知事定例会見録
平 成29年1月27日
於:プレゼンテーションルーム
発表項目等
・三重県とパラオ共和国の友好提携20周年記念事業(発表)
・石垣副知事の退任(報告)
質疑項目
・発表項目等に関する質疑
・アメリカのTPP離脱による県内への影響
・平成29年度当初予算の編成
・平成28年度包括外部監査の結果
・平成29年度人事異動
・働き方改革・生産性向上推進懇談会(WLB推進タスクフォース)の提言
発表項目
(知事)今日は発表事項1つと、その後1つ報告をさせていただきたいと思います。まず1つは、三重県とパラオ共和国友好提携20周年記念事業についてです。三重県とパラオ共和国の友好提携20周年記念事業としまして、2月17日から21日まで、石垣英一副知事を団長とする訪問団を現地に派遣しますので、その概要について発表します。今回のパラオ訪問の目的は大きく2つあります。1つ目は、自然環境保護についての連携強化、それから2点目は、三重県の魅力のPRとさらなる友好関係の発展であります。まず2月18日は現地日本大使館の山田俊之大使を表敬訪問し、今後の三重県とパラオの関係発展に向けた意見交換を行います。次に、鳥羽水族館とパラオ国際サンゴ礁センターが海洋生物の研究などについての連携協定を現地で締結しますので、その締結式に石垣副知事が立ち会います。鳥羽水族館は国内で唯一ジュゴンを飼育している水族館であり、パラオ国際サンゴ礁センターはジュゴンの保護が求められているパラオでサンゴ礁や海洋生物の研究を行っている機関であります。このような連携はジュゴンをはじめとする海洋生物の研究や保護活動を進める上で、非常に有意義なものになると考えています。19日は「三重県・パラオ共和国交流ウォーカソン」と称したクリーンアップ活動のイベントを開催します。訪問団とパラオの皆さん合わせて約200人が参加して、ごみ拾いをしながら交流することにしています。次に、現地で日本大使館が毎年開催している「日本フェア」に参加し、パラオの皆さんに三重県のPRを行います。このイベントに県として参加するのは今回が初めてで、三重県の文化や観光、自然などの紹介のほか、姉妹提携している三重県立水産高校とパラオ高校の交流についても紹介します。この機会に、一人でも多くのパラオの皆さんに、三重県について関心を持ってもらいたいと思っています。20日はパラオ政府を訪問し、国際環境技術移転センター(ICETT)による技術支援や環境保全での連携、三重県とパラオの高校生同士の交流など、今後の連携・交流について意見交換を行います。できれば、レメンゲサウ大統領と直接お会いしたいと思っており、現在調整中であります。三重県とパラオ共和国は、美しい海や豊かな自然に恵まれているという共通点があり、また戦前から御木本幸吉がパラオで真珠養殖の実験を行うなど、密接な関係があることから、平成8年7月25日に友好提携を締結しました。当時、締結式にご来県いただいたのがクニオ・ナカムラ元大統領ですが、この方の実父である中村善七さんは伊勢市出身であり、大正7年に船大工としてパラオに渡航されるなど、古くから三重県とパラオは深い縁があります。また、昨年7月にレメンゲサウ大統領が来日した際には、私がお会いして両者の友好関係を深めることを確認しました。今回のパラオ訪問は、それを具体化したものであり、訪問日程は水産高校の航海実習船「しろちどり」がパラオに寄港するタイミングに合わせたものであります。今回の訪問を契機に、パラオ政府をはじめパラオの皆さんとの友好を一層深めるとともに、これまでの両者の歴史を振り返りながらしっかりと意見交換を行い、今後のさらなる連携・交流の発展に繋げていきたいと思います。
それからもう1点、これは発表事項ではありませんけれども、報告をしたいと思います。この度、石垣副知事から、今年度末をもって退任したいと申し出があり、この申し入れを受け入れる判断をしましたので、報告いたします。私としましては大変残念でありますけれども、ご本人が様々なことを本当に深く考慮した上で決断されたことであり、これを重く受け止め、私自身、今まで石垣副知事の支えに対して何ひとつ恩返しすることができていませんでしたので、この申し出を受け入れることが最初の恩返しになればと思い、受け入れることといたしました。経緯を少し申し上げます。昨年10月頃、石垣副知事から退任について相談がありました。最初に聞いた時、来るべき時が来たかとの思いが頭をよぎりました。慰留に努めてまいりましたがご本人の意志は固く、今年に入り改めて話し合い、最終的な結論に至りました。石垣副知事の業績を挙げればきりがありませんが、平成24年4月の就任以来、広い人脈と豊富な経験を生かし、正しく八面六臂(ろっぴ)の活躍をしていただきました。ほんの一部でありますが振り返ってみますと、いわゆる三重県政の積年の課題でありました木曽岬干拓地、大仏山公園の活用、RDF訴訟問題などに解決の道筋を付けてくれました。港湾改修工事への対応では、県民の皆様への説明責任の観点から厳しい対応を取らなければならない中、涙を流しながら先頭に立って対応に当たってくれました。三重テラスやMieMuのオープンという新たな挑戦にも多くの皆さんを巻き込んで、明るくそして懸命に取り組んでくれました。老体にムチ打ってではありませんが、何度も何度も私の代理でハードな海外出張や週末のイベントに出席し、その場の人たちを魅了してくれました。また私が年齢も若く、至らぬ点も多かった中、議会や市町や団体等の皆さんとの間に入り、円滑な県政運営のために汗をかいてくれました。そして何といっても伊勢志摩サミットです。陰に日向に全力疾走をしていただき、産業界との太いパイプを生かしながら、多くの関係者の皆様のご協力を得て、無事故かつ大成功に終えるために多大な尽力をしてくれました。伊勢志摩サミットが無事終了して以降、その安堵(あんど)感もあったと思いますが、石垣副知事は組織の活性化のために後進に道を譲るタイミングや自身の健康面など、様々な観点から熟慮を重ね、今回の申し出に至ったと聞いております。任期の途中ではないかとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、確かに2期目の途中ということではありますけれども、通算すれば副知事として5年、四日市港副管理者や産業支援センター理事長という職責も考えると、退職後10年間、県政を支えていただいており、その期間を考えますと、このタイミングを単なる任期の途中という言葉で表現するのはふさわしくないと思います。イギリスの名政治家チャーチル首相は、こう言っています。「悲観主義者はいかなるチャンスに恵まれても困難を見つけ、楽観主義者はいかなる困難であってもチャンスを見つける」という言葉を残しています。石垣副知事は、正にその言葉を具現化している人でした。石垣副知事は副知事就任初日、一人で私の部屋に入ってきて、最初に発した言葉は「知事を絶対一人にしませんからな」。その言葉どおり、石垣副知事は至らぬ私をしっかり支えてくれました。そしてその姿勢は、県民の皆様や県職員、誰に対してもまったく変わりませんでした。そのような石垣副知事の姿勢に多くの人々が魅了され、結果、石垣副知事は日本一愛される副知事であったと思います。改めてこれまでの石垣副知事のご尽力に深く感謝申し上げたいと思います。後任につきましては、平成29年度の県の幹部人事を検討していく中で検討してまいりたいと考えています。
発表項目等に関する質疑
○三重県とパラオ共和国の友好提携20周年記念事業(発表)
(質)パラオですけど、石垣さんの卒業旅行ですかって聞くつもりだったら本当になってしまったんですけど、石垣さんがパラオへ行かれるのは初めてですか。
(答)石垣さんパラオ行くの初めて?
(答:雇用経済部)はい。
(答)初めてです。
(質)そういう卒業旅行的な意味合いもあるんですか。
(答)全然無いです。これは退任のこと決定する前からパラオとの交流は決まってまして、それで僕が様々な日程から行けないということなので、石垣副知事に行ってもらうということで、たまたま発表が一緒になりましたけど退任が決まる前からこれ行っていただくことになってましたので。
○石垣副知事の退任(報告)
(質)石垣さんですけど3月末をもって退職、つまりだから選任同意案は3月議会に。
(答)になると思いますね。最後のほうに。
(質)まず後任は幹部人事を検討する中でということですけど、副知事2人体制というのは維持されるんですか。
(答)2人体制というのは維持します。
(質)3人になることもなく、1人になることもなく。
(答)はい。
(質)で、誰なんですか。
(答)これから検討します。
(質)お辞めになられる理由は、いろいろ縷々(るる)おっしゃいましたけど端的に言うと何と何で。
(答)もしあれであれば、ご本人から聞いていただくのが良いですけど、私が聞きましたのは1つは後進に道を譲っていって、その組織の新陳代謝を図っていきたいというような思いが強いということと、それからこれまでいろいろさっきも言いましたように県政退職されてから10年間にわたってずっと頑張っていただいて少し健康面でも影響が出てきたということと、あとはサミットを終えた安心感と菓子博なども一定の目途も付いてきた、そういう達成感的なものもあると、そのようなことが主な理由だと思います。
(質)石垣さんの後任ですけど基本的には外から例えば出向者を連れてくるとか、その中から選ばれるという方向でしょうか。
(答)様々な選択肢を排除せず検討したいと思います。
(質)10月の時点で申し入れというかその言葉があったと、それは文書じゃなくて直接?
(答)直接知事室でお話、知事室に入ってこられてお話を受けたということです。
(質)その時が一番初めてだということですか。
(答)はい。その冗談でいろんな所で言ったりするのはあったかもしれませんけど、僕に対して正式に退任の申し入れということでは、その10月にご本人が僕の部屋に来られてご説明されたということですね。
(質)その時にいつ付けでとか、年度末でとか、年末でとか、その時期とかはおっしゃいましたか。
(答)最初に年度末とおっしゃったかどうか、年度末ということだったと思いますけどね。僕は最初慰留してましたんで、あんまりそういうこの退任していただくという前提でなかったので、正確な時期があったかどうかというのはあれですけど、年度末とおっしゃったというふうに思います。
(質)知事が2期目を迎えて続投される時に、石垣さんも続投しましたよね。その時にはもう既に辞意を漏らされていたということはあったんですか。
(答)僕は正式には聞いてません。僕はサミットもあるのでということで続投願いたいという話をした時には、分かりましたということをおっしゃっていただきましたので、あのいろんな冗談とかでおっしゃることはあったりしたとは思いますけど、僕は正式にはそういうことは聞いてないです。
(質)だから辞意を漏らしたのを慰留したというわけではなかったんですか。
(答)2期目の続投の時ですか。
(質)はい。
(答)それは無いです。少なくとも僕はですね。分かんないですよ、他に誰か例えば渡辺副知事とか植田副知事、当時の、には相談してたかもしれませんけど、僕は少なくとも2期目続投の時に辞めたいというのを聞いたことは無いです。
(質)後任人事ですけど、いろんな選択肢を排除しないということですけど、現実問題で考えた場合、この時期から国の省庁なりから迎えることは全然難しくはないんですか。
(答)どうですかね。人事に関わることですし、選任同意案件を出さないといけないことですから、あまり予断を与えるのも良くないと思いますので、あらゆる選択肢を排除しないと、そういうことです。
(質)両にらみということでもないんですか。
(答)あらゆる選択肢を排除しないということですね。
(質)働きかけているということでもないんですね。
(答)あらゆる選択肢を排除しないということですね。
(質)限られますよね。
(答)あらゆる選択肢を排除しないということですね。
その他の項目に関する質疑
○アメリカのTPP離脱による県内への影響
(質)それ以外で幹事社からですが、またトランプさんですけどTPP離脱を署名されて、安倍さんも昨日全くできないことはないと言ってましたけど、日米FTAこれがかなり2国間交渉が現実味を帯びている中で、これが実際になった場合、県内への影響というのは今知事はどんなふうに考えているんですか。
(答)どういう分野でどういうふうになされるかにもよりますけど、今アメリカで掛かっている日本の自動車部品に対する関税とか、トラックに関する関税とかそういうものが、日本にアメリカの車を入れる時には関税が無いので、そこはイコールフッティングするのであれば、それはプラスとしていいことだと思いますけれども、それ以外に農業のこととか分かりませんけど知的財産とか医療制度とか、そういうのがどうなるのかにもよりますので、全体としてはちょっと影響は計りかねますが、極めて大きい話でありますのでよく注視する必要があると思っています。いずれにしても今日も何か速報でさっきトランプさんが2国間のやつを日本に求めるというような報道もありましたけど、もしそれが事実だとするならば政府としては国益を懸けてしっかりとした交渉をやってほしいと思いますね。日米が経済的にも緊密に連携するということについては非常に評価できることだとは思いますけども、このTPPができないということになった時においてはですね。
(質)三重県の施策への影響、方針の修正なり転換なりみたいなことにはなってきそうですか。
(答)どうですかね、分かんないですけど農業のようなことで仮にその強い姿勢で何か市場開放というか、別に開放していると思うんですけども、何か関税のこととかで求められるようなことがあったとすれば、それはなかなか影響があるかもしれないんで、その時には国なのか県なのか対応を取る必要はあるでしょうね。今回TPP締結に当たっても主要5品目については聖域を守るということで自民党はやってきたわけですから、そういうところに手の付くような2国間FTAだったら、それは何らか政策対応が必要になってくるでしょうね。
(質)現時点でお考えは無い?
(答)全然品目とか何にも出てきてないんでちょっと分かんないですね。論理的可能性ということでは、そういう分野において何か手付いてくるようであれば、政策対応はあり得るということだと思いますね。
(質)予算案の発表の時にもいずれ伺いますけど、今のところ予算案に反映させるというのはまだ不透明?
(答)そうですね。日米FTAをにらんで、何か今回の29年度予算において盛り込むということではないと思いますね。
○平成29年度当初予算の編成
(質)その予算ですけど、大体知事査定も終わって難しい交渉も残ってますけど、大体もうその新年度予算案の規模的なものはもう描いていらっしゃるというか、固まっていらっしゃるんですか。
(答)各事業の査定やいろんな調整とか現在行っているところでありますけども、最終ぎりぎりまで調整かかると思いますね。今いろんな調整を随時報告を受けながらやっているところですけど、まだ全然固まったというところではないです。
(質)28年度の当初予算の一般会計の予算の規模と比べるとどうですか。額は難しいかもしれませんけど、多寡で言うと。
(答)多いか少ないかで言ったら少ないということではあると思います。それがどれぐらいかというのは最終調整しないといけませんけども、多いか少ないかでいけば、少なくなることが見込まれると思います。これは歳入にしても歳出にしても同じだと思います。
(質)県政史上最少規模とか、そういうわけではないですか。
(答)予算のことは予算の時に、最終調整まだやってるとこですので。
○平成28年度包括外部監査の結果
(質)先ほど包括外部監査の結果の報告がありましたけど、これまたつらつら見ましたけど、これ読んだ人の多くは多分結構ずさんな管理がなされてるんだなと思う人は多分多い、一定の数いると思うんですが、先ほど知事もおっしゃっておられましたけど、改めてちょっと受け止めと今後の方針についてちょっと教えていただけますか。
(答)県民の皆さんの税金で運用されている公の施設でありますので、直接であろうが指定管理であろうがしっかりとした情報公開、適切な管理というのが必要な中にあって、去年の包括外部監査の指摘や意見の数よりは少ないものの、指摘で70件、意見で70件も出されているということは、これは大変残念ですので指摘に基づいた改善をしっかりやっていかなければならないなというふうに思っております。とりわけ契約行為とか、あるいは情報公開とか、あと事務処理とかその極めて初歩的なものも散見されますので、そういうのは何か職員のモラル、仕組み、そういうものをしっかり持って改善していかなければならないなというふうに思いますけどね。一部にはそういう僕も見た中では、決裁終わっているのに1年間もその決裁を行われた行為がなされてないというようなずさんな事例もありましたけれども、しっかり改善をしていくということだと思います。
○平成29年度当初予算の編成
(質)知事査定が終わりましたけれども、何度も再三にわたって厳しい財政という言葉が登場したと思うんですけど、そういった認識って出席していた人とか各部局に本当に浸透しているかとかって、どういうふうに思いました?
(答)それは例年の査定と比べてもその厳しさに対する認識というのはあったと思いますし、これは査定の瞬間だけじゃなくて、その前からもずっと財政健全化のために集中取組をずっと議論している中で各部局ともやってきましたので、例年と比べて僕今回予算編成するの6回目ですか、になりますけども非常に厳しい認識は持ってくれてたと思います。なので要求段階からしっかり精査をしながら要求してきた場面もあったと思いますけど。とはいえ、やりたいあるいはやらなければならないと思っている事業もあったので、その狭間の中でのいろんな交渉だったかなというふうに、交渉とか説明だったり協議だったかなと思いますね。
(質)表情が、査定の時の表情が例年に比べてさらにこう厳しくなってでしたけど、それはどういう意図があったんですか。
(答)やっぱり本当に厳しいということと、これまでもずっと説明してまいりましたように公債費のピークが平成34年というようなことの中で、その厳しさが今年乗り切れば何とかなるというものでもありませんから、そういう意味でここでしっかり先鞭(せんべん)をつけていかないと道筋をつけていかないと、今後の厳しさが急に緩和されるわけではありませんので、そういう思いもこもってたということと、あとはやっぱりサミットの後、あるいは今年菓子博があってスポーツの元年ということもあって、やっぱりやりたいこと、やるべきこともたくさんある中だったので、そういうのを精査するということにおいては、やっぱり本当だったらこういうのもやりたいのになみたいなのが、僕もそうですし各部もそうだと思うので、そういうのはこう厳しい表情になったのかもしれませんね。
(質)たまに笑っている時もありましたけど。
(答)査定の時ですか。
(質)第二も含めてよろしくお願いします。
○石垣副知事の退任(報告)
(質)石垣副知事の件ですけど、野呂知事の時にも副知事候補として上がりながら、労組が石垣さんを副知事にすると知事以上に人気が出て、次の選挙の時にその対抗馬になるんじゃないかというのが労組関係で懸念されて、結局はならなくて産業支援センターの理事長に出られましたけど、その意味からいくと功績は大だと思いますが、ただ記者の端くれとして言うならば、あえて泣いて馬謖(ばしょく)を斬るという意味でこの時期の発表というのはなぜなんですか。
(答)先ほど申し上げましたとおり、後任については県幹部の人事と近いタイミングであるいはこの年度末に発表していくこと、議会にかけていくことになりますけれども、そのタイミングだと石垣副知事のこれまでの功績とか業績あるいは各県内の関係者の皆さんへの周知、あるいは石垣副知事がごあいさつ回ったりするということにおいても、そのタイミングだと少し遅いのではないかということで、このタイミングで発表させていただいたということですね。
(質)だから普通勘ぐればですよ、沖縄県副知事のような何かがあって、あえてここで言わざるを得ないというふうな状況かと勘ぐりたくもなるような異例の発表ですよね。歴代部局長人事が2月中旬に内示して、その後に固まった時に漏れ伝わることはあっても、実際問題には議会に代表者会議で示して、そこで初めて出る話じゃないですか。それをあえて一人の副知事の人事というのを、ましてこの定例記者会見で発表されるというのは歴代ではない話ですよね。その辺に、ある意味緊急性と異様性を感じるんですけど、それは私の歪んだ性格ですか。
(答)そうですねというとその性格を言っているのではなくて、異例であるというのはそのとおりだと思います。特段何か緊急性みたいなのはありませんけれども、今申し上げたとおりこれまでご尽力いただいたので、その筋を通していろんなごあいさつに回ってもらったり、あるいは関係者の皆さんに知っていただく一定の期間が必要なのではないかというようなことで、このタイミングというふうになりましたので、そういうこう極めて異例であるのは間違いありませんけれども、何か、もちろんこれから議会において手続きをしていかないといけませんから実際に最終的にどうなるか分かりませんけれども、この段階で申し入れを受け入れるという判断を申し上げたということですね。
(質)内々に副知事が辞められるというのを受け入れたというのは、議会の少なくとも代表者クラスにはもう内々には伝えてあるんですか。
(答)はい。こういう定例記者会見の場で異例であるけれども発表させていただくということについては、ご報告はさせていただいています。各派代表とか正副議長とかですね。
(質)反対論を言う代表者はいなかったんですか。
(答)と私は聞いています。
○平成29年度人事異動
(質)絡めて今年の人事というのはどんな人事を組みたいですか。
(答)今年の人事ですか。この4月のですね。
(質)はい。
(答)サミットも終わり、あといろんなこの、あと移住とかスポーツとか力を入れていかないといけない分野にも様々適材適所で配置したいと思いますし、若いメンバーとか女性の活躍とか、そういう視点も取り入れていかなければならないというように思ってますけどね。今までの人事異動の方針と何かこう大きく変えるというようなことは、一定の組織改正もやりますので、それに合わせた人事にしていきたいと思いますけどね。
(質)ということは基本的に年頭職員訓示でスポーツイヤー元年とおっしゃって、国体の準備とかもあるし、東京五輪・パラもあるし、そこの所にある程度県庁内でも能力のありそうな職員というのを傾斜配分してくというそういう感じでもあるんですか。
(答)そこだけじゃなくて、あとは私人口減少の話とかも申し上げましたので、適材適所ということでしょうね。だからスポーツだけに何かいろんな人が配置されるということではなくて、全体的にしっかり組織が回るように、県政の課題は多岐にわたりますのでしっかり適材適所でやっていくということだと思いますね。
(質)予算の時はあったかどうか忘れましたけど、今日は無理だと思うんで人事発表される時に何か標語をお願いします。
(答)標語ね。
(質)スローガンを。
(答)29年度人事の「これです」みたいな。はい、分かりました。覚えといてな。
○働き方改革・生産性向上推進懇談会(WLB推進タスクフォース)の提言
(質)人事絡むだろうけど、働き方改革のタスクフォースがあったじゃないですか。あれタスクフォースって名前付けるほどおこがましいけど、なぜなら予算がついてないからね。だけど、あそこで指摘にあった4、50代の人たちのボリューム、それがゾーンになってて、結局20代、30代の職員っていうのは今後やっていく時に非常に苦労するんじゃないかと、そこの指摘があったじゃないですか。知事も、それと四日市の森市長なんかもそうなんですけど、20代、30代の人たちがこれから10年先、20年先、生きてくっていう時にその人たちの意見等を取り入れた政策をしなければそういう市政とか県政とかのためにならないよねっていう考え方が40代前後の首長に多いじゃないですか。これを強調しすぎると、世代間闘争をちょっと煽(あお)る結果になって、大阪都構想の時の住民投票のように橋下さんが敗北しましたけど、そういうこともあり得るじゃないですか。その辺知事はどうお考えなんですか。
(答)それはもう今貴方がおっしゃったように、何かある世代にのみ特化したり偏ったりするっていうような政策はそれはもうあってはならないと思いますので、そういう世代間闘争みたいなのを誘発するようなことはやっぱりあってはならないですよね。今のは働き方改革のタスクフォースの話でありますけれども、組織もいろんな世代の人たちのバランスの中で運営されてますから、それはもうどこかに偏りがあるというようなことはあってはならないと思いますね。
(質)ただ、多くの若手首長の頭の中にあるのは、要は実際に社会の第一線から引退されて、年金生活含めての資産生活されてるそういう方たちっていうのは、新たな税収っていうのを生みにくいんで、逆にそこへ医療費含めてかなり財収を使わなきゃいけないと、それだったらもう若い世代にある程度振り分けてっていう考えに陥りがちじゃないですか。知事が今年の予算とかを組まれる時も、やっぱりそういう視点っていうのはあるんですか。
(答)若い世代にっていうことですか。
(質)はい。
(答)もちろんこれまでの取組の中での少子化対策とか、あるいは子どもの貧困とか里親や特別養子縁組みたいなそういうところに力を置いているっていうのはもちろんありますけれども、一方で認知症への対策であるとか、介護の部分であるとか、そういう部分も力を入れた予算になっていますので、今限られた財源の中でですね。なので、どこかに偏るっていうようなことではないですけどね。さっきの認知症なんかはこれまでとちょっと違う基軸で出していったりしますし、だからいろんな世代バランスも見ながらの予算にしていきたいとは思っていますけどね。ことさらに何かこう若い世代のところだけ強調するというようなことではないと思いますね。
(質)総花的にやると選挙落ちるじゃないですか。
(答)いや、でもあらゆる世代の人たちに、県民の皆さんの税金でいただいてるわけですから、やっぱりそれはバランスっていうのは当然大事だと思いますね。
○平成29年度当初予算の編成
(質)知事査定を終えて感想みたいなものはいかがですか。
(答)先ほどと若干重複しますけども、やはり財源が限られていますので、もっとこういうチャレンジしてみたいなとかいうような、あるいはもうちょっとこういうところもいきたいなというような部分もありましたけども、限られた財源の中ですけども、予算の時に細かくは具体的なの言いますけども、例えば横断歩道の白線のこととか、あるいは河川の堆積土砂とか要望の高い重要なものについてはしっかり確保していくというような形に査定の中でもしていこうと思っていましたし、最終これから調整しないといけないですけど、そうなるようにしたいと思いますけどね。なので、やりたいなと思うものもあったけど、限られた財源の中でメリハリ付けてしっかりやるような努力をしてきた、ということですね。
(質)その関連の中で、労組交渉を今やられてるじゃないですか、職労との。一応今月中まで先延ばしするっていう結論で、これ決まらないとはっきりとは歳入の数字書き込めないですよね。
(答)そうですね。
(質)クラブ配付の予算書、2月7日でしたっけ。それと8日がレクですけど、その辺のところっていうのを間に合うんですか。
(答)今、人件費を含む財政調整について申し入れをして交渉している段階ですので、予断を与えるようなことはあってはいけませんから、具体的に申し上げることは控えたいと思いますが、一方で、とにかく我々としては丁寧に説明をしながら真摯に組合の皆さんがおっしゃっていることにもしっかり耳を傾けながらやっていくということだと思いますけどね。
(質)耳傾けるって予断与えてほしいからあえて聞きますけど、例えば伊勢志摩サミットとかみえ国体やらなかったら、我々の職員給与減らす必要なかったじゃないかっていうふうな、そういう反論もあったみたいですけど、県職員の個人の立場はそうだけど、県政を支える職員の立場として、果たしてそれがいかがかというふうな、と納税者として思うわけですよ。その辺は何かないですか、コメントは。
(答)予断を与えるための質問なんで、それは予断を与えるような答えはしませんけども、我々としてはそういう申し入れを丁寧に誠実に対応していくと、それに尽きるということですね。
○平成28年度包括外部監査の結果
(質)外部監査はざっと見る限り非常に初歩的な基本的な、例えば在庫管理してなかったとか契約してなかったとか、知事も自らおっしゃった博物館の関係の運営協議会か何かの報告が公開されないまま1年間来てると。そういう初歩的なものが非常に多いじゃないですか。逆に言ったら働き方改革も一方でやりながら、どっちかっていうと一方で民間のモデルにならなければいけないような行政組織が非常に初歩的な、小企業の経営者でも笑うようなそういうふうなことをやってるということについて、さっきそれについて感想を述べられましたけど、具体的にどうすればそこが変わると思われますか。
(答)個々の施設の状況によっても変わってくるとは思いますけれども、ベースとしてはしっかりモラルを高く持ってもらうということと、あとはああいう初歩的なことまでチェック態勢が必要なのかとも若干思わなくはないですけれども、一定の期間で定期的にいろんなことを見直していく仕組みとかそういう体制というのは必要だとは思いますけど、貴方がおっしゃったように極めて初歩的なやつが多かったので極めて残念ですね。
(質)例えば昨年鈴鹿庁舎で、来庁者アンケートを取ってて、そのアンケートの知事名が野呂昭彦さんのままだったっていうのがありましたけど、そういうことを含めて逆に言ったら知事が優しすぎて、組織全体がタガが緩んでるっていう感じはないですか。
(答)どうですかね。もしそうだとするならば、僕ももうちょっとしっかり引き締めないといけないですけどね。そういうことが原因っていうことまでの認識は僕はないですから、もしそうだとするならばそれはやっぱりしっかりやらないといけないですね。僕はあんまり優しいとは思わないですけど、優しいとするならばそれが原因でそうなってるとするならば引き締めないといけないですね。信賞必罰じゃないですけど厳しく対応するところは厳しく対応するとかという、けじめとかメリハリというのは当然マネジメントする人間としては重要ですね。
(質)1期目の時に外部の方、財界人中心に要は外へ飛び出すぎてて内政がおろそかになってると、県庁にもう少し腰を落ち着けろっていう話があったじゃないですか。2期目に入られてある程度セーブはされてますけど、その辺の効果がまだ出てないって感じはないですか。
(答)どうですかね。それとこの今回の包括外部監査の初歩的ミスと関係あるかどうか分かりませんけれども、もし僕のそういう、顔が見えにくいということがあるとするならば、それが原因とするならば僕も改善していかないといけないですね。
(質)この期の任期満了までおやりになるそうだから、ここはそういうふうに締めるんですよね。
(答)様々な可能性を見ながら対処を改善していかないといけないですね。
○石垣副知事の退任(報告)
(質)知事、聞き漏らしていたらすみませんが、石垣さんの件なんですけども、退任の申し入れを知事が最終的に受け入れたのはいつですか。
(答)今年です。今年、年明けになってから。
(質)年明けっていつ頃なんですか。
(答)年明け、あれ何日って言ったらいいんかな。年が明けて、1月上旬と言っていただいていいんじゃないですかね。か、前半。上旬でいいんじゃないですかね。
(質)要はこのタイミングでの発表は、沖縄の問題のようなことを受けたものではないということですよね。
(答)そういうことです。
(質)新教育長はどうするんですか。
(答)あらゆる選択肢を排除せず検討するということです。この教育長は重要ですからね。制度変わって、そしてインターハイも迎えますし、子どもたちの学力・体力なども含めて極めて重要なポジションですから、そういう適材適所やっていきたいと思いますけどね。
(質)続投もあり得る?
(答)あらゆる可能性を排除せず適材適所やっていくと。
(質)続投は否定しないということですか。
(答)あらゆる選択肢を排除しないと、人事ですからね。
(質)要望ですけど、石垣さんの略歴はちょっと後でいただけるとありがたいです。
(答)はい。
(質)この後またぶら下がりがあるんですね。
(答)はい。
了