知事定例会見録
平成18年 8月18日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- 第40回政経文化画人展への出展について(報告)
昨日から始まったんでありますけれど、今年も政経文化画人展が開催されています。本年は第40回ということで、これまでの展覧会と付け加えて、歴代大臣経験者の方の絵であるとか、これまでの大賞の受賞者の過去の作品についても展示するというような企画でございました。昨日がそのオープニングでありましたので、私もちょうど、東京へ参りましたので、寄ってきたところです。今年は、私は津市芸濃町に石山観音というのがありますけれども、それを画題といたしまして出しました。後程フロッピーでお渡ししますけれど、この絵でございます。これは昨日、会場で撮ってきた写真です。同時に過去の作品で松阪城趾というのを出しました。これは国会議員当時、平成元年頃だったと思いますが、描いた絵でございます。知事になりましてから一番最初の年が、菰野町にあります五百羅漢、その翌年は熊野古道、そして昨年は多度大社、そして今年は石山観音を描いたということでございます。なお、今行われていますのは東京銀座松坂屋でございますけれども、9月2日から10日の間、大阪の方でも開催されますので、お伝え申し上げておきたいと思います。なお、初日にいつも年度の審査を行いますけれども、昨日の審査で、内閣総理大臣賞、今年は高橋芳雄さんという方が受けられました。この方はたまたま三重県が協定等を結んでおります元阪和興業の顧問をされている方でございます。文部科学大臣賞には岸ユキさんが受賞をされました。それから変わったところでは工藤静香さんも今年絵を出しておりましたけれども、なかなかいい絵でございました。清原賞という特別賞が工藤さんに与えられるということになりました。私の方から、今般開催されているこの政経文化画人展について、話題提供ということで報告させていただきます。
2.質疑応答
(質)今回は何号の絵ですか。
(答)ちょっと訂正をしてほしいのですが、石山観音については20号、これはそのままですが、左側の方に松阪城趾というのがありますが、これは30号になっていますが20号の間違いです。どちらもF20号です。
(質)油彩でいいんですね。
(答)そうです。後程このフロッピーをお渡しします。
(質)感想だけ、なぜ石山観音なんですか。
(答)石山観音は知事になりましてから、それまで実は津市のこと、当時はまだ合併前の芸濃町でしたけれども、あまりよく知らなかったんですが、行きましてなかなか大したものだと思いました。画材としてはちょっと石像がバラバラしていて、一緒にうまく入れてというところが難しかったんです。そういう意味では少しどうしようかなと、ためらったところがあったんですけれども、今年はなかなか忙しくて他を考える余裕がなくて、石山観音にしたということです。
(質)作者としては何を表したかったんですか。
(答)壁とか石とか、結構そういうのは絵の画材として私は面白いと思っております。
(質)三重用水の件ですが、この間の会見では、地元の理解が得られなくて期限内での送水を見送る、断念するという話で、その後暫定的な次善の策を検討したいということをおっしゃってましたが、その後の状況はいかがですか。
(答)その後、受水地の企業、シャープの方から前倒しにつきまして具体的に、来年の夏頃に2,500トン程度お願いしたいというような話で、申し出があったということでございます。したがいまして今、暫定的にどう対応するかということにつきまして、亀山市そして企業側も含めまして、協議をいたしているところでございます。今はまだ、そういう時点です。
(質)来年夏頃の2,500トンというのは、申し入れがあったのはいつでしたか。
(答)確か、8月の始め頃に確認したというような話でした。
(答:農水商工部)事務方でお聞きしておりますのは8月11日です。
(質)これについては今、亀山市と企業側で協議していて、可能性を含めて、いつ頃までに結論を?
(答)まず、どういう方法があるのか、そしてそれぞれの可能性ということについて、これから検討していくということです。まだ、今後の検討でありますので、具体的にどうするということが決まっているわけではありません。
(質)この2,500トンは、水供給の時期というのは液晶パネルは月産でどの位が目標ということをシャープは言ってるんですか。
(答:農水商工部)生産計画と水の計画との詳しい内容は、ちょっと我々も把握しておりません。この8月の頭に、シャープから2カ月前倒しの発表があった時には、まず15,000枚、それからさらに15,000枚をこの年度末ぐらいまでにという話がございましたけども、我々が把握しているのはそこまででございまして、その後の計画と水の量との相関関係というのは、我々の方では把握できておりません。
(質)15,000枚でいって、来年3月以降に15,000枚増やして30,000枚にするという、その30,000枚以上の数についてはまだ聞かれてないということですか。
(答:農水商工部)具体的なことは聞いておりません。
(質)亀山市とシャープとの三者協議は、既に始まってるんですか。
(答)やってます。
(質)いつぐらいから、やってるんですか。
(答:農水商工部)まず、前倒しのご要望がございましたのは7月31日でございまして、その後事務的にはいろんなレベルで調整しておりますけれども、8月11日には三者が集まって打合わせもしておりますし、いろんなレベルで進めております。
(質)前倒し要望は7月の何日?
(答:農水商工部)31日です。
(質)現在は何トン供給しているんでしたか。
(答:農水商工部)現在の供給量は、亀山市の工業用水として6,000トン供給しております。日量です。
(質)19年夏に、プラス2,500トンなんですね。当初はプラス何トンですか。
(答:農水商工部)工業用水として申込みをいただいておりますのは、4,800トンでございます。
(質)プラス4,800トン?
(答:農水商工部)はい、6,000トンプラス4,800トンです。
(質)当初はいつでしたか。
(答:農水商工部)21年4月です。
(質)森林環境税なんですけど、この間、議会の検討会が導入を積極的に検討すべき段階で、執行部が導入を検討するならその意志を明確に示すべきだというようなことで、検討会としての判断は言及しなかったようですが、これについて知事の今後の対応、お考えはどうですか。
(答)今年の2月頃でしたか、検討会を県議会の方で設けるということでございました。県議会が税をテーマに検討会を持たれるということでありましたので、私たちは県議会のご意志をきちっと尊重しなければならないという立場で、検討状況を見守ってきたというところでございます。今回出されました報告書では、県の森林づくりについてのいろんな今後のあり方についても触れられているところでございますが、具体的な検討もしながら、今後、森林づくりにつきましては、より一層、県民の皆さんや事業者の皆さんにご理解を得られるように、県としては考えていきたいと思っております。したがって、今後さらに、それを踏まえて検討していきたいという考え方です。
(質)引き続き検討するということですか。
(答)まだ、この間いただいたばかりですので、中身についてもよく検討していきたいと思います。既に昨年、議員条例として「三重の森林づくり条例」ができております。その中で、県議会の皆さんの考え方というものが出ているところでありますので、今回の報告書と、それとの整合性だとかそういうこともよく見てみなければいけないところがあります。
(質)結局、報告書には、森林環境税を導入すべきである、すべきでないという積極的な判断は記されてなかったと思うんですが、やっぱり判断しづらいものだと思われますか。
(答)分かりません。それは県議会の話です。私どもとしては、条例に基づいてこの3月に「三重の森林づくり基本計画」を新たに作ったところであります。一方で、財源の確保についても条例で謳われておりまして、そういう中でこの森づくりについての税という考え方も、その一つとして考えられるということでありました。議会として、それについて今回の報告書では明確にその議論の結論が出ているわけではなくて、考え方の条件を言っているというものかな、と思っております。
(質)知事としては、議会として税の導入の是非までは踏み込んでほしかったと思われますか。
(答)いや、議会は二元代表制の下でと言われるので、どういう意志を総意として出してくるのかということを注目していただけであります。ああいうことですから、後はまた私どもで考えていきたいということです。
(質)野呂知事ご自身としても、財源の確保の一つとして税の導入というのも選択肢の一つにはあるということですね?
(答)旧来からそういうことですが、したがって今後どういうふうにしていくのかということについては、これから検討していくということです。
(質)県民の理解が大事だというような趣旨のことを報告書には書かれていたと思うんですが、その立場は同じですか。
(答)それは当然ですね。県民の理解が得られなければならないというのは、当然のことだと思います。
(質)理解を得るために、一番難しいところと言いますか、一番重要になってくるのはどういう点でしょうか。
(答)理解を得るということについては、森林づくりということの重要性をまずご理解いただくということです。その時に、ご理解いただいた上で、どういうふうな施策をどういういうふうにやっていくのかということであり、それについての適切な負担の方法というものをどうするかという展開で考えられていくことだと、こういうふうに思います。
(質)フェロシルトですけれども、この間の定例会見で亀山市辺法寺地区の撤去が砂防法に一部抵触している所があって止まっていると、目処も立たないという話がありましたが、その後どういう状況でしょうか。
(答)その後、石原産業の方からそれについての申請が出て、認められたということであります。今、搬出道路等の工事の準備工を行っているということで、今月下旬には搬出に着手できるのではないかなと、こういうふうに聞いております。
(質)最後は、ずれるんですか?元々の期限がありますよね。
(答)その遅れた分、1カ月近くですか、その分はスケジュールでいくと開始が遅くなったのですけれど、最後の時点はどうなのか、そのことについては聞いていません。
(質)知事選がもう半年後の4月にありますけれども、この間も伺いましたけれども、現段階で知事のお考えとか、今後どういうプロセスでどうしていきたい、いつ頃にどういう形で気持ちを表明したい、明らかにしたいというところはどうでしょう。
(答)まだ選挙のことについては今、どうのこうのするという考えは持っておりません。まだその時期ではないと、こう思っております。
(質)その時期とはいつ頃訪れるのですか。
(答)分かりません。
(質)時期的に、いつということではなくて、どういう条件が整えばというのか、どういうことになれば表明、判断をされるお考えでしょうか。
(答)選挙に関しては、あとはもうノーコメントです。今は答えることはありません。
(質)8月15日に小泉首相が靖国神社に参拝なさいましたけれども、知事の靖国神社に対してのお考えをお聞かせいただければと思うのですが。
(答)これまで靖国神社というのは、戦争で国のために犠牲になられた方々が祀られていると、そういう過去の悲惨な戦争による犠牲者を悼み、また忌まわしい戦争の経験からすれば、二度とあのようなことがないように、我が国の、そして世界の平和を願う、そういう気持ちで靖国神社へお参りをする方というのは多くおられ、国民的にも支持をされてきたことではないかなと、こう思っております。しかし、昨今の国際関係のこと、それから最近、特に問題になっておりますA級戦犯の合祀というような、そういったいろんな問題が指摘され、また議論をされているところであります。私はやはりかつての戦争の犠牲者、兵隊として尊い命を失われた、そういう方に心から哀悼の意を表し、そして今後の恒久平和を願い、祈っていく、誓っていく、そのことは非常に大事なことだと思いますので、そういう意味では、今のような議論が早く整理をされる、ということを強く願っているところであります。
(質)衆議院議員時代は行かれたことがあるのですか。
(答)行きました。毎年、議連で超党派でお参りをするということで、当時から与党・野党問わず多くの国会議員が参加をしておりました。ただ、千鳥ヶ淵には墓苑がもう1つありまして、遺骨収集等で回収されてまいりました御霊の遺骨につきまして、それを収納しているところがあります。そういう意味では、戦争の兵隊の犠牲というものについてどう弔意を表明していくのか、どういう場でやっていくのかというのは、当時からも議論としてはあったところでありまして、靖国神社よりも千鳥ヶ淵のその墓苑を、その国としての弔意を表す場にしたらどうだとか、いろんな議論もあったわけでございます。そういうことが整理をきちっとされないまま今日まで来て、今の小泉総理の靖国参拝に係るところのいろんな議論になって現れてきているということです。
(質)知事ご自身は総理大臣の終戦記念日の靖国参拝は是とされますか、非とされますか。
(答)私は総理という立場にある人は、そういう意味では今あるような議論につきまして、きちっと整理をされて判断をされるべきではないかなと、こう思います。ですからご自身が参るということよりも、この議論について、きちっとした国の結論を、議論を今後に長引かせるということではなくて、きちっとした結論を得ていくということがまず大事なことではないかなと、こう思います。
(質)その結論が出るまでは控えるべきですか、そういうことではないのですか。
(答)個人のお参りをするということについて、私からコメントとするものではないと思いますが、内閣総理大臣という国の最高責任者という立場からいけば、そういった国民的な議論になっていることについては、きちっと整理をされるということが大事ではないか、そういう責任というものがあると思っています。
(質)A級戦犯の分祀はご賛成ですか。
(答)私、靖国神社そのものの成り立ちだとか、そういったことについてあまりよく分かりません。特に宗教的行為の中でそれがどういうふうに扱われるのかとか、そういうことがよく分かりません。ただ今、議論になっておりますから、そういったことについては分かりやすくきちっと整理をしていただきたいなと、関係者できちっと分かるように整理をしていただきたいなと、そういう気持ちは持っております。
( 以 上 )