「膝づめミーティング」知事挨拶概要
(はじめに)
本日は、お忙しいなか「膝づめミーティング」にご出席いただきましてありがとうございます。また、日・から県行政の推進にご理解とご協力をいただきまして厚くお礼を申し上げます。
膝づめミーティングは、知事に就任いたしました時に、地域の行政の担い手である市町村との連携が必要であるとの考えから、地域に出向いて市町村長の皆さんと直接対話することにより、これからの県政の進め方や市町村と県の協働の考え方、進め方についての意見を参考とさせていただくために開催しました。
今年で3回目を迎え、回を重ねるに従い、忌憚のない意見交換の場となってきていると思います。本日の膝づめミーティングを通じまして市町村長の皆さんのお話を伺い、また、私の思いをお伝えすることにより、お互いの理解を深める場となれば幸いです。
さらなる地域防災力の向上に努めていきたいと考えております。
(県政の政策課題について)
さて、ミーティングに当たって、この機会をお借りし、皆さまに是非お伝えしたいことがございます。
新しい時代の公の推進
まず、初めに新しい時代の公の推進についてです。
平成16年度にスタートした県の総合計画「県民しあわせプラン」において提唱しております「新しい時代の公」は、地方分権の進展、市町村合併など地域の姿も変わりつつある中で、県民、市町村、県など、地域の多様な主体が、各々の個性や特徴を生かして、地域のための自発的な活動を行うことにより、「地域主権の社会」を実現していこうというものです。県では、この「新しい時代の公」を推進するために必要な制度や環境の整備などを検討していきたいと考えています。
具体的には、「新しい時代の公」を展開するため、この4月に「新しい時代の公推進本部」を庁内に設置するとともに、県が実施する事業のうちモデルとなる69事業において、「新しい時代の公」の視点から実践しながら、必要な仕組み等を検証していきます。
文化力指針(仮称)の策定
また、「県民しあわせプラン」の基本理念にある「みえけん愛」を育む社会の形成を目指して、「みえの文化力指針(仮称)」を策定していきたいと考えています。
人口が減少し、社会が一段と成熟化するなど時代は大きな曲がり角にきており、今までの右肩上がりの中での産業、経済に着目した地域活性化の取組だけでは対処できない課題、状況が明らかになってきています。市町村長の皆さんは、日々、地域の再生に心を砕いてみえると思いますが、私は、人のもっている力、地域のもつ様々な資源、力を再発見、再構築していくことが大切であり、そのことが真の地域再生につながると考えています。
そのような考え方から、私は、「文化」を歴史文化や芸術文化に止まらず、「生活の質を高めるための人々のさまざまな活動及びその成果」として幅広く捉えた上で、文化のもつ多様な力(人間の持つ力、地域の持つ力、創造する力)を総合した「文化力」を高めていくことが、新たな地域社会を再生、創造する原動力になると考え、「みえの文化力指針(仮称)」として、今年度中に取りまとめたいと思っています。
分権型社会の実現
最後に分権型社会の実現についてであります。
県内では、新しいまちづくりと行財政基盤の強化に向けた市町村の皆さんの厳しい選択とご労苦により、市町村合併が進展し、県内の市町村数は現在47、本年度末には29になる予定となっております。
地方分権を担う県内市町村の体制基盤は着実に強化されてきていると思いますが、分権型社会の実現のためには、市町村がこれまで以上に自主性・自立性の高い行政運営を行うとともに、多様化する住民のニーズに迅速・的確に対応できるようにしていく必要があると考えております。
このため、県として権限移譲を進めております。これまで市町村の皆さんとともに今後の権限移譲のあり方を議論して参りましたが、今般「三重県権限移譲推進方針」をとりまとめました。今後は、この方針に基づき、市町村の主体的な取組が住民の利便性の向上につながるような包括的な権限移譲を進めていきたいと考えております。
また、これからの分権型社会を担う市町村をサポートしていく県の体制も重要です。ご存じのように県は4月から市町村の行財政支援業務を県民局から本庁に集約いたしました。複雑・専門化する市町村の行政課題に対して県が迅速・的確に対応するためには、本庁と県民局との二重行政の弊害を解消するとともに、地方分権と市町村合併の進展に対応したより総合的かつ専門的な県の支援体制を構築していくことが必要であると考えております。
(おわりに)
以上、色々なことを申し上げましたが、これからますます地域主権が進む中で県、市町村がパートナーとして住民のための行政を進めていかなければなりません。今後とも市町村の皆さん方のご理解、ご協力をお願い申し上げます。