知事定例会見録
令和7年2月14日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目等
・なし
質疑項目
・大雪に伴う道路通行止め
・四日市市内の保護責任者遺棄事案
・大阪・関西万博のプロモーション
・人口推計に係る総務相の発言
・令和7年度当初予算(インバウンド巻き返し)
・令和7年度当初予算(外国人人材の確保)
・宿泊税の導入
・備蓄米の放出
発表項目等
(知事)おはようございます。今日は当方からの発表事項ございませんので、ご質問あれば受け付けさせていただきたいと思います。
その他項目に関する質疑
○大雪に伴う道路通行止め
(記者)まず、先日の大雪が三重県でありまして、これ予防的通行止めが一部の高速道路で実施されたかと思います。比較的立ち往生といった事案は発生してなかったんですけど、インターチェンジの周辺で長い渋滞が行われたということで、それについて知事の受け止めとか今後の対応策みたいなのがあれば教えていただけますか。
(知事)しばらく前、3、4年前から、鉄道は計画運休という形で豪雨あるいは大雪の時もだと思いますけれども、やってまいりました。飛行機は実は前からそうなんです。天候を見ながら運休やってまして、無理に運行するよりも計画的に運休した方がいいんじゃないかという考え方は世の中に定着してきたと思います。道路についても、今般、かなり早い段階で計画通行止めをするということで、長い渋滞に巻き込まれて、体調を損なうという人が出やんだんは非常に良かったと思います。今回も名神、新名神、名阪国道などで計画的な通行止めが行われました。それに合わせて県の道路、県管理道路につきましても、峠を中心に事前に皆さんに周知をして、通行止めをさせていただきました。でも、全体的な検証は、NEXCOさんや、あるいは国と一緒になって県もやっていこうと思っております。一部、出口のところで渋滞が発生したということで、15キロぐらいの渋滞が最長で発生したということで聞いておりますが、徐々に短くなっていったと。NEXCOも川越から先で西側を止めたということで、川越で下道23号、1号へ降りていく道が渋滞をしたということで、あそこは割と渋滞するんですよね。NEXCOはその対策として、飛島で封鎖をして、先に愛知県内で降ろすということをされたようです。それによって徐々に渋滞が解消していったということですから、今回、ファーストケースというわけでもないかもしれませんが、計画通行止めをして、そしてその時起こった事象に対する対応も、適切になされたのではないかというふうに思いますので、これを今後の教訓にして、早め早めの対策をするということではないかなと思います。
○四日市市内の保護責任者遺棄事案
(記者)先日、四日市市で母親が赤ちゃんを放置して死亡させたという事案が発生しまして、やはり知事も来年は子ども対策とか重点を置いていきたいというふうにおっしゃっていました。今回のこの事案についてどう思われているか教えていただけますか。
(知事)今回の事案については、非常に悲しい事案ですよね。原因は今、刑事事件になっているんじゃないかと思いますので、詳細を私ども承知しているわけではありませんが、事前に相談を周りの人にされたり、あるいは公的機関にご相談をしていただくということができなかった可能性もあります。ご相談いただければ、我々としても最大限できることはやらせていただくということです。これは県だけではなくて、市や町もそういう対応をとっていただいていますので、ぜひご相談をいただきたいと思います。いろいろ悩まれる方おられると思います。女性に限らず、男性もそうだと思います。ぜひ、一人で悩んでおられる方、ご連絡をいただいて、ご相談いただいて、アドバイスを受けていただきたいというふうに思います。一人で考えてると、やはりつらい気持ちになっていってしまうことがよくあります。魔に魅入られるという言葉もありますけれども、周りに相談することで気持ちが楽になることもありますので、ぜひご連絡をいただきたいと思っております。LINEでも相談していただけます。
○大阪・関西万博のプロモーション
(記者)万博開催も近づいてきましたけれども、県として目玉の展示は発表ありましたけど、今後、知事も含めてどのようにプロモーションしていくか。例えば、開催日に現場へ行ってアピールするとか、その辺どうでしょうか。
(知事)まず、県としては、三重県ブースの展示、皆さんにお話をさせていただいたとおりで、県民の皆さんにお知らせいただきましてありがとうございます。それ以外にも鉄道事業者の方と連携をしまして、お得で便利なきっぷというのも3月13日から販売を開始しますということもお知らせをさせていただいたところで、多くの方に三重県ブース、万博会場へ来ていただいて、三重県にも来ていただきたいということでございまして、開幕まであと58日ということで迫ってまいりました。私ら子どもの時にありました大阪万博の時は、事前にかなり盛り上がっていたような、おぼろげながらの記憶ですが、あります。最近はそんなに事前には盛り上がらんと、直前にものすごい盛り上がりになってくるというのが最近のトレンドのような気もしますので、おそらくあとしばらくで盛り上がりが出てくるんじゃないかなというふうに思います。多くの方に三重県に来ていただきたいなと思います。万博のセレモニーも含めてどんなふうな形で動くのか、おそらくこれ知事会でいろんな動きがあると思います。開幕の前日には何かのセレモニーをするようでありますので、知事会の中にも、万博の委員会でしたかね、ありますので、そこからどういった形で参加するのかっていうのは、私どもにも連絡があると思います。なるべく三重県が露出するような形で、参加についても検討していきたいと考えております。
(記者)今の時点では、どこで。
(知事)参加するか。まだ確定してないです。セレモニーとしては前日にあるようでありまして、これに知事会が参加するかどうかはこれから、そんな遠くない時に決めるんじゃないですか。あと58日ですから、そろそろもうおそらく近々に決まると思いますね。
○人口推計に係る総務相の発言
(記者)抽象的な話で申し訳ないんですけど、人口減少社会の中での都道府県のあり方について、お聞かせいただければと思います。昨日の衆院の総務委員会で、村上総務大臣が将来的に人口30、40万程度の市で自治体を再編すれば、自治体数300、400程度で済んで、県庁も要らないというふうな発言をされてたんですけど、そうすれば国と市が直接やりとりできると。そういったことを個人的見解と前置きした上でおっしゃってたんですけれども、こういう一総務大臣の、一個人の見解とは言えど、そういったことで今の自治体のシステムの維持が難しくなっていく中で、将来的に都道府県として人口減少社会の中でどういう役割を果たせるのか、お尋ねできればと思います。
(知事)一総務大臣というのは、総務大臣偉いので一ではないですけど、一個人の見解としておっしゃったんですね。今、皆さんにもお話をさせていただいてますけど、都道府県、特に人口200万以下の都道府県を中心に、人口減少ってのは非常に大きな問題だと三重県からも発信しています。地方の人口減少は今もうかなり致命的な状況になっておると。それを食い止めないと日本全体の発展に大きな問題があるということは我々からも発信をしています。全国知事会に、東京一極集中を何とかしないといけない、企業を地方に移転してもらうようなやり方を考えないといけないということを発信をしてます。そういう意味での都道府県の人口減少問題に対する役割ってのは大きいのではないかというふうに思います。ようやく国の方も、地方創生という考え方で東京一極集中是正しなきゃいけない、今までのやり方では駄目だ、今までも言ってきたんですけどね、ということを言っていただけるようになりましたけど、あれはやっぱり都道府県から言っているというのも大きい。知事会を中心に、三重県も意見を言ってます。なので、都道府県が人口減少対策にかなりの役割を果たしているということは思います。特に、例えば三重県で言うと、先日発表させていただきました、一昨日、三重県の予算の中でも子育ての総合補助金を創ったりして、人口減少に立ち向かっておられる市や町を支援をさせていただいてます。大きな役割を各県果たしていると思います。その上で、日本の人口がどんどん減ってきて、30万ぐらいの中核的な都市ができて、都道府県の役割がなくなるかどうか、それはその時の状況次第であると思いますが、ヨーロッパの例を挙げますと、ドイツも、それからフランスもそうですが、それぞれ県があって、さらにその県をまとめる地方、地方分権がだいぶ進んできて、フランスでは名目的な地域っていうのは22あったんですけど、最近それ16だったかな、減って、その16の地域がかなり力を持ってきていると。国は財政とか警察、それから防衛、安全保障、そういった部分に力を入れて、それ以外の部分については地方に任せているという動きがどうも進んでいるようでございます。そういう意味で、ヨーロッパが例になるかどうかはよく分かりませんけれども、決して県の役割が早々になくなるということはないとは思っています。
(記者)ちなみに、個人的な見解と前置きはされていますけれども、現職の総務大臣がこういうことをご発言されることについては、何かご感想ありますか。
(知事)個人的見解でということをおっしゃって発言をされた例は過去にもあったように記憶をされています。それはそれぞれのご判断と思っております。
○令和7年度当初予算(インバウンド巻き返し)
(記者)新年度予算の絡みの関係でご質問させていただきたいのですけれど、まず観光分野について、知事重点施策の一つとしてインバウンド誘客を今回来年度予算で一つの柱として掲げていらっしゃいましたけれども、かねてから仰っているコロナ禍以降のインバウンドの回復が遅れているというところについてですが、遅れている理由について改めて知事としてどのように分析されているのかというところについて教えていただけますでしょうか。
(知事)それはこれからインバウンド誘客の戦略を作る中で、まず前提として分析をしていく必要があろうかと思っています。いくつかの理由があるんじゃないかと思います。今まで観光行政、三重県の観光行政を推進してきた立場、その時のお考え方で申し上げますと、一つは、これもよく言われますけど、ゴールデンルートに三重県は属している地域であります。関空から成田、羽田までの間に入ってるんですよね。ところが、実は旅客流動をどうなってるかというと、奈良、京都から名古屋を経由するかしないかってのがありますけど、北の方に上がっていってしまうんですよね。高山行かれたり、白川郷から金沢回られたりで、また下ってこられて、富士山をご覧になって。それは山梨県側か静岡県側かあるんですけど、それで東京へ行かれると。こういうことで言うと、ゴールデンルートの地域的には入ってるんですけど、ルートに今、乗っかってないということです。それは旅行代理店も含めて、あるいは観光宣伝をやってきた結果が、他県やってこられた結果、三重県もやってきたんですけど、その結果がこうなっているというのが一つあろうかなと思っています。それとあとは、三重県は観光魅力、いいとこがいっぱいあるんですけど、その宣伝のやり方についてやや効果的でなかった部分もあったのかもしれない。そこは変えていきましょうと。東京でも宣伝をしましょう。そして外国も効果的にどこでやれば多くの人が来てくれるのか、そういうところでやっていくということが重要かもしれません。それから、この間、香川県知事と一緒に御在所のロープウエイに乗りました。外国の方は結構おいでになるんですよ。聞きましたら、台湾、タイ、ベトナムの方ですね。御在所ロープウエイを発信してきたかっていうと、なかなかそういうこともやってなかった。そういった地域の方はやっぱ雪見たいっていう、雪を見てみたいというご要望がありますので、そこに対して刺さるような発表をしていく。それは県の発表もあるかもしれませんし、ユーチューバーのような方に発表していただくやり方も、その発表のやり方も含めて、これから検討していく必要があるかなと。いろんな理由があるとは思います。今申し上げたようなものが重なって、三重県は残念ながらインバウンドの方々が多く来ていただけていないと。観光公害がないんですけど、オーバーツーリズムではないんですけど、そういう状況になってるんでここを変えていきたいと思っております。
(記者)インバウンドの成功例として、よく知事も岐阜県高山市を例として挙げられると思いますけれども、知事の視点から見られて、岐阜県政の力なのか高山市の力、取組なのか分からないですけれども、どういう取組が功を奏して、今インバウンドがたくさん来ているかっていうふうに考えて、そのあたりあれば教えてください。
(知事)これは何度も申し上げましたけど、その後いろんな話を聞きますと、まず高山市さんが当時、市役所かなり頑張られたと。市長もそうだったんだと思いますね。当時ってのは30年ほど前ですけど。高山、30年前に日本の人がたくさん行かれたかというと、そうでもなかったんじゃないかなと。他方、三重県の場合は多くの観光地がありますから、日本の方はたくさんおいでになられました。そちらで来ていただいた分で経済的な部分、波及効果も含めて十分だというふうに考えていた可能性もありますね。高山は外国の人にたくさん来てもらわないとというふうにやられた可能性もあって、そこの違いが今出ているということかもしれません。従いまして、三重県もこれからインバウンドの方たくさん来ていただけるように、もちろん日本人の方もそうですが、来ていただけるような方策を考えていきたいと思っております。岐阜県も高山を応援したというのもその後あったと聞いておりますけれども、岐阜県は非常に効果的なプロモーションをやっておられます。産業と食と観光と、この三つを組み合わせたやり方。三重県もそれに倣うような考え方をするべきではないかということで、それを一つの軸にして、今回の予算を組ませていただいたというものであります。
○令和7年度当初予算(外国人人材の確保)
(記者)別の分野でご質問なんですけど、人材確保のところの一つ、重点項目として挙げられていますけれども、その中で外国人の人材確保というところをいろいろと予算計上されていましたけれども、どこの地域も今、人手不足というところで、外国人の確保というところに注力するところではあると思うんですけど、そうするとやっぱり地域間競争に今後なっていく可能性というのがあるわけで、三重県としてそのあたり、外国人人材の確保に向けて、どういう魅力発信であったり特色を出していくかについての知事のお考えをいただけますでしょうか。
(知事)先日、先月ですけれども、ベトナム、それからタイに行ってまいりまして、セミナーも開催しましたし、それから、例えばベトナムで言うと労働省を訪ねさせていただいてMOUを結びました。また工科大学とのMOUも結んでまいりました。そういった形でどこの地域に来ていただけるのかというところは、ある意味での地域間競争になっているのは事実だと思います。三重県も決して後れを取るということがあってはいけないというふうな思いでやってまいりました。また、それ以外の国にもお伺いをして、今回、主に産業分野でありましたけれども、介護の分野ですとか、それから看護の分野などでの人材の確保にも努めていきたいというふうに思っています。来年度予算は人材確保が一つの柱になってございまして、シニア層に働いていただくためのやり方、それから働きたいというふうに考えていただいている女性の方々に働きやすいような環境をつくっていくということ、もう一つが外国人の方々の受け入れ態勢の整備をしっかりやっていくということでございまして、外国人の方に働きやすくするための、例えば海外で合同面接会をやったりとか、外国の方にその面接会に来ていただいて、三重県の企業、中小企業の方が中心になりますけど、マッチングをやっていったりというようなことも考えていきたいと思ってございます。
○宿泊税の導入
(記者)先ほどの観光の関係ですけれども、観光地の宿泊税ですが、全国的に増えていて、三重県も導入を検討しているというのは承知しておるところですが、今現在、これを導入するとインバウンドを含めて宿泊にも影響があると思うんですが、それで二の足を踏んでいるところもあるのかなというふうに推測するわけですけれども、その辺、いかがでしょうか。
(知事)まず、三重県でもこれから観光予算、多分増えていくことになると思います。それ、予算というのは限界、やっぱり限度っていうか上限ありますんで、さまざまな観光行政を展開していく上での財源というのは考えていかないかんというふうに思います。多くの観光客が来ていただければ経済回りますので、三重県にとってもメリットがあることだと思うんですね。他の県でも県レベルでも宿泊税を入れておられるところがあるので、私たちは少なくともその一つのやり方だというふうに。これは前から申し上げているとおりであります。宿泊税を導入すると観光客が減るかどうかということですが、他県の状況を見てると必ずしも宿泊税を導入したから減るということではないと。例えばホテルの宿泊の料金にもよりますけれども、今1万2、3千円。1万以下のところもありますけれども、そこで100円、200円。実は我々も払ってるんですね。東京行った時は宿泊税払ってます。それがあるから旅行をそこへ行かないかということではないんじゃないかなというふうにも思っています。三重県においでになられた方から宿泊料金のうちのごく一部に相当する部分をお支払いいただいて、それを各市町あるいは県の観光行政の財源とするというのは決して理にかなってないということはないんじゃないかなと思います。
(記者)検討段階として今どのあたりまで来ているんですか。
(知事)各自治体とお話もし、それから業界の団体ともお話をしているという状況かなというふうに承知をしておりまして、今後、具体的な動き、どうするかというのを検討を担当部でしているというところかなと思います。
○備蓄米の放出
(記者)お米のことでお尋ねです。先ほど農水省の方から備蓄米21万トン放出というのが正式に発表されましたけれども、この三重県内でも伊賀など、米どころあるところですけれども、まず知事として、この放出の方針についての受け止めを教えてください。
(知事)ご案内のとおりに、国では21万トンの放出を行うと農水大臣が発表されました。で、先行的に15万トンでしたか、放出をするということで、三重県でも価格を見てみますと、価格が上昇していると。一時期はやがて新米が出るので下がってくるんじゃないかというふうにも思っていたところでございましたが、高止まりという言い方が適切かどうか、価格が上昇しているということであります。備蓄米を放出されるということによって価格が少し下がっていくということはあり得るのかな。消費者にとってはメリットがあるというふうに考えているところです。他方、農家からは、米の値段が今まで安すぎたんじゃないかという声も聞いております。様子を見ながら、一番大事なのは生活者の視点であるというふうに思っておりますので、国の施策の結果、成果を見定めながら、県としてどんなことができるかも考えていきたいと思います。
(記者)この放出の時期であったり、量であったりていうのについては、知事としてはどのように見てらっしゃいますか。
(知事)そこは私どもとして、こういった経験、ここじゃないとダメとかいう経験があるわけではありませんので、農水省の方で経済官庁とも相談をしながら、おそらくどのぐらいの時期でということは考えられると思います。
(記者)これによって、なかなか難しいかもしれないんですけど、備蓄米放出によって、県内の米の価格であったりだとか、今はあんまりないかもですが、品不足であったりだとか、そのあたりはいつ頃落ち着くという見立てというのはありますかね。
(知事)そこ難しいですね。放出した米の量だけで決まってくる、価格帯で決まってくるわけではないと思います。実はこれは一部報道でされていまして、その真偽のほど私も分かりませんけれども、米が一定のところにどこかにストックされてるんじゃないかという声もありますので、今回の政府米の放出、それが米の値段に与える影響、それを考えて、もしストックを持っておられる方がおられて、どういう動きになるのかというような要素も加わってくると思いますので、そこはなかなか予測をすることは難しいと思います。
(記者)(第二県政記者クラブも含めて)他にはいかがでしょうか。よろしいですかね。はい、じゃあ質問以上になります。
(知事)はい。よろしいですか。ありがとうございました。
了