現在位置:
  1. トップページ >
  2. スポーツ・教育・文化 >
  3. 文化施設 >
  4. まちかど博物館 >
  5. まちかど博物館のご案内 >
  6.  まちかど博物館体験レポートvol.16 ~伊賀名張3館~
担当所属:
  1.  県庁の組織一覧  >
  2. 環境生活部  >
  3. 文化振興課
  • facebook
  • facebook share
  • twitter
  • google plus
  • line
令和07年03月01日

まちかど博物館体験レポートvol.16 ~伊賀名張3館~
松野木材 夢あ・ん 、 島ケ原鉄道博物館 、 竹あかり工房きぼう



<目次>
はじめに
松野木材 夢あ・ん
島ケ原鉄道博物館
竹あかり工房 きぼう
 
館の概要

 

はじめに



  今回は、伊賀市と名張市のまちかど博物館が参加する「伊賀まちかど博物館」の中から、3館をご紹介します。

①以前の場所から移転しリニューアルオープンした伊賀市の「松野木材 夢あ・ん」
②令和6年12月に認定式が行われた伊賀市の新館「島ケ原鉄道博物館」
③令和6年12月に認定式が行われた名張市の新館「竹あかり工房 きぼう」
 
  いずれの館にも、館長さんの人生や生きざまが凝縮されています。
 
(目次に戻る)


 

松野木材 夢あ・ん


  木材の端材を利用した製品を販売する事業を営む館長さんが、無人販売所と工房を備え、誰もが入場できる敷地で、まちかど博物館を運営しています。


 
木をそのまま活かした製品を並べた無料販売所(左)と、それらを館長が手作りしている工房(右)


  同館の松野保館長がまちかど博物館としての活動をはじめたのは、「木の魅力、とりわけ日本で生産される木材の魅力を発信したい」、「一人でも多くの人に、国産材の手触りや、木材が自然に発する優しい香りを知ってほしい」という思いからでした。
 
  松野館長は、以前は代々の家業で、主に建築材としての木材を扱っていました。山に囲まれた伊賀市では歴史的に林業が盛んで、木材業者も多くあったそうです。しかし、時代が進み、材木の供給地が海外に移るとともに、日本人の生活も変化して、伝統的な日本家屋は減少していきました。
 
  松野館長は、日本の気候や環境に合わせて発達した日本家屋には、国産木材が建材として最も適していると言います。しかし、今建てられる住宅の多くは、外国産木材に適したものです。日本の山から、木材として使える木の多くが切り出されないままになっています。伊賀市内の木材業者も減りました。
 
  このような社会の変化の中でも、松野館長は国産の木の魅力にこだわってきました。そこで、大掛かりな加工を要する建材としての木材ではなく、身近な木工製品を扱う業務形態に転換し、捨てたり薪にしたりするしかない端材などを有効利用して、身の回りに置く木の製品などを手作りで仕上げる事業に取り組みました。SDGsが強く意識される以前の話です。


 



  木材ごとに一つひとつ違う個性を活かして、アイデアに富んだ製品に仕上げます。訪れる人の「こんなものがあったら良いのに」という要望や、木工教室に赴いた際に生徒となった子どもたちの自由な発想も取り入れ、様々な形を工夫していきます。
 

 
一枚の板から「まな板」と「衝立」を作りました。無駄がありません(左)。子どもたちが絵を描いたり、小さな木を貼り付けたりして、オリジナルの小物を作りました(右)。


  松野館長はネット販売をしていません。来てくれた人が木の香りや手触りを直に感じることに意味があると考えるからです。工芸や芸術での活用も、今のところ興味がありません。あくまで生活の中で、木の温かみを実感してほしいと思っています。木の魅力を肌身で知る人を増やすことが、日本の木材を使った日本建築の維持・復興に繋がっていくと信じて、日本に根ざした木の文化を発信する活動を続けています。
 
  同館の無人販売所には、誰もが自由に出入りすることができます。松野館長の手が空いていれば、隣の工房で木のいろいろな話を聞くことができます。木の魅力、木とともに生きる生活、日本の木の将来などについて、熱い思いを語ってくれるのではないでしょうか。


 

(目次に戻る)

 

島ケ原鉄道博物館




  旧国鉄で鉄道マンだった館長さんが集めた数多くの国鉄とJRの関連グッズを、同じように鉄道を愛する人、子どもたち、昔の駅や電車の旅を懐かしむ人など、様々な人に見てもらいたいと、生まれ育った伊賀市島ヶ原で開館したまちかど博物館です。
 
  同館の大矢繁館長は、島ヶ原を走る機関車の汽笛を聞いて育ち、鉄道に魅せられて旧国鉄に就職しました。その後、JRへの組織変更や、関連の旅行会社への出向を含め、鉄道会社一筋に生きて定年退職を迎えました。


 
令和6年12月1日に新館認定式が行われ、伊賀まちかど博物館運営委員会の廣山春樹会長から、認定状と表札が手渡されました(左)。各駅で列車の運行を記録し次の駅に連絡する「通票(タブレット)閉そく器」が玄関に展示されています。各線の鉄道の運行を中央のコンピューターで一括管理できるようになる以前に使われていたものです。列車が駅に到着したときに「通票」に記録し、また次の駅に列車とともに移動する仕組みです。大矢館長がそれについて説明してくれました(右)。


  自宅の8畳の部屋を展示室に改装しました。鉄道関連のコレクションが約1000点あり、600点ほどを常時展示しています。ご自身が駅員として使っていたパンチや名札などの備品に加え、鉄道記念日のイベントなどで買い集めたグッズが沢山あります。かつてのSLや特急電車に付いていたヘッドマークやナンバープレート、駅にあったシンボルマーク(看板)や信号機など、鉄道の歴史そのものといえる実物が集められました。大矢館長の人生そのものでもあります。
 
 そして何より、大矢館長自身が、鉄道を見ること(いわゆる「撮り鉄」)、乗ること(「乗り鉄」)、鉄道模型を組み立てること(「模型鉄」)、そしてグッズを集めること(「蒐集鉄」)が全て大好きな鉄道ファンです。好きなことを仕事に選び、人生をかけて追い求めた館長さんから、伊賀に近い地域の鉄道のことなど、実体験を交えて様々なことを教えてもらうことができます。
 
 館長さんは、鉄道好きや、旅の思い出に浸りたい人を待っています。数に限りがありますが、来館者には、かつて使用された磁気プリペイド「オレンジカード」などのプレゼントがあります。
 

 
国鉄「C62形2号機」蒸気機関車の側面にある除煙板(デフレクター)に付いていた『つばめマーク』。そのことから同機関車は「スワローエンゼル」という愛称で呼ばれていたとか(右)。機関車に付けられたナンバープレートと、駅等の停車場で線路の分岐を制御し信号と連動させる継電連動装置の実物(左)。
 

目次に戻る

 

竹あかり工房 きぼう





 同館は初瀬(はせ)街道沿いにあり、すぐ近くに、伊賀組紐作家である中内中(ひとし)さんのまちかど博物館「中内組紐工房 堤側庵ギャラリー」があります。同館の入り口にはベンチが置かれ、街道を歩く人が自由に休憩できるようになっています。
 
 同館の竹森龍馬館長は、新館認定式が開催された令和6年12月の時点で17歳、まちかど博物館史上最年少の館長さんです。初の「高校生館長」が誕生しました。同館は高校3年生の館長が自宅に作った「竹あかり」制作工房で、卒業予定の令和7年以降に、修行と制作活動をさらに本格化していきます。
 
 「まちかど博物館」としては、自作の「竹あかり」の一部を展示するとともに、「竹あかり」制作のワークショップなどを実施します。 


 
令和6年12月1日、島ヶ原鉄道博物館と同じ日に新館認定式が行われ、伊賀まちかど博物館運営委員会の廣山春樹会長から、認定状が手渡されました(左)。竹森館長が制作した「まちかど博物館」の文字で光る竹あかりが、表札の代わりに館のシンボルとなります(右)。


 竹森館長と「竹あかり」との出会いは小学校3年生のときです。第20回三重県文化賞で文化新人賞を受賞した竹あかり作家・川渕皓平さんのワークショップがきっかけでした。伊賀市を活動の拠点にする川渕さんは、今も竹森館長の大きな目標です。
 
 「竹あかり」を作りたいといろいろな人に声をかけた結果、高校1年生のとき、ある竹林所有者から材料を提供してもらえることになり、独学で制作を開始しました。
 
 現在、多くの竹林が放棄され、さまざまな用途に使える竹が利用されないままになっていることにも、竹森館長は深く関心を寄せています。そのような竹林の事情は、「夢あ・ん」でご紹介した木材の話と似ています。竹森館長は、SDGsを念頭に、竹林を有効活用するため、竹の炭を肥料にするなどの事業も進めています。
 
 令和6年の夏には、クラウドファンディングで資金を集め、初瀬街道で自身の制作した「竹あかり」を飾るイベントを立ち上げました。資金は予定額を上回って集まり、イベントが大々的に行われました。その活動は地域で注目され、名張市の広報誌『広報なばり』で紹介されました。
 
 全国的に「竹あかり」の作り手は若い人が多く、竹森館長はその人たちと今後交流していきたいと考えています。また、最近、ブラジルから来た人に「竹あかり」を教えたところ、その人はブラジルで竹あかりを作りたいと考えるようになったそうです。愛着ある生まれ故郷の名張市から全国に、そして世界に「竹あかり」を発信し、三重県の工芸を引っ張っていくような存在になるのが目標です。
 

 
竹森館長が制作した「竹あかり」(左)。竹森館長が手がけた竹あかりイベント【竹森館長提供写真】(右)。


(目次に戻る)

 

館の概要


松野木材 夢あ・ん(むあん)
 
松野 保(まつの たもつ)  館長
 
伊賀市阿保1088
バス停
青山行政バス霧生線
青山行政バス高尾線
上代口徒歩3分
上野口徒歩4分
駐車場 3台
 
予約不要
開館時間 荒天以外、毎日10時~17時
電話 なし
 
入場料 無料
体験 なし
 
同館の公式サイトはこちらから(インスタグラム) 
同館への連絡はインスタグラムからお願いします。
県HPでのご紹介はこちらから





島ケ原鉄道博物館
 
大矢 繁(おおや しげる)  館長
 
伊賀市島ヶ原4220-1
JR関西本線 島ヶ原駅 徒歩20分
駐車場 10台
 
要予約
開館時間 年中無休10時~16時
電話 0595-59-2169
      090-2349-2197
FAX 0595-59-2169
 
入場料 無料
体験 あり 【実際の運転台の搭乗(予定)・Nゲージの運転(無料)】
トイレ あり
 
県HPでのご紹介はこちらから





竹あかり工房きぼう
 
竹森 龍馬(たけもり りょうま)  館長
 
名張市新田411
近鉄大阪線 美旗駅 徒歩10分
美旗地域コミュニティバス【はたっこ号】 新田東 徒歩5分
駐車場 2台
 
要予約
開館時間 11時~18時 (不定休)
電話 080-8895-1346
E-mail saku.annabelle@gmail.com
 
入場料 無料
体験 あり【竹あかり手づくり体験(3000円)】
トイレ なし
 
同館の公式インスタグラムはこちら
公式サイトはこちらです。
 
県HPでのご紹介はこちらから




(目次に戻る)


 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 環境生活部 文化振興課 〒514-8570 
津市広明町13番地
電話番号:059-224-2176 
ファクス番号:059-224-2408 
メールアドレス:bunka@pref.mie.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

ページID:000296749