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平成20年10月07日

知事定例記者会見

知事会見

平成18年 1月 5日
於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目

  • なし

(知事)皆さん、改めて明けましておめでとうございます。昨年も大変皆さんにお世話になりましたけれども、どうぞ平成18年も皆さんには県政につきまして、県民の皆さんに分かるように正確にお伝えをいただく大変大きな使命を期待いたしておりますので、本年も引き続きよろしくお願い申し上げます。さて、今年の抱負について、若干申し述べて年頭の最初の定例記者会見の言葉にしておきたいと思います。今、時代は大変大きな変化の年でございます。市町村合併も三重県内では大変大きく進んでまいりまして、1月10日に69あった市町村が29にまで減少してまいります。我が国もすでに人口減少時代に入ったと、こう言われておりますけれども、これは三重におきましても、いよいよこれから減少時代に入っていくということでございます。一方で社会は成熟化をしてまいりました。その中でいろんな社会での歪みも起こってきているところでございます。それから経済は非常に回復をしてきておりますけれども、行政を取り巻く財政状況から申し上げますと、国の大変危機的な財政状況の枠の中に取り囲まれて今日までやってきております。そういう意味では地方の財政状況というのも、引き続き極めて厳しい状況が続くという状況にございます。そんな中でこの平成18年も県政の運営にあたらなければならないということでございますから、1つは合併等の県の行政と市町村との関係だとか、いろんな面での大きな変化に対応するために、この4月から新しい組織であたっていくということにしているわけでございます。その中では総務局、あるいは総合企画局、あるいは防災危機管理局といったような局についての基本的な見直し・再編、それから県民局を廃して、事務所体制の地域機関にするということ。それから東紀州対策局を政策部の部内局として置くということ。それから観光局を農水商工部に置くということ等、組織としてはかなり大幅な見直し体制をまず取るということが1つあります。それから2つ目に、やはり厳しい状況の中で成果をしっかり出していくということからいきますと、選択と集中、そして定数の削減計画をもう7年前から実施しておりますけれども、引き続きこういったことをやりながら財政の健全化に努めていく。幸い平成17年は大きな災害もございませんでしたので、いわゆる政府が目指しているプライマリーバランスといったような点では、三重県ではほぼそういった水準にありますけれども、しかしこれは三位一体等で国の財政に非常に左右されますから、そういう意味では県としてできる県全体の努力、これを集中取組期間の最終年として引き続きやっていきたいと、このように思っているところでございます。以上申し上げたような中で今年の具体的な取り組みでございますけれども、1つは私自身、知事の任期の最終年にこの春以降はいよいよ入っていくということでございます。そういう意味におきましては、県民しあわせプランの第1期の実施計画、戦略計画につきまして最終年を迎えますので、まずこれを着実にやっていくということ、これが1つあります。それから2つ目に県政は北川県政等でいろいろマネジメントシステムの新しい方式であるとか、いろんな取り組み、これは非常に注目をされた取り組みをやってまいりました。で、それをさらに仕上げると同時に、新たな大きなステージに今入ろうということで今日まで取り組んできました。そういう意味では県政の新たな大きなステージである枠組み、これをさらにしっかりしたものにしていきたいと、こう思っております。具体的には「みえ行政経営体系」、これは例えばリスクマネジメント、危機管理等につきましてはまだ十分でない点、こういった点についてさらに検討を加え、修正をしていきたい、あるいは追加をしていきたいと、こう考えておりますけれども、その他にニュー・パブリック・ガバナンス、「新しい時代の公」、これも17年度はかなり実践提案事業等で経験もしてきておりますから、これをさらに進化させていくということ、で、さらに今検討中であります文化力指針につきまして、これを2月、3月頃には大方の枠組み・形を出して、そしてこの18年度はそれのモデル的な取り組みをしながら、19年以降の第2期の戦略計画の中にきちっと組み込めないかということでやってまいりたいと、こういうふうに思っているところでございます。それから具体的な中身につきまして少し追加して申し上げますと、「元気づくり」という点におきましては、ご承知のとおり昨年も極めて順調でございました。ここ2年ほどでかなり三重は全国をリードするような形で元気を回復してきていると、元気になってきたと、こういうふうに思っているところでございます。これにつきましてはさらに戦略的な企業誘致、あるいは戦略的な産業政策、あるいは新産業創造へ向けての戦略的な取り組み、あるいは新しい観光プランに基づいたメリハリのある観光政策の推進、こういったことを本年もしっかり取り組んでまいりまして、できましたら三重県の全域にわたって南北格差を解消する形で、その元気さが三重県に来るような、そういう年にしてまいりたいと、このように考えているところでございます。それから安全・安心という面からいきますと、1つは地震対策等のいろんな観点で着実に前進をさせていかなければならない課題がございます。自助・共助・公助、こういった役割分担、また市町村と県との役割分担と連携、こういったものを十分取りながら着実に進めてまいりたいと、このように思っております。環境政策につきましても、北川県政の時から先進的環境政策ということでの取り組みにつきまして、方向性は良かったと評価しても、そのほころびが思わぬ所で大変な事態を引き起こしたりしております。そういうことについてさらに検証をしながら、やはりごみゼロ社会の実現といった他の県ではないような新しい側面も加えて取り組んでおりますので、こういったものについても、そのほころびを早くもう一度軌道に乗せ直して、三重県としてやはり自信をもって環境政策を進めていけるようにしてまいりたい、このように考えております。それから鳥インフルエンザ等のこれまで経験していないような、しかし想定される安全・安心にかかる重大な案件がございますから、こういったことについてもしっかり対応できるようにもっていきたいと、このように考えております。なお、「絆づくり」においては「元気づくり」での観光政策はもちろんでありますけれども、それと同時に地域づくりと連携をした今後の交流時代をしっかり基盤としてつくっていくよう努力をしたいと、こう思ってます。そのために県の幹線道路、高速道路等につきましては厳しい財政の中ではありますが、戦略的に優先度をしっかり持ちながら整備も進めていきたいと、このように考えているところでございます。私としては今年の目標、あるいは抱負としては以上のようなことを少し整理をしたところでありますので、申し上げておきたいと思います。


2.質疑応答
(質)先ほど抱負をおっしゃっていただいたんですけど、2006年という年はどんな年にしたいと改めて一言でおっしゃっていただけるとすると、知事ご自身どういうふうに思われますか。
(答)県民しあわせプランで目指そうとしている三重県、これは「みえけん愛を育むしあわせ創造県」ということであります。少なくとも私たちのこの郷土、三重に対する県民の思いが少しでも、より熱いものになっていくような、そしてその中で県民がやはり自分たちが本当に人生を送っている、人生の舞を舞っている舞台なんだという、その思いが高まるような三重にぜひしていきたいと、こういうふうに思います。これはもちろん短期間の問題ではありませんけれども、少なくとも少しでもそういう気持ちが高まってくる、そしてその一番のもとである「元気さ」という面では、まずはしっかり本年は実感できるようにしていきたい、このように考えております。

(質)多くのところでいろいろ各項目についておっしゃったわけですが、一つ一つについて、まず市町村合併で69市町村から29市町村になると、今月の10日で一応の平成の大合併は一段落するというところなんですけれども、これによって三重県内から村というものがなくなって、そして一つ一つの自治体が大きくなってくると、そのことに関してこれまでの三重県内での市町村合併の進み具合といいますか、進め方も含めて知事はどういうふうに思われますか。
(答)どこという固有名詞は申し上げませんけれども、年末から年始にかけてもいろんな市町村長さん等ともお目にかかります。その中で合併できなかった地域の中には、例えば福祉行政について自らの町で権限委譲によってやれることが増えた、そのことは良いような、一方ではそれにかかる専門的な人材であるとか、ノウハウの問題であるというようなことから、なかなか対応が難しいという非常に辛いことを指摘をされてきております。したがいまして、私は1つの時代の流れとして、より成熟化が進んでいく社会の中で行政がより身近な地域で対応できるようにしていくためには行政能力を高める、あるいは少なくともその資源をより効率的に有効に使っていく、この努力は欠かすことができないと、こう思っております。したがいまして、合併ということについては、いろんなメリット・デメリット、いろんな議論がなされますけれども、私は方向としてはやはり今の時代のニーズに応えるためには必要な状況の中にある、このように思っております。したがいまして、新しく合併をした所はスタートでありますから、ぜひ新市、新町というものが共通の認識、あるいは共通の目標を早く立てて、共通の目標に向かってしっかり進まれることを望んでおります。もちろん合併できなかった地域等につきましては、私どももきめ細かくいろいろご相談のあることについてはご相談に乗りながら、県としてできることはしっかり対応し、支援もしていきたいと、このように考えております。

(質)新しい津市が誕生しまして、相当規模も大きくなりまして、これから権限委譲等も多少進んでいくと思うんですけども、今まで主観で申し訳ないんですけども、津市というのは県庁所在地でありながら、いまいち影が薄かったというところがあるんじゃないかと思うんですが、今後新しく大きくなった津市にどんな津市になってほしいだとか、理想とされるリーダー像も含めてお話いただけますか。
(答)津市においては全国でも注目をされるほど、10の市町村が合併するという大変合併市町村数の多い例でございました。それだけに合併協議中心に合併をまとめられた関係者の皆さんのご苦労が大変多かったんではないかと心から敬意を表したいと、このように思います。津市は言うまでもなく県庁の所在地、県都でありますから、そういう意味では県の立場からいきましても、今後の新「津市」のあり方については、極めて関心も高く持っているところであります。新市がどうあるべきかということについては、県の方から「こうあるべきだ」というようなことよりも、やはり新市の市民の皆さんがしっかり将来像というものを語り、描きながら、それに向かって一丸となってお取り組みをいただくということだろうと思います。私は知事になりまして、知事公舎に仮住まいをしておりますけれども、大変住みやすい町だと、こう思っておりますし、またすぐ近くにすばらしい海岸もあり、また裏には青山高原、鈴鹿山脈、こういったものが美しく広がっている極めて良い所だと、こう思っております。地域の持っている資源もすばらしいものがたくさんございます。ただ、まだ十分その資源の良さを生かし切っていない面もあるかと思いますから、そういうところをさらに発掘もし、磨き、そして生かしていく、そういったことをやっていただくことで津市というのは、他の町にない凄さといいますか、そういった面が引き出せるんではないかなと、このように思っているところでございます。やはり外部から三重県に来られる方は県都の津市というのは、県内でも最も頻度の高い所の1つではないかなと、こう思っております。それだけに県都、新「津市」がしっかりと力強く今後歩んでいくことを期待しているところであります。

(質)新「津市」ですけれども、旧の津市なんかだと財政力指数は0.9台だったんですけれども、新「津市」になると0.7ぐらいに落ちたり、それから負債の残高が1,050億円前後だと思うんですけども、新市建設計画では1,040億円前後の予算で、現実には義務的経費で850億円で押さえてるんですけども、要するに県と同じで1年の財政規模と借金が同じぐらいなんですけども、そんなにスケールメリットは出てないんですね。今後どうしていくべきだと思われますか。
(答)旧「津市」はじめ、周辺の市町村というのは以前から1つの大きな生活圏としてあったものであります。したがって旧の市町村のそれぞれの良かった悪かったということを引きずること自体、合併議論を否定するものになっていくわけでありまして、むしろ旧の津市も周辺の市町村も含めて、この地域にあってこそ成り立ってきたということからいきますと、私はいろいろ財政事情そのものでも、より困難であった地域を一緒になってこれからの将来を考えていきましょうと、当たり前のことといいますか、合併とはそもそもそうあるべきことであります。自分の住んでいる所だけの損得で議論したのでは、合併というのは成り立たないというものであります。それだけにさっき申し上げたように合併に漕ぎ着けられた皆さんのご努力というものに本当に敬意を表するところであります。時代は5年、10年、20年と、こういう刻みで考えていけば、時代背景も結局変わってまいります。そういう中でしっかり着実に将来を見据えながら歩んでいくということが、実は合併をしたことの意義を本当に高らしめることになっていくと、こういうふうに思いますから、今後それは津市の皆さんのご努力に期待したいと思いますね。

(質)先ほどの質問の続きになるんですけども、大変自然等の資源がありながら、それを十分に生かし切っていない面もあるというふうにおっしゃったと思うんですが、生かし切れていないのは具体的にはどういったところなんでしょうか。
(答)あまり具体的に言うのもどうかと思います。私の場合にはあまり具体的な形での意見というよりも、例えばこれまでは市町村がバラバラであったために、すぐ隣の町のすばらしい観光資源、あるいは文化的資源であっても、共に一緒になって地域での評価というものが十分引き出せていなかったと、こういうふうに思うんですね。それが大きな町になることによって、隣の町の文化的な資産であったものも、新市の市民にとっては自分たちの地域の財産・宝物になるという認識を持てるわけですね。そういう意味ではお互いもっともっと地域でのすばらしい資源というものをより評価でき、また、より磨いていくことができるんではないかなと、そう思っているところです。

(質)参考ですけども、新「松阪市」はいかがですか。どうあるべきですか。もしくは新「松阪市」の良さはどうですか。
(答)最近、津に仮住まいしておりますだけに、生活実感として町も歩いてないので分からないんですけどね。

(質)それでも少なくても旧「飯高町」、旧「飯南町」、旧「松阪市」が合併したわけなんですけども。
(答)さっき新「津市」についても抽象的な言い方ではありましたけれども、いろいろ申し上げたそのことは新「松阪市」においても同じだと、こういうふうに思っております。かつて松阪市長をやっていたことからいきますと、旧「松阪市」に新たないろんな資源が加わったわけでありますから、そういう意味では宝物がゴロゴロしていた旧「松阪市」にさらにそれが付け加わったわけでありますから、私は新「松阪市」の将来についても、新「松阪市民」がさらに磨きをかけて活用していくということで、新しい松阪市の展望は非常に明るいものがあると、こういうふうに思っています。

(質)合併の関係で、先ほど知事が合併できなかった町とか、まだ残っている所については、これからも相談に乗って、できることは支援したいというようなことをおっしゃいましたけれども、3月で合併特例法による合併は一区切りするので、4月から合併新法でいわゆる合併構想というのを新たに設けられることになると思うんですけど、これまでに何かの機会におっしゃったかとは思うんですが、何かそういうことを策定するようなお考えというのは今のところお持ちですか。
(答)三重県としては、「新しい時代の公」というような考え方においても、やはり地域をより尊重し、地域の自主性・自立性というものを尊重していくという立場であります。そういう意味では合併ということにつきましても、それぞれの市町村の自らの考え方、取り組み、これを最大限尊重していくという考え方は今後も同じであります。国においては新法において、また引き続き合併ということについて、それを進めていこうという考えでおりますけれども、三重県におきましても、そういう新法に基づく新たな合併につきましては、これは市町村の自主的な、そういった取り組みということを前提にして、ご相談についてはきちっと乗らさせていただこうと、こういうふうに考えているところでありまして、県が合併について構想を立て、そして県が先導してもっていくということではないだろうと、こういうふうに考えております。

(質)少し戻りますが、県と津市は、津市は県都であるから県ともパートナーシップを持って共に進んでいくというような主旨のことをおっしゃったと思うんですが、そんな中で新しい津市のリーダー像といいますか、望むべきリーダーシップみたいなものが知事の中におありでしたらお話いただけますか。
(答)私の方からそういうことを申し上げるのではなくて、これは新「津市」の皆さんが、特に今後、新「津市」の市長選も執り行われるわけであります。したがって、その中でしっかりお決めになることだと、こういうふうに思います。しかし一般的な形でいけば、当然これからの新しい津市のビジョンを市民と共に一緒に描き、そしてそれに向かってしっかりリーダーシップを発揮しながら、着実にこなしていける、そういう人が当然市民の期待するものであろうかなと、こういうふうに思いますね。

(質)昨日、伊勢神宮に小泉総理と前原民主党代表が参拝に訪れたわけなんですが、その中で我々質問として、いわゆる三位一体改革について、お二人に質問させていただいたんです。その中でまず小泉総理大臣は「今まで3兆円の税源移譲はしたことなくて、これが最大の税源移譲になった」と、で「今後成果を考えながら、どう進めていくか検討するべき」と非常に抽象的な答えであったと。それに対して前原代表は「これまで何のための議論だったのか」ということで、「全く評価できない」と、「まさに数字合わせでしかない」というような答えだったんですね。これまで進めてこられた政府のいわゆる三位一体改革について、野呂知事はどういうふうに思われますか。
(答)地方分権、私の方からいけば地域主権の社会を実現していくということに向かって、私どもとしては今回の三位一体は非常に大事な柱になるものだと、こういうふうに考えてきましたが、結果としては国の財政再建に利用されただけという非常に虚しい思いであります。そもそもこの議論でずっとやってきた中身からいけば、4兆3千億円の補助金等を廃止をして、3兆円の税源移譲、これで1兆3千億円の国の財政再建への協力をし、さらには交付金の改革等によって、総じて4兆円を上回るような財政再建への協力を地方が自ら肉を切るような格好でやらさせられたということであります。一方3兆円の税源移譲について、地方が自主性・自立性を高めることに資する財源は4千億円に満たないところであります。したがって、さっき申し上げたような私の評価になるわけでありますが、やはり今の改革議論は数字ばかりが先に出て、そしてその数字が手段ではなくて目標になっている、こういった今の改革議論の一番悪いところがこの中に出ているんではないかと、こういうふうに思います。そういう意味では極めて残念な状況だと思ってます。

(質)今の話ですと、特に小泉首相の発言に対して非常に違和感を覚えられたというか、ご反対のことをおっしゃってるんだと思うんですが、昨日会見で小泉首相がしゃべったことなんかも新聞とかテレビでご覧になったと思うんですが、あの発言そのものに関してはどう思われますか。
(答)私はこれは国難とも言うべき財政難の大変な財政危機の時であります。したがって、私はこの財政改革、国の財政危機を乗り越えるために地方にもこれだけの協力をしろと、真正面から額の提示をしながら協力をさせるというのが、本当の意味での地方との信頼を繋いでいくやり方だと、こういうふうに思ってます。いかにも地方分権を進めたような、そういうものの言い方で3兆円というような言い方をしても、中身は全く違うわけであります。したがって、総理の言っていることについては評価しようがありません。

(質)知事からご覧になると、小泉総理の掲げる三位一体改革はごまかしといいますか、そういう感想をお持ちだと。
(答)結果として、私はさっきも言ったように国の財政改革は非常に大事なことですね。ですから、むしろ三位一体で「地域の自主性・自立性を高めるためにこれだけ努力しましょう」、そして一方で「国はこれだけ大変なんだから地方もこれだけは協力してくれよ」と言って、それを提示してくる、そういうやり方でないと三位一体という改革なんだ、地方分権なんだという言葉の裏に隠れて、実は何のことはない国の財政再建、さっき数字ちょっと申し上げましたね、誰が聞いてもおかしいと思うでしょうね。

(質)とは言え、やり方が認められないとしても、国の財政再建は、少しは前進したと評価されますか。それは、小泉首相に聞けということですか。
(答)国の財政再建については、地方もこれだけ実態として協力しているわけです。そして、幸いなことに税収が非常に伸びてきております。地方においては、税収が増えても交付税で裏返しで引かれるというようなものと違って、国の場合には、税収は純増として増えてくるわけです。そういう意味では、小泉さんの言うプライマリーバランス実現へ向けて、国債発行を30兆円以下に抑えていこうという打ち出しをされて、今回取り組みをされてきました。そういう意味では、国としてはそれは一歩進んでいるんだろうと思います。しかし、そうかと言って国の借金が減るような状況になっていない、なっていないということはどういうことかと言うと、結局は郵政だけではなくて、他の省庁の分も合わせて、やはり本当に国がやるべきことはどれなんだということをもっと突き詰めて国の役割というものを論じていかないと、結局は地方分権も進みません。そして、政府の機能するところもジリ貧の状態というものがあるのではないかなと、こういうふうに思います。私は必ずしも、民間でできるから民間でやったらいいとは考えません。民間でできることでも、やはり行政がもっと責任を持ってやるべきものもあるだろうし、あるいは何でもかんでも地方へ持って行ったらいいというものではありません。そういう意味では、この国の将来の姿というものが、アメリカ的な弱肉強食の社会を目指していくのか、あるいはヨーロッパ的な道を取っていくのか、なかなか今、議論がきちっとしていないと思うんです。また国民もそういったところが十分に分からないまま、小泉劇場に酔わされている面があるのではないかなと、こういうふうに思います。

(質)ちなみに知事は、弱肉強食社会を目指すか、ヨーロッパ的社会に向かうか、日本はどう向かうべきだと思われますか。
(答)やはり、中庸であるべきだと思います。中庸というのはどういう意味かというと、弱肉強食という意味合いでは、強い者の力を社会の進展のためにしっかりと利用し、社会の進歩を進めていくということは大事なことでありますが、一方でやはり弱者に対する、犠牲になっていく者についての愛情というものが込められている、そういう行政が必要だと思います。これだけの財政難で、そして厳しい時代でありますから、社会をリードしていく力というのは、どうしても力の強い人たちにかなりの部分をリードしてもらうということが大事であります。そういう意味での改革ということは、これは避けられません。けれども、そのことによって犠牲になる部分に対しての配慮があってこその生きた政治であって、強い者だけをあおる政治では、本当の意味での国民の期待する政治とは違うと思います。ただ若干、若干、小泉総理を擁護するならば、あまりにも今までそういう国の政治の中での改革という姿勢がなさ過ぎたことが、反動的に小泉内閣には出ているんだろうと、こういうふうに思います。

(質)環境問題、先ほどの抱負の中でも触れられましたが、まず大矢知の件、年末に山の上の自動車解体くずなどは撤去されて、山の上の方はきれいになりましたけども、その下にもたくさんの産廃がまだ残っています。この残った産廃をどうしていくのか、県としてどういうふうに考えますか。
(答)今、大矢知等につきまして調査を順次やっているところであります。調査の結果が出てまいりましたところについては、これはやはり専門家にまずいろいろと意見を聞き、評価をしてもらうということが大事だと思っております。その上で、地元の市町村、大矢知の場合は四日市市やそれから地元の皆さんと、後の対策についてどうしていくかということをしっかり考え、打ち出していきたい、その中で県の責任をしっかり果たしていかなければいけないと、こういうふうに思っております。

(質)専門家にまず意見を聞くということで、何か会議というか、そういうのをまた結成されるんですか。
(答)近いうち、来週ぐらいから専門家にいろいろ意見を求め、そして私どもはそれをしっかり受け止めていこうということで、予定をしております。
(答:総合企画局)安全性確認調査専門会議です。これは第1回が1月上旬になっています。これに関しての資料提供が、今日あるようです。
(答)だから、その中で聞いて下さい。

(質)フェロシルトの問題で捜査のメスが入っておりますが、県として認定をしたということも含めて、知事は「道義的責任を感じる」というふうにおっしゃってますけれども、改めて、道義的責任というのはどういうふうに考えられて、どういうふうにその責任を果たしていこうというふうに考えられますか。
(答)まず県としては、フェロシルトについて、これが申請を受けた時から、申請してきた物と現物とが違ったというような形で、結果として騙された形で認定をしたということがございました。県の認定ということが少なくともいろんな面で利用されて、愛知県や岐阜県や京都府など近県にもそれが持ち込まれた、埋め戻し材等で使われたという経緯がありました。それだけに、県がリサイクル製品として認定する段階で、それを見抜けなかったことは結果として非常に県としての責任を感じるところであります。したがいまして、まずは迷惑をかけた所については当然、石原産業が取り除いていかなければならないわけですが、県としてもそれを早く取り除いていくようにしなければなりませんから、そういったことについて、県としてもしっかり石原産業を指導するとともに、県の方でできる、早期撤去のための協力はしていかなければならないと、こう思っております。そういう形で、とにかくこの問題については、県としての道義的責任と申し上げているその責任をしっかり果たしていかなければいけないと、こういうふうに思っております。事件そのものの本質については今、捜査が行われておりますので、その結果が今後出てくるでありましょうから、その結果を見て、また私どもは県として必要な対策があるということであればそれをやっていきたいと思います。ただ、危機管理、リスクマネジメントのシステムとしての課題については今、できるだけ事前に潜在的なリスクをキャッチし、それを事前に防ぐ方策について検討しておりますので、それは今後、今の検討を生かして対策を取っていきたいと、このように思っております。

(質)フェロシルトのリサイクル認定の問題で、リサイクル認定の仕組みそのものの見直しの方針が去年の年末に示されてるんですが、その中で議会との意見の擦り合わせとか、あるいは議会からの意見をどういうふうに今後の審査体制の見直しに反映するか、という方針を聞かせていただけますでしょうか。
(答)まず例えば条例等について、条例を手直しするということになるとすれば、これは当然議会での議決が必要になります。元々が議員提案という形で出された条例でもありますから、したがって今後そういったことが必要な場合の手続きについては、これは当然議会とも十分調整をしていかなければならないと、こう思います。また、これだけ大きな問題になりましたから、その運用についても県議会や県民の皆さんに、やっぱりしっかりと説明をしていかなければならないと思いますから、いずれにしろ、このことについては議会とも十分意見の交換をしながら進めていきたいと、こういうふうに思います。

(質)それに関連して、今後条例改正案を提出する場合に、それを執行部側から提案する形にするのか、やっぱり議提議案で条例改正案を出すのがいいのか、どちらがいいというふうにお考えでしょうか。
(答)これは形の問題よりも中身の問題でありますから、まず中身としてどうすべきかということについて十分議論をした上で、形としてどちらが出すのかということについてまた話し合ったらいいと、こういうふうに思います。私としては、形でなくて中身を問うておりますから、後は話し合いで「こちらがいい」という方向性が決まればその方向に従っていったらいいと、こういうふうに思います。

(質)仮に、特別管理廃棄物をリサイクルに認定しないというような形になったとしたら、例えば石原産業が廃棄する廃硫酸、アイアンクレイ、フェロシルト等々がどんどん廃棄物として溜まっていくんですけども、それはもう致し方ないことで、企業として対応していただくしかないとは思われますか。
(答)今の話については多分、今後どうしていくかという大きな議論のテーマになると思います。したがって、そういう中でしっかり議論をしていきます。その上で、前提を付けたその後の話については、今申し上げる立場にはありません。

(質)この間の報道では、例えばフェロシルト以前のアイアンクレイが38万トンから約40万トン弱が北勢地方に埋め立てられている、それは改正廃棄物処理法以前の問題ですけども。事程左様に、大矢知もそうですけども法改正以前の毒性のある廃棄物で、またアイアンクレイに毒性があるとしたら、今後の対応はどうされますか。
(答)今のご質問は前提を付けたお話でありますから、お答えにはならないと思いますけれども、とにかく、これだけフェロシルト問題で騒がれたわけであります。後の管理、それから廃棄物の問題も、やはりきちっとルールを法律に則って適正に処理されるように、県としてはしっかり指導してまいりたいと、このように考えます。

(質)昨日の年頭訓示で、知事になって以降のいろいろな事件、それから職員の不祥事ということも特に強調されてたんですけど、それを実感するようなことはどんなことがありますか。
(答)職員の不祥事については、年末に非常にお恥ずかしいような、勤務時間にパチンコをやっていたとか、ああいったこともございました。それ以前には、印紙を勝手に着服していたのが発覚した、こういったこともございました。したがいまして、去年いろいろ、フェロシルトの認定でなぜそれを事前にキャッチできなかったのかとか、それから、それ以前のいわゆる大矢知等の産廃のことについて長い昔から今日までの経緯についてどうであったかとか、それからもちろんRDFの爆発事故、これもまだ捜査中でありますけれども、こういったいくつかの、本当に県民をお騒がせし、また大変な犠牲者も出して、信頼を欠いてしまうようなことがあったわけです。そういうことを総括する中で、県の職員そのもののそういった行為についても年末に明らかになりましたので、そういったことも含めて、職員に緊張感をもう少し持ってもらおうということで、昨日は申し上げたわけであります。

(答)私から1つ、実はギックリ腰をやりまして、正月だったんですけど、1月1日に皇居へ行きましたけども、その直前にちょっとギックリ腰がギクッときまして。それで、その後様子を見てきたんですが、昨日の朝も、神宮の外宮・内宮と総理のあの早足について歩いて行くということはとても無理だと、こういうことで昨日は出迎えだけにしました。昨日はそんなことで、後はコルセットをはめまして今日もやっているんですけど、今日はいささか昨日よりも若干落ち着きましたけども、そういうようなことでありました。

(質)それで、皇居へは行かれたことは行かれたんですね。
(答)皇居は、まいりました。

(質)痛みに耐えて、よく頑張った?
(答)まだすぐの時よりもちょっとずつ痛みが増して、昨日が一番ピークでしたかね。今日は若干ちょっと楽になったかなあという感じがします。

(質)初めて?
(答)もう4年くらい前に1回ありました。2回目です。

(質)では、初詣は?
(答)東京へ行ってましたし、毎年私は生まれ在所の松阪市飯高町の花岡神社へ初詣でに、必ず1日の朝早くに行っていたんですが、今年は行けなくて、その後も行ってませんので、時期が来て落ち着いてからお参りして来ようと、こういうふうに思ってます。

(質)ギックリ腰は1日の朝なんですか。
(答)皇居へ行く前に、着替えをしていてトランクを開けまして、そして物を取ろうと思って、立ったまま物を取ろうとかがんだ時、何かの拍子にキュッときたんですね。

(質)では、年始は皇居以外はプライベートではどこにもお出掛けにならず?
(答)そうですね、ですから公舎にいたのと、皇居へ参上するのに東京へ行ったのと。だから31日に上京して、それから2日に帰って来て、後はずっと津の公舎におりました。

(質)31日にはもう上京してるんですね。で、ホテルで待機されてて。
(答)ええ。

(質)で、東京で腰を痛められた?
(答)そうです。

(質)緊張のあまり?
(答)経験ありませんか。

(質)ないです。
(答)何人か経験されていると思いますけどね。経験しないと、この痛みはちょっと例えようがないと思いますけどね。

(質)この間の報道か何かで、厚生労働省がへき地医療の関係で、公的病院とかに医療の支援を命じるような権限を広げたい、2007年度を目処にと、そういう報道が出てたんですけども、それに対して受け止め方というか、何かお考えがあれば。
(答)三重県としては、医師不足の問題あるいは看護職員の不足の問題、こういったことを今までにもいろいろ取り組みをやってきましたが、すぐ効果が出るというようなことがなかなか難しかったんです。それでさらにどうしようかということで、この18年度に向けてもいろいろ取り組みを考えているところであります。それから一方で、三重県の場合にはやはり三重大に頼って今まで医療体制の供給を受けてきたわけでありますから、そういう意味で三重大との連携も、より深めていかなければいけないと、こう思ってます。幸い三重大学におかれても、相当前向きに取り組みをしていただいてきている、あるいは今後、より深めていこうというような、そういう気持ちを持っていただいておりますので、ここらがかなり今年は効果として出てくるのではないかなと思ってました。そこへ国がああいった打ち出しをいたしました。知事権限で果たして公立病院の医師をどこまで権限を持って派遣できるのか、権限と実態というものがきちっと調整が取れるのかどうなのかというような、現場での混乱が起こらないようなことを少し考えていかなければいけないと思います。そういう意味では、まだ私も新聞で拝見したような状況で、具体的にどういうふうにやっていくのかということが分かりません。それが地域医療、へき地医療の確保に極めて有効な、そして現場で納得できるような対応ならば大いに私どもも結構なことだと、こう思ってます。ただ、それ以前に私どもは大学との連携をより強化しながら、医師確保に努めていこうと、今取り組んでいるところでございます。
  

( 以 上 )

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 広聴広報課 報道班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2028 
ファクス番号:059-224-2032 
メールアドレス:koho@pref.mie.lg.jp

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