知事定例会見録
令和5年7月11日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目等
・三重県児童虐待防止対応検討会議について(報告)
質疑項目
・発表項目等に関する質疑
・名古屋港へのサイバー攻撃
・桑名市の認定こども園
・紀伊半島知事会議
発表項目等
(知事)おはようございます。私の方から今日は1点であります。今朝でありますけれども、皆さんお出になっておられた方もおいでになられると思いますけれども、三重県児童虐待防止対応検討会議を開催をいたしました。5月の26日、三重県内で女児が死亡するという事案がありまして、母親が逮捕をされたところでございますが、その対応につきまして議論するということでございます。外部の方々を含めた第三者委員会での議論をするということで、7月の14日にこれは開催をする予定でございますけれども、それまでにできること、我々が対応しなきゃいけないことというのを中心に議論しようということで、今朝、開催をさせていただきました。昨日の全員協議会でもご議論いただいたところでありまして、それも盛り込んだ対応策ということにしておりますが、ここにございます4点につきまして決めたところでございます。特に重要なのは、この1点目の本人の安全を目視で確認をするというところであります。これを徹底する必要があるだろうと思っています。二度とこういったケースが出ないように、しっかりと県庁全体で対応していきたいと思っているところでございます。私からは以上です。
発表項目等に関する質疑
○三重県児童虐待防止対応検討会議について(報告)
(質)今日の会議ですけれども、また、第三者委員会が報告書をまとめた後は改めて開いて対応を再検討するのかなとも思いますけれども、第三者委員会が報告書を取りまとめる前にもう一度開いたりする可能性はありませんか。
(答)可能性はあります。この目視をどんな頻度でやるかというのを検討会議から下位の会議、下の会議にお願いをしてもいいかとは思いますけれども、今のところは検討会議で具体的なやり方を決めようと思っておりますので、第三者委員会の報告書がまとまるまでに開く可能性はございます。それから第三者委員会の報告書を今、記者さんがおっしゃっておられることがどういう報告書かにもよりますけども、例えば中間報告みたいなのが出るのであれば、そのときにもやっぱり開かんといかんのかなとは思っております。
(質)目視での確認の話ですけれども、番号を振ってあるとおり最も重要ということですかね、今の位置付け上。あえて聞きますけれども、今となってはこれ当たり前のことではないかと、ある意味では当たり前のことができていなかったということなのかもしれないですけれども、その当たり前のことができなかった理由は知事どのように把握なさっていますか。
(答)確認をしましたが、20年の3月に厚生労働省の方から通知が私どもにありまして、児童虐待への対応ということで、実務者会議などの場合において定期的に状況確認をしなさいという、こういう通知はいただいております。例えば、3カ月に一度というような記載もあります。私どもはそれを受ける形で、それには明確に目視をしろというのは実は書いてないんです。書いてないんですけど、やっぱりする必要があるだろうというふうには思うところでありますが、従って、例えば目視をしなくても、周辺の状況から子どもの安全が確認できたというふうに思えば、それで足りるというふうにしてきたのが従来であります。これは国の通知のせいにするつもりはありませんけれども、今までは目視をしなきゃいけないということをシステム的に県としても決めていなかったということであります。今回、そこは見直す必要があるというふうに考えておりまして、その対応を詳細どうするかというのをこれから決めていきたいということであります。
(質)これ今となってはですけれども、ある意味では目視で確認するというのは、その通知もですけど、本当に当たり前のことであるから常識だから書いていないようなことなのかもしれないなと思うぐらい当たり前のことではないかと思うんですけど、その上で例えばですけど、そういったことを確認する人員の体制が不足していたのかとか、いわゆる目視で確認できなかった、してなかった理由、背景というところを、やっぱりいかに分析されているのかなというのがお尋ねしたいところなのですけどどうでしょうか。
(答)そこはご指摘のとおりだと思います。当然のことであるとは思いますけれども、実はそこはできていなかったのも事実であります。その詳細については第三者委員会で明らかにしていただく部分もあるとは思いますけれども、我々はそこを待ってというわけにもいきませんので、目視をとにかくやろうということで決めていくということであります。要員が足りないということであれば、要員を増やしていかなきゃいけないとも思っています。過去から今までも児童相談所の要員は、昨日、全協でも議論がありましたけれども、増やしてきたのは事実ではあるんですけれども、やっぱりその結果というんですか、増やしてきたがゆえにというところもありますが、若い方が多くなって、やっぱり業務に習熟した人が少ないというのもポイントかもしれません。そこもどうやって対応していくのか、一つはAIを使って対応していくというのもあると思いますけれども、どういうふうに研修を強化していくのか、そういうことも考えていかなきゃいけないと思っております。
(質)昨日の全員協議会でも出た話だとは思うんですけれども、今もおっしゃってくださったAIの活用のところについて、これから精度も向上も図っていくということだとは思うんですけど、今回あくまで参考として数値も見られているとは思うんですが、保護率39パーセントのところを受けて、何かそういった数値を受けて県の方がどういうそれを評価するのかみたいなところは、何かその県として決まりがあったりするのかなと思いまして、教えていただけないでしょうか。
(答)AIの数値をそのまま保護に直接当てはめるというわけではなくて、AIで出てくる数字というのは、過去にどのぐらいの頻度で保護しているかということが出てくるわけですが、それを見て過去には低い数字であっても保護をしたこともありますし、高い数字であっても保護してなくて、子どもさんの虐待が増加したことではないということも確認しているものもあるわけですね。従いまして、AIの数値は参考にしか過ぎないというのが、これ事実であります。今回、改めてそれを今日の会議で確認をしたということでありまして、AIの扱い方についてはさまざまな議論があると思います。第三者委員会の方にも考え方をお伺いしてやっていかなきゃいけませんけど、一つ確実に言えるのは先ほど申し上げましたけれども、経験が少ない職員が増えてきているのも事実ですので、そのときAIが大きな役割を果たしているのもこれは間違いのないところであります。AIご案内のとおり、データが増えていきますと精度が上がっていきますので、これからもそのデータは増やしていく必要があるということで、ただ、それに頼り過ぎないという気持ちも大事、あるいは姿勢も大事ということでありまして、今後、国でも虐待対応にAIを使っていくということはもう決められておりまして、厚生労働省(こども家庭庁)の方で今準備をされているというところであります。そういったところとも情報交換しながら、私たちも精度を高めていきたいとは思っております。
(質)二つ伺いたいんですけど、児童相談所が担当している全ての児童1,100件について、緊急点検、目視で確認というふうな話がありましたけれども、これは三重県全ての児童相談所で児童1,100人というふうに捉えても大丈夫でしょうか。
(答)はいそうです、そのとおりです。
(質)それはいつまでに目視確認を終えたのかとか、いずれも虐待などの疑いがなかったのかというところについてお伺いしたいです。
(答)今回の事案が発生しまして、まず6月1日の時点で確認をいたしました。1,100件、目視をするということでやってもらいました。それから1カ月程度が今もう経ちますので、7月4日の時点でも確認したということでありまして、2回確認をしているところであります。
(質)1カ月で2回確認。
(答)そうですね。補足することはあります。いいですか。そういうことです。
(質)いずれも虐待などの疑いは今のところはなかったと。
(答)なかったいうことであります。
(質)先ほどのこちらの2番目のリスク再評価の実施に関してのところなんですけれども、1回施設出て、自宅で過ごすようになってから戻るにあたっての条件というのが二つ、祖父母といいますかご両親の支援が受けられるということと、あと保育園に通っていること、その二つだったかと思いますが、そもそも祖父母の支援が実際に受けられていたのかということの把握ですとか、あるいは保育園に通っているということの確認ができていなかったわけですけれども、そういうものの確認というのが果たしてシステマチックとして担保されていたものなのかどうなのか、あるいはその点についても見直す必要があるというふうにお考えなのか伺えますでしょうか。
(答)端的に言うと見直す必要があるというふうに考えています。システマチックに確認できていたかというと、必ずしもそうでなかったということです。ご質問いただいた条件かというと、これ確認しますと条件ではなくて、親族の支援が受けられるということと、それから保育園に通うということが確認をできたということで、一時保護を解除したということでありますので、確認項目であったということ。ただ、その2番目にこう書いてありますのは、確認項目で我々としてそれがあるから一時保護を解除したというものが変更になるのであれば、そのときにもう一度リスクの見直しをするべきであったということを考えておりまして、そのリスク再評価というのをきちんとやっていこうということです。例えば今回でいいますと保育園に通っていないということが明らかになった段階で、もう一度リスクの確認をして、場合によると一時保護が必要かどうかということも検討しなきゃいけなかっただろうというふうに思いますし、それからご親族の支援、これは例えばご親族の方に今どんな状況ですかというのを聞き取りをしなきゃいけなかったこともあるかもしれません。そういった形で、今我々としては子どもに触れてないんですよみたいな話があれば、その段階でもやっぱりリスクの再評価というステージに進んでいく必要があったのかなというふうに思います。これからはそういった形でやっていきたいということであります。
(質)目視の部分で確認させていただきたいんですけども、今回対象となる全ケースが1,100件というふうに伺ってまして、それを全て目視で確認するということが実際に実現できるのか、実施できるのかという点において、知事はこれはどのようなところに課題があると、ボトルネックがあるというふうにお考えでしょうか。
(答)端的に言いますと頻度であると思います。それから対象のケースの区分というのも必要であろうと思います。1,100のケース全てを、例えば児相の職員が目視をしなきゃいけないかというと必ずしもそうではなくて、学校に通っているケースや幼稚園に通ってるケースもありますので、そこでケース分けをして、例えば児相の職員、もしくは市の職員の方々、あるいは保育園、あるいは幼稚園の方にお願いするケースも出てくると思いますけれども、そのうちどれだけをどのぐらいの頻度でやるのかというところがポイントになってくると思います。私どもの内規では、1週間で確認をする、1カ月で確認する、3カ月で確認をするというようなケースは今あるんですけど、今回のケースを受けてどういった頻度が適当なのか、どういったケースに対してどういう頻度が適当なのかというのを議論していきたいというふうには考えております。
(質)今回、目視をされるですとか、特にAIのお話も出てますけど、最終的にはそういった目視の状況ですとか、AIの数字ですとか、あるいはそういった材料を踏まえて、結局は人間の判断力が問われているとは思うんですけども。そういった観点から、今回このAIの文脈の中で判断力の強化ということがうたわれていますけども、全体で見たときに人間の判断力というものをどうやって向上させていこうというふうにお考えなのか教えていただけますか。
(答)最終的には人間の判断が一番重要でありまして、二つのポイントがあるかと思います。判断力を強化していくということで、そのためには研修を強化しようと思っています。例えばリスクマネジメントの研修の内容を強化をしたり、それからケーススタディーですね、過去に20パーセントでも保護をしているような事例があります、そういったケーススタディーを全職員で共有をしたり、あるいは母子の心理の状況の読み解き方について、今も研修はあるんですけど、さらにそこを強化するようなことを考えているところであります。もう一つ重要なのは、1人の人間の判断に任せないということだろうと思います。今も実は所内で会議をやっております。その会議のやり方についても見直すところがないかどうかチェックをしていきたいと思っていますし、その会議も所内だけでいいのか、さらに上部機関も交えた会議で、そのケースについて議論をするということも考えていこうと思っております。
(質)2番目の一時保護の機会を逃さないリスク再評価の実施のところなんですけれど、これ今までもできなかったのは、今回の事案まででで、できていなかったのはなぜかというその背景と、あとそれ今までできなかったのに今後どうやってやっていくのかということをちょっと教えていただきたいです。
(答)リスク再評価については、そのトリガーっちゅうんですかね、きっかけというのは今、先ほど申し上げましたけども、条件ではないにしろ、確認した項目ができなくなってしまった、そのときにどうするかというのを明確に定めてなかったというところができなかった理由ではないかと。この点については、実務の方でお話をしてもらった方がいいと思いますので、また後ほど補足をしてもらいますが、私が考えておりますできなかった理由というのは、トリガーを引くところを明確に決めてなかったところであると思います。今後どうしていくかということですけども、リスクを受けて対応を決めていくリスクアセスメントシートというのがございまして、こういうリスクなんだ、こういうリスクなんだ、それだからこういう対応しなきゃいけないんだという手順書みたいなものが、チェックリストみたいなのがございます。それをあらゆる機会で、やっぱり再評価しなきゃいけないという機会で、もう一度そのシートに記載をして、どういうふうに対応するのかというのを決めていくということも実は今まで明確にできてなかったところがあると聞いていますので、そこのシートの活用の仕方というのも見直していくということが一つのやり方かと思います。補足を。
(答:子ども・福祉部)本件については、昨日、全員協議会でもちょっと申し上げたんですけれども、そもそも虐待リスクが大きい家庭という認識がなかった。そのために、当初乳児院に措置をしていた、で、在宅復帰のときに、知事が説明された、保育所に通う、親族の支援、これを確認したので在宅復帰ということで、保育所に通ってないという状況が分かった段階で、そこの確認事項が破れている、壊れているという確認ができたわけですから、何らかの検討しなければいけないところが、虐待リスクを低く考えてたので、そういった検討に入らなかった。ですので、今後はそこはもうできるだけ機械的に、システマチックに、この条件だったり、これを児相として確認したから家庭復帰をした、一時保護を解除したということであるならば、それが壊れているのだったら当然検討は要るというそういう仕組みで行っていく、そんな形に変えていくことをしたいということです。
(質)もう1点、AIのことで教えていただきたいんですが、県として今回、AIシステムの活用は適切に活用されていたかという、まず知事のご認識を伺いたいのと、あとAIがどういう数値を示しても、やっぱり最終的には人間の判断力を生かすということだったと思うんですが、そうであるならばAIが出してくる数値というのはどう位置付けて活用していくのがいいと思うのかというのをちょっとお考えをお聞かせください。
(答)まず1点目でありますけれども、AIは先ほども申し上げましたとおり、人間側の判断を補助するもの、参考資料として補助するものであります。人間側のスキルが高くないときにはAIを活用するということも、ポーションというんですかね、その割合は大きくなるだろうと思っています。例えば、経験の少ない職員の場合ということですね。今回のAIの活用について適切でなかったという情報には触れておりませんし、私自身も今回の対応というのはこういった形であり得るものではないかと考え、ただ、100パーセント良かったんだという結論、今出せる状況にはありませんので、実際にはやっぱり事案が起きておりますから、従って、第三者委員会でも検証していただきたいというふうに思っています。そして何より大事なのは、昨日の全協でもご議論いただきましたけども、参考なんだということをもう一度確認をすると、これ現場の職員はよく分かっているということは言っていますが、もう一度確認をしましょうということです。人間の最終的には判断力が必要でありますので、AIについてどういう位置付けかということは先ほど申し上げましたとおり、参考とするということであります。難しいのは、例えば過去に保護している頻度がどのぐらい、何パーセントだったのか、それを数字で当てはめていいかというと、現場の人に話を聞くと、これ間接的に聞いたということなんですけど、必ずしも何パーセントだと保護をする、何パーセントなら保護をしなくていいということでもない、それ以外の要素というものもどうもあるようでありますので、最終的には複数の人間の合議で決めていくということが重要かなと思っておりますが、補足することあれば補足お願いします。
(答:子ども・福祉部)知事言われたとおりです。
(質)先ほどの1個前の質問にあったアセスメントシート、手順の部分で、手順の活用の仕方を見直すというお話がありましたけれども、シート自体を見直すということはお考えなんですか。
(答)それはこれからの議論でありますが、シートで判断をする時期というのをちょっと見直す必要があるというふうには聞いておるところであります。シート自体を見直すかどうかはどうでしょう。
(答:子ども・福祉部)平成26年度から使っておるリスクアセスメントシートになるんですけれども、今そのシートそのものを見直すということは直ちには考えておりません。
(質)始めのところに戻ってしまうんですけど、目視での確認ということなんですが、目視というのは必ずしも対話することまでは求めていないということで、目で見てというふうな話だと思いますけど、今回のお子さんの場合ですと非常に痩せていたという話もありますけど、果たしてそれが見てるだけで、特に服を着ている状態で分かるのかなというふうに感じているんですが、この目視確認について、より具体的に何かやるべきことを詰めているとか、考えていらっしゃることとかあるんでしょうか。
(答)それは考えていかないといけないと思います。目視である程度分かるというのが現場の方に聞いた結論。私もそうだと思います。見た状況で判断、より良いのは、お話ができればさらに良いと思いますので、そういうことが可能なのかどうかってのは、これから目視のやり方について決めていくときに考慮したいと思っています。今回も痩せておられた、お亡くなりになったときに痩せておられたということなんですけど、これは確認をしないといけないんですが、今年の1月に保育園の職員が家庭訪問したときにそんなに大きく目視をして問題があったというものだということは、情報接してないものですから、ひょっとしたらそのときまだ痩せていなかったのかもしれない。ここは予断は許しません。そんなこともあります。従いまして、目視だけで足りるかどうかということも含めて、議論をして目視のやり方を考えると、目視プラスアルファということでしょうかね。考えていかないかんとは思っております。
(答:子ども・福祉部)児童相談所の目視においては、どこかにけがをしていないかという目視がどうしても主になっていた、ネグレクトの情報ということについては、例えば臭いがするとか、そういったことまで、どうしても近づいて、すごく近づいてしっかりと見ないと分からないところ、そういったネグレクト情報みたいなもの、それも目視で限界はあるかと思うんですけれども、より把握できるような目視の仕方というものも検討して構築していく必要があるというふうに考えています。今回、ほのかさんについて、保育所は今年の1月に会ったという時に、体重がその時点では減ってはなかったんですけれども、12キロ台、亡くなったときとほぼ同じ体重なんですけど、本来、成長に伴って体重が増えていくところが増えていなかった。それは保育所としても特に違和感感じられなかった。亡くなるときまでその体重っていうそういうことで、それをやっぱりネグレクトの情報として痩せたという印象は正直持てなかったと思うんですけど、垢が付いていたとか、そういったことが報じられてもおりますので、その場合に臭いがなかったのかとか、そういったこともできるだけ目視で確認できるように手法を検討していく必要があると考えてます。
(答)ちょっと補足しますと、今年の1月の状況というのは、これは保育園が確認しているんですけど、私どもとしてやっぱり情報共有できてなかったんですね。ですから、この最後の4番目、関係機関の連携、これも非常に重要であるというふうに思っています。
(質)今、連携の話が出た関連でお伺いしたいんですけれども、今回要対協というものがありながら、情報共有が不十分だったというふうな課題があるとお話されていましたが、昨日も全員協議会でも議員さんから、話し合ったというアリバイ作りにしか見えないというような指摘もあったように、こういうふうにせっかく要対協という場がありながら情報共有が不十分だったというところには、どういった構造的な課題があるというふうに認識されていますか。
(答)決してアリバイ作りではないと思います。そこに参加する人たちは、子どものことを考えて議論するわけでありますので、ただやはり、組織と組織の隙間に落ち込んでしまっている部分というのはあるのかもしれません。各組織が積極的に情報を出してもらう、これ当然でありますが、目視情報持っているところがそこを情報提供をしていただくようにちゃんとやっていかなきゃいけないし、我々としても目視をされてませんかっていうのを確認をした方が良いということはあると思いますので、要対協の議論の進め方というのもこれから考えていく必要があろうかなというふうに思っております。
(質)今のご質問に関連して、要対協の関係なんですけれども、要対協の実務者会議になるのかもしれないですけれども、そもそもそういう虐待の通告を受けている事案が多くて、大体1件当たり5分から10分ぐらいしか話し合えないというような構造的な問題がある中で、今回のケースみたいなことについて情報共有を強化するといっても、そもそも限界があるのではないのかなと思うんですけど、そのあたりのところはどんなふうにお考えなのかっていう。
(答)我々今回、目視が非常に重要であるというふうに思ったわけでありますが、他の機関が同様に考えていただけるかどうかは一つありますけれども、もしそうだとするならば、今まで各機関から積極的に目視をしていますということが言われなかったということが今後は問題になってくるだろうと思います。従って、まず考え方のベースを一緒にしていただく必要があるんですけれども、それであれば、まず各機関が目視してます、してませんということを言うようになってくる、そこで今までよりは一歩前進になるのではないかなと思います。
(答:子ども・福祉部)会議の開催を増やすとか、そういった方法も検討できるのかもしれないんですけれども、どうしても時間的な制約というのは件数多いので、どこまでいってもあると思うんです。とすると、時間が限られている中で、きっちりと議論ができるようにするということについては、やっぱり説明がありましたように、リスク評価ということをしっかりと充実していって、それを共有していく。本事案については、県においても県の児相においても虐待リスクというのを評価が足りなかった。これは市町においても同じだったのかなというふうに思います。市も県も両方ともそのリスク評価というのは低い中で必要な情報共有というのもやっぱりされてこなかったということがあるので、リスク評価というのをきっちりやってそれを時間限られている中でもしっかり共有していく、こういうことを徹底していきたいと思います。
(質)追加でお伺いさせてください。要対協のお話が出て、今後その進め方も検討していかなきゃいけないということですけれども、今も既に現状で要対協というのがいくつか議論が進んでいるものがあると思います。それに関しては、例えばまず第1段階として目視は徹底していますかというように確認するようにっていうように、一時的にでもすぐにでも何かこう対応というのは指示される予定とかってありますか。
(答)今後、要対協の実務担当者会議の在り方というのを関係機関と議論していくつもりではありますけど、我々としては今日の検討会議で目視が重要だということを決めたわけであります。恐らくこれに関していうと、他の機関も反対をされることはないと思いますので、我々から呼びかけることになるとは思いますけれども、まず児童の目視ができているかどうかっていうのを各機関それぞれ言い合いましょうということになっていくのではないかと思います。こんなことでよろしいかな。
(質)冒頭の発言以外も含めて何か。
その他項目に関する質疑
○名古屋港へのサイバー攻撃
(質)先般、名古屋港でランサムウェアによるサイバー攻撃があって物流機能が止まりましたということがありました。この経験を踏まえて、例えば、四日市港で同じようなことが起きたときの対策って何かお考えになり始めたのかということと、四日市港、名古屋港それぞれ近いわけですけれども、お互い何かが起きたときの相互補完というんでしょうか、そういう機能を考えるとか、そういったような検討というのはおありでしょうか。
(答)これまだ具体的に確認を出来てませんけれども、四日市でも同じことが起きる可能性は十分ありますので、これは対応を考えてくれていると思います。今までもシステムがダウンしたときの対応というのは、BCPのプランの中で盛り込まれているはずですので、ただ、確認をしてみたいと思います。それから相互補完についてですけれども、今も機能分担はしているわけではありますけれども、伊勢湾の中の港でありますので、緊急の対応ができるかどうかというのはありますけれども、それぞれの補完をする準備というのはできているはずなんです。ここも確認をさせていただきたいと思います。
○桑名市の認定こども園
(質)桑名の子ども園の案件についてなんですけども、今、県と桑名市さんの方で特別監査やってると思うんですけども、その進捗状況もし分かれば教えていただきたいです。
(答)今の状況ですね。監査を2回やったというふうに確認はしてますが、どうぞ。
(答:子ども・福祉部)これまで6月9日に第1回の立ち入り調査を行いまして、その後、都合4回、監査を実施しております。これまでは保育士の方々の聴き取りを主体に行っておりまして、これがおおむね完了しましたことから、今後はもう一度施設の方へ立ち戻りまして、運営者の方々への確認を進めたいというふうに考えております。
(質)具体的に聴き取りというのは、どういうのを今聴き取っている状態なんですか。
(答:子ども・福祉部)まず、保育教諭の方々への聴き取りですが、市の報告、あるいは園の報告などのいわゆる不適切保育の状況、それから施設運営総体に関していろいろ問題はなかったかということも含めて幅広に聴き取りをさしていただいております。
○紀伊半島知事会議
(質)先刻の紀伊半島知事会議で、奈良県知事の方から、奈良県五條市に整備予定だった大規模広域防災拠点、これを見直したいと、その上で必要なので、南紀白浜はどうだと言われたそうですけれども、三重県としてはちょっとこれ困る話ではないのかと思うんですが、その辺はどうお考えなのでしょうか。
(答)奈良県に防災の基地ができるということは望ましいことであるということで、これまでも要望などを一緒にやらせていただいたところであります。奈良県さんの判断として、財政上の理由などで、この空港が整備できないということをおっしゃっておられるわけですけど、そこは奈良県さんの最終的な判断であるかなというふうには思います。私どもも財政的に何か協力をするということではなかったわけですけど、この計画はですね、従って、奈良県さんのご判断はあるかなと思います。南紀白浜空港については、防災空港に指定ができるかどうかというのは、これは和歌山県さんがご判断をされる話なので、因数分解していくと、五條の空港を造るか造らないかの奈良県さんの判断が一つあって、もう一つは南紀白浜空港を防災拠点空港にするかどうかについての和歌山県さんの判断があると。南紀白浜空港が防災拠点空港になることは望ましいと我々は思っておりますが、会議の場でも申し上げたように様々な課題はあるだろうと、これは和歌山県さんもおっしゃってましたということに尽きますかね。
(質)南紀白浜だと和歌山の西の方で、いわゆる奈良県五條市と比較すると、尾鷲など東紀州への支援という意味ではちょっと距離的な問題も生じると思うんですけれども。
(答)アビエーション、航空支援という意味でいうと、さほどの距離はないかもしれませんが、実際に五條に空港を造ったものと、南紀白浜で同じような機能ができるかどうかというのは検討していただく必要があるかなという気はしますけどね。特に周辺部がキーになってくるんだろうと思います、南紀白浜は。空港自体90メートルの高いところにありますけど、そこへ行くためのアクセス道路、私も海保のときに何度か行ったことはありますけれども、海岸沿いの道ですからね。そういった議論、南紀白浜はされるんじゃないかなと思います。ただ五條については、奈良県さんのご判断、まずご判断でありますので、そこは奈良県さんでどういう結論を出されるのかということかなと思いますね。
○三重県児童虐待防止対応検討会議について(報告)
(質)ちょっと話戻ってしまうんですけれども、知事はほのかちゃんの一時保護を見送った理由について、重複する部分もあると思いますけれども、結局どういったところで見送ったのかというご認識なのか教えていただけますか。
(答)その時の総合的な判断ということに尽きるわけでありますけど、これは4年の2月8日の段階ということになると思います。産まれたばかりの時には保護していますので、まず、あざの状況というのを確認ができたということと、それから当時、母親とのやり取りの中で緊急に保護する必要もないだろうということ、それからAIの数値というのも参考にしながら、その時には適切に見守りをしていくということで足りるだろうと判断をしたというふうに聞いているところであります。補足することあれば。
(答:子ども・福祉部)出生当時から相談もらってたんですけれども、虐待ケースというよりは、やはり育てられない、養護相談という受け止め方をしておりまして、虐待という認識がそもそも弱かったというところは反省点なんですけど、令和4年2月の8日の時点としては、知事から説明いただいたようにあざが軽微だったこと、そして虐待によるものと確認できなかったこと、母親が県の児相の指導支援に応じるという姿勢を見せたこと、そしてAIの数字は参考値として、それで保護は必要ないというふうに事務所として判断をした次第です。
(質)AIの参考値39パーセントで間違いないですね。
(答:子ども・福祉部)はい、39パーセントです。
(質)保護率39パーセントですね。
(答:子ども・福祉部)過去の保護率が39パーセントです。
(質)先ほどお伺いした1,100人の緊急点検は、県が主導で行ったということで大丈夫でしょうか。
(答)何の緊急点検。
(質)三重県全ての児童相談所。
(答)1,100件ですね。
(質)主体は県なのか児童相談所なのか、どちらなのか教えていただけますでしょうか。
(答)どちら。
(答:子ども・福祉部)児童相談所が所管するケースについてですので、児童相談所が起点になって自ら確認に行ったり、小学校、保育所とかに問い合わせて、来てますか、どんな様子ですかって確認をして行わせていただきました。
(質)じゃあ主語は、県じゃなくて児童相談所ですね。
(答)児童相談所は県の組織なので、どちらでも間違いではないですが、児童相談所が主体的に動いたということです。
(質)今出たお話で関連で伺いたいんですけど、施設出所後から母親からは養育困難という相談で認識していて、養育困難な案件だと認識して虐待っていう認識が薄かったっておっしゃてたと思うんですけど、養育困難とネグレクトというのは同一ではないっていうか、何か近いようなものに感じるんですけど、そこは結びつきはあんまり認識されなかったんですか。
(答:子ども・福祉部)養護困難でネグレクトというケースは多いんですけれども、本件に関しては、きょうだいの子育てであるとか、ほのかちゃんを家庭復帰させてから約10カ月、4年の2月8日に至るまで保育所通ってたんですけれども、その中でも虐待、ネグレクトという通告は保育所からもなかったので、あくまでも虐待ケースというよりは当初の養護困難ケースという認識を維持していたということです。
(質)その他よろしいか。はい。
(答)どうもありがとうございました。
了