地域活性化フォーラムin三重~企業との協働による地域活性化~ を開催しました
三重県と一般財団法人地域活性化センターとの共催で、『地域活性化フォーラムin三重~企業との協働による地域活性化~』を開催しました。当日は晴天にも恵まれ、行政関係者、企業関係者、地元関係者合わせて339名の参加があり、盛大に行われました。
開催趣旨
地域には魅力的な地域資源があるものの、地域住民だけではその資源を十分に活かしきれていません。そこで近年、地域活性化のパートナーとして、取組を人材、ノウハウ、ビジネスの面から補完できる企業への注目が高まっています。他方、企業側も社会貢献活動や社員の健康増進、新規ビジネスの機会の場として地域を再評価する動きが見られます。
三重県では『三重のふるさと応援カンパニー推進事業』として、企業と地域が新しく結びつくことによって、両者にメリットがある新しい関係づくりを目指す取組を進めています。
どのようにして地域と企業との連携を深めていくか、また新しい関係づくりを推進するにはどうしたらよいかなど、その課題と今後の展望について考えます。
挨拶
冒頭、三重県知事及び一般財団法人地域活性化センターの高橋理事長から主催者挨拶がありました。
基調講演(対談トークショー)
三重の元気なまちづくりをめざして!~企業が地域のためにできること~
赤福10代目当主の濱田益嗣さんと、伊勢出身の女優・アナウンサーの山村美智さんが対談トークショーを行いました。
人には智の力と感情の力があり、おかげ横丁は「いかに来た人に安らぎを与えるか」という感情で考えてつくった街。最初につくったときは、きっと人に喜んでもらえるだろうという気持ちはあった。そして、喜んでもらえたら人は増えてくるだろうと。おかげ横丁については、これ以上大きくすると頭で考えた街になってしまう。外宮の前に、第二横丁のようなものができればと思う。
頭で考えすぎると狭いものになる、心で考えると広いものになる。心で考えるビジネスは、人に喜んでもらえるものをつくるということ。心で楽しむ街は、共感する。そういう路線のビジネスもあるのではないか。
おかげ横丁をつくった思いや考え方などを話題に、同じ伊勢市出身同士で、和気あいあいとしたトークショーとなりました。
(基調講演者)
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濱田益嗣(はまだ・ますたね)さん 三重県伊勢生まれ。赤福10代目当主。1968年に株式会社赤福の代表取締役社長に就任。 1993年に、内宮前に江戸末期から明治初期の門前町の町並みを再現した「おかげ横丁」を誕生させた。また、2013年にはフットボール場(ピッチ)2面とクラブハウスなどを伊勢市へ寄贈するなど、地域活性化の取組を積極的に進めている。 |
山村美智(やまむら・みち)さん 三重県伊勢市生まれ。1980年にフジテレビにアナウンサーとして入社。バラエティ番組の司会者として注目される。テレビ局退社後は、フリーになり女優に転身。映画、舞台、テレビ、CMなどさまざまな分野で幅広く活躍している。みえの国観光大使。 |
パネルディスカッション
企業との協働による地域活性化~ふるさと三重の活力アップ~
明治学院大学原田教授の進行のもと、パネルディスカッションを行いました。
行政側から志摩市大口市長、地元側から野原村元気づくり協議会鳥田会長、企業側から万協製薬株式会社松浦社長の3名がパネリストとして出席しました。
最初に、原田教授から、最近の企業CSR(社会貢献活動)についての概要報告がありました。企業、行政ともに営利・非営利、私益・公益の壁が低くなってきていて、両者が共存する分野が生まれてきていることや、東日本大震災以降、本業を活かした社会貢献活動が拡がってきていることなどを紹介していただきました。
それに引き続いて、パネリストの各々から自己紹介と活動紹介を行いました。
志摩市では、里海創生取組の一環として、企業の協力を得ながら干潟再生の取組を行っています。また、「行政と企業との協働」ではなく、一定の方向性のもとの「行政と企業との融合」まで考えているとのことでした。
野原村元気づくり協議会では、キヤノンマーケティングジャパン株式会社のCSR活動「未来につなぐふるさとプロジェクト」と連携して、地元小学生が見つけた地域の宝物であるお茶のブランド化、商品化を進めています。また活動を通して、小学生が地元に誇りを持つようになったとも話しています。
万協製薬では、「必要とされる会社」になることを掲げて、地元の高校生と商品を開発するとともに地域貢献活動を進めています。CSR活動は大企業が行う活動ではなくて、中小企業にも効果の高い活動です。会社は、文字を反対にすれば「社会」になり、社会の利益をいかに考えることが会社の利益にもつながっていくということを、経験を踏まえて紹介していただきました。
その後、会場からも質問をいただきながら、企業との協働のあり方などについて話を展開しました。
会場からの「活動を始めて社員がどう変わったか?」の質問に対し、松浦社長からは、「社員は、会社の仕事以外のことで地域の人に褒められて、はじめて成長する」ということを、体験談を踏まえて紹介していただきました。
鳥田会長からは、地域では地道なマネジメントとネットワークづくりが必要で、出来ないことを計画するのではなく、やれるものからやっていく。あとは行政との連携、協力してくれる職員をいかに見つけるかも大切ということを紹介していただきました。
大口市長からは、行政では、企業と地域との互恵関係をどううまく構築できるかがポイントで、良い仕組みをつくることで、よい循環が生まれるということを紹介していただきました。
最後に、コーディネーターを務めていただいた原田教授から、企業は、今は積極的に関わることで社会貢献する時代に変わってきている。また地域は、自分たちの価値を大切にしながら、そういう・驪ニと連携していくことが必要。それぞれのネットワークがいかに大事かを感じていただけたのではないか。地方に人材、資源、宝物はあることは分かっている。それと企業、行政が、どうつながるのかが重要。基調講演の濱田さんの話にもあったように、三重県ならではの『心のビジネス』を打ち出して言ってはどうか、という提言をいただきました。
(出演者)
コーディネーター
原田勝広さん(明治学院大学教授)
日本経済新聞社の記者などを経て、現在は明治学院大学で社会企業家、CSR(企業の社会的責任)、ソーシャル・ビジネスなどについて研究、「CSR優良企業への挑戦」など著書も多数発刊されています。
パネリスト
大口 秀和(志摩市長)
志摩市では、志摩市里海創生基本計画の中で、『CSR活動(企業の社会貢献活動)をはじめとした企業活動の一環として、新しい里海創生の支援を行うことが求められます。』と記し、企業と連携した干潟再生などの取組を進めています。
鳥田 陽史(大紀町 野原村元気づくり協議会会長)
野原村元気づくり協議会では、キヤノン・マーケティングジャパン株式会社の社会貢献活動「未来につなぐふるさとプロジェクト」を受けて、荒廃茶園の復活活動などを、社員の方と一緒に展開しています。
松浦 信男(万協製薬株式会社 代表取締役社長)
地元の高校生と協働して地元素材を活用した商品開発を行ったり、寄附付き商品を販売するなど、「地域に必要とされる会社」を信条に、地域貢献活動を展開しています。
開催概要
日時
平成25年11月26日(火)13:30~16:30(開場12:30)
会場
三重県総合文化センター 中ホール (地図)
(三重県津市一身田上津部田1234)
参加者数
339人
プログラム
12:30 |
開場・受付 |
13:30 |
開会・開会挨拶 |
13:40 |
基調講演(対談トークショー) |
14:40 |
休憩 |
14:50 |
パネルディスカッション |
16:30 |
終了 |
ブース展示
当日、会場の中ホールエントランスにおいて、企業との協働に取り組む三重県の取組やパネルディスカッション参加団体の活動紹介などを行うブースを設置し、参加者に見学していただきました。
お問い合わせ
三重県地域連携部地域支援課
電話 059-224-2420
ファックス059-224-2219
メール chiiki@pref.mie.jp