歩行者
交通事故死傷者となった歩行者の一部が、一定の交通ルールに違反していたというデータがあります。交通ルールを遵守することは、歩行者自身の安全を確保するとともに、他者に対する危険を生じさせないことにもつながります。ついては、以下の交通ルールを遵守するとともに、歩きスマホその他の注意力が散漫となる行為は慎み、他の歩行者、車両の運転者及び自身に危険を生じさせないよう努めましょう。
【参考】歩行者の人身事故における要因別事故件数(令和3年)
要因 | 違反 なし |
不明 | その他 | 横断 歩道外 横断 |
車両の 前後横断 |
斜め横断 | 横断禁止場所横断 | 飛び出し | 通行 区分 |
信号 無視 |
合計 |
件数 | 202 | 2 | 42 | 22 | 6 | 5 | 1 | 9 | 11 | 1 | 301 |
割合 | 67.1 | 0.7 | 14.0 | 7.3 | 2.0 | 1.7 | 0.3 | 3.0 | 3.7 | 0.3 | 100 |
【出典:三重県警察作成 交通安全のために~令和3年中の交通事故から~】
歩行者に関する主なルール
横断歩道の利用
歩行者は、横断歩道がある場所の付近では、その横断歩道によって横断しなければならない。
【該当規定】道路交通法第12条第1項
【罰則】(警察官等の指示に従わずに横断歩道外横断をした者) 2万円以下の罰金又は科料
斜め横断の禁止
歩行者は、斜めに道路を横断してはならない。
※除外 道路標識・標示によって斜め横断が可能なスクランブル交差点での横断を除く。
【該当規定】道路交通法第12条第2項
【罰則】(警察官等の指示に従わずに斜め横断をした者) 2万円以下の罰金又は科料
直前直後横断の禁止
歩行者は、車両等の直前または直後で横断してはならない。
※除外 ①横断歩道を横断するとき
②信号機の信号や警察官等の手信号に従って横断するとき
【該当規定】道路交通法第13条第1項
【罰則】(警察官等の指示に従わずに直前直後横断をした者) 2万円以下の罰金又は科料
横断禁止場所
歩行者は、道路標識によって横断が禁止されている道路の部分では横断してはならない。
【該当規定】道路交通法第13条第2項
【罰則】(警察官等の指示に従わずに横断禁止場所を横断した者) 2万円以下の罰金又は科料
信号機の信号等に従う義務
道路を通行する歩行者または車両等は、信号機の表示する信号または警察官等の手信号等に従わなければならない。
【該当規定】道路交通法第7条
【罰則】 歩行者:2万円以下の罰金又は科料
歩行者の責務
歩行者は、交通安全に関する法令を遵守するとともに、歩きスマホ(スマホ等の画面を注視し、又は操作しながら歩行することをいう。)その他の注意力が散漫となる行為は慎み、他の歩行者、車両の運転者及び自身に危険を生じさせないよう努めなければならない。
【該当規定】三重県交通安全条例第6条
自転車運転者
自転車は道路交通法上、軽車両と位置付けられます。ただ、自動車等と異なり、運転免許制度、車検制度がないため、法令知識、点検整備の徹底がなされておらず、子ども、大人ともに安易な気持ちで運転ができてしまいます。その結果、例外的な歩道走行の常態化、右側通行、整備不良等が発生しています。また、交通事故死傷者となった自転車運転者の多くが一定の交通ルールに違反していたというデータからも、自転車運転者は、自身の安全を確保するとともに、他者に対する危険を生じさせないために、以下の交通ルールを遵守することが必要です。【参考】自転車の人身事故における要因別事故件数(令和3年)
要因 | 違反 なし |
不明 | その他 | 安全 不確認 |
動静 不注視 |
交差点安全 進行 |
一時 不停止 |
徐行 場所 違反 |
前方 不注意 |
ハンドル・ブレーキ操作 | 合計 |
件数 | 79 | 1 | 22 | 96 | 58 | 38 | 26 | 10 | 6 | 10 | 346 |
割合 | 22.8 | 0.3 | 6.4 | 27.7 | 16.8 | 11.0 | 7.5 | 2.9 | 1.7 | 2.9 | 100 |
【出典:三重県警察作成 交通安全のために~令和3年中の交通事故から~】
自転車運転者に関する主なルール
車道通行の原則
道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられ、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則であり、車道の左側(車両通行帯のない道路では左側端)を通行しなければならない。著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯を通行することができるが、その場合は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で通行しなければならない。
【該当規定】道路交通法第17条第1項及び第4項、第18条第1項/第17条の2
【罰 則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料
歩道における通行方法
普通自転車(※)が歩道を通行する場合は、道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(普通自転車通行指定部分)がある場合は当該部分を、指定されていない場合は歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。【該当規定】道路交通法第63条の4第2項
【罰 則】2万円以下の罰金又は科料
※車体の大きさ及び構造が道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)第9条の2の2で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽引していないもの。
<道路交通法施行規則第9条の2の2に定める基準>
一 車体の大きさは、次に掲げる長さ及び幅を超えないこと。
イ 長さ 190センチメートル
ロ 幅 60センチメートル
二 車体の構造は、次に掲げるものであること。
イ 四輪以下の自転車であること。
ロ 側車を付していないこと。
ハ 一の運転者席以外の乗車装置(幼児用座席を除く。)を備えていないこと。
ニ 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。
ホ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
歩行者用道路における通行方法
道路標識等によって車両の通行が禁止されている歩行者用道路を警察署長の許可を受け、または禁止の対象から除外されていることにより通行するときは、特に歩行者に注意して徐行しなければならない。【該当規定】道路交通法第9条
【罰 則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等
交差点での通行
信号機のある交差点では、信号機の表示する信号に従わなければならない。「歩行者・自転車専用」と表示されている信号機のある場合は、その信号機の表示する信号に従う。【該当規定】道路交通法第7条
【罰 則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等
信号機のない交差点で、一時停止すべきことを示す道路標識等がある場合は、一時停止しなければならない。また、狭い道から広い道に出るときは、徐行しなければならない。
【該当規定】道路交通法第43条、第36条第3項
【罰 則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等
横断
道路や交差点又はその付近に自転車横断帯がある場合は、自転車横断帯を通行しなければならない。【該当規定】道路交通法第63条の6、第63条の7第1項
自転車道の通行
普通自転車は、自転車道が設けられている道路では、やむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。普通自転車以外の二輪又は三輪の自転車(側車付きのもの及び車両をけん引しているものを除く。)は、自転車道を通行することができる。【該当規定】道路交通法第63条の3、第17条第3項
【罰 則】2万円以下の罰金又は科料
普通自転車専用通行帯の通行
普通自転車は、普通自転車専用通行帯が設けられているときは、その普通自転車専用通行帯を通行しなければならない。【該当規定】道路交通法第20条第2項
【罰 則】5万円以下の罰金
安全運転の義務
ハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路及び交通等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。【該当規定】道路交通法第70条
【罰 則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金等
夜間、前照灯及び尾灯の点灯
夜間、自転車で道路を走るときは、前照灯及び尾灯(又は反射器材)をつけなければならない。【該当規定】道路交通法第52条第1項、第63条の9第2項、
道路交通法施行令第18条第1項第5号
【罰 則】5万円以下の罰金
酒気帯び運転の禁止
酒気を帯びて自転車を運転してはならない。【該当規定】道路交通法第65条第1項
【罰 則】5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
(酒に酔った状態で運転した場合)
二人乗り等の禁止
小学校入学前の子供を乗せる場合等には、三重県道路交通法施行細則において定められている自転車の乗車定員に反して、自転車を運転してはならない。【該当規定】道路交通法第55条第1項/第57条第2項/三重県道路交通法施行細則第14条第1項
【罰 則】5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料
過積載の禁止
三重県道路交通法施行細則において定められている自転車の積載制限に反して、自転車を運転してはならない。【該当規定】道路交通法第55条第1項/第57条第2項/三重県道路交通法施行細則第14条第2項
【罰 則】5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料
並進の禁止
「並進可」の道路標識があるところ以外では、並んで走ってはならない。【該当規定】道路交通法第19条
【罰 則】2万円以下の罰金又は科料
ブレーキ不良自転車の運転禁止
基準に適合する制動装置を備えていないため、交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。【該当規定】道路交通法第63条の9第1項
【罰 則】5万円以下の罰
自転車の運転者等の遵守事項(ヘルメットの着用)
自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
【該当規定】改正後の道路交通法第63条の11
【関連ページ】自転車に乗る際はヘルメットの着用が義務となります
自転車運転者の責務
自転車運転者は、交通安全に関する法令を遵守するとともに、飲酒運転、歩行者妨害、スマホ等を使用しながら運転する行為等が交通事故を引き起こす原因となることを認識し、歩行者及び他の車両の運転者の安全に配慮しなければならない。自転車運転者は、車両の運転者であることを自覚し、定期的な点検整備を行うよう努めなければならない。
【該当規定】三重県交通安全条例第5条
自転車損害賠償責任保険等への加入
自転車運転者(未成年者を除く。)は、当該運転に係る自転車損害賠償責任保険等に加入しなければならない。ただし、当該自転車運転者以外の者により、当該運転に係る自転車損害賠償責任保険等への加入の措置が講じられているときはこの限りでない。2 親権を行う者、未成年後見人その他の者で、未成年者を現に監護する者(以下この項において「保護者」という。)は、その監護する未成年者が自転車を運転するときは、当該運転に係る自転車損害賠償責任保険等に加入しなければならない。 ただし、当該保護者以外の者により、当該運転に係る自転車損害賠償責任保険等への加入の措置が講じられているときは、この限りでない。
3 人の移動、貨物の輸送等の手段として自転車を事業の用に供する者(以下この項において「自転車利用事業者」という。)は、その事業活動の用に供する自転車の利用に係る自転車損害賠償責任保険等に加入しなければならない。ただし、当該自転車利用事業者以外の者により、当該利用に係る自転車損害賠償責任保険等への加入の措置が講じられているときは、この限りでない。
4 自転車を有償又は無償で、継続的に又は反復して貸し付ける事業を行う者(以下この項及び次条第二項において「自転車貸付事業者」という。)は、その貸付けの用に供する自転車の利用に係る自転車損害賠償責任保険等に加入しなければならない。ただし、当該自転車貸付事業者以外の者が当該自転車の利用に係る自転車損害賠償責任保険等に加入しているときは、この限りでない。
【該当規定】三重県交通安全条例第25条
【関連ページ】【令和3年10月1日~】自転車損害賠償責任保険等への加入等が義務化されました
参考資料
新「自転車安全利用五則」啓発リーフレット新「自転車安全利用五則」啓発チラシ