「膝づめミーティング」知事挨拶概要
本日は、お忙しいなか「膝づめミーティング」にお集まりいただきありがとうございました。
今後、186万県民の負託を受けて県政を担わせていただく、その責任は極めて重大なものです。改めて身の引き締まる思いで一生懸命、取り組まさせていただきますので、よろしくお願いします。
(当面の課題)
はじめに、私の当面の取組課題とその取組の基本的な姿勢について少しお話させていただきます。
まず1つ目の課題として、私は、県民の"不安と不満"を"安全と安心"に変える『県民しあわせプラン』を公約といたしましたが、今後その具体化を図って行くこととしており、まもなく開催されます6月議会に、その基本方針をお示しさせていただきたいと考えています。
また、2つ目として、財政問題について、今、危機的な状況にありますので、昨年度もいろいろ検討されてきておりますが、これまでの検討についてもよく精査した上で、今後どのようにしていくのか、中・長期的にどのようにやっていくのかについて検討し、決定していきたいと考えています。
さらに、3つ目として、北川県政におきまして、行政システム改革が進められ、全国に先駆けて、いろいろなシステムが取り入れられ、注目されていますが、これらの取組を、後ほど少し説明させていただきます「行政経営品質」の考え方で検証して、各システム間の連携等も整理し、変えるべきは変え、足らざるところは足していき、県政活動のすべてをできるだけ網羅できる「トータルマネジメントシステム」として進化をさせていきたいと考えています。これについても、庁内検討会を立ち上げて取り組むことにしています。
(県政に取り組む姿勢)
次に、これらの、3つの当面の取組に、どのように取り組んでいくのか、また、今後の県政に取り組む私の基本的な姿勢について少し説明させていただきたいと思います。
まず、第1に、当然のことですが、原点は「県政の主役は県民である」ということです。「生活者優先」とか「生活者起点」とか、表現の仕方は色々有ると思いますが、行政に携わる者にとっては絶えずこのことを頭に置き、県民の目から見た物差しを常に押し当てていかなければならないと考えています。
第2に「県民との協働による創造」、主体的に考え、主体的に行動している県民や地域の皆さんとの連携強化です。皆様方も認識されてきて見えると思いますが、今、行政が公共の仕事を独占する時代ではなく、各種のNPO、ボランティア、地域団体、社会的責任をもった企業、そして県政の最大のパートナーである市町村など多くの皆さんとの連携を強め、協働してこれからの三重県を創造していきたいと考えています。
第3に「県民と共に感性を磨く県政」、現実の社会は、物事の論理性や合理性だけでは成り立つものではありません。どれだけ優れた論理や合理性で立派に説明できても、心にしみるものでなければ、生きたものになりません。県政を推進していくにあたっては、県民と情報を共有し、県民の意向を把握し、行政と県民の間の心の絆、県民相互の心の絆を育むことが大切です。県民と共に豊かな感性を磨き育めるような県政を実現させたいと考えています。
以上の3点「県民が主役」、「県民との協働による創造」、「県民と共に感性を磨く県政」を私の県政推進にあたってのキーワードとし、私の基本的な姿勢としていきたいと考えていますので、ご理解をいただきますようによろしくお願いします。
(開催趣旨)
さて、本日の「膝づめミーティング」の開催趣旨ですが、先ほど申し上げましたように、今、必要なのは、県民、市町村の皆様方の声を聴きつつ、協働して県政を進めていくことです。地方分権、緊迫した行財政の状況のなかでは、今までにない新しい行政運営の仕組み、新しい県と市町村の関係の構築が必要であると考えています。
このような新しい行政運営の仕組みづくりとして、県が平成11年度から取り組んでいる「行政経営品質向上活動」は、県政の主役である県民の声を基に、職員が自分で気づき自分で直していく「気づき」を大切にした改善活動です。
この「行政経営品質」においても、「パートナーとの協力関係」という項目があります。県にとりまして最も重要なパートナーとは言うまでもなく市町村です。
このようなことからも、今後、県政を進めていくためには、市町村を始め、地域との連携強化を推進していくことが重要であると認識しており、皆様方と直接対話をする「膝づめミーティング」を、6月議会に先立ち、皆様方にご無理をお願いしてお集まりいただいた次第です。
(行政経営品質向上活動)
この「行政経営品質向上活動」は、「住民満足度の向上」を目的としています。また、この活動は、必ずや今後の新たな自治体運営のなかで行政を「住民を主体」とした最適なものとし、また、体質強化につながるものであると考えています。さらに、同時に、自立した職員の育成にもつながるものであると確信しています。
このようなことが評価され、「経営のノーベル賞」とも言われていると聞いていますし、県の教育委員会においても、本年度より、県立学校の「学校経営の改革のツール」として取り入れ、小中学校へも紹介していくと聞いています。
今後、住民満足度の向上を図るためには、県ばかりでなく、重要なパートナーである市町村におかれても、協働して「行政経営品質向上活動」に取り組んでいかれることを検討していただければ幸いと考えております。市町村合併もありますので、市町村において取り組まれるということであれば、県においても、そのための支援として、情報やノウハウの提供など、全力を挙げて対応させていただきたいと考えております。
(地方分権推進方針の具体化)
次に、お手元に配布させていただいている「三重県地方分権推進方針」についてお話しさせていただきます。
今、市町村合併について、皆様方にはそれぞれの地域において鋭意取り組んでいただいているところですが、合併後の市町村と県は、ともに分権型社会の実現を目指して、対等協力の新しい関係づくりを進める必要があると考えています。
このために、県では本年3月、市町村合併でも議論されている地域内分権を進める「住民自治基盤の拡充」、県の補助金の見直し、包括的権限移譲、市町村と県単独事業の一体的な実施を進める「市町村の内発力向上」等を基本戦略として取り組むとしている「三重県地方分権推進方針」を策定し、その具体化を図ることとしています。
その具体化のなかで、今回いただいた意見を参考にさせていただくとともに、今後、県内すべての市町村の職員と県の分権担当職員とが意見交換を「あたたか分権ミーティング」と名付けて実施し、分権型社会に向けた課題の洗い出しを行った上で、県と市町村との新しい関係づくりを協議する場を新たに設けて行きたいと考えていますので、ご協力をよろしくお願いします。
(ミーティング内容)
そこで、本日の「膝づめミーティング」では、皆様方の普段から取り組まれている地域づくりに対する思いや、その具体的な取組をお話しいただくとともに、今後の県政の進め方、分権社会における市町村と県の協働の考え方と進め方などについて、忌憚の無い御意見をいただきたいと考えていますのでよろしくお願いします。
(意見について)
なお、今回いただきました御意見等については、私の公約である「県民しあわせプラン」、並びに、先ほどお話ししました「三重県地方分権推進方針」の具体化に向けた取組の参考にさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。