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ひきこもり支援コラムNo.5 「不登校とひきこもりの関係」~令和4年度第2回ひきこもり支援フォーラムより~

令和4年8月27 日(土)、クラギ文化ホール(松阪市)にて「第2回ひきこもり支援フォーラム」を開催し、420名と多くの皆さんが来場されました。
第1部では、「ひきこもりの理解と望ましい支援のあり方について~ひきこもりを長期化させないために~」と題し、ひきこもり支援の第一人者で、「三重県ひきこもり支援推進委員会」委員でもある筑波大学医学医療系社会精神保健学教授の斎藤 環さんによる講演を行いました。
第2部では、「子ども・若者のひきこもり支援」をテーマにしたシンポジウムを行いました。
斎藤先生の講演の中で、特に印象に残ったお話を2回に分けてご紹介します。

冒頭、「ひきこもり状態にある方は、国の調査では115万人を超えるとされるが、約200万人いると思う。ひきこもり支援は、かつては若者が中心であったが、中高年のひきこもり状態の方が増えている。ひきこもりは全ての世代に対応しなければならない課題である」と指摘されました。


 

(1)不登校とひきこもりの関連性

不登校が長期化し、孤立するケースが多い。不登校段階でいかにこじらせないかをしっかり考えることが、不登校からひきこもりへの移行を防ぐ意味で重要。
文部科学省の「不登校に関する実態調査」(2011)によると、不登校事例全体の10%~20%程度が、長期の社会的ひきこもり状態に至ることが推定される。不登校の子ども約20万人のうち約4万人がひきこもりに移行しており、小学校・中学校・高等学校、大学等全て加算すると約50万人のうち約10万人と推計。
ひきこもりのきっかけは、失業、退職など就労関係が多いが、不登校からひきこもりに移行する方が少なくない。
 

(2)不登校への基本姿勢~全ての支援者(治療者、教師、親)へのお願い

①再登校を目標としない。ひきこもり(就労、進学をゴールにしてはいけない)と同様「どうすれば本人が家の中で元気になるか」を目標とする。
②一番悩んでいるのは本人。本人の自主性、主体性を尊重すること。一方、放置、放任は最悪。抑圧的で傷つけるような関わりをやめることが大切。

大事なのは、関わりをもち、働きかけながら状況を観察し、その結果に基づいて軌道修正を図っていくこと。

「不登校」も「ひきこもり」もどちらも状態像であり、病名ではありません。とても関連が深く、教育と福祉、保健・医療の連携が必要です。

三重県では、令和4年4月からスタートした「三重県ひきこもり支援推進計画」に基づき、福祉のみならず、教育、保健・医療等分野を超えた切れ目のない支援体制づくりを進めています。

詳しくは、「三重県 ひきこもり」で検索
<https://www.pref.mie.lg.jp/FUKUSHI/HP/m0329000054.htm>
 
「一人で、家族だけで抱え込まないで!」
 
まずは、身近な相談窓口または三重県ひきこもり地域支援センター(三重県こころの健康センター)まで、ご相談ください。
 
ひきこもり相談機関一覧は、「三重県 こころのケアガイドブック」で検索
※「こころのケアガイドブック」-「Ⅲ 専門相談編」-「1 ひきこもり専門相談」(三重県こころの健康センター作成)
<こころのケアガイドブックはこちら>
 
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