知事会見
平成17年 2月23日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- なし
2.質疑応答
(質)まず全国知事会長選で残念ながらというべきかどうか分からないんですが、知事が推された増田知事ではなくて、麻生知事が当選されたわけですけども、そのことに関して感想と今後の期待等々ありましたらお願いします。
(答)麻生知事がこの度、知事会の新会長になられました。私としては心からお喜び申し上げたいと、こう思っております。今回、選挙で会長を選ぶという、初めてそういう状況になったわけでございます。会長という立場、かつての名誉職的な知事会の会長ではなくて、今やご承知のとおり、三位一体改革の議論をはじめ、地方分権をどう推進していくのか、三重県流の言い方をいたしますと、それこそ地域主権の社会をどう確立していくんだということに向けて、力強く中央にもモノを申し、そして実現に向けて進むとしているところでありますから、会長はその知事会をまとめ、しかもこれは知事会だけではなくて関係する5つの団体、知事会も入れて6団体、これが一丸となっていかなければなりませんから、それらもまとめてやっぱりリードしていく、そういう立場になります。それぞれ県政も大変な状況の中でありますから、そういう意味では会長というのは大変ご苦労な、また過重な仕事になるんではないかなと、こう思います。したがって、それだけに、やる気のある人でなければなりません。幸い、そういう意味ではお二人の方が名乗りを上げられました。お二人とも、今日置かれている知事会の状況、また梶原前会長が進めてきたこの方向については、そんなに大きな違いをもって評価をしているわけではありません。同じような方向を見ているということであ・閧ワす。個性の違いはいろいろあるんだと思いますが、私もそれほど詳しく御両人の個性まで分かるわけではありませんが、それぞれの知事さんが判断をされて、そして麻生さんが今回勝たれたということであります。私はどちらであっても、この今日置かれている知事会の状況から方向が全く違うというようなことでありませんので、爽やかに今回選挙をやり、その結果に基づいてしっかり新会長の下、知事会として全体の力を発揮できるように、私もその一員として協力をしていきたいと、こう思っているところであります。
(質)増田知事の推薦人に名前連ねられたのは、増田知事の方から何か直接お電話あったんですか。それとも知事の方から。
(答)私は前の会見の時にも申し上げたかと思いますが、個人的には鳥取の片山知事辺りが出ていただいたらという、実は期待を持っておりましたけれども、なかなかそういう状況にない中で、増田知事もそのお一人ではないかということで、出られるような意向があると、こう分かってまいりましたので、私としては増田知事を自らの判断でご推薦申し上げました。増田知事には直接私の方から電話をいたしまして、私としては片山知事か増田知事、どちらかが会長をお務めいただいたら大変嬉しいことだと、こういうことを早めにお伝えはしておいたところです。
(質)17日の投票終わった後は増田知事と何か話されましたか。
(答)いや。増田知事の方からは翌日電話がありまして、力強くご推薦いただいたことありがとうございましたと、しかし結果こういうことだから、新会長の下、また一緒に協力してやっていきましょうと、こういうことをおっしゃっておられましたし、私もまた同趣旨のことを言いました。
(質)選挙までする意味はあったと思われますか。
(答)私は180度考え方が違う中で、どちらがやるかという、そんな選挙ではありませんでしたけれども、しかしあの選挙をやったお陰で、両候補とも、知事会長になったらという知事会の方向性を持っていきたいんだというお考えを堂々とお述べになりました。それをやっぱりしっかり聞かさせていただけた、それはそのことを大変大きな意味があったと思います。結果的にはそんなに180度違うとか、そういうことではもちろんなかったのでありますけれども。それからやはりこれまでの知事会、伝統ある知事会でありますけれども、やはり置かれている局面が、もう今は全く違うんだということを国民の皆さんに向けても発信できたこと、このことも大変大きな意味があったのではないかなと、こう思っております。これからもいわゆる国会や議会におけるところの政党の対決というような、そういうものではありませんけれども、開かれた知事会としては、思いがあり、やる気のある人たちがやっぱり手を上げる中で、分かりやすく選挙という手続きでやっていくということは、極めていいことではないかなと思ってます。
(質)19対27でしたか、あの票差についてはどう思われましたか。
(答)そうですね。
(質)ちょっと増田知事の動きが遅きに失したとか。
(答)いろいろ評価の仕方はあるんだろうと思います。私はもう少しまだ接戦になるんではないかなという感じで見ましたけれども、流れを見ておられた知事さん方が、最後麻生知事に支持された方が多かったということだろうと、こういうふうに思っております。
(質)石原知事の動向を見極めようとされてた方々ということですか。
(答)いや、そうばっかりでなくて、最後まで態度を表明されなかった知事さんがかなりありましたからね。
(質)残りの1票は何でしたか。無効票でしたっけ、白票でしたっけ。
(答)白票が。
(質)白票。
(答)白票というよりは無効票として発表されましたね。
(質)誰ですか。
(答)存じません。
(質)次にですね、包括外部監査が先週ありまして、社会福祉会館はじめ、不適切だとされた公金管理のあり方が改めて問われる結果となったと思うんですが、それに対する知事の所見をお願いします。
(答)先般、包括外部監査結果報告を受けまして、まずはしっかりこの監査をやっていただいたと、本当にお礼と敬意を申し上げながら、かなりたくさんの意見なり、あるいは指摘というようなものをいただいているところでございます。これらにつきましてはしっかり受け止めまして、そしてそれぞれの担当部署におきまして、それにどう対応していくのかということについて、早急に検討をさせてまいりたいと、こういうふうに思っております。改めるべきはとにかく早く改めていかなければなりません。未利用財産等の問題もなかなかこれまで努力しても、非常にその取り扱いが難しい事例でありまして、そういうものについてもいろいろご指摘をいただいていることについて、さらに対応の仕方をしっかりとっていきたいと、こう思っております。それから今お話ありました、社会福祉会館等の施設管理についてもご指摘ございました。これにつきましては、早急に是正をしていくように担当部局にも指示をいたしているところでございます。
(質)社会福祉会館でしたか。あれについて、健康福祉部にちょっと確認に行った時には、若干見解の相違というふうなニュアンスの答えもあったんで、じゃあ是正しないんですねっていうお話させていただいたら、いや是正はしますと4月から。そこら辺がちょっとやっぱりその県庁風土っていうか、職員の方の意識とちょっと外部の監査、社会通念常識に従った方のズレっていうのが感じたんですけど、その辺は知事はどういうふうに。
(答)県の行政からいけば、いろいろ政策的な判断等がございます。したがいまして、そういうものについても、外部監査の委員の皆さん、十分ご理解もいただいていることだというふうに思っております。しかし社会環境なり、あるいはそのそれぞれの団体にしても、事業の中身もいろいろ変化をしている中で、果たして旧来からの仕切りが正しいのかどうなのかということについては、やはり変化もあるんのではないかなと、こう思います。そういう意味合いで、例えば監査委員の先生方からのご指摘も、やや微妙な形でのご指摘も含まれているやに感じているところでありまして、そういった所についてはやはり県民に向けてきちっと説明責任が果たせるように、もう一度そういった仕切りについても妥当なものかというようなことを判断していかなければならないと、こういうふうに思っているところです。
(質)知事は監査報告をご覧になって、これはとか、興味というか、特に気付かれたものというのはどういうものがありますか。
(答)そうですね、例えば滞留貸付金に関するご指摘がありました。その中には中小企業に対する貸付金だとか、そういうふうなものもあるわけでございます。それで例えば担保とか、そういうものについては、きちっと取っていった方がいいんではないかとかいうような意見もあったかと思います。そういうところにつきましては、あくまで県の行政というのは中小企業者のやっぱり支援をしていくというような政策的な判断からいきますと、そういった貸付についての条件をどうするかというのは、極めてその時代時代の背景となる経済状況だとか、そういったところに影響された判断をしていかなければならないというところがあろうかなと、こう思います。したがって、そういった部分については、微妙に行政の立場で判断しづらい部分のところもあるのかなと思いますから、そこらはやはりさっきも申し上げましたように、あくまで県民の皆さんに、きちっとその状況を説明責任を果たしてご理解を求められるものでなければなりませんから、そういう観点で今回のこの報告についても、今後の検討の中で十分仕切りを付けていかなければいけないと、こういうふうに思ってます。
(質)ですから今、中小企業貸付金、滞留貸付金の関係で、あわせて外部監査が指摘していたのは、例えば決算書とかも取り寄せないで貸し付け判断しているとかそういう。
(答)したがって、このご指摘いただいたことについては、大方は謙虚に受け止め、今後早急に改善をしていくということを考えていかなければなりませんが、一部若干ですね、行政側としての判断を慎重にしなければいけない部分のところもあるなと、こういうことをちょっと申し上げたところです。敢えてご質問がありましたので。
(質)ですから、眺めると内部監査もそうなんですけど、知事が提唱されている「行政経営品質向上活動」というところの到達点と現状の県庁内というのが、少しやっぱりまだかなり開きがあるという、そういう感じがあるんでしょうか。その辺は例えば経営品質向上活動で高まれば、当然こういう指摘というのもどんどん減っていくだろうし、ごく県庁外で社会常識的にやられていることが県庁の中ではやられていない、決算書も見ないで結局貸し付けそのままさせるとか、そういうふうなことと行政経営品質向上活動と兼ね併せてどういうふうに思われますか。
(答)私は、例えば監査委員にしろ、今回のこういった外部からの包括外部監査にしろ、やはりきちっと外から見ていただくということは、あまりにもまた、これは大事なことであり重要なことであるというのは、やはり内部だけでは、これまでのやり方の中で気付かないまま来ているようなもの、こういうようなものがあるかと思いますね。したがって、改めてこういうご指摘をいただくということが、ただそれだけではなくて、類似した業務の中でも同じようなことがないだろうかというようなことで、新たな気づきに結び付いていくものだと、こういうふうに思っております。したがって、県庁のマネジメント全体として考えていくならば、こういった外部からきちっと見ていただくその結果報告というものはですね、私たちにとって大変意味合いがあるし、重要なことだと、こういうふうに思います。やはり制度として、こういった制度はしっかりやり、ご指摘を受けることがいろいろとあるからこそ、またこういう制度をしっかり続けていく意味もあるのだろうと、こういうふうに思いますね。したがって、うまくそういったものも内部の業務の中に、その結果をどう生かしていくかということだと思います。
(質)行政経営品質向上活動というのが成果として上がっておられると感じられますか、それともまだまだと。
(答)それぞれの職員は担当するところの内部の仕事、かなり広範囲にそれぞれやっているんだろうなと、こう思います。したがって、その中での大部分についてはいろんなところでしっかり取り組んで説明責任を果たせるように取り組んでいるはずでありますけれども、外から見たときにはその中に目の行き届いていない面もあるのではないかというようなことでご指摘を受けることになるんだと思いますね。そういう意味では、常にそういった自ら足元からしっかり考えて取り組んでいくという姿勢を、我々も職員に対して心がけるように言いながらも、外部からのこういったチェックを受けるということはそれに付け加えあまりにもまた大きな意味があるのではないかなと、こういうふうに思っています。
(質)外部監査の指摘では、毎回同じようなアリバイの対応文書で、全然同じような返事ばかりして対応していないと、進展がないと、ことほどさように外部監査の指摘に対しても、何というか「へのかっぱ」みたいな、形骸化しているようなところあるんですけれども。
(答)そういうご指摘もありましたので、今回は副知事、出納長にもそういった点も含め、これの対応については総務局等が中心となって、そのご指摘を受けたことについての取り組みを一つずつチェックをし、そしてその改善対応について全体しっかり見渡していこうと、評価をしていこうと、こういうことで取り組むようにいたしております。
(質)ある意味、単なる外部監査だから単に文書で答えておけばいいという体質も残っていると思うんですけれども、それを担保するために罰則なりなんなりを設けるお考えはないですか。
(答)そういうご意見までは今まで出ていませんけれども、そういった、今日記者の方からのそういったご意見も参考にさせていただきますが、今後とにかく出していただいた報告書の成果を十分生かせるように取り組んでいきたいと、こう思っています。
(質)県議会の選挙区と定数の見直し議論が始まりまして、知事の立場からは申し上げにくいかもしれませんけれども、市町村合併に伴う見直しではあるんですが、二元代表制を担う立場から、必ずしも減らすというのを前提に議論を進めるようではないみたいなんですが、県議会の定数等々のあり方について知事のお考えをお聞かせいただけますか。
(答)これにつきましては県議会が十分に議論を尽くして結果を出されるべきことであります。したがって、その方向について、どうあるべきだという、そういった意見を私の方から申し述べるものではないと思ってます。ただ全体的なことで一つ申し上げるならば、やはり県民が主役の県政の一翼を、議会は担っていただいているところでありますから、やはり県民のための議会としての機能を、やはりこういう市町村合併が進み、それぞれの市町村がより地域に密着した形で行政能力を高めていこうとしている、そういう状況の中で県議会のあるべき方向というのを県民にしっかりお示しされるように議論されていくということは、これはもう当然大事なことなのではないかなと、こう思っております。
(質)「愛・地球博」と観光の関連でお聞きをしたいんですけれども、開催まで1カ月ぐらいでもう直前と言ってもいい期間でいいと思うんですけれども、今回、知事は常々観光振興というのを強調されていて、その一つのきっかけとして「愛・地球博」ということもおっしゃっていたと思うんですけれども、実際問題県内でのそういった期待というか盛り上がりがどの程度なのかということと万博と絡めて、観光客を引っ張ってくるという仕組みが、今、県の戦略としてどの程度できている、進んでいるというふうにお考えなのか、そこら辺をちょっとお聞かせ願いたいんですけれども。
(答)まず今回「愛・地球博」が取り行われる、そしてその前に既に中部国際空港が開港されたところでございます。三重県にとりましては大きなチャンスの時だと、こういうふうに思ってます。新しい観光振興プランにおきましては、2013年のご遷宮まで見渡しながら取り組んでいこうということでありますが、ちょうどそのスタートになります今年、セントレアと、それからこの「愛・地球博」というようなことがございます。したがって、そのスタートの成果がしっかり得られていくということを期待しております。「愛・地球博」につきましては、来られるお客さんが首都圏を中心に1,500万人ぐらい見込んでいる、あるいはその後上方に修正して1,800万とか、もう少し来られるのではないかというような見方もされているところであります。その中で、約半数、800万以上の方が宿泊もされるというようなことをお聞きをしております。名古屋市内のキャパシティは500万ぐらいだそうでございますから、したがって、300万人ないし、500万人近くは名古屋市以外の愛知県内、あるいは岐阜県や、あるいはまた三重県にもぜひお出でいただきたいというような形になるかなと、こう思っているところであります。したがいまして、「愛・地球博」を中心とした取り組みとしては、誘客キャンペーンの対象の地域も一つは首都圏というものをターゲットにしていかなければならないということで、今、愛知万博の見学と県内観光をセットにした観光商品の販売キャンペーンを展開しているということでございます。それから浜松・遠州地域でありますとか、三河地域につきましては、「伊勢志摩」、それから「熊野古道」の商品の造成とか販売キャンペーンを展開もしているところでございます。それから博覧会の開催中に、8月29日でございますが、「三重県の日」ということが決定いたしております。三重県の魅力発信に向けて具体的なイベントの準備を進めているところでございますので、これも今後しっかりキャンペーンしてまいりたいと、このように思っているところでございます。なおセントレアが開港いたしましたので、セントレアにつきましては、主な路線であります福岡とか、札幌とか、仙台、こういったところをターゲットにいたしまして、空路を活用いたしました県内観光商品の販売キャンペーンを展開いたしているところであります。さらに機内誌、これは航空会社の、例えばANA等でございますが、提携いたしまして、機内誌に三重県の情報掲載、あるいは商品の造成とか情報発信、こういったものも展開しているところであります。それから3県1市で共同設置をいたします空港内の観光案内所におきましても、観光情報の発信をしていくということでございます。それからアクセスにつきましても、津のなぎさまちから出ていくアクセス、まだ始まったすぐとは言いながら、大変な盛況ぶりだということでございます。この海上アクセスにつきましても鳥羽もございますし、情報拠点と位置付けまして支援をしながら、これも誘客につなげてまいりたいと、こう思っております。それから大手旅行会社3社が連携をいたしまして、中部国際空港や愛知万博から本県へのアクセスガイド、これは「三重観光王国」というものでありますが、40万部を作成いたしまして、旅行エージェントの店頭で配布をするなどの誘客活動の展開しているところでございます。三重県としては2013年のご遷宮を見渡しながら、新しいメリハリを付けながら展開していくスタートの年である今年は、ぜひ、ただ今申し上げましたような取り組みで成果をぜひ得ていきたいと、こう考えているところであります。
(質)そこら辺の数々取り組みの手応えのところはどういうふうにお感じになっていますか。反応ですね。
(答)実は先般、東京と大阪で三重県観光連盟が主催いたします観光キャンペーン発表会というのをやってまいりました。エージェントの関係とか、あるいはマスコミ等の皆さんを中心に昨年もやりましたけれども、それを上回る皆さんがお出でをいただいておりました。そこでのご評価等については、私はかなり手応えもあったのではないかなと、こういうふうに思っております。それが成果としてきちっと出てくることを期待しているところであります。
(質)その成果の部分で、何かこのぐらい来れば成功と言えるのではないかというような具体的なものというのはありますか。
(答)ちょっと今私のところで数字をあげたりするような形でのものは持ち合わせておりませんので、できましたら担当部局の方で一つそこら辺について、ご取材をいただければありがたいと思います。
(質)アクセスの、高速船感想はいかがですか。
(答)私は先般、アクセス船が17日に開設されましたね。その前の13日に空港でのオープン記念式典がございましたが、それにまいります時にあれに乗せてもらいました。双胴船で大変乗り心地もいいし、そして約40分ということでありましたけれども、実質は40分もかかっていないんではないかなという感じでありましたですね。そして、陸路と違って海を眺めながらというのも、改めていいもんだなと、こういうふうに思いました。したがって、大変私はそれだけでも皆さんの関心はあるんではないかなと思います。なお、実は陸路でございますと、今ほとんど高速、自動車専用道路で、例えば津からでも行けるわけでありますけれども、いささか渋滞というようなことも一つ懸念をされるところでございます。順調に1時間半ほどで津から行けるといたしましても、実は高速道路の料金につきましても、片道で約4,000円、往復で8,000円ほどかかります。ガソリン代、それから向こうでの、空港島での駐車料金、この駐車料金も5日目まで1日1,500円、6日目以降1,000円ということでありますから、例えば1週間海外出張される方が車で行かれた場合には、おおよそ20,000円を超える経費がかかってまいります。その点、津の方が出張されるときに、津の港に行きますと、駐車料金はただ、そして船は往復で4,000円かかりませんから、そういう意味では十分に土産のどれだけか分は経費も浮くということですね。そういうふうに考えていきますと、さらに海上アクセスについては、その有用性を知っていただければ、有用性を認めていただけるのではないかなと、多分、四日市や北勢地域の方の利用も私はあるんではないかなと、こう思っております。で、北勢の方が来られた時に、そんなお話もしましたが、改めてアクセス船いいなというふうにその方も評価されておりました。
(質)セントレアそのものは完成されてから、この前13日が初めてだったんですか。
(答)はい。今まで私は防災ヘリで北勢の方の上空を飛び、あるいは南の方へも行った時に、セントレアの近くの上空を通っていただいた時に、上から見たということでした。
(質)この間行かれて、中ご覧になったんですか、そのオープンセレモニーで、後案内とか。
(答)ええ、少し内部見てまいりました。
(質)ご感想は。
(答)そうですね、やはりこれまでの名古屋空港と比べますと、その規模も本当に相当大きなものだなと、また広々と、ゆったりとしているなと、このオープンの後は分かりませんけれども、記念式典の時は関係者しか来てませんでしたから、見学の方は見えましたけれども、内部へは入って来られてませんでしたのでね、本当に広々としたすばらしいものができたなと、こう思ってます。
(質)アクセス船ですけども、今年は万博効果なり、開港効果なりがあるんでしょうけども、今後の点ですけども、いわゆる有用性を述べられたんですけども、その辺でその展望に陰りはないと見られてますか。
(答)さっき申し上げた、例えば高速道路の料金だとか、ガソリン代だとか、駐車料金だとかという、そういうことについては、これは今後もそれは変わるものではありませんね。
ただ、今ほどこのアクセス船を利用される方が多いと、実は駐車場が350台ほどの駐車ができるようになっているそうでありますけれども、とてもそれでは現状足りないというようなことでございますね。今後まだ始まったばかりですので、関係者の皆さんでいろいろ検討をされ、対応を考えていかれるものだと思いますが、私としては、この空港が常滑沖にできた時、当時の田川知事が隣県との話し合いの中で、このアクセス船を三重県側は持つんだということで合意をしているわけであります。中部国際空港に対する大きな期待とともに、これまで長い経緯を持ちながら、このアクセス船を実現しているわけでありますから、これが今後県民にとっても、大きなアクセスの一つとして十分に活用されていくということを期待いたしたいし、また外部から三重県に来られる方にもぜひご活用いただきたいと、こういうふうに思っております。
(質)悪天候による欠航なり、それから従来言われている縦の線と横の線の事故の危険性等々は改めてどうですか。
(答)ですから、こういうアクセスにつきましては十分に安全というものに留意して運営にあたっていただきたいと思います。高速道路でありましても、結構実は中京圏は雪も降ったり、あるいは天候状況によっては通行が不能になる場合もあります。船の場合には海の上というだけに、そういった安全に対する配慮がなお一層大事なことだと、こう思っております。
(質)松阪港の展望はどうですか。
(答)松阪港につきましては、これはアクセス船のことについてですね。それにつきましは、あそこについては経済的なものについては十分採算が取れるという報告が出されているところでありますが、実はあの港は物流港であります。したがって、アクセス船が利用できる人流港としての機能を付加させなければならないということで、いくつかの条件が示されているところであります。これらの条件をクリアした上で、アクセス船の実現と、アクセスルートの実現と、こういうことになります。今関係者で鋭意努力をしているというふうに承知をしております。
(質)完全にクリアできると見られてますか。
(答)これは港湾用途の変更といいますか、追加といいますか、そういうことがありますから、関係の専門的な皆さん方にしっかりご判断いただくことだと、こう思っております。
(質)企業庁が新年度から外部の有識者にそのあり方の検討会を設けられますけど、議会の方でも議長の私的諮問機関ということで委員会が昨日設けられましたけども、場合によっては違う結論というようなものが出てくる可能性もありますよね。そういうことも含めて、議会の私的諮問機関のことについて、知事のお考えをお聞きしたいんですけども。
(答)県がやっておりますいろんな事業につき、それの運営、組織のあり方等につきましては、兼ねてから議会でもいろいろと議論をしていただいてきているところでありますし、当然私ども県庁の内部におきましても、そういった検討を普段からしていくということが必要だと、こう思っております。特に今回企業庁等につきましては、議会でのご議論もいろいろといただくようでありますから、そういったご意見も十分に私どもとしては把握をしていかなければならないと思っておりますが、私どもの内部におきましても、しっかり議論をして検討をしていきたいと、こう思っております。そもそも、やはり県民に向けて公益性を持っている事業について、それをどう判断をしていくのか、それを県が関与してやっていかなければならないのか、どうなのか、関与するとすればどういう形での関与をしていくのか、そういったことをいろいろと判断をしていかなければならないと思います。したがって、そういう意味では大変重要なことでありますので、十分な検討を期待し、そして県民の皆さんにしっかり説明責任を果たせるような、そういう結論が出ていることが大事ではないかと、こういうふうに考えてます。
(質)いや、仮に違う意見が出たら、どうするかということです。庁内で存続、外部の私的諮問機関が民営化と打ち出したときに、どちらに重きを置かれるかです。
(答)今そういった前提を置いて、どうのこうのということにお答えするような状況にはないかと思いますが、いろんなご意見があろうかと思いますから、そういう意味では十分にその議論を県民の前でしっかりしていくということが大事だと、こういうふうに思ってます。
(質)十分な議論というのは両方でということですね。企業庁の方も、議会の方もということで、双方でということですね。
(答)そうですね。議会の方は議会で、当然のことでありますが、私どもの方としては庁内でのしっかり検討をさせていただかないと、議論が出たまま、それに対するきちっとした考え方の整理ができておりませんからね。
(質)議会の方が諮問機関を設けて、執行部の方の政策判断にまで踏み込んで提案してくるという形は全国でも初めてではないかということを、昨日委員の一人の大学教授の方がおっしゃってみえたんですが、そういった議会の方で諮問機関を設けて審議した内容について、執行部の方に執行を迫るという、そういう形については知事としてはどのように考えているのですか。
(答)基本的には県議会でのご議論いただいていることについては、私どもこれまでもそうでありますが、県政を推進、執行していく中で十分に参考にさせていただきながら判断をしてきているところでございます。したがいまして、県議会の方でどういう形にせよ、いろいろとご議論をいただいた結果というものについては、それをしっかり受け止めて、私どもの判断の中で参考にさせていただくということは、これは当然大事なことでございます。
(質)知事としては肯定的に捉えてみえるということでよろしいんでしょうか。
(答)どういうご意見だとか、そういうのは分かりませんから、そういう意味では出てまいりましたご意見はしっかり参考にさせていただくということは、これは当然大事なことであります。
(質)新年度予算なんですけども、昨日も代表質問の中で出たんですが、直轄道路ですね、中勢バイパスをはじめとした高速道路等の直轄道路について、新年度については、今までよりもかなり枠を広げられて負担金の方を出されるということなんですが、これはこれからも新年度だけでなく、次の年度、次の年度も継続的に同じぐらいの規模で負担金については出して、道路整備をしていきたいというお考えということでよろしいんでしょうか。
(答)今、財政的にはどこもかしこも厳しい状況の中で、三重県におきましても限られた資源を有効に、効率的にこれを使っていくということが大事であります。したがいまして、より重点化して、あるいはより戦略的に取り組むというような形の選択と集中といったことも極めて大事になってまいります。したがいまして、その年度、年度で今財政状況というのは非常に不安定で、見通しがきちっとできる状況ではありませんから、その年度、年度の中で可能な限り、やはり戦略化、重点化を図りながら対応していくということが大事なのではないかなと、こう思っているところであります。したがって17年度予算についても、そういう思いで対応したところでありますが、18年以降につきましても、全体の財政状況等の影響は、これは変動が当然いろんな状況が考えられ、あるんだと思いますね。ですからそういう与えられた状況の中での選択と集中、戦略的な考え方についてはやはりしっかり対応をしていかなければいけない、そういう考え方でやっていかなければならないと、こう思います。ただ総量そのものはやっぱり全体の財政状況は、これは影響を受けるのは、これはもうやむを得ない、避けられない状況というのはありますね。
(質)質問は続けるのかという質問でしたが、次の年度以降も続けられるのかということです。
(答)だから私のお答えとして、もう少し分かりやすく言えば、道路等について言えば、やはり県民の道路ネットワーク、アクセスの一番基本路線であるところの、例えば中勢バイパス、あるいは北勢バイパス、あるいは高速道路、こういったものはどうしても重点的、そして戦略的に取り組んでいかなければならないものでありますから、そういう意味では選択と集中という努力を積み重ねる中で、今後もやってまいりたいということです。ただボリュームそのものは財政状況でこれは影響を受けるのは避けられないということを申し上げてます。
(質)新年度と同じ規模の予算を付けられるかどうかというのは分からないという、同じだけの。
(答)さっき申し上げたとおりです。
(質)ただし10年、15年という年限切った裏には計算があるとお聞きしたんですけども、今年の17%増の枠でやっていけば、10年、15年後の見通しが立つと、で、その上で昨日明言されたんですけども。
(答)一応基本的にはそういう眺め回しを持ちながら、今、重点化、戦略的な取り組みをやっていこうという基本的な考え方を持っているところであります。これが結果として、そういうふうになるように今後も引き続き努力をしていきたいということであります。
(質)改めて珍しく10年、15年という意思表示をされたんですけども、その動機を改めて。
(答)以前から道路戦略だとか、道路の整備状況については、県民の皆さんから、例えば「本音でトーク」だとか、そういう時にもいったいいつになったらできるんだというようなことのお話がありますね。したがって、私ども内部でもいろんな状況の中で、眺め回しとしては我々の期待値としては、できるだけ早くというのはこういうところかなという、そういう我々の期待値を昨日は少し申し上げたということであります。
(質)負担金のあり方についてなんですけども、全国知事会の方では直轄事業については、基本的に国の行う事業であるということで、負担金の廃止について申し入れられてますよね。で、そういった動きからすると、敢えて国の方が付けてくれても、負担金が重いからいらないというような自治体も出てきている中で、知事ご自身は負担金については、どのように考えてみえるんでしょうか。やっぱり出してでも欲しいという道路は。
(答)負担金そのものについては、知事会でも示唆しておりますように、本来国が責任を持って、国全体の中で基幹的な道路について、それを整備をしていこうということについて、やはり国がその全額をしっかり持っていくということは大事なことだと、こういうふうに思っております。しかし、これはまだこれからの議論の中でどのようになっていくのか、いつ頃そういったことについての結論が出てくるのか明確ではありません。知事会としても主張はそういった事情をやってまいりますが、三重県としては一方でやはり着実に県民のニーズに応えて道路整備が着実に進んでいくという、そのことが大事でありますから、今は今の制度の中でどう対応するかという対応の仕方しかありませんから、そういう形で現況におけるところの最大限の努力をしております。将来的にこの直轄負担金がなくなるということになれば、それはそれで大変ありがたいことだと、こう思っております。後、実はこういった国の主要な幹線道路については、維持費の問題も実はあるわけであります。こういったものを含めて今後知事会の方で地方6団体等とも連携しながら、国とのいろんな話し合いをしていくということになろうと思います。
( 以 上 )