知事会見
平成18年 3月28日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
なし
2.質疑応答
(質)まずF1の件なんですけども、先日も記事とか出ましたが、富士の来年の開催が決まったというような話が出ているんですけれども、その情報の後の様子も含めて、知事の受け止め方をお話いただければと思います。
(答)今回、伝えられている富士での開催につきましては、私の方ではまだ正式に伺っているところではございません。それからこれまでも私としての思いを申し述べてまいりましたけれども、鈴鹿でのF1の継続開催につきましては、鈴鹿市も強く望んでおりますし、三重県としてもぜひ継続開催できるように引き続いて取り組みはやってまいりたいと、こう思っているところでございます。
(質)取り組みの何か具体的な方策はありますでしょうか。
(答)特に今、具体的にと言うことではありませんけれども、このことにつきましては鈴鹿市やあるいは鈴鹿サーキットともども連絡・連携をとりながら、県として対応の必要なものがございましたら、それに対応していくということでございます。
(質)ホンダ関係というか、鈴鹿サーキットさんですね。
(答)そうです。あそこの場合には、ホンダとはもちろん関係があるにしても、実際にレース開催をするのは鈴鹿サーキットという会社になりますね。
(質)仮に来年から日本グランプリが鈴鹿で開催されないとなった場合に、三重県のブランド戦略の中で影響はどんなことが出てくるでしょうか。
(答)そういう前提においては考えておりません。私としてはこれまでF1について、鈴鹿市等から強い要請もありましたので、私も応援団長を引き受けたようなつもりでマックス・モズレーFIA会長にもローマでお目にかかって要請もしてまいりました。会長並びに、その後いろんなところからの状況も、鈴鹿についての評価が非常に高いという状況がございます。そういう中で富士との関係をどのように整理をしていただけるのか、世界のF1ファンの鈴鹿という強い思い、これも高い評価とともにありますから、今後も私どもとしては鈴鹿での継続開催に期待を持ちながら努力していきたいと、こう思っておりまして、それを否定する前提の下でのご質問にはお答えすることはできません。
(質)県としては、知事もご自身でFIAの会長にお会いになってるということがあるので、逆にどうなったんでしょうかというような問い合わせを、FIAとかFOAに対して県の方ではされているんでしょうか。
(答)直接そういうことはしておりません。今度、いろいろと鈴鹿市とサーキットにも相談をする中で、県としてできることについてはやっていかなければならないと、こう思っております。具体的にどういうことというのは、まだありません。
(質)2007年度のF1のレースのカレンダー、スケジュール表が発表される時期というのは、どのぐらいの時期だというふうに見込んでいるんでしょうか。
(答)ここが私も正直、FIAの組織そのものについての状況がよく分かりません。あるいはFOAというF1の管理会社、商業権を持っている会社との関係等もよく分からないところであります。しかも、時期等についてもいろいろな状況の中で決まっているようでございます。ただここ数年の状況を見ますと、6月ぐらいに暫定発表があり、秋に再度発表があって、そして12月のFIAの総会で了承されるというのが通例でございますけれども、本シーズンの最終確定というのは今年の2月までずれ込んでいるというようなことも実際にございますので、非常に予想がつきにくいというのが今の現状であるということです。現在の状況でも富士の開催等を含めてFIAからの正式発表もなく、まだ情報も入っていないと、こういう状況です。
(質)当初からFIAもそうなんでしょうけれど、FOAの会長に会うべきだという話も聞いてたんですけれども、そういう段取りはされなかったんですか。
(答)これは私もさっき申し上げたように、FIA並びにFOAというような構造について、あるいはその開催決定について、どのような仕組みなのか分からない状況で、応援団としてはいろいろご判断いただいた要請の中で私も参ったということです。最終的にはレーススケジュールの決定というのはFIAが行うというようなことでございまして、FOAとの契約が絶対的なものではないというふうにも伺っているところでございます。私が昨年秋に行った訪問先の選択につきましては、当然FOAという商業権利を有する会社がございまして、その会長のバーニーさんの影響力が高いという認識もあった中で、鈴鹿サーキットがこれまでの交渉状況等を総合的に判断して最終決定権を持っているFIA会長に面談してもらうのが効果的であるというようなご判断がございまして、それで鈴鹿市さんの方から三重県に要請があったというようなことでございました。いわゆる地方政府というような立場での陳情というようなことでありますので、そういう意味では最終決定権を持っている公共的な団体でありますFIAに行うのが適切であろうと、こういうことで、三重県としてもFIAへ行くということにしたわけでございます。
(質)公的な知事の立場としてはそれでいいとしても、実質的に事務方の交渉としてFOAとの接触を試みようとはされませんか。
(答)あくまで基本的には鈴鹿サーキットが契約を行うものでありますから、そういう意味では事業主体が三重県というものではありませんから、あくまでも応援体制ということであります。
(質)富士に決まったとすると、あと鈴鹿が勝ち取るには1国2開催ですが、それはあり得るとお考えですか。
(答)ですから富士に正式に決まったということは知らされておりませんし、そういう連絡も入ってきていないということであります。1国2開催とかそういうことについては、ドイツやいろいろな例があるようでございますけれども、私の得ている感触でもモータースポーツの最高峰のF1であります。そういう意味では、世界の自動車産業に最大の貢献をしている日本というものについては、いろんな可能性があるということの感触は話の中では出ているところでございます。ただ、富士のことについては何度も申し上げますが、正式に決定したというふうなことは聞いておりません。
(質)県として仮に、できるだけのことというお話ですけれども、基本的にはFOAの方の提示額等の金額の問題もあると思うんですけれども、例えばその辺で県費の補助金を出すとか何か、そういうこともあるんですか。
(答)全くそういうふうなことは考えておりません。むしろ県民がF1の開催等について、鈴鹿市の市民が市民挙げていろんなボランティア活動も含めたおもてなしをやろうというそういうことについて、県としてもこれは極めて大事な世界最高のモータースポーツでありますから、いろんな形で支援という形はあるにしても、さっきご質問の趣旨のようなことは全く考えておりません。
(質)世界各国の開催で公的補助は投入されてないんですか。されているんですか。
(答)存じません。
(質)見方によっては、商業ビジネスですからマネーゲームみたいな感じになっているところもあるじゃないですか。まして商業権を持っているところの組織と全体の決定権という組織は違うわけですから、そういうこと自身についてはどうお考えですか。
(答)FIA並びにFOAという組織の形態については、正直詳しいことは分かりませんのでコメントできません。
(質)新体操は誘致できたのに、なぜF1は誘致できないか、その差はどう思われます。
(答)それは、いろんなチャンスを狙っていく私どもとしては、例えば企業誘致でもそうでありますけれど、当たりもあればはずれもございます。ですからいろんなケースがあると思いますけれども、F1については、まだ私どもとしては期待をしながら今後も努力をしていきたいと、こう考えております。
(質)新体操誘致に関しても必要経費等々の交渉はなかったんですか。公費投入なり金額的な下交渉は?
(答)また、教育の担当の方にお尋ねいただきたいと思います。
(質)中部空港のアクセスの件なんですけども、4月に四日市の路線が新たに就航して、年内には松阪、具体的に今年どんどん広がるんですけど、以前から言われている採算性とかの問題も含めて、新たに始まるので改めて知事のお考えをちょっと伺えればと思いますが。
(答)中空の構想が出てきて、その経緯の中では複数ルートということも随分言われました。そういう中でいろんな経緯があって、まずは津が決定をされまして、その後四日市においても、この4月からルートができるということであります。松阪についてもほぼ今年の暮れには運航が開始されるんではないかなと、こう思っています。1つの観点は県民の利便性という面があろうかなと、こう思います。それから今後の三重県におけますところの交流・観光という観点からも、三重県にお出でをいただくという意味では大変大きな意味合いを持っているところでございます。さらには中部国際空港、これもポスト万博の中で新規のいろいろな取り組みをやっております。ものづくり拠点としての中部が、さらにそれと産業観光や地域観光、これを連携しながら展開していこうということであります。県としてはそういう中におきまして、市町や関係する地元の皆さんとともに、さらにこの活用がなされて、三重県の活性化につながっていくということの期待をしていきたいと、こう思っております。採算性等の問題については、すでにこれまでもやっている調査の中で採算性については大丈夫であろうというような結果が出ておりますけれども、しかし、これは事業者の皆さんにもさらに一層の努力をしてもらうということがいいかなと思います。複数ルートができましたので、競争関係という意味合いでも、よりそういった取り組みを引き出していくという意味でも大きな意味があるんではないかなと、こう思っております。
(質)県の交流・観光ということを考えた場合、原点に戻って恐縮ですけども、松阪が代弁していると言いつつも、やはり具体的に南勢、鳥羽であるとか、そういう所に本当は1つルートがあるべきとはお考えにならないですか。特に伊勢・志摩観光の観点から。
(答)これまでの経緯は十分ご承知の上でお尋ねなんだろうと思いますけれども、県としては、アクセスルートについて当初いろんな所で手が挙がった中で協議を重ねる中、4ルートに絞り込んだ、その中で各地元関係者が努力をする中で積み上げてきたわけですね。やはりその時に鳥羽については、きちっと採算を見込みながら、高速船のアクセスをやろうという業者がどうしても出ないという形の中で、フェリーが常滑まで就航するというようなことになって、それが代替するような形になったところです。ただ、その後ヤハマ等においても、鳥羽ならびに合歓の郷へ向けての利便性を図るということで、いろいろ高速クルーザーを走らせるというような形の取り組みも出てきておりますから、そういう意味では今後のところはまさに民間事業者の方々の積極的な展開、こういったものを大いに私としては結構なことではないかなと、こう思ってます。それが地域全体の観光・交流を含めた成果に大いに寄与することにもなるだろうと、こう思ってます。
(質)地方公務員の給与算定基準の見直し方針を国が示したんですけれども、その中で県とは対応の仕方が若干違うところが出てきている部分もあるかと思うんですが、その辺りの知事としてのお考え、受け止め方を含めてちょっとお話を伺えればと思います。
(答)総務省で地方公務員給与についての研究会を設けられたということで、その内容については注目をしていかなければならないと思っております。今回いろんな民間企業との均衡を重視するというような方向についての考えがまとまってきたということでございますけれども、詳細については担当部局の方で今後勉強させていかなければならないと思います。給与制度そのものにつきましては、各県で人事委員会におきまして勧告をいただくということになっております。三重県でももちろんそうでございます。そういう意味では今後こういったことも含めて人事委員会でご検討をいただいた上で、考え方が示されましたら、それを基に三重県としても対応を考えていくということになると思います。県の給与の今後については、制度の仕組みとしてそういうふうな形になっておりますから、そういう中でしっかり対応していきたいと、こう思ってます。
(質)国の方針は平たく言えば、地域手当等の見直しも国家公務員の場合は入っていて、そのことも兼ね合いで地域の民間との給与状況に合わせようと。国家公務員の場合はこの4月から地域手当を格差を付けて支給するみたいですけども、三重県の場合は、この前の3月県議会で言ったように県内一律の地域手当ですよね。その辺のお考えというのは国の方針とちょっと違うんですが、どういうふうにお考えですか。
(答)国の方針と違うと言いましても、これは基本的には各県それぞれの状況があるわけでございます。今回三重県においても、そういう意味では人事委員会の方で国の考え方も受けた上で、昨年秋から暮れにかけてご検討をいただいたその中で三重県としてはやはり三重県としてのあり方という形で人事委員会から考え方を示されましたので、それに基づいて対応しているということでございます。こういったことにつきましては、方向が人事委員会等でのいろんなご検討の中で示されましたら、私ども三重県は三重県として柔軟に考えていったらいいと、こう思ってます。
(質)実際県内地域手当一律の県というのは、全国の中で8県ぐらいらしいですけど、その辺も含めてそれはそれぞれの都道府県の事情があるということでよろしいんですか。
(答)それでいいと思います。
(質)今回、地方公務員については中小企業の給与も参考にすると、いわば給与を下げていくというふうに取れるんですけども、地方公務員はさらにもうちょっと給与カットが必要なのか、人件費のカットが必要なのかという点ではどうでしょうか。
(答)ですから、そこら辺の考え方というのは、かなり人事委員会でもしっかり議論をしながら決めていただいているかと思います。したがって三重県は三重県としての人事委員会のいろんなご検討の結果というものについては、私どもとしてもやはり最大限尊重をして対応していかなければならないと、こう思っております。人事委員会においても、そういう意味では民間の捉え方、こういったことについてもいろいろ議論はされる中で、調査、そして検討をされておりますから、十分そういったことについても国が示してきたものというよりも、三重県としてこうあるべきということをしっかり責任持ってご議論をいただく、そのことが非常に大事ではないかなと、こう思います。
(質)南北格差の現状なんかを見ると、中小企業や南部の方の平均給与は低いと思うんですけども、その意味で三重県庁の職員の給料は高いですか、普通ですか、安いですか、感想を?
(答)私としては、今の水準についてはこれまでの経緯がいろいろあったにしろ、人事委員会等でもしっかりご審議をいただいていることですから、知事という立場からいけば人事委員会が妥当と認めたものは妥当ではないかというふうに思っております。
(質)国の場合は地域の事情を考慮して、例えばこの4月からだったら、津にくる国交省の三重工事事務所の人たちは、地域手当は津市という都市部に合わせてあるといった場合、ただし尾鷲とか熊野とかあの辺は対象になってないので、そこの地域手当に格差が出てきて給与全体の格差が都市部はある程度厚く、そうでない地域、過疎地は低いという形になるわけです。ところが三重県の場合は全くそこは一律の状態で地域の民間の給与というのは考慮できていないような状況が起こるわけですけど、その辺についてもやっぱり人事委員会でそうお決めになるという話ですか。
(答)人事委員会へ行かれて、そこら辺の議論の細かいところを聞かれたらいいのではないかなと思いますけれども、なかなか議論は複雑なところがあります。例えば津地区と松阪地区とでも格差があるというような形に地域間手当を導入していくとなり得るわけですね。そうしますと多分、津に在住していて松阪の事業所に勤務している人も多いでしょうし、それ以上に松阪地域から津に勤務をしている人も多いわけですね。例えば鈴鹿ですと、皆さんよくご承知な大きな自動車会社の工場がございます。その影響で三重県内では給与水準が非常に高いわけですね。そういう鈴鹿の方に松阪から通っている人、津から通っている人、いろんな状況がありますね。ですからそういう複雑な難しい状況を人事委員会の中でご議論をされて出してきた結論であると、ご意見であると、こういうふうに伺っているところです。ですから津に東京から勤務を変えて来られる方は多分毎日、毎朝、毎夕通勤を東京から津にしているという状況ではないと、こういうふうに思いますね。ですから国には国の考え方があるでしょうし、その考え方も参考にしながら、県としては県のふさわしい方法、考え方を人事委員会の方で整理をされるということだと思います。もうちょっと前のことでありましたので詳しいことは人事委員会へお尋ねいただいたらどうかと思います。
(質)先日、国による地価公示が発表されましたけれども、伊賀、それから名張の方面で住宅地の下落が大きかったということで、前年度は10位以内にランキングされていなかったような所が下落幅という形で、地価が下がったという形で随分ピックアップされてきたんですが、大阪のベッドタウンとして開発されていたのが、だんだん主要な世代というのが若者が大きくなって名張を出ていって、団塊の世代か、それよりも少しお年をめした方になり、高齢化と空洞化が進んでいるという状況があるというご説明があったんですが、今後そういった流れが恐らく続くであろうとみてらっしゃる方が多いようなんですが、その点知事はどのようにお考えですか。
(答)調査時点はいつの?
(質)1月1日です。
(答)今年の1月1日でしたか。私は少し最近の状況は発表されたものと少なくとも三重県の場合には地域によっては感覚が違うんではないかなという感じもしております。全体的には景気回復がされてまいりました。そういう中で土地の売買についても活発化している所がございますので、多分今後その動きを注視していかなければならないのではないかなと、こう思っております。もちろん長期的に見れば人口減少時代に入っていくわけでございます。そういった影響もあり、あるいはその他のいろんな社会情勢が加味し合って今後の土地の動向も影響されていくだろうと、こういうふうに思います。私としてはまだ三重県の状況については、今後いろんなちょっと違った動きもあり得るんではないかなと、そんな程度に考えています。
(質)全体はいろいろあるんですけども、桑名は桑名の事情、津は津の事情、伊勢は伊勢の事情があるんですけども、伊賀・名張がそういう現象になったと、都市回帰現象に陥っていると、顕著になってきたと、そのことについてどう思われますか。
(答)ちょっと名張の状況はよく分かりませんけども、名張も非常に当初から大阪の方のベッドタウンとして大きな団地等ができましたが、その団地等におきましては、その団地に土地を買い、家を建ててこられた皆さんがもうリタイヤの時期を迎えている、したがって団地が非常に高齢化が目立っている。逆にその子どもさんたちがその団地に戻ってくる、そして住むというケースはあまり多くないというようなことを伺っているところでございます。この名張の状況というのは、名張に限らず団地は新たな団地ができたときには、若い世代が入り、そこに子どもも生まれるということがありますが、サイクルで見ていきますと、どこも長くなりますとそういう傾向が出てきます。名張は当初からかなり積極的に宅地造成された地域が多いわけでありますが、多分その後の年の経緯とともにそういう傾向があったのかなと思いますけれども、ちょっと細かく分析して私それについて論評するということはできません。見方としてはいろんな見方があるんではないかなと思いますが。
(質)三重用水なんですけども、30日に三重用水の総代会と鈴鹿川沿岸土地改良区の総代会がありますが、6月に三重用水の使用区域の変更を盛り込んだ条例改正をしないと、導水管の着工に間に合わないと企業庁は議会でも説明してましたが、その辺のスケジュールを合わせて、今の状況と県はこれからどうするのかという具体についてお話をお願いします。
(答)今お話がありましたように、地元、鈴鹿市等々、協議をしているところでございますけれども、その協議の中で言っておりますのは、他のルートを今掘っていくということになりますと、受水希望をしております企業の給水時期に間に合わないというようなことがございます。そして鈴鹿市との協議では長良川河口堰系の県営水道の受水量を増やすことで、地下水の汲み上げを抑制するよう亀山市に要請していることなども説明をいたしまして理解を求めているところでございます。地元の土地改良区とは県との話し合いの場を持っていただくようにお願いをしておりますけれども、現在土地改良区全体の対応が決定されていないとして協議は行われていないところでございます。今お話がありましたように3月30日に総代会が開かれまして、この場で様々な意見や要望が出されると、こう考えられますので、これらを踏まえまして土地改良区としても協議が行えるような条件が整うのではないかなと思っております。いずれにしましても十分な説明をさせていただくためには、早急に話し合いを行うように担当部局には指示いたしているところでございまして、地元の皆さんにも早く協議を行うことができますように期待をしているところです。
(質)県が鈴鹿市および沿岸土地改良区、それと亀山市との調整役に入られるとかいうことはないんですか。
(答)まだ協議に入っておりませんので、したがいまして協議に入りました中で必要な対応というものは考えていかなければならないだろうと、こういうふうには思います。しかし先ほどのお話のとおり期間も限られている中で最も理解の得やすい形を考え、そして協議内容を詰めていきたいと、こう思います。
(質)国の当初予算が昨日成立したんですけども、ご感想を。
(答)国の財政状況につきましては、危機的な状況の中にございます。したがいまして、私たちはその財政の危機的な状況を早急に解消していただくということがございませんと、地方での努力が成果として生かされないというようなことがずっと続いていくという危惧をいたしているところであります。したがいまして、もちろん年度年度の予算につきまして、三重県に関係のあるものはそれを強く期待し、そしてそれを引き出していくということが大事でありますけれども、より関心の高いことは、今の危機的財政状況というものは、地方における財政問題を根本的に解決できない壁になっていると、こう言わざるを得ないところでございます。したがって、いろんな国の財政問題の検討の中でも、今の小泉内閣における取り組みでは、とても将来展望が無理なのではないかというような考え方も出てきておりますので、ポスト小泉も含めて、今後の財政問題での本当に真剣な対応を期待したいと、こう考えております。
(質)どなたがいいですか、ポスト小泉は。
(答)答えられません。
(質)企業誘致の関連なんですが、先週、デンソーが、いなべ市の工場の拡張を正式に発表したんですが、デンソーの会見で、なぜいなべ市の大安製作所を拡張するかという理由の中で、伊勢湾岸自動車道を使った物流の優位さを挙げてたんです。その中でトヨタ車体の方も、2006年度からまた車体の生産を増産するということで、自動車産業自身も三重県の北勢部の方にかなりの勢いで張り付きつつあり、そうした中で今、バレー構想というのがクリスタル、メディカル、半導体の3つあるんですが、自動車の関連のバレー構想というのを増やすお考えというのはないんでしょうか。
(答)平成16年度の数字しか、まだ確定値として把握しておりませんけども、三重県の製造業出荷額は8兆8,000億円程でございまして、全国で10位というような位置付けであります。その中の28%が自動車輸送関連でございまして、これにつきましては、それ以前から三重県での産業の最も中核、最大の分野を占めております。全国で比較いたしますと、飛び抜けたトップの愛知県はもちろんですが、三重県は自動車関連で16年度においても全国4位という位置付けでございます。したがって、三重県は今後も産業としては自動車輸送関連というものが最大の柱として位置付けられるのかなと、こう思います。この度のデンソー、あるいはトヨタ車体、それから昨年末に発表になりましたホンダの新しい物流センター等、いろんな自動車関連での動きがございますけれども、そういった今後の進展には、もちろん県として、とても大きな期待をしているところです。なお、シャープの液晶といったクリスタルバレーの関係、あるいは東芝、それから富士通等のシリコンバレーの関係、これらを両方合わせました電子部品、デバイス関係につきましては、これは平成16年度でありますけれども、その規模はおよそ1兆2千数百億円規模、したがって自動車産業規模の約半分程度になるということでございます。しかしながら、実はこの分野の全国での対比表で見ますと、もうすでに16年度も三重県が第1位を占めているということでございます。この関係につきましては、その後皆さんもご承知のとおり、東芝、あるいは富士通、それからクリスタルバレーのシャープ、あるいはそれの関連企業、こういったところでの大型投資が続々と続いておりますので、この分野においても、今後さらに相当の進展が見られるのではないか、多分17年度あるいは今年18年度についても、引き続き相当の増大が見込まれるのではないかなと、こう思っております。なお、メディカルバレー構想につきましては、100社程が県内に事業展開、進出して、その展開がなされているところでございます。地味ではありますが、着実にここでの展開も見られているところであります。事業規模等の数字についてはちょっと今、私の方で記憶しておりませんので申し上げることはできませんが、このメディカルバレーにつきましても、今後、「産」「学」あるいは「官」も含めたネットワーク等の、全国と比べた三重県の特異性を生かしながら展開をしていきたいと、こう思っております。メディカル関係のクラスター形成としては、いろんな評価の仕方があろうかと思いますが、全国でも4番目とか5番目といったような評価もいただいたりしておりますので、今後とも、これについても進展をさせていきたいと思ってます。なお、産業政策は、三重県は非常に層が厚く、また深く取り組んでおりまして、新規の産業、例えば燃料電池であるとか、あるいはロボットというようなことも含めて、より付加価値の高い、より高度な産業を、既存のこれまで積み上げてきた技術、人材、こういったものを生かしながら、したたかに戦略的に展開をしていきたいということで、今も取り組んでいるところでございます。
(質)その中で、自動車産業への補助制度というのが今、ないと思うんですが、将来的にそれを加えるお考えというのはないんでしょうか。
(答)選択と集中、戦略的取り組みの中で、限られた資源を県民全体にその恩恵が最大に生かされるように取り組んでいくという中で、判断をしているところであります。
(質)多くの分野の企業が進出する中で、土地が足りないという話が当初予算でも課題になっていて、今この三重用水の話に象徴されるように、水不足も実はあるんじゃないかなということを、この三重用水の話から思うんですが、そういった課題が三重用水以外にも出てきている分野というのはあるんでしょうか。
(答)産業立地については、土地の問題であるとか交通アクセスの問題であるとか、そして業種によって違いますけど、水を相当使う業種等、やはり関連する基盤の整備というのが大きな影響を及ぼす問題であります。したがいまして、県としてはそういった観点からいろんな対応をしていきたいと、こう思っておりますが、今回の亀山への給水をどうしていくかというようなことも含めて、想定されるいろんな未来への戦略的な考え方の中で整理しながら取り組んでいかなければならないと、こう思ってます。ご指摘がありましたような、第二東名・名神といったような新しい道路網の整備、これも極めて大きな影響を持つものだと、こう思っておりまして、これについても県としてはこれまで進めてまいりました施策につきまして、あるいは国への要請につきまして、より粘り強く、また早急に整備できるようにやっていきたいなと、こう思ってます。
(質)哲学論ですけど、例えば産業政策、振興政策としてのクリスタルバレー、シリコンバレー、メディカルバレーはいいとして、今言われたように実体として「カーバレー」が存在していたら、状況を客観的に表すんだったら「カーバレー」なり「物流バレー」という表現も入れ込んで、クリスタルバレー、シリコンバレー、メディカルバレーも推進する、と言った方が分かりやすいんじゃないですか。
(答)当初、いろいろ企業等の立地の状況に合わせて、可能性といったことについて対応しながら、既にやってきているわけです。ただ、当初の予定を超えて、いろんな追加をされることについて県としては、三重県の活性化に極めて大きな影響を持つ、そういった事業の展開についてその基盤をさらに追加して検討し、実施をしていくということは大事なことだと思います。ただ、今、水関係について、工業用水等についても、大方の所でそれ程そんな問題があるというわけではありませんが、個々の企業が将来、どこにどういう展開をするのか、これは予測がつきませんから、そういう意味では今後もいろんなケースバイケースで、最大限の利便性を図っていきたいと思ってます。基本的には、基本ルートというのは海側にはずっとあるわけです。今回、山側の亀山という、これまで対応がなかった所への展開ということでありますから、新たな展開にもなっているということです。
(質)再質問ですけど、「カーバレー」と言ってもいいんじゃないですか。「物流バレー」と言ってもいいんじゃないですか、実体としてあるんであれば。
(答)「カーバレー」とは何ですか。
(質)「車、自動車産業バレー」。クリスタルバレー、シリコンバレー、メディカルバレーは政策として、産業の振興政策として、バレーを付けて名前をアピールしてるんですけども、実体として「自動車産業バレー」があったり「物流産業バレー」があるんであれば、その2つのバレーも入れて全体を表現して産業振興を図った方がいいんじゃないですか。
(答)名前を付けるとか、そういう話ではなくて、新規にどういうところに戦略的・重点的な展開をするかという形の中で、県のバレー構想というのはできあがっているところであります。自動車産業につきましては、もう随分前からの三重県の産業の活性化を支えてきた最大の産業群でございまして、改めてそれを戦略的にどうのこうのというのではなくて、むしろ自動車産業という強みを持っている三重県に、さらに新しい産業群を引っ張るという意味で、県政の中で戦略的に新しいバレー構想と名付けた企業誘致政策がとられたということです。ですから、おっしゃっているのと、考え方の整理の仕方がそういう整理の中でというようなことでご理解いただきたいと思います。
(質)RDFの関係なんですが、RDFの処理委託費をめぐって、明日RDF運営協議会が開かれるようなんですが、処理料金についてRDF参加の自治体側との話し合いがまとまる見通しというのは、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)ちょっと私も、その辺の現場と言いますか、協議会の方での話し合いについて、どうなのかということについてはよく分かりません。しかし、いずれにしましてもこの料金問題については、過去の経緯もございますし、私どもも年度内の合意を目途に、県も市町もそれぞれが適切な負担となるように協議を進めてきたところでございます。合意形成にまだ時間を要するような状況も見受けられるかと思いますけれども、今後も関係の市町のご要望も踏まえながら引き続き協議を行っていきたい、そして適切な処理委託料金につきまして、早いうちに合意形成を図っていきたいと、今の状況ではそういうことしか申し上げることができません。詳しくはまた、企業庁の方にお尋ねいただいたらと思います。
(質)フェロシルトなんですけど、石原産業の方から、愛知県の方には社長とかがこの間行かれているみたいなんで、例えば三重県にもその後の状況を報告に上がるとか、処分場の見通しとか新たな説明みたいなものというのは、知事の方に、あるいは担当の部にでも、そういったことはあったんでしょうか。
(答)それも担当の方としては、石原産業とは十分連絡を取りながら、指導すべきは強く指導し、やっているところでございます。したがって、社長が来るとか来ないとか、そのようなことではなくて、とにかくあのフェロシルトの早期回収に向けて、最大限やってもらわなければいけないということです。三重県としては、必要な対応について担当部局もしっかり今、一生懸命になっているということだと承知をしております。
(質)野球で日本が世界一ですけど、ご感想を。
(答)最近はスポーツもいろんな形で展開されておりまして、かつての野球に対する盛り上がりというような感じは少し少なくなってきたのかなあというような感じをしておりましたけれども、先般の世界という大舞台での日本の優勝、また優勝が決まるまでの試合経過、これは国民挙げて熱中したところではないかなあと、こう思っておりまして、久々に日本もアメリカと並んで野球王国ではないかなと、かつて思ってましたから、その雰囲気が再現されたんではないかなと思いましたね。
(質)見ておられたんですか。
(答)私はニュースぐらいでした。
( 以 上 )