知事定例会見録
平 成30年1月26日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目等
・平成30年度全国高校総体入場行進曲等の試奏会の開催(発表)
・「三重&広島U・Iターン就職交流会」の開催(発表)
質疑項目
・発表項目等に関する質疑
・県営松阪野球場の改修と松阪港旅客ターミナルの活用
・「防災みえ.jp」における誤表示
・旧優生保護法に関する資料
・合併特例債の発行期限再延長
・四日市足見川におけるメガソーラー事業計画
・大雪による県内への影響
・大阪での四日市港セミナー
・事業承継の取組
・森林環境税の創設
発表項目
(知事)2つ発表します。1つは、平成30年度全国高校総体入場行進曲等の試奏会の開催についてです。開催まで、いよいよ半年となりました「インターハイ」の入場行進曲とファンファーレについて、県内の吹奏楽部の生徒による試奏会を2月19日、県立白子高校で行いますので、その概要について説明します。まず、入場行進曲とファンファーレの作曲につきましては、大ヒットしました「マツケンサンバⅡ」やNHK連続テレビ「ひよっこ」の音楽担当などでお馴染みの宮川彬良さんにお願いをしています。宮川さんはクラッシック音楽を中心に幅広い分野で活躍されており、伊賀白鳳高校の校歌を手掛けるなど本県との関わりも深い方です。総合開会式での演奏については、白子高校吹奏楽部が入場行進曲を、皇學館高校吹奏楽部がファンファーレを担当することとなっておりまして、現在それぞれの学校で練習を重ねています。今回の試奏会では、宮川さんにお越しをいただき、高校生に指導をしていただきます。全国で活躍されている宮川さんから、直接指導を受ける非常に貴重な機会ですので、技術的な面はもちろんですが、高校生たちに向けて、いろんなお話をいただければと考えています。入場行進曲とファンファーレのタイトルは、“未来の絵”と“三重”をミックスした「Millaie(未来絵)」、宮川さんの造語ですけども、平成最後のインターハイとして、新たな時代への橋渡しにふさわしい曲名を付けていただきました。なお、今回の試奏会を経て、手直しが必要な部分について調整いただいたのち、3月を目途に曲が完成する予定です。入場行進曲は、8月1日の総合開会式で全国の高校生たちが入場する際に演奏されます。厳しい予選を勝ち抜いた高校生たちの晴れの舞台を飾り、「いよいよ始まる!」といった高揚感を全国に発信する非常に重要な曲であります。ファンファーレについても、総合開会式の開会宣言や選手宣誓などの合図として演奏され、式典には欠かせない曲であります。昭和50年三重国体の際に作曲された入場行進曲「ブルー・マーリン」は、今も卒業式や入学式など、幅広く演奏されており、この「Millaie(未来絵)」も、新たな時代へ引き継がれる曲となることを願っています。ここで、まず「ブルー・マーリン」を、昭和50年三重国体の際の入場行進曲ですね、「ブルー・マーリン」を少しお聞きいただきたいと思います。【「ブルー・マーリン」が流れる】この曲が、今も卒業式や入学式で演奏されている曲です。次に、今回の入場行進曲「Millaie(未来絵)」ですが、白子高校が練習を始めたばかりで、まだどこにも披露していない状況ですが、せっかく今日記者クラブの皆さんの前で、この試奏会の話をさせていただきますので、さわりの部分だけになりますけれども、初披露させていただきます。【「Millaie(未来絵)」が流れる】メロディがとても楽しく、思わず体が動いてしまうような、ワクワクする曲だと思います。実際に練習を始めた白子高校の吹奏楽部の子たちからも、「自然とビートを感じることができる素晴らしい曲だと思います」とか、「ノリノリのメロディやリズム満載で演奏していて楽しい曲です」、そんな声も聞かれています。インターハイは、高校生最大のスポーツの祭典であり、あこがれの舞台です。「翔べ 誰よりも高く 東海の空へ」をスローガンに、競技に出場する高校生のみならず、スポーツを支える立場から、高校生が大会の開催準備や運営について、主体的に携わることにより、様々な交流を通じて豊かな人間関係を築き、多くの感動や達成感を味わうことができる大会となるよう、しっかりと準備を進めていきたいと思います。
それでは2つ目です。「三重&広島U・Iターン就職交流会」の開催についてです。昨年1月に開催しました広島県との二県知事懇談会で合意した連携事業として、「三重&広島U・Iターン就職交流会」を、新規採用の広報が解禁、就活が解禁される直前の、2月24日に大阪の梅田スカイビルで開催します。この交流会は、3つの内容で構成しています。1つ目は、働き方改革や女性活躍における両県の先進企業による企業PRです。三重県からは、百五銀行をはじめ、7つの企業の皆さんに参加してもらい「働き方改革」や「女性の活躍」など自社での取組について、発表してもらいます。2つ目は、両県知事によるトークセッションです。三重県と広島県は、いち早くイクボス宣言をするなど働き方改革やワーク・ライフ・バランスのトップランナーとして取り組んでいます。こういった両県共通の強みを「これからの新しい働き方について」と題して、湯﨑知事と私が対談します。3つ目は、就職活動を行っている学生及び卒業後3年以内の既卒者と企業担当者、それに両県知事が加わった座談会です。若者の就業観として、「働きやすさ」とか「仕事のやりがい」を重要視するというデータもあり、就活中の方が、日ごろ実際に感じていることなど、現場の声を直接聞き、今後の取組に繋げるとともに、三重県の「働きやすい職場」や「暮らしやすさ」などの魅力を発信する絶好の機会であると考えています。三重県では、県内高校を卒業して大学進学する人のうち、約8割が県外大学へ進学し、そのうち約4割が中部圏の大学へ、約2割が関西圏の大学へ進学しており、県内企業へのU・Iターン就職を促進するため、中部圏や関西圏で「U・Iターン就職セミナー」を実施してきました。そのような中、昨年の1月11日に開催した広島県との二県知事懇談会で、「U・Iターン就職の実現に向けた情報発信」は共通の課題であると合意したことから、今回、両県知事がタッグを組み、合同で開催することとなりました。両県の知事が、それぞれの県の魅力を参加者に伝え、官民挙げて果敢にチャレンジする三重、広島の企業や行政の姿を直接見て、聞いていただくことで、参加者が自身の働き方を具体的にイメージするなど、U・Iターンのきっかけづくりとして両県で取り組む意義は非常に大きいと考えています。また、企業担当者が働きやすい職場づくりの参考にしていただくなど、働き方改革の推進にも繋がります。県内企業の働き方改革や働きやすい三重県での暮らしを積極的に情報発信し、U・Iターン就職の実現に繋げていきたいと考えていますので、ぜひ、多くの皆さんにご参加いただきますようお願いいたします。
発表項目等に関する質疑
○平成30年度全国高校総体入場行進曲等の試奏会の開催(発表)
(質)幹事社から質問をさせていただきます。まず入場行進曲のことなんですけども、知事は、これ全体をもう聞かれたんですか。
(答)いえ、皆さんと一緒の範囲しか聞いてないです。
(質)今がじゃあ初めて?
(答)この定例会見の前に1回聞いてますけど。
(質)知事が初めて聞いたっていう印象を。
(答)やっぱり、「ブルー・マーリン」と比べても時代の変化を感じますし、あと非常に若者らしい、「ブルー・マーリン」は国体全体ですけども、こっちはインターハイの曲として非常に、この若者らしい躍動感のある、そんな曲になったなというふうに思っていますので、さらにこれまで様々な実績のある白子高校吹奏楽部が、さらにいいものに仕上げてくれるんじゃないかと大いに期待しているところです。
○「三重&広島U・Iターン就職交流会」の開催(発表)
(質)U・Iターンの就職交流会のことなんですけど、こういうふうに他の都道府県と連携して、こういう就職交流会を開くというのは、県としては、これは初めてになるんでしょうか。
(答)就職は初めてかな?就職は初めてですね。紀伊半島知事会議の3県で、移住促進とかは、やったりしたことありますけども、U・Iターン就職のやつは今回初めてですね。
(質)全国的にこういう県が共同して就職交流会を開く事例はあるんですか。
(答)どうやろな、さっきの移住みたいなのはあるんですけど、就職のやつはあんまり聞いたことないですけどね。調べては無いので、全国初めてとかちょっと言い切るのはあれですけど、あんまり聞かないです。移住は結構ありますけどね。
(質)ある意味、大阪でやるとはいえ、広島とU・Iターンを取り合うような関係があるわけですけども、そうした部分では。
(答)いいんじゃないですかね。何ていうか、僕ら移住のことの経験からいっても三重県に移住したいという最初からピンポイントで決めている人って、そんなにあんまり多くなくて、幾つかの選択肢がある中で三重県もあって、その魅力をPRするっていうほうが効果的であるというのを、幾つもこれまでフェアとかに参加して、そういう実感がありますので、広島と両方の選択肢を見せながらというのは非常に良いことだと思いますし、そうところで一緒にやってみることで、うちより広島のほうが、何か良い部分があれば、それは行政もそうですし、企業の皆さんも勉強して次に繋げていけばいい話なので、両方の切磋琢磨(せっさたくま)という意味でも非常に良いんじゃないでしょうかね。U・Iターンを考える方々にとっても比べながら見ていただけるんで、非常に良いと思いますし、さらに三重県や広島県がこんなに進んでいるのかということも実感していただけると思うんで、両県でやることは良いことだと思いますね。
○平成30年度全国高校総体入場行進曲等の試奏会の開催(発表)
(質)入場行進曲の件についてなんですけど、かなり著名な方がプロデュースされるというのは珍しいんでしょうか。
(答)珍しいですか?
(答:教育委員会)近年のインターハイではそうですね。
(答)近年のインターハイではあんまりない。珍しい。過去は?
(答:教育委員会)過去はそういう時代もあったんですが、国体では結構そういうのが。
(答)なるほどね。インターハイでは珍しい。
(答:教育委員会)ここ数年の中では。
(答)ということです。
○「三重&広島U・Iターン就職交流会」の開催(発表)
(質)U・Iターンの件に関してなんですけど、参加予定企業というのはどういうふうに選ばれたのでしょうか。
(答)公募を基本的にしまして、手を挙げていただいたのと、少しそこで手は挙がってなかったけど、ぜひ紹介したいなという企業は、こちらからお声掛けを数社させていただいたのもあります。基本は公募です。
(質)県からお声掛けをした企業もあるということなんですけど、それは何か、どういった基準というか、お声掛けをしたんでしょうか。
(答)どうですか。
(答:雇用経済部)チラシの裏面に、各企業さんのお名前が記載してあるんですけど、その下に赤字で「みえの働き方改革推進企業」、「男女がいきいきと働いている企業」、「三重のおもてなし経営企業」等に表彰を、受賞していただいている企業等に積極的にお声掛けをさせていただいて、広島県も同様で書いていただいています働き方改革や女性活躍とかの受賞企業さんにお声を掛けていただいたと聞いております。
(質)ちょっと個人的に興味があるんですけど、座談会のところでプチスイーツが付いてくるということなんですけど。
(答)そこか。プチスイーツ、座談会ですか。どんなプチスイーツですか。
(答:雇用経済部)時間帯が夜なので、ちょっとおなかがすくかなというところの配慮がありまして、三重県と広島県と、ちょっと予算は限られているんですけども少しずつ一押しの銘菓なんかをご用意させていただいて、参加者に提供させていただこう思います。
(質)菓子博の時のとかではないですか。
(答:雇用経済部)そうではなく、ただ広島では例えばですけど、もみじまんじゅうとか、そういったことでまだちょっと何になるか分からないですけども。
(答)でも確かにね、前回の両県知事のやつは菓子博100日前で一緒に発表しましたからね。そこの繋がりがあるんじゃないかと、テレビ的にはやっぱり考えていただいたわけですね。ありがとうございます。
○平成30年度全国高校総体入場行進曲等の試奏会の開催(発表)
(質)高校総体の入場行進曲の件で、作曲を宮川さんに選定された理由を教えていただきたいのと、国体の曲の「ブルー・マーリン」が学校で使われているという、何かそういうふうになった理由みたいなのを、もしあれば。
(答)まず前者のほうは、三重県高等学校文化連盟吹奏楽部会からの推薦があったんですけども、それはちょうど、今の高校生たちが幼少期に見ていたNHK教育テレビの「クインテット」っていうのの音楽を担当し、ご自信も「アキラ」という役で出演されていて、これは2003年から2011年までですかね。それを見ていた高校生たちにとっては、この宮川彬良さんというのはよく知っている存在であるというのもあって、吹奏楽部会からの推薦があったというのと、宮川彬良さんの奥様が津市出身であるのと、さっきも言いました伊賀白鳳高校の校歌を手掛けていただいたというようなことで、三重県との繋がりと吹奏楽部会の専門的知識と高校生たちの認知度と、そういう3点ぐらいで宮川さんにお願いしたということです。
(質)あと「ブルー・マーリン」は?
(答)「ブルー・マーリン」は、明確な理由みたいな何か、あるかどうか分かりませんけど、どうですか。
(答:教育委員会)私も明確な理由は分からないですけど、高校の先生としてやはり三重国体を盛り上げようということで、高校の吹奏楽部とかみんなが練習していった過程の中で学校でも演奏され、それが素晴らしい曲なので、卒業式や入学式で流そうといって、今も津西高校でも流されているというのも聞いておりますし、よく学校現場の式典で流れているということがあります。
(質)今の行進曲ですけども、いつ依頼して、いつから作っているんですか。
(答:教育委員会)昨年の5月に依頼を始めまして、まず試作品ではないんですけど、成果品として出してくれということで、11月の30日までに出していただきました。そしてそれを元に今練習をしまして、変更点等があったら3月中に、また最終的な成果品としていただこうということの流れで、今契約というか話が進んでおります。
(質)依頼した主体は県なんですか。
(答)三重県実行委員会やね。インターハイの平成30年度全国高等学校総合体育大会三重県実行委員会。
(質)試奏会の時は、知事は行かれるんですか。
(答)俺、行くんやったっけ?俺、行かへんの?
(答:教育委員会)今、予定入ってないです。
(答)今は入ってないです。
○「三重&広島U・Iターン就職交流会」の開催(発表)
(質)U・Iターンのほうなんですが、まずどちらの県が最初にこれを発案したかということと、あと大阪という場所ですけど、例えば三重県から見て大阪のほうに出て行った人がなかなか戻ってこないとか、何かそういった事情があるのかとか、大阪に対する捉え方を教えていただいていいですか。
(答)どっちから声掛けたは、どっちから声掛けたんですか。でもあの合意に基づいて何かやらななあってこと。
(答:雇用経済部)合意していただいて、その後両県で相談して。
(答)相談して。どっちからということではないですね。両県知事会議で共通の課題なんで何かやろうというのを合意したので、それに基づいてということですね。大阪は先ほど言いましたように県外に行く大学生の2割が関西圏ということですし、例えばうちが就職支援協定を結んでいるところも関西圏で5校あります。だから立命館大学なんかは三重県出身者が一番多い大学でもありますので、そういうことと、あと広島県さんも関西圏の大学と14校、就職支援協定を結んでいますので、一つそれぞれの高校生たちが進学する場としての集積地としての大学が関西にたくさんあるということで、両県の合意でやったということです。
(質)U・Iターンなんですけども、いろんな地方自治体がこういう取組をいっぱいされていると思うんですけども、ここで三重県が何を打ち出していくかということと、企業は最近、通年採用とか中途採用を行っていて、今回1回だけということはないと思うんですけど、他の都市圏とか今後の予定があれば。
(答)まず1つ目の点につきましては、いろんな就職情報雑誌とか、そういう媒体の調査によると今の新たに就職する人たちは「働きやすさ」とか、「仕事と生活の両立」とかいうのを非常に重視をするという傾向が出ています。そこで三重県としては、働き方改革とか、ワーク・ライフ・バランスに積極的に取り組んでいる企業が多い、あるいは企業自身の取組自身も非常に良いものであるということをPRして、そういう企業が多い場所なんだということで選択肢に入れてほしいなというふうに思っています。例えば今回参加される松阪の調剤薬局のエムワンさんなんかは、長時間労働の是正、あるいはワーク・ライフ・バランス、働き方改革に取り組んだ結果、採用エントリー数が5倍になったりしている、そういう企業もありますので、そういう実績も踏まえて働き方改革とかワーク・ライフ・バランスを伝えたいと思います。それから2点目のところにつきましては、今ちょうど予算編成をしているところで、この前の知事査定においても同種のU・Iターンのための、働き方改革を積極的にやっている企業がPRする事業みたいなのを、一応査定しましたので予算のほうに盛り込めれば来年度も、広島県と一緒にやるかは別として取組を続けていきたいというふうに思います。
その他の項目に関する質疑
○県営松阪野球場の改修と松阪港旅客ターミナルの活用
(質)2点お願いします。松阪市のほうから県のほうに、いっぱい要望されていることだと思ったんですけども、県営松阪野球場がございます。知事も十分ご承知のとおり、随分古くなって、水はけも悪いし、スコアボードも電子化されていないし、トイレも洋式化も無いと、照明も無いよということで、何らかの動きがあればなと思うのが1点でございます。それからもう1つ、海上アクセスなんですが、松阪の、去年、一昨年になりますかね、津のエアラインだけに1本化されまして、松阪のほうからの船がなくなったということで、松阪のターミナルを活用したいよということで、市長おっしゃっておりまして、何とかその候補が見つかりそうだなという話までは聞いております。何か知事の知っておられることがありましたらお話しお願いします。
(答)1点目のとこにつきましては、30年度予算編成に当たりましても昨年の夏か秋頃だと思いますが、竹上市長からご要望をいただきました。予算編成の過程で議論していきたいと思いますが、照明などの大規模改修というのは即座にはちょっと難しいというふうに考えておりますが、利用するために、一定の快適に利用していただくための必要な改修については行っていかなければならないというふうに考えています。今予算編成の中で担当部局において議論しているところだと思います。それから2点目の海上アクセスの跡地の活用のことにつきましては、私どものほうから皆さんに何か公表できるような事実というのは把握していませんので、また状況が進み次第ということになると思いますけど。
○「防災みえ.jp」における誤表示
(質)昨日、県内大雪になりまして、県のホームページのほうに伊勢市が災害対策本部を設置したという情報が載って、これは結局、台風21号の時から設置したので、全く誤った情報だったということがありました。その知事としての受け止めと対応を教えてください。
(答)今回、そういう形で結果として違う事実が表記されてしまったことについて、一定の混乱や不安があったことについては、心からお詫びを申し上げたいというふうに思います。今回の原因は、2つの違う災害の災害対策本部を別々に表記するということができないというシステム上の理由でそうなってしまったので、まずはこのシステムをしっかり早急に改善するということが大事だと思いますが、私が担当部局に指示したのは、これはシステムの問題とだけとしてはならないと。つまり、前回の台風21号、22号においても県内市町において入力が遅かったり、入力誤りがあった、そういうことがあったにもかかわらず、外部の方からご指摘を受けるまで約1時間にわたって誤った情報が記載されていることを気付けなかったということは、これは大変大きな問題である。したがって、大変忙しい、災害対応忙しい中だけれども、誤った情報が県民の皆さんや市町の災害対策本部に伝わらないように、どういうふうにチェックをするのか、正しい情報をどういうふうにやっていくのかということで、再発防止をしっかりやるようにということで担当課長に指示したところであります。
(質)システムの改善だとか、あと見直し、チェック体制、何か具体的にどういうふうに変えるという指示はされたんでしょうか。
(答)具体的、まず再発防止についてどうするのかというのは考えよということは指示していますけどね。
○旧優生保護法に関する資料
(質)弊社の取材の話で大変恐縮なんですけども、旧優生保護法の下で障がい者の方への不妊手術をしていたという記録が、全国で約2,700人分ぐらい現存することが分かったという記事を出したんですけれども、三重にも記録が残ってたということで、基本的には国の法律なので国がすることだとは思うんですけれども、県として実態調査をする意向があるかどうかというところをちょっとお伺いしたいんですけれども。
(答)県においても、優生保護審査会に関する資料、優生手術申請書など個人情報が分かる方が53名、承認された方など49名の資料が残っているということが分かりました。実際に不妊手術を受けたかどうかは手術実施報告書というのが現存しませんので、そこは分かりませんけれども、関連する資料があったということは我々も把握をしております。県として独自に実態調査をする予定は今ありませんけれども、国のほうで実態調査をやっていくというようなことも話ありますので、それをしっかり注視していくということと、折しも障害者差別解消法が制定され1年、また今議会などを中心に障がい者差別をなくしていくための条例というのを検討されてるというような状況ですので、県としましては、こういう障がい者の方々に対する差別とか偏見とか、そういうのを無くしていくための啓発とか教育ということに、これまでと併せてしっかり取り組んでいくということが大事だというふうに思っています。いずれにしてもこの法律の対応の部分については、国の動向をしっかり注視したいと思います。
○合併特例債の発行期限再延長
(質)合併特例債の再延長の動きがございます。松阪市、竹上市長のほうが一つ旗振り役のメンバーに入って国に要望活動されておりまして、その結果もあってあるのか、何とか見通しとして、こうできそうだなという雰囲気になっております。知事としての見方、お話しいただければと思いまして、いかがでしょうか。
(答)竹上市長、あるいは津の前葉市長からも、ぜひ知事も協力をということでご要請いただきましたので、私自身も要望書を引っ提げて行くというのはしませんでしたけれども、様々な場面でお会いをした際などに野田総務大臣にお願いをさせていただいたりしました。我がほうのそういう市長さんたちが一生懸命取り組んでいますので、ぜひご理解賜りたいということ、併せまして、たぶん実際にやるとなったら、議員立法で前回同様、5年前同様やると思います。それにあたっては自民党の総務部会で議論されている中で、衆議院議員の川崎二郎先生も、その重要な役割を担ってるというふうに聞いておりますので、三重県の関係者がそういうふうに望んできたことでありますから、前向きに進むということは私たちとしても大変良いことだというふうに評価をしています。これは、様々な大規模災害などにより、十分に執行できなかった事業などが残っている基礎自治体があるというようなこともあって、こういう形での延長を申し出ておられるというふうに認識していますから、一定やむを得ない部分だと思いますから、国としてはそういうものをしっかり受け止めて、早期の法律の提出、それから成立ということで、自治体の財政の安定化に、あるいは事業の的確な執行、そういうものに繋げていただければというふうに思います。
○四日市足見川におけるメガソーラー事業計画
(質)四日市に建設、足見川の付近に建設予定のソーラー施設の件なんですけれども、市民団体の要望を受けてなのかちょっと分かんないですけど、知事が足見川のメガソーラーの一部のエリアでの建設を控えるような意見を出されたというふうに伺ったんですけど、これはどういったことがあって、そういうふうになったんでしょうか。
(答)今回の足見川のソーラーにつきましては、地域住民の皆さんや環境に携わる方々から一部強い反対なども出されていました。したがって、環境アセスなどにあたり環境審議会で専門家の皆さんにご議論いただいたところ、今貴方がおっしゃっていただいたような意見を出すということに至りました。この知事意見を受けて、あと事業者がどう判断するかということで、この知事意見は法的拘束力は無いですけれども、我々としてはそういう審議会での専門家の皆さんのご意見、それから地域住民の皆さんの意見なども総合的に勘案して意見を出させていただきましたので、事業者のほうとしてはしっかりと勘案をし、また、そもそもの私たちが昨年の夏に太陽光発電に関するガイドライン出させていただきましたけれども、これの根幹的な思いは、地域の皆さんとしっかりコミュニケーションをしてほしいと、法令遵守は当たり前と、地域の皆さんにしっかり説明やコミュニケーション取ってほしいということが根幹的な出発点でありますから、今回の意見を踏まえて、事業者のほうで的確な誠実な対応を、ぜひお願いしたいと思います。
(質)これまで、こう知事からある種法律違反でないようなソーラー施設に対しての意見、控えるようにというのは、かなり異例なことですか。
(答)ちょっと僕も網羅的に全てのやつ見てないので分かりませんけども、その一部を区切るというのも、基本的には専門家の皆さんのご知見が反映されてますので、珍しいことなのかどうかというのは、ちょっと私も見てないんで分かんないですけど。
○大雪による県内への影響
(質)ちょっと雪に戻りますが、2年連続で北勢地区、桑名、いなべ、四日市、大雪になったわけですけれども、まだちょっと今日なんか、四日市では学校が授業を繰り下げたり、いなべなんかでもちょっと自宅待機になったりという状況が続いています。あらためて大雪に対する県の今の対応と、啓発の意味も込めてお声掛けがあれば。
(答)今回も休校なども100校を超えるものもありましたし、今朝9時時点でも雪に伴うと思われるスリップ事故なども100件を超える、そういう事故などもありました。私たちとしましては、津気象台など、あるいは市町と連携をして、しっかり注意喚起、あるいは情報提供などを県民の皆さんにさせていただいて、しっかり安全確保をしていただく、そういうことをしていかなければならないというふうに思っております。また、引き続き明日ぐらいまで寒気がありますので冷え込む状況ですから、雪は降らなかったとしても路面凍結とかそういうことがあり得ますので、県民の皆さんには十分ご注意をいただきたいというふうに思います。併せて今回は、昨年の教訓を踏まえて津気象台に依頼をし、3つのポイントで観測点を増やしてもらいました。特に、今回その内の菰野町潤田、それから四日市市曽井町、ここにおいては10センチメートルを超える観測をいたしましたので、一定そういう観測点を設けたことは意義があったと思います。実際、今回もともとの観測点である四日市市塩浜0センチメートルで、曽井町12センチメートルとかいうのがありましたから、そういう意味で観測体制の充実ということも一定意義があったと思いますが、こういうことも継続的にモニタリングしながら、やっていかなければならないというふうに思ってます。
(質)また農業用被害等、また被害もこれから出てくると思いますが、あらためてどう対応していきますか。
(答)そういう被害の把握を、それぞれ市町の皆さんや各地方機関とも連携して、まずはしっかり被害の把握をしたいと思います。現在、そういう大きな被害があったということは確認できていませんけれども、これまでも大雪のみならず台風とかでも、後に出てくるケースがたくさんありますので、しっかり情報把握していきたいと思います。
(質)他、いかがでしょうか。それでは、第二県政記者クラブの方、お願いします。
○平成30年度全国高校総体入場行進曲等の試奏会の開催(発表)
(質)入場行進曲についてなんですけれども、白子高校の選定理由と生徒たちにエールを教えてください。
(答)今回の白子高校に選定されたのは、三重県高等学校文化連盟吹奏楽部会の推薦を経て、実行委員会の式典専門部会で決定をさせていただきました。こういう手続きとしては、そういう今申し上げたようなものを経てやっていますけれども、そもそも、例えば白子高校の子たちは、昨年のジュニアサミットの県内での最後のレセプションの時に演奏してくれたりとか、あるいは海外に行っての活躍、あるいは国内の全国吹奏楽コンクールなどにおいても金賞を受賞するなど、大変多くの実績を残していただいておりますので、そういう手続き上も問題ありませんが、そういうこれまでの実績という意味でも、まさにそういうのをやっていただくのにふさわしい高校だというふうに思っています。ぜひ、非常に私も白子高校吹奏楽部の子たちの演奏を何度も拝見させていただきましたけれども、本当に会場を楽しませる、会場を一体にする、そういう演奏をいつもされていますので、ぜひ今回の総合開会式におけるこの入場行進曲でも、会場が一体になるような、会場の皆さんが高揚感を感じられるような、そんな演奏をしてもらうことを期待したいと思います。
(質)あともう1点だけすみません。宮川さんの指導は、この日だけなんでしょうか。他にもありますか。
(答)宮川さんの指導はこの日だけなんでしょうか、この日だけのようです。
(質)インターハイの入場行進曲ですけど、事業費というか作曲費はいくらですか。
(答)この入場行進曲1曲とファンファーレ4曲の合計で税込で130万円です。
(質)お値打ちという?
(答)どうですかね、分かりませんけど。
○「三重&広島U・Iターン就職交流会」の開催(発表)
(質)U・Iターンですけど、この広島との繋がりは分かりますが、あと中京大学とか関西の大学とか含めて、この関係のものをやってるじゃないですか。それはそこの大学の学生を狙い撃ちなんでしょうけど、あれはあれで進んでいるんですか。
(答)近々も私が、愛知学院大学も行って実際にお話をさせていただく予定でありますし、先日もあれ、中部大学も行かせていただいてやりましたし、関西方面では立命館、近大、龍谷それぞれお邪魔してお話しさせていただいてますので、そういうのを引き続き継続してやってますし、情報提供も継続させていただいています。
(質)何かその行政である都道府県、特に広島とか場合によっちゃ宮城とかもあるのかもしれないけど、その辺のところの知事繋がりの部分と、それとその大学の関係があるじゃないですか。これもともと総合的に何かそういう戦術、戦略とか何か立てているんですか。
(答)それは就職支援協定の締結とかにおいてということですか。
(質)そういうU・Iマターで、例えばこういうものに関して大学の直でやろうとか、協定結ぶとか、あるいは知事のやつも広島から広げていくとか、何かそういう全体的な雇用におけるU・Iの戦略的なものっていうのはお持ちなんですか。
(答)基本的には、ちょっと何か紙にしてこういう戦略っていうのがオーソライズされたものがあるというわけではないですけども、県内出身者が多く行っている大学から順番にと言っても過言ではないと思いますけれども、就職支援協定を締結し、そこのキャリアセンターと一体となって情報提供をしていくという手法とか狙いとか、そういうのは明確にそれぞれしています。知事との繋がりで他のやつ広げていくかどうかということについては明確に決めているのはありませんが、これは知事会議としての昨年の湯﨑知事との合意の中で、これはやろうということになりましたんで、他の知事さんたちと進めていくかどうかということについてはまだ未定です。U・Iターンについては、今申し上げたような三重県の出身者の多い大学から順番にしっかりやっていくということで戦略組んでやってます。
(質)逆にこの前、福井の西川知事でしたっけ。
(答)ふるさと知事ネットワーク?
(質)ふるさと知事ネットワークあるじゃないですか。あそこに集まっているのは、大都市都道府県っていうか大規模なところはなくて、どっちかっていうと中堅どころが集まってるんで、共通の課題としてU・Iのことがあるじゃないですか。だとすればあそこで何らかの戦略って練られてないですか。
(答)ふるさとネットワークでは、地方大学の振興みたいな議論はしましたけども、U・Iターンのやつで一緒になって何か取り組もうということが合意されているというのは、今は無いです。今後はもしかしたら出てくるかもしれませんけど。
(質)出てくるかもしれない。
(答)まだそういう話にはなってないんで。
○大阪での四日市港セミナー
(質)昨日大阪で四日市港セミナー開かれてたじゃないですか。知事も行かれてますよね。率直な賑わい含めての感想はいかがですか。
(答)今回、大体いつもああいう感じですけどね。来ている企業の人たちとかがもう少し新規の船会社なり、荷主の方々にも、もうちょい来ていただくといいかなっていうのは率直に思いますけども、これまでの既に四日市港をご利用いただいている会社であっても、担当の方が人事異動でいろいろ変わりますので、そういう方々としっかりネットワークを繋げていくという意味で、同じ会社であっても来ていただくのは非常に意味がありますし、四日市港のインセンティブでも、既存の会社がさらにコンテナを増やしてもらった場合のインセンティブとかもやってますから、そういう意味で確かに新規のお客さんがもうちょっと、特に今年、それから平成30年度は新名神とか三重県区間全通しますし、霞4号幹線もできますので、チャンスですからもうちょっと新規の方増えてもいいかなとは思いましたけどね。
(質)もともと今回大阪で開くっていうのは、なぜなんですか。
(答)それは利用促進協議会として、毎回、毎年大阪、東京、四日市で毎回やってますので、毎年。
(質)その流れでやってると。
(答)そうですね。大阪に本社、三重県企業この20年間ぐらいですかね、三重県に立地した企業は大阪が本社であるものが一番割合としては多いので、その関係の工場とかが三重県や三重県周辺にあるので、関西の所でその企業の方々にアピールすることで四日市港を利用していただくことに繋がりますので、大阪でやることは普通に意義があると思いますけどね。
(質)机上でしか知らないですけどね。もともと民主党政権の時に国際コンテナ物流の申請があって、四日市港と名古屋港は岡田さんの肝入れもあって、一体化して申請して準指定になったじゃないですか。だから今回運営会社も作ってるわけで。大阪は確かあの時、前原さんが国交大臣で、当然阪神の所は正規の指定港になったじゃないですか。だとすれば、この大阪であえて開くっていうのはライバル地の本拠地を打つと、ていうふうな戦略があるのかなと思ったんだけど、そんなことはないですか。
(答)そこは全然無いです。もっと地道な、例えば大阪に本社があって滋賀県に工場持っている人たちとかも、滋賀県も四日市港が最寄港っていうのがいっぱいあるんですよね。そういうのもありますので、もっと何かこう政策上の戦略的というよりも、もっと地道に、1コンテナでも増やしたいなそんな感じですね。
(質)別に深謀遠慮があるわけじゃない。
(答)無いです。もう本当に1つでも航路を、1つでもコンテナをっていうそんな感じですね。
(質)ということは、今後も今言われた大阪を一つとしてずっと続けられるということですよね。
(答)一応、利用促進協議会の皆さんで議論していただいて、私、利用促進協議会の名誉会長という形なんで、会長以下民間の企業の皆さん入ってますから、その皆さんのご判断になりますけれども、基本的には続けていくということになろうかと思いますけどね。
○事業承継の取組
(質)この前もちらっとお聞きしてましたけど、空中戦になるかもしれないですが、事業承継が国策としても、どっちかっていうとその方針が持ってるじゃないですか。地方も倣ってそういう形で、特に三重県の場合は知事がご熱心の部分があるじゃないですか。もともとのここへ着目したっていうのはどういう背景があるんですか。
(答)もともと最近から言い出したのではなくて、平成26年4月に三重県中小企業・小規模企業振興条例を制定した際に、他の県ではあんまり盛り込まれてなかった事業承継っていうのを、確か20条だったと思いますけれども、既に盛り込んでいます。そしてその年に、事業引継ぎ支援センターっていう事業承継専門の相談機関みたいなのを、国の予算を活用して設置をして、そこからずっと相談対応をやってきましたんで、例えば個別名出してもあれですけど、例えば芸濃インターの近くにある「うなふじ」さん(※)とか、ああいうところなんかも、ちょっと閉まってる期間ありましたけども、うちがご支援させていただいて事業承継してもう1回再開してもらったりとか、そういうのを県内でたくさんあるんですよ、実は。そういうふうにやってきて、さらに今回国の予算とか税の体制がぐっと大きく動くというのもあったんで、じゃあ我々もそれも国のも活用しながら、県もさらに加速していこうと、そもそも2020年問題っていうことで団塊の世代の人たちの経営者が、本当に引退してしまうそういう観点からもうあと2、3年っていう、そういう勝負どころなんで、このタイミングでさらに加速してやっていこうと、そんな感じですけどね。だから、そもそもの着目点は既に中小企業・小規模企業の振興をやろうと思ったら、そこの後継者不足のところを対応しなきゃいけないっていうのが、もう4、5年前から分かってたっていうか、いうとこですけどね。
※県が事業承継を支援したのは、河芸町の国道23号沿いにある「うなふじ支店」です。
(質)団塊の世代経営者問題っていうのがあって、それがちょっと言葉が走ると誤解を招く部分もあると思いますけど、要はもう老齢高齢者要らないじゃないか、若返り企業しなけりゃ生きていけないだろうっていうふうな、そういうふうにも捉えられる部分があるんで、そこが先に走ったっていうことではないんですね。
(答)それは無いですね。実際例えばさっきの有名飲食店とかでも、もったいないじゃないですか。地域の皆さんに愛されたそういうのれんが、後継者がいないっていうことだけで失われて行ってしまっていうのは非常にもったいないので、そういうものや、あるいは技術、あとはそもそも雇用していただいている事業所が多いわけですから、そういうのを守っていきたいということですね。
(質)雇用経済部の査定の時に、知事がいみじくも桑名の森安鉄工所ってなことをおっしゃりましたけど、それも同じような例なんですか。
(答)森安鉄工所もあそこは、個別企業なのであれなんですけど、高い技術を持っていて、しかも黒字であったにもかかわらず後継者がいないということだけで廃業するというふうにおっしゃっていたので、それは第三者承継したエイベックスさんにとっても大変、エイベックスさんってアイシンとやってる企業ですから、非常に重要な旋盤技術を持っていたので、その旋盤技術が失われてはいけないということから、ああいう形の事業承継になりましたんでね。そういう技術をしっかり守っていかなければならないと、いうそういうことですね。
(質)企業哲学の領域で聞いちゃうかもしれないですけど、この前の知事査定で雇用経済の見てても、例えば会社が後継者いないと、良好企業であると、だけど地域の雇用もあるし、それと周りが潰したくないと、でも経営者自身はもう後継者いないし廃業したいという時にそれを支えたいとか、実は他の会社を紹介してうまくマッチングしてというところで政策予算が付いたじゃないですか。考え方によっては潰すも興すも、要は経営者の勝手なんですよね。必要なのは株主の問題であって、そこのところの株主はじゃあどうするかとか、そこのところにあの政策予算の中には文言は無かったですけど、そういうことを含めて若干そこは行政が音頭取りするっていうのは、かえって自由な経済競争っていうのを阻害する部分も出てくるんで、その辺はどう思われますか。
(答)そこ多分、前もそうなんですけど貴方と、何て言うかな、出発点が若干違うところは、私たちは無理矢理事業承継してくれとは一回も言ってないんですよ。その判断をした結果、廃業されるのはそれは仕方がないけども、その判断をされる前に気付きを持ってもらったり、相談をいろんな人たちにして的確な判断をしてほしい、そして事業承継をしたいと思ってたんだけどできなくて、準備不足で結局できなかったっていうことになって、雇用とか技術が奪われてしまうともったいないねっていうとこなんで、多分、何か前もそうなんですけど、うちが無理矢理やる感を貴方持っておられるんじゃないかと思うんですけど、そこは全然違うんですよ。
(質)それは行政が持つ権力っていうのを軽く見てるんじゃないですか。
(答)それはだって別に無理矢理事業承継をやってくれってやってるケースって無いですよ。ご相談を受けてやったり、気付きを持ってもらうケースをセミナーやったりしてるわけですから、無理矢理やってくれというのはないですよ。そこは多分何か誤解があると思うな。
(質)でも行政が出てきたら、一応お上だから民にとっては従わなきゃいけないとか、いろいろ何かそういう感じでどうしても思っちゃうじゃないですか。
(答)ですかね?
(質)知事が常々職員に、我々は非常に権力を持っている、というふうにおっしゃっているように。
(答)それは間違いないですね。そこは僕らの情報発信とか説明の仕方に問題があるのかもしれませんけど、何か無理矢理やってくれっていうのはないです。でも気付いてなかったとか気付くのが遅れてしまって、準備不足になって雇用とか技術が失われてからでは遅いんですよね。もうちょっと早く準備しとったらできたのにとか、例えば従業員が株を買って事業承継したケースとかもありますけど、それも社長さんがその従業員を説得するのにも何年もかかっているんですよね。やっぱり時間が必要なんで、何かそこの無理矢理感はないですよ、うち、それはうちだけじゃなくて、全国中で事業承継やってる所はそうだと思いますけど、そこはだから最後どうするかの判断はもちろん経営者の判断ですよね。そこが何かそこの誤解があんまり解けないですね。
(質)事業承継うんぬんの後継者がいなくてっていう企業の率は非常に全体からいったら少ないですよね。そこに困ってるっていうことは。ほとんどの企業っていうのはある程度、株主のことを考えて大体後継者がいないっていう状況っていうのはあんまりないじゃないですか。
(答)そうですかね。
(質)中小企業多いんですか。
(答)多いですよ。廃業をしようと考えている人たちの、そうですね、4割とかそういうところは後継者がいなくて廃業するっていう。本当はもともと廃業を決めていたっていうところも3割とか4割ぐらいですんで、後継者がいなくて廃業せざるを得ないっていう割合は一定ありますんで、それは少なくないと僕らは思いますけどね。
(質)また後日。
(答)後日、何かそこ、まあいいですけどね。僕らは繰り返しになりますけど、そういう何か無理矢理してくれとかではないので、気付きを持ってもらったり手遅れにならないようにしてほしいっていうことですね。
○森林環境税の創設
(質)もう1つ、国のいわゆる森林税が2024年から施行されて実施される、その前に前倒しで数百億円ずつ地方へ回すと。後で森林税が動きだした時にそれで借金を充てるという話になってますけど、三重県の場合は先に県の条例として森林税入れてるじゃないですか。国の制度整った時に、この県の条例のほうは消すんですか。それともそれはそれで存続させる?
(答)今、有識者の評価委員会で検討していただいていますけども、国の制度を踏まえてどういうことにするかっていうのは今検討してもらっています。基本的には存続するという方向で今のところ有識者の皆さんの議論はいっていますが、じゃあまだ国の制度の設計が明らかでないので、それと重複する使途に使うっていうのは基本的に無いと思うんですよね。重複しないようにどうするかっていうのは国の制度を見ながら、あとそれから我々のやってきた事業の成果とかの、両方を睨(にら)んでってことになると思いますんで、これは今年の前半までに、前半っていうか8月ぐらいかな、までに深く議論しないといけないことですね。なので、税を無くすというのはないです。多分存続することになると思います。そこは評価委員会でそういうご意見いただいていますので。
(質)意地悪な言い方すれば、三重県民になると他県だったら国のだけでいいのに、そこの県の税金もまた余分に払うっていう話になるんですよね。
(答)それは貴方ご存じかどうか分かりませんけど、全国35の府県(※)で森林環境税やってますので、三重県だけがそうなっているということではないです。事実関係として三重県だけがというのは全然無いです。47のうち35の府県(※)において森林環境税やってますから。
(質)でも12(※)はやってないんじゃないですか。
(答)12(※)はやってませんよ。そういうのは東京都とかね。でも35府県(※)はやってますから。三重県だけがっていうのは違いますよね。
(質)三重県だけじゃなくて、その35府県(※)でもいいけど、そこの人は、要は二重払いということですよね。
(答)でも出口が違えば、それは一定の財源ということになるわけですから、そこにどういうふうにご理解いただけるかですけど、なので今評価委員会でやっていただいたやつも一定の中間案とかが出たらパブリックコメントとか、いろんな説明会とかやらせていただいて、これで本当に存続するということでいいかどうかっていうのを問わせていただきますので。それでもう絶対やめとけみたいなのが大多数とかいうことが、あるいは議会においても国でそういうのがあるんだったらもうやめといたほうがいいというようなことのご議論があったら、それは再度検討することになると思いますけどね。
※現在は、37府県で森林環境等の保全を目的とした超過課税を導入し、10都道県が未導入です。
了