世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」保存管理計画
「紀伊山地の霊場と参詣道」は、三重県・奈良県・和歌山県の3県に所在する日本古来の自然崇拝に基づく神道、大陸から伝わって日本で独自に発展した仏教、神道と仏教が混淆して形成された神仏習合及び道教をも交えて形成された修験道などの霊場と、それらを結ぶ参詣道から成る。
「高野山」、「本宮・新宮・那智の熊野三山」、「吉野・大峯」の3つの霊場とそれら結ぶ参詣又は巡礼の経路は今日においてもなお良好な形で遺存するとともに、参詣や物資の運搬の道として使われ、沿道に展開する天然林や人工林などの森林も、信仰及びそれを基盤とする生活又は生業などと密接に関わる文化的景観として独特の価値を構成している。
現在もなお民衆の中に息づく霊場と参詣道は、極めて高い歴史上又は学術上の価値を持っている。
世界遺産を構成する史跡名勝天然記念物(以下、「史跡等」という。)及び重要文化財は、それ自体として極めて高い歴史上又は学術上の価値を持つものであるが、世界遺産という一群の文化財として捉えた場合、先述した歴史的・空間的な文脈の中で、相互の有機的な関連性の下に存在するものであり、一連の史跡等及び重要文化財から成る世界遺産を確実に保存し、次世代へと継承していくためには、世界遺産の全体を包括する保存管理計画を定めるとともに、特に構成資産の土地である史跡等については、包括的保存管理計画に基づき、個別の保存管理計画を策定することが必要である。
そのため、文化庁の協力の下に三重県・奈良県・和歌山県の教育委員会が「包括的な保存管理計画」を策定し、これに基づいて、各県に所在する「主な構成資産の土地である史跡等」を対象に県別に保存管理計画を策定した。
保存管理計画のPDFファイルはこちら↓
- 包括的な保存管理計画(PDF約13.0MB)
- 三重県保存管理計画(PDF約30.7MB)