知事定例会見録
平 成29年10月11日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目等
・みえ農業版MBA養成塾の開設及び塾生募集(発表)
・知事のベトナム・タイ訪問(発表)
・国際観光シンポジウムの開催(報告)
質疑項目
・発表項目等に関する質疑
・大手企業の相次ぐ不適切行為
・平成29年人事委員会勧告
・知事の福島県訪問
・「笑顔でつなぐ えひめ国体」の競技結果
・第48回衆議院議員総選挙
発表項目
(知事)今日は3点、発表項目があります。特に2つ目、長いですのでよろしくお願いします。1つ目は、「みえ農業版MBA養成塾」の開設及び塾生募集についてであります。新規就農者の大部分が農業法人への雇用就農となってきている本県において、今後さらに、若者を農業に呼び込むためには、若者が「やりがい」を感じる質の高い就業の場を提供できる、革新的な農業ビジネスの起業家や地域農業発展の核となる人材の育成が重要課題であるとの思いから、「みえ農業版MBA養成塾」を平成30年4月に三重県農業大学校に開設します。特徴は3点。1点目は、グローバルな視点からビジネス展開を考える県内の先進的農業法人で、インターンシップとして働きながら本格的に農業ビジネスを学べる環境を提供することです。2つ目、農業経営のみならず、企業経営やリーダーシップ論などに加え、食品の流通・加工やGAP、HACCPといった川上から川下までのフードマネジメントをトータルで学ぶプログラムを提供すること。3点目、三重大学大学院地域イノベーション学研究科と連携し、地域社会や農業を含む企業の現場における課題や対応策を学生たちと議論・演習できる機会を提供するとともに、塾生個々のビジネスプランの構築をサポートすること。さらに、修士の学位取得を目指す塾生には、同大学院と併学できる環境を提供することとしており、こうした大学院との連携は、国内では唯一の取組です。募集人員は、少数精鋭の3名から5名程度で、選考については、最初にプレ申込みとして、インターンシップを受ける法人等との面談を行い、その後、養成塾の入塾選考に臨んでいただくこととしています。塾長は、農業ビジネスにおいて、日本のトップリーダーである株式会社伊賀の里モクモク手づくりファームの木村会長にお願いをしています。塾長には、自身の農業ビジネスにおける経験などを生かし、塾生の指導にあたっていただきます。また、私も名誉塾長となり、養成塾のPRなど発信に努めるとともに、塾生たちと意見交換する機会を持ちながら、塾生たちの目標の実現をサポートしていきたいと思います。今回の設置に至った経緯ですが、昨年度、県内で活躍する農業法人やJAグループの代表、金融機関や大学関係者などで構成する検討会議を設置し、人口減少や高齢化が進む中、県内農業の現状や課題と、今後求められる人材像やその育成方法などについて検討してきました。この検討を踏まえ、農業に魅力を感じ、挑戦したいという若者が、即戦力として活躍できるプログラムをとりまとめました。「みえ農業版MBA養成塾」の開設は、先日発表した「みえ森林・林業アカデミー」の開設とあわせ、注力してきた取組です。今後、農業法人や三重大学大学院と連携しながら、「実習と座学」による「知識と技能」の習得機会をパッケージにして提供することで、次代を担う若き農業ビジネス人材を育成していきたいと思います。
続いて2点目です。11月13日から17日まで、ベトナムとタイを訪問します。今回の目的は大きく2点。1点目は、観光誘客、食の販路開拓に係るトップセールス。2点目は、アセアンへの物流ネットワークの強化に向けた四日市港のPRです。今回訪問するベトナム、タイは、「みえ国際展開に関する基本方針」の重点地域として関係強化を図ってきました。ベトナムは、いわゆる「チャイナプラスワン」の筆頭として注目され日系企業の進出も進んでいますし、明日12日ですが、駐日ベトナム大使に三重県にお越しいただいて、ベトナム経済セミナーを開催するなど連携が進んでいます。タイは、日タイ修好130周年の節目の年であり、9月には日本政府の大型経済ミッション団が派遣されました。こうした活発な動きに呼応し、好機を逃すことなく両国との関係をさらに強固なものとするため訪問します。主な日程を説明します。まず13日、在ホーチミン日本国総領事から、ベトナムの政治経済情勢や投資環境について説明を受けます。その後、ホーチミン市の行政部門のトップであるホーチミン市人民委員会委員長を訪問し、今後の交流促進について意見交換します。14日、ベトナムの旅行会社と日本政府観光局の関係者に、本県の観光資源の魅力についてトップセールスを行います。ベトナムは堅調な経済成長を背景に訪日旅行者数が順調に増加しており、さらなる来県者の増加に繋げたいと思います。次に、ベトナムで初めての「三重県フェア」を開催するイオンモール タンフーセラドンを訪問し、現地のメディアや来店客に対してPRを行います。本フェアは、昨年11月、私がベトナムを訪問した際、イオン株式会社の尾山ベトナム代表と面談し働きかけた結果、実現しました。その後、ホーチミン港で最大のコンテナターミナルを運営する、サイゴン・ニューポート・コーポレーションを訪問し、同社幹部と、四日市港を活用した貿易の拡大に向けた意見交換を行います。また、ベトナムで初めて四日市港利用促進協議会が四日市港セミナーを開催しますので、集まった関係者に向けて、四日市港をPRし、さらなる利用促進に繋げたいと思っています。15日、バンコクへ移動し、三重県観光セミナーを開催して、旅行会社向けにPRを行います。タイは訪日旅行のリピーターが増加し、地方への訪問意欲も高まりつつあるので、タイ人の嗜好にあわせた三重ならではの四季の景観や食の魅力を紹介したいと思います。次に、タイ政府関係機関を訪問します。先ほども申し上げましたが、今年は日タイ修好130周年の節目の年で、9月の政府ミッション団にあわせて三重県からも県産業支援センターの石垣会長を団長とするミッション団を派遣しました。そのフォローアップとして、まだ調整中ですが、経済政策を統括するソムキット副首相を表敬訪問し、タイとの関係をさらに強化するとともに、三重県とタイとの様々な分野での交流に対してお力添えをお願いします。チャチャイ農業・協同組合担当大臣と面談し、みかんをはじめとした県産農林水産物の輸出に関して意見交換します。また、新たな取組として、信金中央金庫と連携し、タイ最大の銀行である「バンコック銀行」の取引先の富裕層や企業経営者で構成する会員組織「バンコク・クラブ」を対象に、三重県の食や観光の魅力を伝えます。日本の自治体がこの「バンコク・クラブ」でトップセールスを行うのは初めてとなります。16日、訪日旅行を取り扱う有力エージェントの一つで、三重県海外観光特使を委嘱している、トランザ・グループを訪問します。同社は積極的に三重県の商品を造成し、販売しており、年間を通じてバリエーションのある旅行商品に関心があることから、特に季節ごとの三重県の魅力を印象づけ、さらなるツアー商品造成に繋げたいと考えています。次に、タイ政府科学技術省が研究開発拠点として整備した、食品産業研究開発イノベーションハブ「フードイノポリス」を訪問します。タイ政府は産業の高度化を図るため、東部経済回廊、EECと言いますけども、と呼ばれる経済特区やフードクラスター政策に注力しています。こうした動きを受けて整備された「フードイノポリス」内に、ヤマモリ株式会社が開設を予定している研究所を訪問します。このような産学官連携の先進的な事例を調査するとともに、来年が産業連携に関する覚書締結5周年の節目にあたるタイ投資委員会や科学技術省の関係者と産業政策について意見交換します。また、平成20年に三重大学と協定を締結し、来年が締結10周年の節目にあたる、タマサート大学を訪問し、日タイの地方レベルでの産学官連携に関するシンポジウムに出席します。私から地元大学生を対象に講演し、タイに進出する企業の人材確保及び日タイの地域間交流の促進に繋げたいと考えています。最後にタイ最大級のビアホールを運営する、タワンデーン・ジャーマン・ブルワリー社を訪問し、食の販路開拓のトップセールスを行います。同社は、バンコク近郊で2,000席の大型飲食店を筆頭に、複数の大型店舗を運営しており、三重県農林水産物・食品輸出促進協議会がタイ現地アドバイザーとともに開拓した有力販路の一つです。同社の社長は、日本の食や文化への関心が非常に高く、何度も来日されている親日家であり、店舗には日本食を提供する「寿司バー」も設置されています。日本食はタイでも大変人気があることから、三重の日本酒や県産食材の採用を図るため、日本の自治体として初めて、同社にトップセールスを行います。私が知事としてベトナム訪問2回目、タイ訪問4回目となりますが、今回のミッションを通じ、三重県の認知度を更に高めるとともに、アセアン各国からのインバウンドの増加、県産品の販路拡大に繋がるよう、力強く発信してまいります。
3つ目。6月の定例会見で三重県への誘致について発表しました「国際観光シンポジウム」の詳細が決まりましたので発表します。このシンポジウムは、2015年の国連総会で2017年を「持続可能な観光国際年」とする旨の決議がなされたことを踏まえ、観光庁が国連世界観光機関 UNWTOと協力して開催する政府系の国際会議で、10月18日に鳥羽国際ホテルで開催します。大きく2つの内容でシンポジウムは構成されています。1つ目、観光業や関連する産業で活躍する女性が講演するセッションです。県内から、海女小屋「相差かまど」の海女頭の中村美智子さんや、エコツアーに取り組む「海島遊民くらぶ」を運営する有限会社オズ代表取締役の江崎貴久さん、鳥羽旅館組合の「女将あこや会」会長である鳥羽ビューホテル花真珠 女将の迫間優子さんがスピーカーとして参加します。「女性が観光で活躍する社会」をテーマに、実際に活躍されている皆さんの豊かな経験を、ぜひお聞きいただきたいと思います。2つ目、「持続可能な観光と女性が主役を担う観光地づくり」をテーマとするパネルディスカッションです。志摩観光ホテル総料理長の樋口宏江さん、森喜酒造場 専務の森喜るみ子さん、伊勢志摩バリアフリーツアーセンター事務局長の野口あゆみさんがパネラーとして参加します。パネリストの方々には、伊勢志摩サミットでの経験や女性目線での観光地づくり、バリアフリー観光など、三重の「持続可能な観光」に繋がるようなディスカッションを期待しています。シンポジウムには一般の方も参加できます。10月16日まで募集していますので、ぜひ多くの皆さんにご来場いただきたいと思います。また、前日の17日、「ユニークベニュー」、その地ならではの特別感のある会場とかそんな意味ですけども、である「鳥羽マリンターミナル」で、県と鳥羽市との共催で歓迎レセプションを開催します。私も参加して、三重の食で極上の“おもてなし”をしたいと思います。シンポジウム翌日の19日、ミキモト真珠島や伊勢神宮の見学やエコツアーを体験していただくテクニカル・ビジット、エクスカーションを実施します。三重県では、平成28年6月に策定した「三重県国際会議等MICE誘致・開催取組方針」において、「歴史・文化」、「環境」、「海洋」、「女性」、「防災」、「食」の6項目を三重の強みと位置付け、その強みを生かせる国際会議をターゲットに誘致活動を実施しています。今回誘致に成功したシンポジウムは、伊勢志摩サミット開催後、三重では初めての政府系の国際会議となり、海外からは国連世界観光機関 UNWTOに加盟する各国の観光分野の担当者や、駐日大使館、駐日外国政府観光局、国内の観光協会や観光事業者ら約150名が集まります。参加する国々の皆さんに、三重を舞台に観光業で活躍する女性たちの取り組みや伊勢志摩の美しい自然や豊かな文化など、三重の魅力をしっかりと発信するとともに、今後も、こうした三重ならではの強みや特色を生かして、国際会議誘致をさらに推進していきたいと思います。
発表項目等に関する質疑
○国際観光シンポジウムの開催(報告)
(質)幹事社から、今のこの観光シンポですけど、何カ国ぐらい来るんですか。
(答)外国人は15カ国を予定しています。
(質)何人ぐらい?
(答)外国人だけだと40名程度ぐらいですかね。全体は150名ですのでね。
(質)残り100名ぐらいは国内の?
(答)国内の方っていう感じですね。
(質)このシンポジウム自体は、毎年どこかでやっているんですか。
(答)これは、毎年ではなくて過去に似たような、UNWTO国連世界観光機関と観光庁が共催でやったやつは、去年の2月に奈良で遺産観光に関する国際会議というのがありましたけども、この2017年が持続可能な国際観光年と決議したことを踏まえて開催されるので、毎年ではないです。
○みえ農業版MBA養成塾の開設及び塾生募集(発表)
(質)最初の農業版MBAですけども、これはこの入塾した人は住み込んで、どこか働く形になるんですか。
(答)住み込んで、どっか県内に住んでもらうことにはなりますよね。
(質)県外の人も対象ではあるんですか。
(答)来てもらうのは県外の方でも別にええんやんな。
(答:農林水産部)大丈夫です。
(質)その養成塾を2カ年ぐらい?
(答)はい。
(質)終えた後はこの人材はどうなるんですか。
(答)基本的に県内に、まずそもそもこれちゃんと修了証がもらえるかどうか、かなり厳しい評価をしますので、入塾したらもう普通に卒業できるというものではありませんので、評価をして修了された方は、基本的に我々が期待しているのは県内で農業法人をいずれ開業し、雇用力のある農業経営者になってほしいということです。とはいえ何か縛りがあって絶対三重県にいないと何か全部金返せとか、そういうわけではないので分かりませんけど、普通に1,500時間ぐらい毎年雇用型インターンシップをやってもらいますので、相当県内に根付いて農業をやってもらいますから、全然知らない土地に行って開業したりするよりは、三重県でやっていただく方がメリットも高いと思いますけどね。
(質)1年で1,500時間?
(答)1年で1,500時間。2年目も1,500時間。もう実践、実践で。
(質)県費は入っているんですか。
(答)これ予算、来年度予算で今要求してんの。
(答:農林水産部)要求しています。国費を中心にして活用させていただいたあと、県費を投入してやりたいなと考えています。
(答)あと入塾者には、年間授業料も払ってもらいますので。
(質)どの程度なんですか。
(答)農業大学校自体が年間授業料118,800円なんで、それと同額を払ってもらいます。なので、リスクも取って、気合も入れてやってもらう人を少数精鋭で鍛えまくると。さっき数字言いませんでしたけど、大体三重県でいうと毎年130人台ぐらいの新規就農者がいて、その大体8割ぐらいが農業法人に雇用される形で就農してもらっていますので、そういうこの雇用力のある農業法人がたくさんできていくことが、就農者を増やすことに繋がっていくと思うので、なのでその根元を作るっていうんですかね。そういう思いで今回やりますけどね。
(質)この受入法人っていうのが3番でいくつか出ていますけど、ここのどっか1個に入ってずっとやるのか、ここを全部回っていくのか?
(答)それどうするやったか?
(答:農林水産部)基本は1社でインターンシップを受けてもらってとしたいと考えていますけど、場合によっては幾つか経験したいなといった方もみえますので、そこは柔軟に対応していきたいなと考えています。
(答)期待としては1社で徹底的にやってほしいですけどね。
○知事のベトナム・タイ訪問(発表)
(質)ベトナム・タイ訪問は、ベトナム2回目、タイ4回目ということでしたけど、これは知事が海外へ行かれている中で一番多いんですか。
(答)いや、一番多いのは台湾です。台湾は毎年行っているので、今6回目かな、今度行ったら、台湾が一番多いです。その次にタイが多いんじゃないですかね。
(質)県内のインバウンド、多分増えていると思うんですけど、この2カ国特に増えているとかあるんですか。
(答)特に増えているということではないです。ベトナムは伸び率が高いです。ちょっと数字あれですけど。あとベトナムは1人当たりの消費額が、他の国と比べて高いので、大体世界で高いのがオーストラリア、中国の一部、それからベトナム、あとスペインもちょっと高いんですけど、そういうところなのでお金を落としてもらいやすいというのと、あとうち毎年県内事業者の皆さんに海外展開するならどういう国が関心高いですかっていうので、この近年ベトナムが2年連続1位になっているんです。その2位がタイだったと思いますけど。県内事業者が関心の高い所に行こうじゃないかと、そういうことでインバウンドのみならず、産業の連携も含めてなので、ベトナム、タイ、特に近年ベトナム多めに行っているということですね。
(質)さっきのお金を落としてくれやすいとか、県内企業が特にベトナムに関心が高いというのは、何か理由があるんでしょうか。
(答)多分一定の日系企業の集積もあって、情報が入りやすいのとか、そういう意味でのハードルが、そんなに高くなさそうということがあるんじゃないでしょうか。あともともと親日的であるというようなこともあるんじゃないかというふうに思いますけどね。なので、今回も資料に入っていますとおり、参加者名簿って入ってるんやったっけ。入ってんのやな。合計92名の方で行きますので、見ていただくと観光やら、食関係やら、ものづくりやら、大きい企業から、小さい企業から、食関連やら、交通事業者やら一杯入っていると思うんですけども、いろんな分野の皆さんの関心高いということですね。食とか、観光とか、ものづくりとかいろんな分野で、それぞれ情報も入りやすく、ハードルが高くないという印象が他の国と比べればあるんじゃないでしょうかね。あと成長力でしょうね。
○みえ農業版MBA養成塾の開設及び塾生募集(発表)
(質)農業版MBAなんですけども、1年間1,685時間の中の1,500時間がインターンシップということになると、何かかなりある1人の先進的な経営者の方に付いて、番頭さんというか、何というかかなりその人から学ぶという側面がかなり強いという体現的にという。
(答)多いと思いますけど、ここに書いてあるモクモク手づくりファームや浅井農園とか農業屋とかも、従業員もかなりたくさんいらっしゃるところですので、そういうご本人、経営者のイズムみたいなのを学ぶとともに、そのマネージメント全体をよく学んでもらうという形になりますけど、やっぱり我々が来てほしいなと思っている他の何ていうんですかね、他県の農業大学校とかだと農業者の人に来てもらうとか、うちはもうそういう社会人経験者で、経営をという人たちに来てもらいたいと思っていますので、その農業の経営というのはどういうものなのかという現場をよく知ってもらいたいと、そんな感じですね。なので、もちろん経営者のイズムをよく知ってもらって、それから大規模マネージメントをどうしていくか、その両方ですね。それはもう僕ら農業大学校の公務員ではちょっと教えられませんので、その経営者にしっかりやってもらうと。
(質)単にインターンシップといっても、一従業員になるというよりも、ある程度経営者に付いて回れたりとか、向こうも了解してくれている。
(答)具体的にはそれぞれの会社で、どういうミッションを与えるかもありますけど、それを我々ももちろんフォローアップしますけど、何か普通に作業ばっかりやるそういうインターンシップというよりは、経営全般を見ながらしっかり育ってもらう、その間に彼らは、最後にそういう自分が経験したことを基にビジネスプランを立ててもらわないといけないので、それに直結するようなやっぱり仕事もしてもらわないといけないと思いますけどね。そういうのを期待していますし、そういう調整を図っていきたいと思いますけどね。
(質)県内で農業法人をということなんですけど、何かちょっとごめんなさい、知識が無いので、どちらかというと今農業法人をやられている方は、もともと農家とかで、そこが出発点で、そういう先進的に取り組まれている方といった、なかなかこうゼロから農業法人に新規参入するというのはお金の面とか、土地のこととか、仮にここで知識を身に着けたとしても、その後のフォローが必要かなという感じがしたりもするんですけど、その辺はいかがですか。
(答)それは様々ですね。例えば浅井農園の浅井君なんかは、もともと100年続く園芸屋さんなんですよね、浅井家というのは。彼はある外資系コンサルタント企業に勤めて、それを辞めてこのトマト植物工場を起業して、三井物産とか辻製油さんと一緒に起業しているので、いわば今までの確かに農家というか園芸屋さんではあるものの、全然違う農業を起業しているので、そういう意味では何か農業という母体がある無しに関わらずやれると思いますし、伊賀のそれこそ木村会長のところも最初ソーセージ屋さんから始めまして、今ああいう形態になっているので、そういう意味では全然違う業態もやっているということですから、問題無いと思いますけどね。
その他の項目に関する質疑
○大手企業の相次ぐ不適切行為
(質)昨日ちょっと出ていましたけど、先週あたりから日産とか、神戸製鋼、ちょっと不正が続いていますけど、県内の設備・施設なり、県の公務に何か影響しているものがあるのかと、あと県内の産業等に何か影響があるか把握してみえますか。
(答)今、随時情報収集していますけれども、神戸製鋼の関係、あるいは日産自動車の無資格者による検査、その関係で関係する県内企業やその当該工場に聞きましたけれども、現在のところは操業に影響が無いということで聞いています。日産の関係もエンジンを納入しているところとか、ガラス製品を納入している会社が三重県内にもありますけれども、現状通常どおり生産を行っているということであります。しかしながら、特に神戸製鋼さん、製品の安全性に関わる重大な課題でありますので、取引先、それは納入企業ですね、それからユーザー、売ったほうですね。その人たちに影響が無いというようなことにおいての、信頼を著しく損なう行為ですから、しっかりとした謝罪と説明をして、もし安全性に影響があるとするならば、適切な措置を講じてもらうということが必須であろうと思っています。残念ながら今、本社一括対応などという名の下に、あまり情報が入りにくい状況になっているのは大変残念ですけれども、もう少ししっかり情報開示をしていただいて、謝罪、説明をしっかりしていただいて、安全性に関することに何か影響があることなら適切な措置を講じてほしい。いずれにしても注視していきたいというふうに思っています。全然違う業種ではあるものの、以前、東洋ゴムの免震装置の話などがありました。ああいう時に情報開示が遅れたことなどによって、非常に影響が長引いた、うちも県庁庁舎の中で東洋ゴムの使っているやつがあって、それの差し替え工事が終わったのは、もうつい最近とか去年とかそんな状況ですので、安全性の問題は非常に長引く可能性がありますから、適切な対応をしっかり取られたいというふうに思います。
(質)何か公用車でリコール対象車あるとか、何かそういうのは特に無いですか。
(答)今はそういう調査してないですけども、向こうのそれぞれの情報の発表に合わせて確認していきたいと思います。今は確認できてないですけどね。
(質)もう少し具体的に大安工場ですね、今回この、ここについて一括対応でなかなかこう情報が無いということですけども、県が少なくとも一般的に掴(つか)んでいることで、あそこはどういうものを作って、今回のことで関連するようなものはどうなのかとかという、県で今のところ大安工場に関して雇用面とか含めて掴(つか)んでいる情報をもう一度教えてください。
(答)大安工場に確認したところ、データの書き換えなどがあった製品について、現在では適切に品質検査を実施していて通常どおり操業していると。既にデータの書き換えなどで出荷してしまった製品は、取り引き先企業と今後の対応について協議を進めているというふうに聞いています。操業は通常どおりやっていると。地域のサプライヤー、その納入企業ですね、私たちの地域の中小企業の皆さんへの影響はどうかと聞いたら、現段階では不明というふうに言われています。そしてどこに納入しているんですかと、具体的な製品は何ですかということについては、控えさせていただきたいと言われていると、そういう状況です。なので、我々はそれでは影響が分かりにくいのでね、東洋ゴムの時もそうでしたけど、どこに納入しているか言えませんというのがしばらく続いて、その後ここですというのが発表されるという事態で、こうかなり一転二転三転してみんなが振り回されたというのがありましたからね。適切な情報開示、やっていただきたいというふうに思いますね。あまり経緯がよく分からないので、極めて個人的な感情ではありますけれども、早く発表したいというのは分かるにしても、あんな連休のさなかに発表して、こっちが情報を確認したら、休みなんでとか、こう今対応できる人がいませんのでみたいな、極めて不誠実な対応じゃないかと思いますけどね。
(質)今、かなり知事も、我々も取材しても何にも教えてもらえないんですけれども、いら立ちを。どうですかね、知事として働き掛けられること、こういう状況ですけども、やっぱり現に不正がおそらく大安工場でもあったという中で、従業員の方を守るために県ができることとかというのは何かありますか。
(答)まずはしっかり情報収集をするということと、なかなか出てきませんけども働きかけをするということ。それから僕たちはもちろん経緯もそうですけど、仮に安全性に影響があるものがあった場合、さっきの東洋ゴムでいう差し換え工事とか、取り換え工事とかのような適切な対応、それがどういう金銭的なものなのか何か分かりませんけれども、そういうことについては適切に措置を取ってほしいということをしっかり言っていくということだと思います。いずれにしてもそういうような情報をしっかり入手しないと、働き掛けもできませんので、そういうふうに思いますけどね。非常に大安工場にもたくさんの方々お勤めですし、私、こういう厳しい言い方しておりますけれども、そういう工場の皆さんも安心して働いていただけるような環境も作ってもらいたいと思いますけど。いずれにしても、これから情報収集して、その中身を精査して働き掛けていきたいと思います。
(質)県は監督権とかそういうのがある立場ではないですか。
(答)ないですね。経済産業省と国土交通省になると思います。
○平成29年人事委員会勧告
(質)別件ですけれども、今日、人事委員会勧告がありましたけれども、月給については据え置き、ボーナスについても0.1月分引き上げということを勧告されました。それについて知事、あらためて受け止めと、実際それを実施されるのかどうかという今のお考えを伺えますでしょうか。
(答)今日、人事委員会から報告、勧告をいただきました。で、これの取り扱いにつきましては、国や他府県の状況、県の財政状況、そういうものを勘案して総合的に判断をしていきたいというふうに思っております。もちろん人事委員会勧告、これが代償措置であるというようなことにおいて尊重するという立場は基本的に変わっておりませんけれども、総合的に検討していくということであります。一方で、今回委員長もおっしゃっておられましたけれども、年々の給与やボーナスの勧告ということのみならず、これまで実施してきた給与の総合的見直しの経過措置の状況はどういうふうになっているのか、あるいは任用、昇格そういうもの含めた人事管理全般の運用はどうなっているのか、そういうことなどについてもしっかり議論するようにという、その構造的な部分についての宿題をいただいたということは極めて大きなことだというふうに思います。これはもちろん職員一人ひとりがやりがいを持って、いい成果をだすために重要なことであると思いますし、組織全体の組織力を向上させるという意味でも重要ですけども、あわせてそういうことを実施していくことで、年々高まる、しばらく高い状況が続く総人件費、そういうものなどにも影響してくると思いますから、しっかり今回宿題をいただきましたので、総合的な構造的なお話もよく議論しなければならないと思います。
○知事の福島県訪問
(質)またさらに別件なんですが、福島を訪問されてましたけれども、訪問された印象と今後どのように知事会としてやっていかれるかという方針を伺えますか。
(答)やっぱり福島の今というのが、特にこういう東海地域や西日本などにおいてあんまり伝わってないな、そういうふうに思いました。そういうのをこうしっかり伝えていく努力をしていかなければならないと思いましたし、それから福島県が先進的に取り組んでいるような強みのあるような取り組みもたくさんありましたので、そういう部分と連携していくことで、お互いがウィンウィンになれるような交流もしていきたいというふうに思いました。具体的にいうと1点目の福島の今ということについては、例えば避難区域は県全体の面積の2.7パーセントしかないけども、何か福島全体が危険かのように思っていらっしゃる方もきっとたくさんいらっしゃるんではないか。放射線の空間線量においても、南相馬でも0.08マイクロシーベルト パー アワーですので、それって例えばシンガポールとかソウルとか、そういうとこらと全然代わりませんので、そういうようなこととか、食の安全安心などにおいても、米は全量全袋検査してるんですよね、抽出検査じゃなくて。全部の米の袋を検査してるので、それで基準値超過件数が0件というような状況とか、そういうようなことも含めて福島の皆さんが努力されていることとかが、まだまだあんまり伝わってないなと。加えて伝わってないことの1つは、やっぱり福島第一原発などにおいても、フェイシングと言って、アスファルトをばあっとかけたりすることで線量が一気に下がったんで、ほとんど1号機から4号機の近くに行く以外は、作業着というか普通の服で行ける状況なんですけども、そういうのも伝わってないし、一方で30年から40年かかるという廃炉の中で、決まってないこともたくさんあるんですよね。汚染水のタンクがぶわーって並んでるんですよ、敷地内に。そのタンクはある処理をして、もう今はそこに放射線的な物質は入ってなくて、まあトリチウムなんかはちょっと入ってるんですけど、そういうのをじゃあどういうふうに処理するかという方法、決まってなかったりとか、これから長くかかるそういうことについて私たちも関心を持っていかなければならないというようなことなど、やっぱり伝わってないことがたくさんあるなと思いました。これからとしては、全国知事会の委員長ということもさることながら、まず三重県知事としてできるなと思ったのは、1つはGAPの宣言を福島もしてますので、県立農業高校のGAP目指しているもの同士で、両県で連携して切磋琢磨(せっさたくま)するとか、あるいはこういうさなかでも福島県は、全国新酒鑑評会で5年連続日本一、金賞受賞数日本一なので、三重県も今、日本酒盛り上がってますから、そういうので切磋琢磨するとかですね、そういうようなこともあるのかなというふうに思いました。今、両県で詰めてます。いずれにしても僕は、そういう三重県知事としての立場と、全国知事会の委員長、また東日本復興支援本部の副本部長でもありますので、福島の今をしっかり伝えるのと、今の原発廃炉のようなすごい長い時間がかかるようなところに、国挙げてやれるようなことを国としっかり対峙(たいじ)していくというか、国にしっかり申し上げていくということが大事なんじゃないかと思います。行ってみるともう全然違いますね。特に原発の中、入った印象とかも含めて、ぜひ皆さんも一度行っていただけるとありがたいと思います。
○「笑顔でつなぐ えひめ国体」の競技結果
(質)国体が終わりまして、やはり今年も目標の10位台というのが達成できなかったんですけれども、今年の成績などについて受け止めをお願いいたします。
(答)ニュースウィズでも言うけどいいんですか。
(質)大丈夫です。
(答)今年も10位台という目標を掲げていたわけですが、その目標に到達できなかったっていうのは大変残念でありますけれども、選手の皆さんはそれぞれに熱戦を繰り広げていただいたので、その頑張っていただいたということについては敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。今回の結果分析をやって、専門委員会で有識者の皆さんの意見を聞いて、来年度に向けて対策を取るのと、天皇杯獲得、平成33年、2021年のとこわか国体で天皇杯取れるようにロードマップ、そういうのを議論していきたいと思います。今回特に印象に残ったことをいくつか述べれば、ソフトテニス成年男子・少年女子共に準優勝で、2年連続で競技別総合優勝をやったと、これは三重県内ではこの10年間で連覇した競技はありませんので、そういう意味ではお家芸として定着してきたということ、それからレスリングは先の世界選手権で金メダルを取った高橋侑希選手が直前で故障で棄権となったわけですが、その補欠で出た山北渓人選手も2位になるというようなことで、層の厚さというんですか、レスリング王国・三重の層の厚さというのを見せつけることができたんじゃないかなというふうに思います。それから、今まで海に近い環境だったんですけど、三重県がですね、成果が出てこなかったセーリング、これで今回出場した7人のうち6人が入賞するっていう新しい芽が出てきたということについても良かったんじゃないかなというふうに思います。一方で、サッカーとかテニスとかそういうところの団体競技で思った以上の成果が出なかったことは残念だなというふうに思いますけどね。
○第48回衆議院議員総選挙
(質)衆議院の選挙が今真っ盛りでして、かなり、特に三重県1区と2区は、自民党の候補と無所属の候補の一騎打ということで、注目もされていると思うんですが、どのように見ていらっしゃるか。知事がまた特定の候補の応援に入られることは引き続き無いでしょうか。
(答)昨日衆議院選挙が公示ということになりましたので、昨日も少し申し上げましたけれども、新しい選挙区、それから新たな政党、あるいは政党が変わった、あるいは無所属になった方もたくさんお見えですので、しっかりとした政策の主張を各候補者の方々が積極的に有権者の皆さんに届くように行っていただくことを期待したいと思います。それから急な選挙でありましたけれども、選挙管理委員会、県にもありますので、事務のミスが無いように、また厳正に選挙が執行されるようにというようなことで選挙管理委員会にはそういう部分もしっかり期待をしたいというふうに思います。どういうふうに見ているかというのは、これからということなんでしょうけども、ご質問あった僕が特定の候補の応援に入るかなどについては、これまで同様、今回もなのか、今回はなのか、分かりませんが、衆議院選挙について言えば今回もですけども、そういう応援などはしないということです。
(質)自民党候補のお一人、川崎さんなんですけれども、36歳の知事を我々は誕生させて三重県外からうらやましいと言われると、サミットは鈴木知事が誕生しなければできなかったと、若い知事を支えているのは誰か、私だと言いたい、というような形で鈴木知事が素晴らしいということを言ったうえで、かなりそれは私の成果であるというようなことで言っておられる候補もいらっしゃいますがこのあたりはいかがでしょうか。
(答)何かだいぶコメントしにくい質問ですけど、そういう川崎先生をはじめ多くの皆さんのご指導をいただいて県政やらせていただいておりますから、そういう意味ではそういうご評価をいただくということは大変嬉しいと思いますし、逆に身の引き締まる思いでありますけども、それについてどうかっていうのはなかなか申し上げにくいですけど、川崎先生はじめ多くの皆さんにご指導いただいているということだと思います。
(質)第二さんどうぞ。
○知事のベトナム・タイ訪問(発表)
(質)ちょっと戻りまして、ベトナムとタイ訪問についてなんですけれども、その中で四日市港セミナー、こちらの開催される経緯、どういう経緯で開催されることになったかをお願いいたします。
(答)四日市港はアセアン、ベトナムも含めての航路が一つの強みになっています。利用していただいている方々も、その航路を利用していただいてる方々たくさんいます。ですので、さらに利用を増やしていただくことが航路の維持に繋がると、あるいは航路の増便に繋がるということですので、こっちの三重県内それからベトナムの企業の皆さんに四日市港の存在を知っていただいて、利用を増やすということがさらに四日市港の利用を増やす正のスパイラルに入っていくと思いますので、そういうPRをしたいと。それだけニーズが高い場所であるにもかかわらず、四日市港のPRを今までベトナムでこの四日市港セミナーやったことなかったので、ぜひ今回やろうじゃないかとそういうことです。来年から四日市港も外国船クルーズが来ますし、そういう意味でも観光という側面においても物流だけじゃなくて四日市港の存在を知っていいただくということが様々な面での集客・交流に繋がるんじゃないかと思っています。
(質)ベトナム以外でこういう港をPRするセミナーとかっていうのは他に開いたことはあるんでしょうか。
(答)だいたい毎年四日市港利用促進協議会の皆さんがどっかでやっていただいていますけども、私が参加してっていうのは、このベトナムとタイとマレーシアでそれぞれやっています。
(質)タイとマレーシアは以前にやられているということですか。
(答)以前にやってます。
(質)今、四日市港にベトナムからの船っていうのはどれぐらいっていうのは分かりますでしょうか。
(答)どれくらいか分かる人いますか。
(答:雇用経済部)現在5便就航しているということです、週5便。確認しますが、5便就航ということでいいと思います。
(質)向こうに訪問してプレゼンテーションをなさるということなんですけれども、具体的にどういうことをPRしたいかみたいなことをお願いできますでしょうか。
(答)まずは背後地に自動車それから電気・電子、石油化学を中心とした日本有数のものづくりの企業が集積しているということ、それから一方で名古屋とか大阪も含めて大消費地とも近傍にあるこというようなことで非常にポテンシャルのある港であるということ、加えてクレーンの増設やあるいは様々な補助制度などでスピーディーに港の積み降ろしなどもできるようになっていますので、それは物流コストを下げることに直結するんですね。要はガントリークレーンとかがすごい混んでるような港は長い日数停泊しないといけないので、そうすると港の停泊料とか様々な人件費とかも含めたお金がかかるわけですけども、それがすぐに積み降ろしできるということは、そこのコスト縮減できますので、そういう意味では物流コストの削減に繋がる、そういうような港でもあるというそういうようなこともしっかりPRしたいと思います。そして、その背後地には今言った産業だけじゃなくて、北勢地域のそれこそ長島リゾートや御在所岳、あるいは鈴鹿サーキットそういうようなところに加えて、伊勢神宮とかそういう素晴らしい観光スポットもたくさんあると、そういう場所であるということをPRしたいと思います。
○みえ農業版MBA養成塾の開設及び塾生募集(発表)
(質)三重版農業のMBAの件でオリンピックを見据えて、県内でのGAP認証を受けている経営者っていうのを増やしたいっていうのも一応意図としては入っているんでしょうか。
(答)こういう先進的な農業経営者が、さっきも少し特徴で説明しましたように、GAPとかHACCPなどの認証に積極的に取り組むことで、その輪が広がっていくということは当然期待をしておるところであります。それが明確に東京オリンピック・パラリンピックに間に合うかどうかは、彼らの起業して作った製品が認証を受けてっていうのは分かりませんけれども、その後の競争力も含めてGAPとかそういうものを積極的に取り組む、リードする存在になってほしいという思いはあります。
了