパニーというのは、特別プロジェクトで目的をしっかり与えられて、それを社内で部体制ではなくて、よく社内カンパニーという制度をやっているところがありますが、トヨタの本社の内部にある組織です。
(質)お名前は。
(答)今、豊田通商の社長になっている清水という男です。清水順三さんです。
(質)奥田さんは松阪高校卒業なんですか。
(答)松阪北高等学校です。今の松阪工業高校ですが、昔、奥田さんは津でお生まれになって、津中へ入られて、その後、学区制の変更か何かで松阪の北高校に入られて、そしてそこを卒業されてということです。もう少し詳しい経歴が必要ならば、後で担当の方から説明してもらってください。
(質)この前、知事選における後援会が立ち上がったのですが、改めまして、その組織ができたということでのご感想からお願いします。
(答)今回の選挙につきましては、4年前の選挙でお世話になった後援会のトップの皆さん方の下で、より広い組織体制ということで「みえけん愛ネットワーク」というものを立ち上げていただきました。県下全体に非常に幅広く団体関係の方々や、またNPO等でも活躍しておられる方、ボランティアで先頭に立っておられる方々などいろんな方、多彩な方に入っていただきまして、そこが核となってご支援をいただくということは大変あり難く思っているところであります。私としては、県民が主役の県政ということを今日までも実践してきたつもりでありますし、今後もご支援をいただくこういった皆様方のご期待にしっかり応えながら、私自身は県民主役の県政を展開していきたい、そういう思いを選挙戦で訴えていきたいと、こう思っております。 (質)
今後の活動はそれを中心に行われて、あと、この前ちらっとおっしゃってたのですけれども、従来型の個人演説会であるとか、あるいは決起大会のようなものを各地区で前回やられた、そういうものは今回は見合わせるというお話でしたが、一応、方向はそういう形でいかれるのですか、街宣運動中心の。
(答)まだ、選挙中の日程など、今詰めていただいているのだろうと思います。私自身は、そこでお決めいただいた形で、私の方はどちらかと言うと御輿の上に担がれて動いていくということでありますので、それに従っていくということです。中身については、どうぞ後援会事務所の方で聞いていただだきたいなと、こう思います。
(質)資金はどうされる?
(答)資金については、また報告書の中できちっとご報告させていただきます。
(質)持ち合わせで、ご自身から出していくということですか。
(答)それも含めまして、報告書の中で報告させていただくということです。
(質)ひとつお聞きしたいのですけれども、県民党ということを以前からずっと口にされていらっしゃるのですけれども、この「みえけん愛ネットワーク」というのもその一つだと思うのですが、県民党という考え方を改めてお聞きしたいのと、あと、具体的に「みえけん愛ネットワーク」以外に、何か県民党ということを標榜されて具体的にされることがあればお聞きしたいのですが。
(答)県民党については先程申し上げたとおりです。県民党という言葉はそんなに何度も使っているわけではないですけれども、何かの拍子に表現する言葉として他に表現の仕方を思いつきませんので、たまたま思いついた形の表現を使ったことはあります。私が申し上げたいのは、県政は一体誰のため、何のためなのだというところから私の県政はスタートしているわけで、そして、それがために県民が主役の県政ということを県政運営の基本の3本柱の一つに真っ先に挙げているところであります。したがって、そんなに変わったことを申し上げているわけでも何でもなくて、当たり前のことなのでありますけれども、その県民が主役という、そのことをしっかり実践していくということが大事でありますから、そのことをいろんな言い方で言う場合があろうかと、こういうふうに思います。それを選挙でどういうふうに表現するのだということは、それは私自身、そういう意味合いのことをいろんな場でお話をする時に申し上げるということであります。形とかそのようなものにこだわっているものでもありません。
(質)ネットワーク以外のもので、何かそういうツールとして表現されるものはありますかということなのですけれども。
(答)ないと思います。また、後援会の事務所で考えていることがあるかどうか聞いてください。
(質)関連で、都知事選に前回の三重県知事選で候補者のお一人のところに後援に入られた浅野史郎さんが、今回どうも都知事選に立たれるようなのですけれども、県知事時代は当然ご存じだと思うのですけれども、浅野さんが宮城県知事の時ですが、そういうことを含めて浅野さんを、候補者として何かご感想はありますか。
(答)そうですね、あまりよく知りませんけれども、かなり個性豊かな方ですから、溢れんばかりの個性を持っている石原さんと、やはり非常に個性的な浅野さんに代表される知事選になるのかなと、こう思います。選挙につきましては、都民の皆さんがそれをしっかり受けて判断されることだと、こういうふうに思います。
(質)三重県知事になられてから、宮城県知事が情報公開の透明性などが高いとかそういう評価も市民団体等から出てきましたけれども、それをある程度調べられたりとか、あるいは頭に置かれたということはありますか。
(答)あの人もいろんな取り組みをやっていますけれども、少なくとも私自身、県政のマネジメント、県政運営という観点で宮城県に学ぶものはない、宮城県よりまだ三重県の方がはるかに進んでいると、こう思っています。情報公開やそういうことでいろいろ象徴的な動きをされましたが、そういうことがあると思いますけれども。細かいこと等では、宮城県に限らずいろんな所でありますから、そういう所でいろいろ各それぞれの部の担当では他県の良い例というのは当然、学ぶべきものは学んできているとは思います。
(質)知事会とかでお会いになられた?
(答)ついこの間までやっていたのですから。
(質)その時に会話はないのですか。
(答)議論を一緒にはしてますし、義務教などでは意見を交わしていろいろやり合いましたし。
(質)義務教は、浅野さんは国の提案を飲んだ側でしたか。義務教の国庫負担の訂正については、知事は反対の側でしたね。
(答)そうです。宮城県知事は地方へ移譲せよという方で、私とは全く違う意見でした。
(質)対国などの関係で、知事会などの活動の中で、都知事職というのはやはり、今、石原さんがたまたまされていますけれども、東京都知事というのは、地方自治の対国の関係でやはり重いものなのでしょうか。
(答)それは重いでしょう。やはり都道府県といっても東京は首都であるだけでなく、あれだけ今、一極集中という形になっておりますから、我々地方から見ると、その対局にあるのが東京都ということになります。良きにつけ悪しきにつけ、最近は悪しきにつけ悪しきにつけというぐらい一極集中の弊害が我々から言ったら目立つところであります。しかし、これは東京都だけの問題ではなくて、やはり国のあるべき姿という観点で考えていかなければならないところ、これもあると思います。先程、奥田さんの県民特別功労というようなことを発表しましたけれども、例えばああいう素晴らしい人材を、それこそ地方からどんどん出しながら、東京にそういう方々がやはり集まってご活躍もされております。しかし、それだけ素晴らしい活動をされておられる方が、ほとんど多くは東京都に税金を納めていて、東京はそれで潤っていますから、何か元々、東京が東京都だけの力で展開できているのだという発想は、これは間違いで、東京都は日本の国全体のためにあり首都ですし、そして東京都のあり方ということは、やはり地方も含めてどうあるべきかということが追究されなければなりません。だから知事同士の議論というだけでなくて、むしろ国として東京をどう位置付けるのかということが非常に大事になってくるのではないかと、私はそう思っております。
(質)とにかく部分的には、浅野さんは首都機能移転も一部移転をと掲げられているみたいなのですけれども、その辺は評価できるのですか。
(答)どういうことを言っているのか中身を私は存じません。
(質)今でも三重県として、あるいは三重県知事として首都機能移転は当然、約束事だからやるべきだというお立場ですか。
(答)もちろんそうです。
(質)お二人とも、石原さんも東京都知事として、浅野さんは宮城県知事として同じ知事会でも同じ時期に活動されていたと思うのですが、何かそのあたり、地方分権とかそういう観点でお二人の考え方というのは知事として感じられたこととか評価される部分とかありますか。
(答)石原都知事は、知事会に出てこられる回数が極端に少ないわけでございます。したがいましてご自身が意見を述べられるという機会は限られていたということでございます。しかし、代理で来られた方のご発言も、当然、都知事の考え方に沿って言われているのだというふうに思います。中身の論評については今、選挙に出られるお立場の方々がそれぞれどういうふうに言われているのか存じませんので、差し控えたいと思っています。
(質)昨日、まだ原案ですけど、議会の方が政務調査費についての条例改正案を示されまして、議長・副議長の発表があったんですが、中身等はもうご覧になったと思うんですけれども、その辺のご感想をお願いします。
(答)最近、情報公開度という点では非常に評価が高かった三重県が、その評価が少し下がってきていた大きな項目の中に、議会の情報公開という観点で、この政務調査費なども指摘をされておりました。中身としては、議員の方もそれぞれしっかり議論をされて取り組まれたんだろうと思いますが、この度、政務調査費についてもああいう形で自らお決めになられたこと、これは高く評価をしたいと、こう思います。
(質)どの辺を一番高く評価されますか。
(答)なかなかまとまらないと聞いておりましたので、やはり公開するんだということで、一応の結論を出されたということですから、前向きにしっかり皆さんが合意されたということで、評価をしたいと思います。
(質)まだ、全員協議会でどうなるか分からないですけど。
(答)そうですか。だいたい、方向としてはそういう方向で、会派の代表の皆さんがしっかり入って議論されておりますから、そうなるんではないかという前提で申し上げてます。
(質)知事としては、全面公開にならなかったということに対しては、将来的には、やはり1円から中身については領収書を添付して公開するべきなんではないかというようなお考えはありますか。
(答)情報公開の場合に考えなければなりませんのは、県民から見て分かりやすいかどうかという観点です。一体、何のために情報公開するんだと、それは公開する立場の者の考え方でやるんではなくて、県民の皆さんが透明で分かりやすい状況をつくっていくということであります。したがって、それにふさわしいあり方はどうなのかということを追究されたらいいのではないかなと思います。技術的なことだとか、そういう細かい議論のところは、私は分かりません。しっかり議論をされたらいいと思います。
(質)今の観点から言われて、今回のものは評価に値するんですか。まとまったとかどうかは別にしてですが。
(答)今までなかったわけですから、大前進ではあるでしょう。
(質)県民から見て、まだ分かりにくい面もありますよね、今の中身では。
(答)それは皆さんがそういう、マスコミとしての評価をされたらいいじゃないですか、それぞれの立場から。
(質)我々もある程度評価して、そういうふうな議論の材料を出せということですか。
(答)いや、私もちょっと議論の、なぜそういう話になっているのかということまで、きちっと分かりませんので、したがって基本は「何のために」ということをしっかり押さえて議論をしていって、それに基づいて、やはり制度として作るわけですから、やりやすいと言いますか、そんなに現実にできないような複雑なものを考える必要はないわけでありますから、やはりそういう意味では、議論をされた形の中で、自分たちで実行できる、やれる中身にしていったらいいんではないかなと思いますから、それは議会の方が自分たちで考えて結論を出していったらいい問題だと思います。
(質)突っ込む気はないんですけど、ただし議会も予算から出てて、しかもその予算を最終的に決めて執行する責任者というのは知事であるわけですよね。これは三重県だけではなくて、当然ながら自治法の関係で。そこから言って、今回のような政務調査費の取り扱い、中身で、例えば1万円という額に下がったと言いつつも、じゃあ1万円以下のものは出さないというようなことが県民に理解が得られるかどうかということは、どうお考えになりますか。
(答)私自身は、したがって県民の方に透明性というようなものをしっかり分かっていただけるようなものとして議論をされてきた時に、それについていろいろな事情があって、ということであれば、そのことが県民に分かるように説明責任を議会で果たされるということが大事だと思います。なぜ、そういうふうな区切りをされたのかと。私はちょっとそこの議論の中は知らないんで、したがって要するに県民の皆さんが、何のためにやっているんだと、実は県民の皆さんにご理解いただくためということですから、ご理解いただける説明をきちっとつければそれでいいのではないかなと思います。県民が理解できないというのであれば、やっぱりまだ十分でないということでありましょう。
(質)議員経験、地方議員ではないんですけど国会議員のご経験もあるということでちょっとお聞きしたいんですが、昨日の正・副議長の発表等の中で、審議された中で、あまりにも公開に軸足を置いてやり過ぎると、議員の自由な活動というのが阻害されるという意見があったと。それが1万円にとどめた形の理由とか、そういうふうに言われてるんですが、議員活動がこういう公費を使っての公開に関して全面公開した場合に、議員としての自由な活動というのは阻害されるんですか。国会でも、ある程度問題にはなってますけど。
(答)私もちょっとその辺の議論は、なかなか県議会の活動についての議論はよく分かりません。ただ、物事は白か黒かというような境界線がびしっと引けるものであればいいのですが、なかなか引きにくいところがあるかと思います。私自身、知事という立場で行動する場合も、それが将来の三重県の県政発展のために資するからだと思っても、例えば友人・知人関係、いろんな人的ネットワークの中で、そういった環境を維持・発展させていくということについては、これはなかなか公務として認め難いところがあります。では、どの辺からそれが公務に入るのかということについては、判断し難いところがあるでしょう。したがって、そういう意味では何かそういう部分での自由枠を作るのか作らないのか、これは議論は大いにあるところだと思います。しかし、かと言って、じゃあそういうものがなければならないのか、という短絡的な結論にも、そう簡単にはいかないと私は思います。だから、やはり制度としては、県民から見て透明で分かりやすい、やはりその制度にしっかり則りながら、自らは自分の職責を果たすために、何もそれはお金だけの問題ではありませんから、自分のお金を使おうと、しっかりそれはそれでやっていくということが大事で、それが障壁になってできないというようなことはありません。よく私どもも交際費の問題では、裁判にもなったり訴えられたりいたします。そういう中でやはり、県民から、誰から見ても分かりやすいところへ線引きをしていくということは大事だと、こういうふうに思います。
(質)今、知事以下三役の1泊16,500円の旅費規程がありますが、それは領収書を付けてましたか。義務付けではなかったですか。
(答:政策部)付けてないです。
(質)今回、議会はどうもそこも議論になってたみたいなんです。今後、知事部局の方も何かそういうお考えはあるかどうかも分からないですけど。
(答)したがって今は、足りない差額は当然、個人の負担でやっていくということですから、煩雑な事務手続きやそういうことも考えますと、やはり県民に理解できる、一方でまた合理的な、そういう線引きのあり方というのは考えられていいのではないかなと、こう思います。
(質)知事交際費・部長交際費は自主公開なんですよね、条例でも何でもないんですよね。それで、県議会に合わせて領収書を添付させようとか、そういうお考えはないですか。
(答)ただ、交際費の中身を見ていただいたら分かりますが、ほとんど、県民功労者であった方が亡くなられた香典であるとか、というようなものが、今ほとんどそういうものが多いです。そういうのは、領収書を取れないでしょう。
(答:政策部)実際の支払いの際、領収書のあるものは全部付けています。情報公開の開示請求があれば、開示することになります。
(質)宿泊費の領収書とかはどうですか。
(答)そういうのはないです。
(質)付けるというようなお考えはないですか。
(答)宿泊費は、通常は私のお金で払って、そして後で補填をしてもらうという、そういう形です。したがって、私はいつもクレジットカードで払ってますが、後で補填をしてもらっているということです。だから当然、足りない分はそのままということになります。
(質)クレジットカードは個人のカードですか。
(答)個人のカードです。私の個人のお金で払った上で、JRの交通費だとか、そういうのも私の個人のお金で払って、それでその後で計算して、振り込んでもらうという格好になってます。
(質)別に、三重県の法人カードを作って、それをお使いになってもいいんじゃないですか。
(答:政策部)旅費規程に従って出てるので、実費相当ではないですが、知事も私たちもそうですが、決まった積算で決まった額しか出ないという制度になっています。そういう、法人カードで支出するという性格のものではありません。
(答)担当から、後でよく説明してください。
(質)12月初旬に大阪へ公務で行かれて、大阪から東京へ個人的に行かれた、ああいう場合は、大阪~東京間は何になるんですか。田村代議士に会われたりとか、小沢代表とか、そういう時は大阪~東京間は何になるんですか。私費なんですか。公務なんですか。
(答)東京に公務があれば、公務です。
(質)その時は多分、東京に公務はなくて、個人的に会いに行かれたと思うんですけど。
(答)よく分かりません。
(質)その時は私費になるんですよね。
(答)いや、そこは非常に判断し難いところはあるでしょうけど。私も、いつの時だったのかよく覚えてませんが、大阪から行った?
(質)観光の発表か何かを大阪でされて、その後東京へ行かれた時です。
(答)一度、よく見ておきます。
(質)志摩病院で先般、産婦人科医が見つかったということで、産科の再開が決まりましたけれども、とは言え医師不足というのは相当あると思いますし、看護師も合わせてなんですが、志摩病院の産科が再開することに対してのご感想と、依然変わらない医師不足、看護師不足についての所見をお願いします。 (答)
これはもう何度も触れておりますけれども、今、医師あるいは看護師の不足問題というのは深刻な状況でございます。そういったことから、いろんな地域で旧来の医療提供サービスが支障を来たすというようなことが起こったりしてきておりました。志摩病院についても産科の問題がございましたけれども、県としてはこういう医師不足の問題については、かねてからいろんな制度をとってきたわけです。ドクタープール制あるいはドクターバンク制度であるとか、あるいは修学資金を貸与する制度であるとか、いろんな、少しでも効果を上げたいということで取り組んできました。今回、志摩病院につきましては、その中でドクターバンクの取り組みがうまくマッチングできたということで、効果をもたらしたと、こういうふうに思ってます。ドクタープール制度についても、今一人、東紀州に派遣をしているところでありますが、近いうちにもう一人確保できるということで、こういった取り組みについてはなかなか、もちろん相手のあることでもあります。いろんな条件、状況もあります。そういう中で、少しでも私たち地元で、県でできる努力として、今後も取り組んでまいりたいと思います。ただ基本的には、地域偏在の問題、今の国会でも格差問題等の観点から、いろいろ議論をされているようでありますけれども、私としては国に、もう少し医師の不足問題、偏在問題、こういったことについてしっかりリードしてもらわないと、地方だけの努力では解決しないのではないか、こんなことをいつも思っております。したがって国に対して、いろんな機会を捉えて、いろんな要請・要望をしていくというふうにしております。
(質)知事の公約の件でちょっと伺いたいんですが、実績の部分と、これからやりたいことについて2点伺いますが、実績の部分で、過去の負の遺産の処理ということを掲げられてますが、11事案の産廃の処理を始められた、踏み切られたというのは知事のご見識の結果だと思われるんですが、その時の踏み切った一番の理由と、どんな動機があって踏み切られたのかという部分をもう一度説明していただきたいというのが一点です。もう一点は図書館の整備ということで、以前、図書館から雑誌が4割消えたという事案が平成17年だったと思うんですが、県立図書館の図書購入費が減って、図書館の機能がだいぶ低下してしまったという実感があったと思うんですが、「文化力」ということを掲げられている観点から、そういう図書館機能充実の点で、下がったことがあるということに関してはどのように考えなのかということを、過去のことも含めてなんですが、お願いします。
(答)まず、ごみの不法投棄等の問題については、不法投棄そのものが産業廃棄物であれ、あるいは個人であれ、いろいろあるなあと思います。と言うのは、松阪市長の時に松阪市内でも有名な投棄場所みたいな所があったりいたしまして、これはもう非常に頭の痛い問題だなと、こう思っておりました。そういう中で、三重県知事選挙に出まして、その関係でいろんな所へお訪ねをした中で、市町村長さんからもこの産廃の不法投棄のかなりひどい実態があるんだというような話も聞いておりました。そんなことで、知事になりました当初から気になっておりましたので、なりましてからいろいろと担当部と意見交換し議論をする中で、私としてはまず実態がよく分からないということでありましたので、まず実態からきちっと把握をして、そしてその上でどう対応していくのか、県の果たすべき役割・責任は何なのかということをきちっとしていくべきだというふうに物事を考えたところであります。調査をするといってもかなり予算、経費もかかるということでありますし、相当大規模な所、これも何カ所ぐらいが対象になるのかということで、11カ所を一度にというわけにいかないので、順次調査をしていこうということで、平成16年度予算に調査費を付けまして、それから順次調査をしてきたというところです。その16年度の一番最初やりました2~3カ所のうちの一つが大矢知でありまして、その調査結果がちょうど1年後ぐらいに出てまいりまして、それが全国でも最大規模などというような形で非常に皆さんにも騒がれたというようなことでした。経緯としてはそういうことで、私自身の思いとして展開してきたところであります。それから2つ目、図書館についてでありますけれども、図書館は私も当時、週刊誌とか雑誌、かなり多くのものが購入できなくなったというようなことを新聞報道されるまで知らなかったですけど、それでびっくりしまして教育委員会にも、どういうことなのかということを申したことがありました。その後、教育委員会でいろいろ対応を改善したというふうには聞いております。やはり非常に財政状況が厳しい時でありますので、やり繰り算段の中でいろんなそういったことも起こったんだろうと思いますが、やはりその後「文化力」というような観点も出しておりまして、厳しい選択と集中というような考え方の中でどうやり繰りするのか、少なくともそれぞれの担当の苦労や悩みはそう簡単に消えないと思いますけれども、そういう中で努力・工夫をしてほしいなと、こういうふうに思っております。今、図書館についてはそういうこととは別に、今の時代、図書館機能というものは全く新しい機能が求められている、また新しい機能が展開できるのではないかということで、これからの県立図書館のあり方というようなことについてご検討をいただき、その観点から新しい展開をこれからしていきたいというふうに考えておりまして、私もそうすべきであると、こういうふうに考えております。
(質)口利き要領の関係なのですけれども、12月26日に既に実施されて何十件かあるみたいですが、どうも部局間で、こちらの職員側の方も部局間で随分対応に差があって、1件も出ていないところもあれば、議員の方でも議員の求めでそういうのを作ったんですけれども、その考え方に随分違いがあると思うのですけれども、知事はこれをどういうふうに運用を確立していくのか?
(答)私は、もちろん経緯として県の方が倫理条例を作っていくというその中で、やはり議会側も住民の声、要望を執行部に伝えるということは非常に重要だけれども、しかし、不当な働きかけはしてはならないという意味からいけば、何が正当で何が不当なのか、これはなかなか判断が難しいところがあるけれども、少なくともこういったことについて、記録を取って情報公開の対象にする、透明で分かりやいものにするということが大事ではないかという観点で、私ども事務当局の方にも検討の依頼がありました。もとより私どもも、当然私どもの行政活動の透明性、公平性ということを確保していくということは大事なことでありまして、いわゆるこういう要望等について、それが口頭であれ電話であれ、文書でないものについても記録を取っていくようなそういうことが必要だろうということは検討をしてきていたところでございまして、そういう意味でちょうどいいチャンスだなということで、私どももこれにしっかり対応したところでございます。これについては、いわゆる口利きという言い方がされたりして、それも私どもは、もしもそういうことを言うなら悪質な口利きを防止するということがありますけれども、一般的に申し上げておりますように、「一定の公職にある者等からの要望等」でありますから、したがって議員の皆さんにおかれても、議員活動をやる上でいろんな要請を地域から受けられてきて、それをそれぞれご判断をされて当局にも伝える、あるいは要請をしてくるということ、これは当然欠いてはならない活動としてあるかと思います。したがって、私どもは情報公開、透明性ということに、そういう観点から整理をしているところでありまして、むしろそういった記録が、しっかり県民から評価されるものであれば、その記録というものはなおその人の評価にも結びつくことであろうと、こういうふうに思いますから、何かこのことで消極的になったり、そういうことを考える必要は全くないところであります。したがって私どもも、情報公開、透明性という観点でこの要領の中に記述している3要件に該当するものについては記録をとっていくと、特にこれはまず口頭あるいは電話等で行われる、行われた、それから契約発注の公共事業関係とか事業採択、許認可関係とか報告の対象が書いてありますけれども、それから3つ目に県職員に対して、その職務上の行為を行う、あるいはその逆に止めておけということを求めるようなところ、その3要件に合致するようなそういうものを対象にしようとすることです。本来、公開された時に県民からの非難を受けるようなものついてはこれはいかがなものかと思いますが、逆に県民から評価してもらえるようことは大いにやっていただいたらいいことだと思います。それから、このこと自体の対象となること自体が何となくという、そういう思いがあるならば、口頭とか電話等によるものではなくて、文書で出していただいたらこの要領の対象にはなりません。文書で出していただいたら、これはいわゆる公文書として扱いますから、もちろん情報公開の対象にはなりますけれども、この要領の対象になるものではありませんから、いろいろもっと議員活動として積極的に考えられたらいいのではないなかと、こういうふうに思います。
(質)今、文書でということでしたけれども、やはり知事の方からすると、議員の方でもそういうことにしたら年間に100件以上とか、多い人は何か400件ぐらい要望をしているという人もいましたけれども、そういうものを文書化する事務に時間をとられて、それは給料の無駄遣いだという人もいるのですけれども、だから知事としてはなるべく文書で出してくれということでしょうか。
(答)私は、文書で出すというのは、ご本人が書いていただくものでありますから確認する必要もないし、そのまま正確に伝えられるものであるし、私はそれはひとつぜひ、逆にお勧めしたいやり方だと、こういうふうに思います。
(質)県の方の、当局の方の対応なのですけれども、例えば言葉で言ったら要望、提案、苦情というふうになっていますけれども、その微妙な言いまわしというのがありますよね。検討してくださいというようなことがそれはどういう意味なのだ、何かそれで迷っているところもあるみたいなのですけれども。それは文書化するものかどうかと、議員の方でもこれはそのようなものではないよ、ただ照会しただけだよというような、何かこう複雑なところがあるみたいなのですけれども。
(答)そういう複雑さを解消するためにこういう制度があるわけですから、そういう点はよく整理をされたらいいのではないですか。
(質)ただ、今までやっていないことだから、実際運用で考えていた、机上で考えていたものと違うものも出てくるので、そこのところはある程度実例で運用面は考えていかなければいけないものもありますよね。
(答)私どもは、やはり情報の透明性を保っていくという、そういう観点から先程も整理をしたのだと申し上げました。情報公開、透明性ということ。したがって、それは誰のためにやっているのかということについては、県民の皆さんがそれぞれの議員の活動についてより分かり、より評価できるように我々行政側の活動についても、もちろんより皆さんに分かりやすくしていくということのためにやっているのでありますから、そこを積極的に考えてもらったらいいということです。ただ、個別の利益誘導のためにとかいうようなことについては、それは今そのようなことが許される状況ではありませんから、そんなことを考えておられるというようなことは当然ないかと思います。苦情にしても正々堂々とやってもらって、そして県民にもこういうふうな活動をやっているのだということをしっかり説明してもらったらいいのではないかなと、こういうふうに思っています。
(質)取扱要領で、例えば本会議、委員会、審議会等での質問についてはこれは記録を別にとる必要はないという話ですが、最初、事情を聞いた段階で、議員はその時は別に委員会でやるとか、質問をするとかそういう形ではなかったけれども、途中でそれが切り替わる場合がありますよね、そういったものについての職員、各部局への指示というのは具体例がないだけに今のところまだ徹底されていない面がありますでしょう。
(答)したがって、例えば審議会だとかそういった所での意見について、十分表明できなかった時には、文書で書いていただいたらいいわけで、私ども県民とのいろんなやりとりの中でも、限られた時間の中で十分発言、表現ができなかった、あるいはその後、また付け足して言いたいことが出てきたという場合には、どうぞ文書なりメールなりそういったものでぜひいただきたいというようなことを申し上げる機会がいろいろあります。それと同じようにしていけばいいのではないかと思います。今度、12日にやられるのだと思います。もちろん私どもは、これについては運用状況も見ながら、よりいいものにしていけるならば、よりいいものにしていったらいい、こう思っていますから、いろいろまた議論されることについては、私も注意深く見ていきたいと、こう思っています。
( 以 上 )