ひきこもり支援コラムNo.4 「家族だけで抱え込まないで」~令和4年度第1回ひきこもり支援フォーラムより~
前回に引き続き、「第1回ひきこもり支援フォーラム」で実施したシンポジウムの中で、特に印象に残ったお話をご紹介します。
「ひきこもり支援推進の課題は何か」をテーマに、パネリストには、いなべ市ひきこもり地域支援センター「瑠璃庵」センター長の安藤哲也さん、名張市統括監(前名張市地域包括支援センター長)の中野雅夫さん、「つぅの会」不登校・ひきこもり親の会世話人の橋本里美さんに登壇いただき、それぞれの立場から熱い思いを語っていただきました。
(1)親の会の活動紹介から
橋本さんからの会場への呼びかけ、
「どうかどこかと、誰かとつながってください。お一人で、家族だけで抱えないでください」は、とても胸に響きました。
「つぅの会」不登校・ひきこもり親の会では、「参加者同士で話をする。カウンセラーも専門家もいないし、答えやアドバイスはないが、同じ体験をした方だからこそ話せて、他の方の体験を聞いて気づきを得られる」「子どもの不登校やひきこもりを受け入れられず、親自身が自分の子育てに自信をなくし、将来への不安で一杯になっている。相談ではなく、安全・安心な場で語り、共感してもらい、自分の気持ちに向き合うことで、少しずつ落ち着く。子どもをどうするのではなく、自分の気持ちを語ってもらうことで、少し気持ちが楽になる。そして、子どもを見る目が優しくなる。家の中の空気が少し変わる。それ位のことしかできないが、参加した親の表情が少しずつ明るくなり、子どもが元気になってくると、親の会の活動はこれでいいと感じている」と述べられました。
(2)ひきこもり支援にあたって大切にしていること
安藤さんは「必要な情報を示す前に、まずは家族の気持ちのケアを大切にしている」と述べられ、また中野さんは「傾聴が最も重要である」と述べられました。
橋本さんは、「安易な『大丈夫』は言わない。その人の不安はその人のもので、外から評価してはいけない。かえって傷つける。不安なことをきちんと聞いてあげる」「親としては、支援する方が、ひきこもり状態にある方を
『困った人』ではなく、『何かに困っている人』という視点で接してほしい。一人の人間としての尊厳を大切にしてほしい。すごく敏感な子どもが多い。何げない言葉に傷つく。
答えはその人の中にある、という視点で接してほしい」と述べられました。
ひきこもり状態にある方や家族の気持ちに寄り添い、本人の尊厳を大切にした支援が重要です。
三重県では、全国初となるひきこもり支援に特化した計画「三重県ひきこもり支援推進計画」を策定し、令和4年4月からスタートしました。
詳しくは、「三重県 ひきこもり」で検索
<
https://www.pref.mie.lg.jp/FUKUSHI/HP/m0329000054.htm>
「一人で、家族だけで抱え込まないで!」
まずは、身近な相談窓口または三重県ひきこもり地域支援センター(三重県こころの健康センター)まで、ご相談ください。
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※「こころのケアガイドブック」-「Ⅲ 専門相談編」-「1 ひきこもり専門相談」(三重県こころの健康センター作成)
<こころのケアガイドブックは
こちら>
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