知事会見
平成16年 2月17日
於 プレゼンテーションルーム
1.発表項目
- なし
2.質疑応答
(質)RDFなんですけれども、先週、今週末ですか、住民説明会が3ヵ所の自治体で開かれまして、そこで知事が再開の条件として挙げていらっしゃった住民の一定の理解というものを県側としては得られたと思いますか、それともどういうふうに感じていらっしゃるのか、そこお願いします。
(答)まず、再開ということについては、仮に試運転に入ったとしてもまだずっと先のことでありますから、その段階で住民に説明会をやって、きちっと手続きを踏んでいく必要があろうかなと、こう思っております。今回の企業庁が行いました説明会につきましては、企業庁長、企業庁の方から一応報告を私の方受けておりますけれども、まだ企業庁としても検討しているという段階だということでございますので、今後それについて、よく報告をさらに受けた上で整理をしていきたいと、こう考えております。
(質)企業庁からどのように報告をお受けになったんですか。
(答)まだ私としては、今後の、また報告もあろうかと思いますし、私としては今整理をしている段階でありますから、中身について申し上げることはできません。
(質)企業庁の方から報告を受けた際に、試運転のことについての報告というのはあったんでしょうか。例えば試運転の時期だとか、試運転の実施方法について報告はあったんでしょうか。
(答)私の方には住民説明会でどういう話が出ていたかとか、それから企業庁としてはどういうふうに答えたというようなそのやりとり、全般の雰囲気、こういったものについて報告は受けております。
(質)先ほど知事は、再開は試運転に入ってもまだ先のことであるというふうにおっしゃったんですけども、これはそうすると知事のご認識としては、試運転というのは再開ではなくて、要するに試運転をした結果、そこでまた再開するかどうかっていう判断があると、そういう認識でよろしいんですか。
(答)そうです。
(質)それに関連しまして説明会なんですが、再開は先のことで、再び説明会、住民説明会をやって、再開について理解を求めるということでしょうか。
(答)まだ試運転にも入っておりませんから、これから先のことについては今日のところはコメントは差し控えておきます。まだ分からないことでありますから。
(質)では、冒頭にその段階で住民説明会をやってとおっしゃったのは、どの段階のことをおっしゃってるんでしょうか。
(答)ですから、今後の眺め回しの中で申し上げますけれども、今日はそれ以上のことはコメントしません。
(質)そうすると再開はまだ試運転を経てということですけれども、試運転の時期は、そうするといつくらい、いつ頃をお考えですか。
(答)まだ判断しておりません。
(質)当然、お聞き及びのことかと思うんですが、説明会の中では試運転前にもう一度説明会をやってほしいという住民サイドと企業庁長の間で大分議論が平行線になって、そのまま終わった会場がほとんどだったと思うんですが、企業庁の方は試運転前にやる予定はないという一貫した姿勢でですね、ということはもうこの段階で住民側には県がどう判断したかというのを言わないと。いつその判断をお示しになるんでしょうか。
(答)いろんな方が住民説明会には、6回の会場の中で複数会場に同じ方が見えていたとか、そういうこともあったようでございます。RDF化そのものに反対の方々もおられたと思いますし、全体としてはやっぱり県が関わっているこの発電所におきます2人の犠牲者を出した、そういった事故によって失われた信頼、これは極めて大きなものであるということを改めて感じたところでございます。したがって、こういった施設については、安全性を何としても確保していくということが、これは誰しももう共通の認識でありますし、最も大事なことであるということでございます。それで、企業庁の方も事故の反省の上に立ち、いろんなこれまでの三重県としての専門委員会の検討であるとか、あるいは国等においても、いろいろ検討いただいた、そういった結果を踏まえ、安全をどのように確保していくかということで、その対策を打ち出してきたところでございます。県民の方からの安全性に対するいろんな疑問なり、あるいは指摘というようなことには、すべて一応企業庁としては対応できるというものであったのかなというふうには思っているところでございます。今後のことについては、よく相談をした上で判断していきたい、私として判断していきたい、こう考えております。
(質)行われた住民説明会なんですけれども、企業庁からの報告をお聞きになって、開催の状況報告を受けて、運営方法ですとか、開催された状況から見て、住民説明会は適切に行われたというふうにお感じなってるかどうかという点と、それから現時点での説明というのは、その報告をお聞きになった情報で、住民に対する説明というのは適切に行われたという認識をお持ちかどうかということを教えてください。
(答)これまで専門家の間でもいろいろご議論をいただき、そして今回の対策についても専門の方に審査もしていただいたというような対策、これを企業庁は、企業庁長はじめ、皆さんが誠心誠意、説明会で説明したものだと、こういうふうに思っております。
(質)それからちょっとあと一点なんですけれども、住民説明会の中でどなたかが言われたのか忘れましたけれども、質問の中で、いくらその客観的に専門家が見て安全というふうに言われたものであっても、県に対する信頼がない以上、いくら説明を受けても信用できないという意見というのがあったんですけれども、それに対してはどういうふうにお考えになりますか。
(答)それは先ほど申し上げましたように、今回あのような事故を起こしたことによって失った県の信頼ということについては、極めて大きいものであるということを改めて感じたところでございます。
(質)知事はこの信頼関係に必要なものは何だとお考えですか。
(答)一つ一つ安全性について、県が取っている対策について検証していくことではないかなと、そういうことが一つの方法であろうと、こう思いますね。
(質)ちょっと先ほどと同じような質問なんですが、試運転までにもう説明会はしないわけですよね、今のところの予定では。
(答)今後のことについてはまだ何にも申し上げておりません。
(質)企業庁さんは説明会ではそういう姿勢を取ったんですけども、ということは県として判断材料となる住民の意見というのは出揃ったわけですよね、この間の日曜日で。
(答)今後のことについて、まだ今日の段階ではノーコメントです。
(質)出席された住民の方々にしてみれば、意見言うだけ言って、県がどういう判断したのか分からないというのでは、ますます信頼を失うんではないかと思うんですけども、それはどうですか。
(答)ですから今報告を受けているところであります。まだ企業庁としてもいろいろ検討もしておりますし、私の方も今後のことについては、その上で判断をしていくということです。
(質)目処はいつ頃でしょう
(答)ノーコメントです。だけど、そう遅くならないうちに判断はしていかなければいけないとは思ってますけれど。
(質)遅くならないという時期なんですけど、それは具体的には週内とか月内とか、どういった時期を想定なさってるんでしょうか。
(答)想定してません。遅くない時期と思ってます。
(質)試運転の段階から各市町村のRDF化施設からの搬入は始まるというふうに聞いてるんですけれども、試運転の段階で使うRDFは、今まで県内26市町村で従来やっていた7施設から搬入してもらうというふうに聞いてるんですけれども、そうすると事実上、市町村側からすると試運転が始まった段階で、従来と、量の多い少ないはあるにしても、従来と同じものだと、その段階で、もし、もしというとあれですけれど、そこで正式運転の判断をするということになって、仮にまたストップすると市町村側はそこで、ごみ行政にまた混乱を来たすという恐れもあるんですけれども、その辺り、事実上、こう試運転をするということは市町村側からすると、事実上再開というふうに受け止めるんじゃないかと思うんですけれども、その辺りは知事はどういうふうにお考えですか。
(答)今の段階で全くノーコメントです。さっき私としては冒頭申し上げた手続きは、もし再開ということにする場合には、本格再開の場合も、前に手続きはやらなければいけないと、こう思ってます。
(質)試運転で各市町村からのごみ搬入はこれはもう計画通り、計画通りというか実施されるご予定ですか。
(答)仮に試運転という段階で他のものを燃やすのは試運転にならないですね。
(質)ならないですね。
(答)だから、そのことは企業庁によく聞いてください。試運転やるということになりましたらね。
(質)確認ですけど、前回企業庁側がはっきり明らかに文書にしたんですけど、試運転と再開の概念の間に、監視運転1年があるんですね。それでよろしいですか。
(答)時期等については、どんなものか分かりませんけれども、やはり今回ああいった事故に至ったということからすれば、監視運転等も、再開に、正式にこう、本格再開にということになる前には必要かもしれませんね。今日は、しかし、先のことについては申し上げないことにいたします。
(質)基本的に、試運転をするかどうか、住民の理解が得られて、ゴーサインを出すというその判断については、基本的には企業庁長の判断を尊重するという姿勢でよろしいんでしょうか。
(答)ノーコメントです。
(質)それは、理由は、ノーコメントの理由です。
(答)私が、相談して判断、一緒に判断する事ですから。まだこれからです。ノーコメントです。
(質)いや、ですから私が聞いたのは、その判断について、企業庁長の判断を尊重して判断をなさるのかという質問だったんですけれども、今の言い方を。
(答)報告は十分に受けて、しかし私自身が判断をいたします。
(質)住民説明会ですね、先ほど知事がおっしゃったように当然RDFそのものに反対の人というのもたくさんみえまして、そういう人との溝というのはなかなか埋まらないかなと思うんですけれども、そのものには反対じゃないとおっしゃる方も結構お見えになりまして、ただ時期尚早だという意見が結構あったんですけれども、そういう意見についてはどう思われますか。
(答)まだ今後整理をしていく状況でありますので、今の段階ではコメントいたしません。
(質)本格再開という言葉について見方がいろいろあって、住民説明会でも試運転なり監視運転というのは、本格運転なんじゃないかという疑問の声とかあったんですけど、知事がおっしゃる本格再開というのはどういう状態のことをおっしゃっているんでしょうか。それについてまず概念を明示していただきたいんですけれども。
(答)今の時点では、これから先のことについてはノーコメントです。
(質)いや、いつとかじゃなくて、本格再開というのはどういう状態のことをおっしゃってるんですか。
(答)まだ試運転とかそういうふうなことについてどうするかという状況の中でありますから、段階が進んでいくならば、その時点でまた申し上げる機会があろうかと思います。
(質)住民にとっては、試運転であろうが本格再開であろうが、実際に炉が動くということについては、実質住民にとっては変わりがないんですけれども、実際に入れて動かしますよというときに、住民に対してそうしますよというアナウンスなり、なんなりというのをするおつもりというのはあるんですか。
(答)どういう意味ですか。
(質)要は、住民の方々がある日突然、起きてみたらもう動いてましたというふうな状態にするのか、それともこれから動かしますので、見てくださいねと言うのか分かりませんが、そういうふうな状態にするのか、試運転に対して、実際に炉が動くということに対しての地元住民に対する対応ということなんですが。
(答)そういったことも含めてこれからの判断です。
(質)先ほどの本格再開の質問なんですけど、この間の会見の後に、ペーパーで試運転、監視運転、本格稼働でしたかね、という説明が県の方から出されてるんですけど、それをまた今の段になって、まだ決まっていないとおっしゃるのはよく意味が分からないんですけれども。
(答)いやコメントしないと申し上げたんです。その資料に書いてあるのは県の方で考えている、企業庁が考えているスケジュールということでありますね。これは住民の方にご説明する時に作った資料であります。
(質)いや、だから、知事のお言葉の中に本格再開というのが出てくるので、その意味を聞いているんですけれども。お使いになった言葉の意味を問われてノーコメントというのはちょっとよく分からないんですけれども。
(答)それは私が、安全性をきちっと確認した上でなければ再開はしないと申し上げたその言葉の裏返しが本格稼動、県として、いわゆる旧来の通常のRDFについてやっていた、当初目指した正常な状況になると、いわゆる企業庁の業務としてやっていく状況になるという状態でしょうね。
(質)監視運転の後ということですよね。
(答)スケジュール表を見てください。その企業庁の作った想定ですね。
(質)企業庁は監視運転の後が本格稼働だと言っているんですけれども、その企業庁の認識と知事の認識は同じでいいんですよね、違ってはいないですよね。
(答)まだこれからのことについては、今後判断をしていくことであります。
(質)いや既に発表していることなんですけれども、企業庁はマスコミにも住民説明会でも、こういう言葉の概念で、本格稼働だの、試運転だの、監視運転だのと説明しているんですけれども、それに知事は納得しているわけですよね、同意されているわけですよね。そういう概念とかスケジュールについて。
(答)いやいやですから、住民側に説明する場合に、県としてこういうふうな考え方でということでまとめたものでありますね。その上で住民説明会もやらせていただきました。それを踏まえて今後どうするかということについて、これから判断をしていくということであります。
(質)確認ですけど、冒頭に知事が、再開については試運転に入ってもまだ先のことで、その段階で住民説明会をやってとおっしゃたのは撤回されるということでいいですか、それともこういう予定があるんですか。
(答)住民に説明したその資料の背景では、そういうことは考えていかなければいけないだろうということでありますけれども、まだそれは想定したスケジュール、これを説明申し上げたところであります。今後さらに企業庁の報告をさらに受けて、今後の進め方について判断をしていきたいと、こう思っています。
(質)ここでいう再開は本格再開の方ですか。
(答)ノーコメントです。もう繰り返し申し上げている。
(質)ノーコメントということで、今後の方針がなかなか見えにくいんですけど、そのノーコメントという言葉の中には、試運転というのが、今後の判断いかんによっては、年度内に試運転をしないということもあり得るという意味も含まれてるんでしょうか。
(答)ノーコメントです。
(質)知事、先ほど住民に説明するときに、県としての考えをまとめた上で説明にあたったと、で、住民からいろいろ出てきましたと、反応がありましたと。そうするとこれまでの考えを、その反応をみた上で変わる可能性もある。それもノーコメントですか。
(答)これは検討しているところだと思いますけれども、いろいろ指摘のあったことについて、今回企業庁がとってきた安全策というのは、それによって追加しなければならないとか、修正しなければならないというような、そういうものではなくて、全て対応できるものであるという感じは受けておりますけれども、まだこれからいろいろ追加して報告もあると思いますので、その上で。
(質)追加する部分もある場合もある。
(答)いや知りません。そんなことはないでしょう。安全策としては一応全て応えられるものであったんではないかなと思いますね。それに対する反論もなかったように聞いています。
(質)確認なんですけど、要は示された安全策というのは、住民にも十分科学的なものもあって理解できない。で、ただ理解できても、今まで8月19日の事故以降も、地元にもう一度説明した後の報告会を持ちますということで、持たないままいきなり今度試運転再開の説明会になっていると、そういう不信感の塊があって、いくら安全策を示されても、実際あの時の約束が守られてないのに、今回そのままやってもらえるのかという、要はそこのところの信頼関係がおっし・痰驍謔、に全然なくなっているわけですよね。その手だてとして何かお考えのものがあるかと思うんですけど、それは実際動かしていって信頼確保することはもちろん大切だけど、そうでない信頼の取り方というのは何かお考え他にないんですかということなんですけど。
(答)その安全性を確保するためにどうするかということについては、国の報告ももう年末ぎりぎりで、それを受けて対応するという面で、やっぱり年明けてから作業をさらに詰めてきたということから、そういう意味で住民の方に対する説明が業務上、どうしても遅れてしまったということがあるのかもしれませんね。しかし住民の方のお気持ちからすれば、それについてご批判もありましたし、それからそれ以前にやっぱり事故に対する衝撃、これは県の信頼を損ねるというようなこともあったわけでございます。それだけに企業庁としては、企業庁長はじめ、皆さん誠心誠意そこのところを住民の皆さんにご説明をし、お話、説明をしてきたという状況を聞いております。
(質)もう一度確認になりますが、企業庁長は住民説明会が終わった後に、現時点では試運転を前にもう説明会は予定していないと、現時点ではと、お話に答えていたんですけど、今住民説明会が全て終わって、もう一度やっぱり住民の意見で、もう一度説明会を開いて欲しいと、意見を踏まえて、試運転を前に住民説明会を開催されるおつもりというのはあるんでしょうか。
(答)ノーコメントです。
(質)昨日、愛知県が徳山ダムの関連で利水量半分返上するということをおっしゃったんですけれども、三重県の場合、治水の関係で、減らす分、その分治水の方で費用が跳ね返ってくるんではないかという可能性もあるですけれども、そのことに関して知事はどのようなお考えを。
(答)愛知県さんの方で、ああいうようなコメントがされているということでありますけれども、そもそも水を減らしたから単純に治水に振り替えたらいいんだということではございませんね。そういう意味では、その負担に不公平なものであったりとか、過度なものになったりとかいうことがないように、これはしていただかなければいけないと思います。基本的なルールのことから言えば、当初の計画段階と違って、今の状況の中で減量するとか、あるいは撤退というケースも他ではありますね。こういったことについては、応分の、やはりルールにのっとった負担もあるわけでございますね。三重県としては、とにかく過度なもの、不公平なものにならないように、これはやってもらわなければいけないと、こう思ってます。
(質)応分のルールにのっとって負担があってもしかるべきだということは、利水について返上した自治体も、建設を止めた場合と同じ様な撤退ルールの精神のような、そういうルールの適用が必要だということをおっしゃってるんでしょうか。
(答)そういうルールがあるようには聞いてますね。
(質)それはペナルティというような形での負担というふうに捉えてよろしいんですか。過去にあったようですが。
(答)とにかく愛知県の利水状況のいかんが、どうして三重県がそれを負担しなければいけないという理屈になるのか、これは県民に理解、説明できませんね。
(質)そのままでは説明できないということですよね。
(答)そうです。
(質)したがって減量するにせよ、あるいは撤退する場合に応分の負担をすべきであるというお考えということでよろしいんですか。
(答)とにかく三重県の立場からは、そのことによって不公平が生じないように、過度な負担にならないように、そうしてもらわなければいけないと、こう思ってます。
(質)昨日、正式に予算発表あったんですけども、全マスコミ「好意的」に反応されてるんですけども、いかがでした、昨日の感想は。
(答)好意にもいろいろ度合いがあるなという。
(質)それで、その論調で県議会の反応も予想されるんでしょうけども、県議会対策として、どのようなことを改めて考えて議会に臨まれます。
(答)私としては初めて当初予算を組まさせていただきました。で、その背景には県民しあわせプランもあるわけでございます。非常に厳しい財政状況の中ではありながら、若干でも県の税収が改善の見込みになるというのは、嬉しいことであります。今後の財政状況を見通したときに、これはなかなか、ほとんど県民に対するサービスを停止しなければ、
急激に財政状況がよくなるというような状況ではありません。一方県民も、それぞれの価値観に基づくしあわせ事願いますね。安全安心な、そういった基盤を三重県で確保してほしいと、県政に対する期待感というのは大きくあるわけです。そういう中で、ギリギリ、私としてはギリギリの努力をしていかなければいけないということで、今日まで進めてまいりました。担当部局もそういう意味では、それに対しても十分真剣に考え、検討し、対応してくれた。その上で最終的に知事査定を行ったということでございます。私としてはそういった状況の中で出てきた、この選択と集中、そしてギリギリの努力をしながらということを、今後、県議会、県民の皆様に説明していきたいと、こう思います。
(質)その選択と集中に客観性があるのか、もしくは知事の恣意的な配慮がなかったかという疑問が出てきたとしたら、もしくは例えば前年まではコンペ方式という、実体としてそれも恣意的な判断があったかも分かりませんけど、一応形としてはコンペというような形を取ったんですけども、今回は知事査定という、言われてみれば恣意的な知事査定で選択、集中をされたんですけども、それに対する説明責任というのはどう考えられます。
(答)今回はまずは膝づめミーティングに始まり、そして本音でトーク、1万人アンケート、それから県議会においては、途中の経緯を、状況もお示しをして、ご議論をいただいてきた、その中でいただいてきた意見、そういったものも網羅しながら、そして私自身は部局にも知事向いて仕事をするんではない、県民向いて仕事をしていかなければいけないのだと、県民が主役の県政ということも言っている、その中でそれぞれ、セクションにある立場で真剣に検討し、協力してもらったものだと、こう思ってます。私としては、そういう意味ではなかなかいいものになったのではないかなと思います。ただ選挙でやはり元気な三重県にしようとか、安全・安心な三重県にしようとか、絆を育んでいきましょうというようなことを申し上げた、そういったことは少なくとも県民にお約束をしたことでありますから、そういったことはベースにあるということは事実であります。
(質)前回、大地からの手紙というのを引用されたんですけれども、前回と言うか、ある場所で。それへの思い込みというのをちょっと、何故、いつ出会って。
(答)私は政治に長年取り組んできましたけれども、やはり心というようなことが、非常に大事だなと。残念ながら20世紀というのは物の豊かさが、ずいぶん本当に何でも買えるというような豊かな時代になりましたけれども、反面、心の豊かさという問題を逆に浮き出してきたことがあると思います。したがって、21世紀というのは私たちはもう一度心の豊かさを取り戻さないといけない。そういう意味ではもっとしっかり、そういうふうな意味では、哲学だとか、宗教だとかいうものも果たさなければならない役割は多いんではないかなと、こう思います。私自身はそういう思いで、松阪市政の時もそうでありますが、この県政を担うという立場になりましても、その思いが強くて、そこで感性を磨いていく、そういう県政の運営の方向について、その思いを実は多く含んでいるところであります。私がいう感性というのは、やっぱり心であり、あるいは人間愛であるのかなと、こういうふうに思っております。とかく役所は論理性だとか、それから合理性だとか、あるいは悪い言葉で言うと、つじつま合わせというようなこと、こういったことについては、極めて長けているところでありますけれども、しかし、やはり大事にしていかなければならないのは、やっぱり感性ではないかなと、もちろん品性ということについては、これは道徳性を持ってやっていかなければならないことは当然のことでありますが、大事なものやはり感性ではないか、これからバランスを持った、そういった県政へ向かっていかなければならないと、こう考えているわけです。その中で大地からの手紙というのは、一つの、私としては県民に向けて、こんなすばらしいメッセージがあるんですよというのは、県民とともに感性を磨くという意味では、非常にいいものではないのかなと、こう思ったからあれを。
(質)どんな形で目に止まったんですか。
(答)これは知事に就任しまして、すぐの頃、5月に文化庁長官の河合さんが名張へ来られて、フォーラムがございましたね。その時私は冒頭の挨拶しか行けなかったんでありますけど、その時の資料の中に文化庁の答申がありましてね、それを車の中で、実は行く時に資料に目を通している時に、すばらしい文章が目に飛び込んできて、それでそれからコピーを取って時々使っているところです。
(質)分かりました。
( 以 上 )