UDイベントマニュアル      三重県 令和7年4月版 1ページ はじめに  県では、障がい者、高齢者をはじめ、子どもや妊産婦、子育て中の人、外国人等すべての人々の社会参加の機会を確保し、一人一人が互いの価値を認め合いながら、自由に行動し、安全で快適に生活できるユニバーサルデザインのまちづくりを実現するために取組を進めています。  また、平成28(2016)年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる障害者差別解消法)が施行され、令和6年4月からは障がい者に対する合理的配慮が事業者にも義務付けられるなど、イベント開催時の配慮の重要性は増しています。  このマニュアルには、イベントを開催するにあたって、障がい者や高齢者など、だれもが参加しやすいイベントにしていくために配慮すべきことなどについて記載していますので、マニュアルを参考にしてイベントの準備を進めるとともに、当日には、その目的や状況に合わせ、「県民へのサービスを念頭においた真摯な対応」を行うことが、何よりも大切なことと考えています。  マニュアルをより活用しやすいように、チェックリストも備えています。  職員向けに作成したマニュアルですが、市町や事業者のみなさまなどにも広く活用いただき、ユニバーサルデザインに配慮されたイベント開催につながれば幸いです。   なお、県では、職員がわかりやすい情報の提供を日常的に意識し、配慮することができるよう「印刷物等のわかりやすい情報の提供のためのガイドライン」(※)(令和6年6月改訂)を作成していますので、このマニュアルとともにイベントでの情報提供などの参考にしていただきますようお願いします。     2ページ  ※ 印刷物等のわかりやすい情報の提供のためのガイドライン 県子ども・福祉部家庭福祉・施設整備課 施設整備・ユニバーサルデザイン班ホームページ参照 http://www.pref.mie.lg.jp/UD/HP/20762012410.htm   《問い合わせ先》   三重県子ども・福祉部家庭福祉・施設整備課   施設整備・ユニバーサルデザイン班   TEL: 059−224−3349    FAX: 059−224−2270    E-mail: ud@pref.mie.lg.jp 3ページ   目次  1.マニュアルについて(P5〜6) 1−1. 対象イベント 1−2. 使い方 1−3. ハード対応とソフト対応    2.イベントの計画にあたって(P7)    3.会場(P8〜P18) 3−1. 会場での移動経路、通路を確認しましょう。 3−2. トイレの設備を確認しましょう。 3−3. 駐車場を確認しましょう。 3−4. 会場までのアクセスを確認しましょう。 3−5. 受付・案内所の設置場所を確認しましょう。 3−6. 会場への案内表示は見やすく、わかりやすい表示になっているか確認しましょう。 3−7. 休憩所等のスペースを確認しましょう。 3−8. 会場内のレイアウトを確認しましょう。    4.広報(P19〜P21) 4−1. イベントの情報はわかりやすく伝えましょう。 4−2. 参加者の募集にあたり、いろいろな情報伝達の手段を活用 しましょう。 4−3. 会場までのアクセスについてわかりやすく伝えましょう。 4−4. 会場内のサービスについて事前に情報を伝えましょう。    5.準備(P22〜P25) 5−1. 情報保障(手話通訳、要約筆記など)を検討しましょう。 5−2. 子育て支援(託児サービスなど)を検討しましょう。 5−3. 見やすく、わかりやすい配付資料にしましょう。 5−4. 見やすく、わかりやすいプレゼンテーションにしましょう。 5−5. オンラインでの配信を検討しましょう。 4ページ  6.情報保障について(P26〜P28) 6−1. 聞こえない・聞こえにくい人への情報保障 6−2. 見えない・見えにくい人への情報保障 6−3. 外国人への情報保障    7.実施(P29〜P31) 7−1. 障がい者などへの対応を確認しましょう。 7−2. 参加者のさまざまな問い合わせに的確に対応しましょう。 7−3. スケジュールや注意事項の連絡を行いましょう。 7−4. その他の注意したいこと    8.反省(P32) 8−1. 反省する場を設けましょう。 8−2. 反省結果を今後に役立てましょう。   9.用語解説(P33〜P38)  ◇チェックリスト 5ページ 1.マニュアルについて  1−1. 対象イベント  このマニュアルは、県が主体となって開催する講演会、シンポジウム、研修会、式典、地域のイベント、祭りなどのイベントを対象としています。   1−2. 使い方  このマニュアルでは、イベントを実施する際に検討すべき項目を、会場、広報、準備、情報保障、実施、反省の6つに整理しています。  それぞれについて、ユニバーサルデザインの観点から検討すべき項目を記載していますが、イベントの種類や規模によって、必要とされる対応はさまざまであって、すべてを一律とすることは難しい面もあります。  主催者側で、開催するイベントの対象者や規模、内容などを考えながら、取り入れるべき項目について検討し、計画・実践してください。   1−3. ハード対応とソフト対応  イベントでのユニバーサルデザインの実践方法としては、ハード対応(施設・設備などの物的な対応)とソフト対応(人的な対応)があります。両面からの実践が理想ですが、環境的条件や予算上の制約でハード対応が不可能な場合でも、ソフト対応で補うことが可能な場合があります。参加者の立場に立って、いろいろな場面を想定しながら、さまざまな人へ対応できるよう、計画を立て、実践していきましょう。  たとえば、車いす使用者の中には、長距離を歩けない高齢の人、下肢機能全廃で歩けない人、手で動かすことが困難なため電動車いすを使用している人、他の座席への移乗が出来ない人、逆に車いすより一般の椅子に移乗したい人など、いろいろな人がいますので、ご本人の要望を確認し、必要最小限でお手伝いできるように努めましょう。自分で対応が難しい場合は、無理せず周囲に協力を求めるなど、その場でできるお手伝いをしましょう。   6ページ  また、知的障がい者の人はいつもと違う環境の為、興奮して奇声を出したり、落ち着かなくなったりした場合のために安心できる場所(落ち着ける個室または、ついたてなどで囲む)を準備しておくことも検討しましょう。  知的障がい者は、何らかの原因で知的な発達に障害を持つ人で、言葉によるコミュニケーションなどが困難です。また、新しい環境に順応することに時間がかかります。人によって症状や反応は様々ですが、「ゆっくり」「ていねいに」「くりかえし」の応対を大切にしましょう。  障がい者や高齢者などの対応に間違いがないように、スタッフに対して研修や説明会などを開催することを検討しましょう。 7ページ 2.イベントの計画にあたって  だれもが参加しやすいイベントの実施にあたっては、参加者の人数、最寄り駅からの距離や駐車場の台数、施設の設備などを確認し、参加者が利用しやすい会場を選定しましょう。  イベントに向けて、時期を失さずチェックし、検討し、手配しておかないと間に合わないものがあります。それを下欄の表に掲げました。詳細は本編に記載してありますので、ご覧ください。  なお、手話通訳や要約筆記、託児サービスを依頼する場合は、報償費や旅費などの支払いが必要になります。次年度にイベントを開催する予定がある場合には、予算計上を行っておきましょう。??  多数の来場者が見込まれる場合は、長時間多数の人が停滞することによる事故が想定されますので、事前に参加制限をかける、整理券を配る、輸送、入場制限を行うなど来場者が分散するような対策をとりましょう。 いつまでに何をするべきかを示した表 約3ヶ月前までにすること 1 会場での移動経路、通路の確認 (P8) 2 トイレの設備の確認(P10) 3 駐車場の確認(P11) 4 周知方法の検討(P19) 5 託児サービスの検討(P23) 6 手話通訳・要約筆記の検討(P26) 約2ヶ月から1ヶ月前までにすること 1 チラシなどの印刷 2 託児サービスの手配 3 手話通訳・要約筆記の手配(事前の原稿) 約1ヶ月前から当日までにすること 1 チラシなどの配布 2 打合せ(事前及び当日) 開催後にすること 1 報償費・旅費の支払い 8ページ 3.会場 3−1. ?会場での移動経路、通路を確認しましょう。? (1) イベント参加者にとって、イベント会場への第一歩が出入口です。気持ちよく会場に入れるよう、出入口(※2)について確認しましょう。会場の通路にも段差がないか確認し、段差があれば、臨時のスロープを設置するなど、段差解消の措置を行いましょう。床に置かれた配線コードは、つまずきや通行の妨げとなるため、テープなどで固定するなどの配慮を行いましょう。 (2) 参加者が利用する通路にイベント関係者の物が置かれていることは、参加者にとって気持ちのよいものではありません。また、視覚障害者誘導用ブロックは、見えない・見えにくい人にとって、道しるべとなるものです。気持ちよくイベントに参加していただくため、整理整頓にも心がけましょう。??? (3) エレベーターやスロープなどを利用する車いすやベビーカー使用者などは一般の方たちと経路が異なることがありますので、看板やサインなどを設置し、分かりやすい案内を行うよう、心がけてください。 (4) 出入口から各会場やトイレまでスムーズに移動できるよう、参加者の動線を考えて、連続性のある経路としましょう。 ※1 余裕のある通路幅はイベントの種類、参加人数により異なりますが、下記表に示す寸法の意味を参考に確保してください。 ※2 出入口については、車いすが通過するために80cm以上の有効幅と段差がないことが必要です。電動車いすでの利用がある場合は90cm以上の幅が望ましいです。 9ページ それぞれの通路幅の寸法が表す意味を示した表 80cm 車いすが通過できる寸法 90cm 車いすで通過しやすい寸法 通路を車いすで通行できる寸法 120cm 通路を車いすで通過しやすい寸法 人が横向きになれば車いすとすれ違える寸法             杖使用者が円滑に通過できる寸法 140cm 車いすが転回(180°方向転換)できる寸法 杖使用者が円滑に上下できる階段幅の寸法 150cm 車いすが回転できる寸法 人と車いすがすれ違える寸法 180cm 車いすが回転しやすい寸法 車いす同士が行き違いしやすい寸法   <参考>  三重県ユニバーサルデザインのまちづくり推進条例で定める施設の整備基準では、廊下などの幅は120cm以上としています。 対応のヒント  会場が2階以上でエレベーターがない場合は、車いすを持ち上げることができるよう、人的サポート体制を整えましょう。その場合、どこを持てばいいかは車いす使用者に確認しましょう。 10ページ 3−2. トイレの設備を確認しましょう。  多機能トイレは、車いすで便器に寄りつけるように広いスペースをとっています。多機能トイレは広いスペースに洋式便器が設置されているので、車いす使用者だけでなく、足腰の弱い方や小さな子どもにとっても利用しやすく便利です。 対応のヒント 1. 多機能トイレがない場合には、近くの施設にないかを確認し、利用案内ができるように準備しましょう。また、仮設トイレを設置する場合には快適に使用できるトイレ(洋式便座で臭い逆流防止機能付きのトイレ、身体障がい者対応のものが望ましい)の設置を検討しましょう。 2. 多機能トイレにベビーシート、ベビーチェアやオストメイト対応設備(解説)大人用介護ベッド等があると、乳幼児連れの方や内部障がいのある方も安心です。一般トイレに洋式便器、子ども用便器があると、多くの参加者が見込まれる場合に多機能トイレに利用が集中せず、より望ましいです。 3. 服が汚れたり、汗をかいたりして、着替えたいときのために、着替えのスペースがあるとより便利です。 4. スムーズに案内が出来るよう、多機能トイレの場所を主催者、運営関係者が把握しておきましょう。イベント会場内のトイレマップ(多機能トイレ、洋式トイレ、手すり付、子ども用トイレ、大人用介護ベッド等の詳細も)があれば、よりよい案内ができるでしょう。 11ページ 3−3. 駐車場を確認しましょう。  障がい者や高齢者、妊産婦、けが人などで歩行が困難な方の参加を支援するため、会場には「おもいやり駐車場」の設置を検討しましょう。なお、イベント等では「臨時おもいやり駐車場」を設置いただくことができます。  車いす使用者等は、乗り降りする際、ドアを全開にする必要があることから、幅の広い区画(3.5m程度)が必要ですので配慮をお願いします。また、車いす使用者等は視点が低くなるため、車の陰から出てくる車を発見しづらいことや、他のドライバーから見えにくいことから、安全のため、できるだけ移動距離が短くなるよう、会場の出入口に近い(安全かつ利便性の高い)箇所に駐車区画を設ける必要があります。  歩行が困難な方は自家用車を使用している方も多いため、必ず、「おもいやり駐車場」があるか確認しましょう。 対応のヒント 1. おもいやり駐車場がない場合は、会場の出入口に近い箇所に臨時おもいやり駐車場を設置するなどの検討を行いましょう。 2. 離れた所に車を止めて、バスでの送迎を行う「パーク&バスライド」などのシステムを導入する場合、送迎を行うバスに車いす利用者や歩行に困難さを抱える方が乗降しやすい低床バスなどを使用することも検討してください。 3. 車いすで利用できる福祉タクシーの手配ができるか確認しておきましょう。参加者の求めに応じて、タクシー会社等の連絡先をお伝えすることができるとよりよいでしょう。 4. どうしても、会場の出入口近くに「おもいやり駐車場」や「障がい者用駐車区画」を設けられない時は、会場の出入口近くに乗降用の一時停車場を設けておくことで、歩行に困難さを抱える方を出入口近くで先に下ろしたり、福祉タクシーの乗降場としても利用することができます。 5. 雨天時の対応も考えておきましょう。屋根のある駐車場があるか、会場の出入口まで屋根があるかを確認しておきましょう。なければ、誘導員での対応を考えましょう。? 12ページ 3−4. 会場までのアクセスを確認しましょう。  イベントに参加する方は、無事会場まで行けるか不安を抱えています。この不安を取り除くために、アクセスについて確認し、伝える必要があります。  障がい者、高齢者、乳幼児連れの人など、さまざまな人の立場に立って、公共交通機関を利用する場合、徒歩の場合、自家用車の場合を想定し、確認することが大事です。  会場までのアクセスがわかりにくい場合、どこに案内看板などを掲示したらいいのか検討しましょう。 対応のヒント 公共交通機関を利用する場合 1. 最寄の駅やバス停のエレベーターやスロープなどの施設やタクシー乗り場の有無の確認を行い、バリアフリーでない場合は、付近にバリアフリーな駅やバス停がないか確認しましょう。人により案内を変える必要があることも考えておきましょう。 2. 主要駅や最寄駅から会場までの案内板、バスの運行表、点字表示の有無を確認し、運賃、所要時間、低床バスの運行の有無も確認できると望ましいです。 13ページ 最寄の駅やバス停から徒歩で移動する場合 1. 最寄の駅やバス停から会場までの状況を実際歩いて階段や坂道などがないか調べておきましょう。 2. 危険な箇所や道幅の狭い箇所がある場合は、迂回路などを検討しましょう。 自家用車の場合 1. 遠方からの参加者が想定される場合は、高速道路のインターチェンジや主要道路からのルート、所要時間を確認しましょう。 2. イベント期間中の工事による交通規制などの道路状況を確認しておき、情報を提供できるようにしましょう。 その他 1. イベントの規模が大きい場合、駅からの誘導、送迎なども考え、輸送計画を立てましょう。送迎用シャトルバスを運行する場合は、発着場の場所、待機なども考えて、計画を作りましょう。 2. イベント当日は、施設周辺に係員を配置し、来場者を誘導することを併せて行うとよりわかりやすいです。 3−5. 受付・案内所の設置場所を確認しましょう。  受付は多くの参加者が初めに行くところです。建物入口からなるべく近く、わかりやすい場所に設置するようにしましょう。受付をするスタッフが建物入口を見えるようにすることで、参加者への対応もスムーズにできます。  また、案内所は何かを尋ねたいときに利用する場所です。だれもが利用しやすい場所に設置しましょう。受付や案内所には、聞こえない・聞こえにくい人は筆談しますなどわかるように案内板などを設置することが望ましいです。 案内例  耳マークを示す大きなマークの隣に「筆談します」という文章を表示した案内板の図 14ページ 対応のヒント 1. 混雑時など受付・案内所で対応しきれない場合は、近くにいるスタッフが対応しましょう。事前にスタッフ全員が、会場内の配置を確認しておきましょう。また、困っている来場者を見かけたら、積極的に声をかけましょう。 2. 受付は来場者を迎え入れる場所です。来場者が気持ちよく過ごせるよう、日頃から接遇マナーを身につけておきましょう。 3. 緊急時の対応方法や緊急連絡先は整理、確認し、すぐに対応できるようにしておきましょう。?? 4. 遠くから見ても受付・案内所の位置がわかるよう案内表示を行うとともに、手話通訳(解説)者や要約筆記(解説)者を配置している場合は、配置している場所をマークなどで表示した会場案内図を作成し、配布しましょう。 5. 当日のプログラムや緊急時の避難経路など各種情報は、あらかじめ文字にして掲示をしたり、ディスプレイ等の画面に表示しておきましょう。 6. 聞こえない・聞こえにくい人や聞きそびれた方などのために、館内放送以外に複数の手段でお知らせする術を用意しておきましょう。 (例1) インターネットなどを利用してリアルタイムにお知らせする。 (例2) 受付や案内所などに、放送した内容を文字にして貼り出す。会場に文字案内設備がない場合は掲示板の設置を検討しましょう。 15ページ 3−6. 会場への案内表示は見やすく、わかりやすい表示になっているか確認しましょう。  一つの施設で行われるイベントが一つであるとも限りません。参加者が施設内をスムーズに移動できるよう、案内表示を設置することが大切です。人混みの中、離れた場所からでもわかりやすい場所に設置されているか確認しましょう。 対応のヒント 1. 案内表示が行えない場所や表示だけではわかりにくい場所では、案内係を配置するようにしましょう。 2. 見やすい図や文字の大きさ、色づかいにし、わかりやすい言葉で案内表示を作成しましょう。 3. 「印刷物等のわかりやすい情報の提供のためのガイドライン」(解説)も参考にしてください。 3−7. ?休憩所等のスペースを確認しましょう。  イベントが長時間となる場合には、具合が悪くなる方がいるかもしれません。高齢者、障がい者、乳幼児を連れている方など、参加者のさまざまなニーズや緊急時に備えて、休憩所や救護室などのスペースを確保するようにしましょう。必要に応じて、講師やスタッフ等の休憩スペースも設置しましょう。  部屋として確保できない場合は、コーナーとして設置することを検討しましょう。 16ページ  対応のヒント 1. 十分なスペースを確保できない場合は、近くに利用できる施設がないかを確認しましょう。また、一つのスペースを多目的に使用できるよう案内係を配置し、共有利用や入れ替え利用などができないかを検討してみましょう。 2. 救護室には、必要に応じて、医師、看護師、保健師などのスタッフが待機しましょう。託児室には、保育士などのスタッフを配置しましょう。 3. 喫煙コーナーを設ける場合は、受付や出入り口などからは離れた場所に設置しましょう。乳幼児や非喫煙者に煙が届かないよう換気設備のある場所に配置しましょう。 4. 必要に応じて、電話コーナーの設置を検討しておきましょう。 場合によっては、電話だけでなく、ファックスやパソコンの設置をすることもありますが、機器を置く場合は、車いすでも使用できるように配慮しましょう。 <参考>休憩所等に必要な設備 1 冷暖房設備のあるスペースとしましょう。 2 授乳室には、お湯を提供する設備、流し台、ゴミ箱があるといいでしょう。 3 乳幼児のおむつ替えのスペースには、ベッドや畳スペース、手洗い、ゴミ箱、おむつ廃棄用汚物入れがあるといいでしょう。 4 託児室は、床にカーペットやマットを敷き、壁や家具の角は、クッション材などで覆いましょう。 また、保育士などの専門知識を有するスタッフを配置し、利用者、保育者の保険加入も行いましょう。 5 救護室には、休憩できるようベッドを置きましょう。応急手当ができるよう、消毒薬や包帯、絆創膏などの医薬品を備え、緊急時の搬送用に車いす、担架などもあると望ましいでしょう。 17ページ 3−8. ?会場内のレイアウトを確認しましょう。  参加者が会場内で、迷わず席に着席したり、目的のブースにたどり着けるよう、会場内をわかりやすいレイアウトで構成するとともに、スムーズに案内できるようにしましょう。  展示をする場合は、子どもや車いすの方が見やすい高さとし、点字表示や音声による案内ができると望ましいでしょう。 対応のヒント 1. 手話通訳(解説)者、要約筆記(解説)のスクリーン(モニター)は、話し手や資料映像と離れすぎると伝わりにくくなります。会場のレイアウトを決める際には十分に検討しましょう。 また、会場の明るさによっては、手話通訳や要約筆記が見づらくなる場合があります。実際に使用する明るさにして確認しましょう。 2. 会場内の設備(空調設備、プロジェクターやスクリーン、マイクの音量、音響設備、照明設備など)は、事前に作動するか確認をしておきましょう。 3. オンラインで出席する出演者がいる場合やライブ配信を行う場合は、機材の電源や有線LANの接続場所を確認しましょう。 18ページ  机、いすを配置した会議、講演の会場設営例を示した図 19ページ 4.広報 4−1.イベントの情報はわかりやすく伝えましょう。  イベントへの関心を高め、多くの方への参加を促すためにも、イベントの内容などが効果的に多くの方に伝わることが大切です。  次の内容が周知されているか確認しましょう。 1. イベントのねらい、内容、開催期間、開催場所、参加料 2. 問い合わせ先、電話番号、ファックス番号、メールアドレスなど 3. 開催場所へのアクセス方法 対応のヒント 1. 「印刷物等のわかりやすい情報の提供のためのガイドライン」(解説)も参考にしてください。 2. 聴覚障がい者などは、利用できない連絡手段があるため、複数の連絡手段を示しましょう。 4−2.参加者の募集にあたり、さまざまな情報伝達の手段を活用しましょう。 (1) イベントに関する情報は、より多くの方に知っていただけるよう、複数の情報伝達手段を活用することが必要です。広報紙やポスター、チラシといった印刷物による広報だけでなく、テレビやラジオなどの放送、ホームページなどといった方法を考えましょう。 20ページ (2) 印刷物は、文字の大きさや色づかいに配慮し、見やすさ、わかりやすさを意識して作成しましょう。 (3) 事前に参加申込みを受ける場合には、郵送だけでなく、ファックス、電話、電子メールなど、複数の手段により受け付けるようにしましょう。 対応のヒント 1. 印刷物による広報の場合には、音声コードを付けることを検討しましょう。また、カラー印刷の場合は、色弱模擬メガネ(解説)により、色の見え方の異なる人にも見やすい色づかいになっているか確認しましょう。? 2. 募集の際、おもいやり駐車場やバリアフリー情報を入れた会場案内図、手話通訳(解説)者や要約筆記(解説)等の有無についても簡潔に記載するとよいでしょう。 3. 「印刷物等のわかりやすい情報の提供のためのガイドライン」(解説)も参考にしてください。 4−3.会場までのアクセスについてわかりやすく伝えましょう。  参加者が安心してイベントに参加できるようにするために、広報、募集の際にも、会場までのアクセスについて、わかりやすく伝えることが必要です。  例えば、つぎのような情報を伝えることで、参加者の不安を解消することができます。 1. 駐車場の有無と規模、有料無料の別 2. おもいやり駐車場の有無 3. 最寄駅や会場近くのバス停についての案内 4. 公共交通機関を使用した場合や車、徒歩での会場までの所要時間 21ページ 4−4.会場内のサービスについて事前に情報を伝えましょう。  イベント会場内での参加者の不安を事前に取り除くためには、参加者のニーズに対応した次のような情報を周知することを検討しましょう。  あらかじめパンフレットなどに、「参加に際して、事務局側で手話通訳、要約筆記、託児サービスが必要な場合は、事前に事務局へ連絡して下さい」などと、明記する方法もあります。  1. 多機能トイレ(解説)の有無(オスメイト対応設備(解説)の有無を含めて) 2. 手話通訳(解説)、要約筆記(解説)者や外国語通訳の有無 3. 託児サービスの有無 4. 車いすやベビーカー、赤外線補聴システム(解説)など各種貸出サービスの有無 22ページ 5.準備 5−1.情報保障(手話通訳、要約筆記など)を検討しましょう。 (1) 情報保障とは、人の「知る権利」を保障することです。 聞こえない・聞こえにくい人への情報保障としては、次のものが考えられます。 ⇒ 手話通訳(解説)、要約筆記(解説)、補聴援助システム(解説) 見えない・見えにくい人への情報保障としては、次のものが考えられます。 ⇒ 点字資料、音声コード(解説)資料、テキストデータ (2) 日本語の理解に困難さを抱える外国人住民等も参加できるよう、会場での受付やイベントの情報には、やさしい日本語を使うようにしてください。さらに、日本語以外の言語での印刷物等の作成や、ピクトグラム(絵文字)による案内表示、外国語通訳の配置等についても検討しましょう。 (3) いろいろな制約により全てを用意できない場合もあるでしょうが、実施するイベントの内容を踏まえて、十分検討しましょう。 (4) 手話通訳者・要約筆記者の派遣申請方法など、情報保障全般については26ページ以降を確認してください。 ※ 手話通訳・要約筆記の検討はイベントの約3ヶ月前に、 手配は約1ヶ月から2ヶ月前に行いましょう。 対応のヒント ○ 研修会や説明会などで、参加者に資料を持ち帰ってもらい、確認や見直しが必要な場合などは、事前に点字資料や、音声コード資料の用意が必要です。それ以外の場合も、必要に応じて事前に用意することが望ましいですが、事前に準備できない場合もありますので、後日資料を送付するなどの検討をしましょう。 23ページ 5−2.子育て支援(託児サービスなど)を検討しましょう。 (1) 子育て中の人にとっても、参加しやすいイベントとすることが求められています。 (2) 託児サービスについては、イベント時の託児サービス事業を実施している県内のNPOや専門業者に委託することができます。 ※ 託児の検討は約3ヶ月前に、手配は約1ヶ月から2ヶ月前に行いましょう。 5−3.見やすく、わかりやすい配布資料にしましょう。 (1) 参加する人の立場に立って、文字や図などの大きさ、表記、表現方法などを検討し、見やすくわかりやすいものとすることが必要です。また、カラーで作成する場合には、見やすい色づかいに留意し、色弱模擬メガネ(解説)等で検証しましょう。 (2) 講師などが配布資料の内容を示したり、読み上げたりする場合があるので、配布資料にページ数を入れたり、複数の資料がある場合には資料番号を入れるようにしましょう。また、箇条書きの先頭は、「・」や「○」などではなく、「1、2」「a、b」などとしたほうが、手話通訳(解説)や要約筆記(解説)で伝えやすくなり、参加者も手元の資料の確認がしやすくなります。 (3) 印刷物全般については、「印刷物等のわかりやすい情報の提供のためのガイドライン」を確認してください。? (4) 見えない・見えにくい人への配布資料については、27ページの6−2を参照してください。 24ページ 5−4.見やすく、わかりやすいプレゼンテーションにしましょう。 (1) 会場全体に情報伝達できるよう、会場の明るさ、表示する文字や図などの大きさ、表示位置、音量、音質などを検討することが必要です。 (2) Microsoft PowerPointなどのプレゼンテーションソフトウェアを使って、スライドを作成する場合は、会場の広さやスクリーンの位置に応じて、文字や図などの大きさに注意しましょう。また、レーザーポインターを使用する場合は、従来の赤色のレーザーポインターではなく、より見やすい緑色のレーザーポインター(解説)にしましょう。 (3) 上記のスライドの内容を示したり、読み上げたりする場合がありますが、箇条書きの先頭は、「・」や「○」などではなく、「1、2」「a、b」などとしたほうが、手話通訳(解説)や要約筆記(解説)で伝えやすくなります。 また、スライドや配布資料を使って伝える場合は、視覚情報のみによる情報伝達にならないように注意が必要です。例えば、「図のとおりとなっています。」といった説明の場合、見えない・見えにくい人には伝わらないので、図が示す内容を口頭で説明することが大切です。 (4) 急に暗くなったり、大きな音を聞くことでパニックになる方もいますので、イベントやプレゼンテーションを行う際に、会場の照明を暗くする場合や大きな音を鳴らす場合は、あらかじめ案内をしておきましょう。 (5) 聞こえない・聞こえにくい人、見えない・見えにくい人への情報伝達については、26ページの6−1及び27ページの6−2を参照してください。 25ページ 対応のヒント  プレゼンテーションソフトウェアを使う場合の文字の大きさは、通常24ポイント程度が見やすいといわれています。   5−5.オンラインでの配信を検討しましょう。  オンライン配信には、リアルタイムで配信を行う「ライブ配信」と、イベントの様子を撮影しておき、後日配信する「オンデマンド配信」があります。 (1) イベントの内容を不特定多数の人にも公開するのか、希望者にのみ公開するのかをあらかじめ検討しましょう。 希望者にのみ公開する場合には、配信ページのアドレスやパスワードを希望者にのみ告知するなど、不特定多数の人が閲覧できないようにするための対応を行いましょう。 (2) イベントの出演者に対しては、配信を行ってよいか、また、希望者だけでなく不特定多数の人も閲覧できるようにしてよいかなどの意向をあらかじめ確認しておく必要があります。 (3) ライブ形式で配信を行う場合には、安定した回線を確保することが大切です。 有線LANに接続する、また、現地でリハーサルを行うなど、不測の事態に備えて準備を行いましょう。 (4) カメラなどの機材の設置場所や配線を考慮したレイアウトを構成しましょう。 26ページ 6.情報保障について  情報保障とは、さまざまな状況により情報を収集することができない人に対し、代替手段を用いて情報を提供することで、人間の「知る権利」を保障するものです。  視覚による代替手段として、手話通訳、要約筆記、筆談、字幕など、触覚による代替手段として点字などがあります。色の見え方の異なる人などが見やすいように色づかいを考える「カラーユニバーサルデザイン」の考え方や、印刷物の文字の大きさを大きくすることなども情報保障の一つです。また、DVD作成時には字幕を挿入するようにしましょう。 6−1.聞こえない・聞こえにくい人への情報保障 手話通訳、要約筆記  手話通訳(解説)者、要約筆記(解説)者の派遣については、子ども・福祉部障がい福祉課または、三重県聴覚障害者支援センターにお問い合わせください。派遣には報償費や旅費の支出が必要となります。 ※ 手話通訳や要約筆記を担当する方々には、話の流れや専門用語などの確認が必要なため、事前(出来るだけ早く)にイベントスケジュールや講演内容などの詳しい原稿が必要となりますので、その準備が必要であることを心得ておいてください。 1. 子ども・福祉部障がい福祉課 (注意:県主催行事に限る) (連絡先:059-224-2274) 2. 三重県聴覚障害者支援センター (連絡先:059-223-3302)     27ページ 補聴援助装置  聞き取りにくい人のためには、補聴援助システム(解説)を準備します。? 1. 赤外線補聴システム(解説) 県庁講堂、松阪庁舎大会議室、県人権センター、県総合文化センター、 三重県聴覚障害者支援センターなどに設置されています。 2. ヒアリングループ(解説)システム 三重県聴覚障害者支援センターで貸し出しています。 ※ <参考> スマートフォンアプリ「UDトーク」 話した言葉を文字に変換してくれるアプリです。画面に文字が表示されるため、筆談をするときに、紙の代わりに活用できます。 6−2.見えない・見えにくい人への情報保障 (1) 印刷物の情報を音読して録音することや点字にすることによって、見えない・見えにくい人への情報提供ができます。(見えない・見えにくい人のすべてが、点字ができるわけではありません。点字の識字率は10%程度と言われています。) (2) 音声資料や点字文書の作成には時間がかかるので、余裕を見て準備しましょう。 (3) 下記の団体などでは、印刷物の音訳および点訳の業務委託に対応しています。  三重県視覚障害者支援センター(社会福祉法人 三重県視覚障害者協会) 電話:059-228-3463  上野点字図書館(社会福祉法人 伊賀市社会事業協会)電話:0595-23-1141 (4) パソコン読み上げソフトをお持ちの方は、点字資料や音声コード資料ではなく、Word文書やテキストデータでの送付を希望する方もいます。 なお、テキストデータは、保存するときに「テキストデータ」の形式を指定すると作成でき、ファイル名の後に「.txt」という拡張子がつきます。 28ページ  6−3.外国人への情報保障 (1) 三重県には多くの外国人住民が生活しています。必要に応じて、日本語以外の言語での印刷物等の作成や、ピクトグラム(絵文字)による案内表示、外国語通訳の配置等についても検討しましょう。 (2) 印刷物等の翻訳には時間がかかるので、余裕を見て準備しましょう。 (3) 下記の団体などでは、印刷物の翻訳や外国語通訳等の業務委託に対応しています。(詳細は各団体などに確認ください。)  公益財団法人三重県国際交流財団 電話059-223-5006  NPO法人伊賀の伝丸(つたまる) 電話0595-23-0912 (4) 観劇、展示物の案内等ではイヤホンガイドの活用も考えられます。 29ページ 7.実施 7−1.障がい者などへの対応を確認しましょう。 (1) ヘルプマークをもっている方や困っている様子の人などに気がついたら、お手伝いが必要かどうか声かけをし、必要ならば案内しましょう。車いす使用者の場合は、着席の際にはいすを外すなどの対応を行いましょう。 (2) あらかじめ、障がい者、高齢者、乳幼児連れの人などが参加することがわかっている場合は、スタッフ間での情報の共有を行い、対応について準備し、当日適切な対応ができるようにしておきましょう。 事前に研修を行っておくと当日の対応がスムーズにできます。 (3) 火災や地震などの災害が発生した場合の避難ルートや誘導方法、情報伝達方法について、事前にスタッフの役割分担と対応を決めておきましょう。 停電に備え、懐中電灯を持つスタッフや、避難誘導のため、メガホンやホイッスルなどを持つスタッフを配置しましょう。                                       7−2.参加者のさまざまな問い合わせに的確に対応しましょう。  参加者はさまざまな質問や要望を持って会場に来られる場合があります。  これらに対し、適切に対応できるよう、次のような点に配慮しましょう。? (1) 服装 参加者が容易にスタッフを確認できるよう、わかりやすい服装か名札などをつけましょう。名札は読み仮名をつけた大きな文字で、よく見える位置につけましょう。初対面のスタッフ同士でも部署、氏名が把握できるように作成しましょう。 30ページ (2) スタッフの対応 1. おもいやり駐車場、避難通路、多機能トイレ(解説)、AED、休憩・救護スペース、託児・授乳スペースなどについて、ミーティングで確認・情報共有し、スタッフ全員があらかじめ問い合わせや介助などにすぐに対応できるようにしましょう。また、対応できていないサービスについて希望があった場合にどのように対応するか、検討しておきましょう。? 2. 手話通訳や要約筆記の用意がある場合には必要な方へ伝え、席を案内しましょう。? 3. 会場までの案内を必要とされる方もいますので、あらかじめ案内するルートを確認しておきましょう。 4. 受付や案内所には、筆談用のメモと筆記具を用意し、常に対応できるように心がけましょう。 5. 車いす、ベビーカーの貸出を行う場合は、準備しましょう。 6. 迷子の対応、落し物の預かりを行う場合に備えておきましょう。 7. イベント当日の天候等によっては、開催中止になることもあります。中止にする判断基準やタイミング、中止になった場合の連絡方法等をまとめておきましょう。 8. スタッフが持つ携帯電話に緊急連絡先の登録をしましょう。わからないことがあったり、トラブルが生じたりした場合に誰に連絡するのか、スタッフで確認しておきましょう。 9. イベント中「いつ、どこで、何がなされているのか」スタッフ全員が把握するように努め、質問があった場合は、対応できるようにしましょう。 10. スタッフ間での報告、連絡、相談を徹底しましょう。? 31ページ 7−3.スケジュールや注意事項の連絡を行いましょう。 (1) 当日のスケジュールの説明を行いましょう。大きく読める掲示板にわかりやすい表現で書いたり、音声での案内を行ったりする場合には、簡潔な分かりやすい表現を心がけ、重要な情報は繰り返すなど、確実にその情報が伝わるよう配慮しましょう。また、案内は音声のみにならないようにしましょう。 (2) ペースメーカーを付けている方への配慮及び他の参加者への配慮として、携帯電話の電源を切るように促しましょう。 7−4.その他の注意したいこと (1) 食物アレルギーとは食物を摂取した際、食物の含まれる原因物質(アレルゲン)を異物として身体が過敏な反応を起こすことです。近年、特定の食物が原因でアレルギー症状を起こす人が増え、重篤なアナフィラキシーショックを起こす人も年々増加していますので飲食物を提供する場合には、食物アレルギーに関する表示をわかりやすく表示しましょう。 アレルゲンに関する情報を表示することでアレルギー症状が起こるのを避け、食べても大丈夫な食品を選べることになります。       食品に関する相談、食品表示に関する相談窓口       医療保健部食品安全課 連絡先 059-224-2358 (2) また、宗教上の理由等により、特定の食材等が食べられない方もみえますので、必要により表示を検討しましょう。(同じ料理であっても地域により使用食材や調理方法が異なります。調理や加工の方法などにより食べられない方もいます。) (3) 宿泊を伴うイベントの場合は、宿泊施設のバリアフリーの状況や提供する食事等について確認しておき、情報提供できるようにしましょう。 32ページ 8.反省 8−1.反省する場を設けましょう。 (1) 反省会などを行い、気づいた点を率直に話し合うとともに、アンケートなどにより得た参加者の意見を、真摯に受け止めることが必要です。 (2) 反省会などを行うことができない場合は、書面やメールなどにより、それぞれの気づきや参加者の意見を共有できるよう工夫しましょう。 8−2.反省結果を今後に役立てましょう。 (1) 反省結果を役立て、活用することによって、今後のイベント実施をよりよいものにしていくことができます。 (2) 当面イベント実施の予定がない場合でも、得られたノウハウや反省結果は、他所属や他団体からの問合せなどに応じられるよう整理しておきましょう。 33ページ 9.用語解説 情報保障  さまざまな状況により情報を収集することができない人に対し、代替手段を用いて情報を提供することで、人間の「知る権利」を保障するものです。  視覚による代替手段として、手話通訳、要約筆記、筆談、字幕など、触覚による代替手段として点字などがあります。色の見え方の異なる人などが見やすいように色づかいを考える「カラーユニバーサルデザイン」の考え方や、印刷物の文字の大きさを大きくすることなども情報保障の一つです。 印刷物等のわかりやすい情報の提供のためのガイドライン  職員がわかりやすい情報の提供を日常的に意識し、配慮することができるよう、印刷物に焦点をあて、作成する際の注意点をまとめたものです。 県子ども・福祉部家庭福祉・施設整備課   施設整備・ユニバーサルデザイン班ホームページ参照  http://www.pref.mie.lg.jp/UD/HP/20762012410.htm 手話通訳  音声言語を手話に変換、手話を音声言語に変換することをいいます。 要約筆記  聞こえない・聞こえにくい人への 情報保障手段の一つで、話している内容を要約し、文字として伝えることをいいます。  手法としては「手書き」と「パソコン」があります。「手書き」の場合は、利用者の近くで行う方法と、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)やOHC(オーバーヘッドキャメラ)を用いてスクリーンに大きく映し出す方法があります。「パソコン」の場合は、利用者の前にパソコンを置き表示をする方法と、プロジェクターを使ってスクリーンに大きく映し出す方法があります。 34ページ 補聴援助システム  補聴援助システムとは、聞こえない・聞こえにくい人の聞こえの向上または代替する装置のことをいいます。  補聴援助システムの主なものには、磁気誘導ループ、赤外線補聴システム、FM補聴システムがあります。 ヒアリングループ  補聴器を利用している人の聞こえを補助する放送設備で、補聴器に直接音声を送り込むための機材です。磁気発生用アンプ、磁気発生ワイヤー、受信用補聴器、マイクで構成されています。磁気発生ワイヤーを輪のように這わせることから、通称「ヒアリングループ」と呼ばれます。この磁気誘導ループによりもたらされる磁気を受信し、音声信号に変換すると雑音の少ないクリアな音声を聴くことができます。あらかじめ建物施工時にループ用配線を床下に埋設する常設型や、コードリールなどからループを引き出して必要部分に輪を作る移動(携帯)型、補聴器の上から直接掛けして使用するヘッドホン型などがあります。 ※ ヒアリングループは、ペースメーカー等の機器に影響を与える可能性がありますので、利用の際には注意を呼びかけましょう。 【貸出先】 三重県聴覚障害者支援センター(連絡先:059-223-3302) 赤外線補聴システム  日常的に補聴器を利用している人に有効です。不要な音は増幅せず、必要な音声のみを正確に聞き取ることができます。音声を赤外線信号に変えて伝え、受光器を装着して利用します。   36ページ  音声コード  紙に印刷できる二次元コードで、デジタル化された文字情報がコード内に含まれています。Uni-Voice( Uni-Voice事業企画株式会社)は、活字文書読み上げ装置(スピーチオ、テルミーなど)やスマートフォンのアプリに読み取らせることで音声を出力します。印刷物に印刷することにより見えない・見えにくい人にも情報の提供ができるようになります。作成方法は、音声コードにしたい文章をMicrosoft Wordで作成し、専用ソフトでデジタル化をします。  (参考:スマートフォンアプリ「Uni-Voice」ユニボイス) 【Uni-Voiceソフトインストール用ディスク貸出先】  子ども・福祉部 家庭福祉・施設整備課 施設整備・ユニバーサルデザイン班 【スピーチオ貸出先】  子ども・福祉部 家庭福祉・施設整備課 施設整備・ユニバーサルデザイン班 【テルミー貸出先】  子ども・福祉部 家庭福祉・施設整備課 施設整備・ユニバーサルデザイン班 色弱模擬メガネ(バリアントール)  色の見え方の異なる人の色の見分けにくさを一般色覚者が体験できるようにしたメガネ型特殊フィルタです。かけて見るだけで色の見え方の異なる人の見分けにくい配色を探し出すことができます。  (参考:スマートフォンアプリ「色のシュミレーター」) 【貸出先】 1. 子ども・福祉部 家庭福祉・施設整備課 施設整備・ユニバーサルデザイン班 2. 本庁各部総務課 3. 各庁舎の地域防災総合事務所及び地域活性化局 36ページ 緑色のレーザーポインター  人間の目は緑や黄色に対して感受性が高く、赤の光に対しては、あまり感受性が高くありません。このため、同じ光の量でも緑のほうが明るく見えることになります。そこで、レーザーポインターを使用する場合にも、緑色のレーザーポインターを使用するほうが、赤色のレーザーポインターに比べ、より見やすく、分かりやすくなります。 【貸出先】  子ども・福祉部 家庭福祉・施設整備課 施設整備・ユニバーサルデザイン班 ピクトグラム  一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つです。地と図に明度差のある2色を用いて、表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられます。 オストメイト対応設備  オストメイトとは、人工肛門や人工膀胱を保有する方のことです。便意や尿意を感じたり、我慢することができないため、便や尿を溜めておくための袋=「パウチ」を腹部に装着しています。パウチに溜まった排泄物は一定時間ごとに便器や汚物流しに捨てる必要があり、このときにパウチや腹部を洗浄する必要があります。そのための設備として、汚物流しやパウチ洗浄水栓などがあります。 オストメイトのピクトグラムの図 公益社団法人日本オストミー協会ホームページ参照     https://joa-net.org/toilet/tl-present/   37ページ  おもいやり駐車場、臨時おもいやり駐車場  県では、障がい者や高齢者、妊産婦、けが人などで歩行が困難な方の外出を支援するため、施設等に「おもいやり駐車場」を設置し、必要な方に「おもいやり駐車場」の利用証を交付する「おもいやり駐車場利用証制度」を進めています。  また、イベント等で臨時に駐車場を設置する場合に「臨時おもいやり駐車場」の設置をお願いしています。「おもいやり駐車場」、「臨時おもいやり駐車場」についての問い合わせは県子ども・福祉部 家庭福祉・施設整備課 施設整備・ユニバーサルデザイン班までお願いします。 県子ども・福祉部家庭福祉・施設整備課   施設整備・ユニバーサルデザイン班ホームページ参照     https://www.pref.mie.lg.jp/UD/HP/70426012527.htm 多機能トイレ  内部が広く、手すりのある洋式便器が設置されています。ベビーシートやベビーチェア、オストメイト対応設備が装備されているものもあります。身体障がい者ばかりでなく、高齢者、乳幼児連れの人、けがをしている人などにとっても利用しやすいよう配慮されたトイレです。出入口付近には車いす使用者をデザインしたマークが表示されています。 国際シンボルマークの図 多機能トイレの内部の写真 県子ども・福祉部家庭福祉・施設整備課   施設整備・ユニバーサルデザイン班ホームページ参照     http://www.pref.mie.lg.jp/UD/HP/20735012063.htm 38ページ 補助犬  補助犬とは、身体・視覚・聴覚障がい者のために働く盲導犬・聴導犬・介助犬のことをいいます。これらの補助犬は、身体障害者補助犬法により、公共の施設、交通機関、不特定多数の方が利用するデパートやホテルなどの施設における同伴の受け入れが義務付けられています。対応としては、補助犬は仕事中ですので、むやみに触ったり声をかけたりしないようにしてください。犬の排泄場所について聞かれた場合は、どんな場所が良いか使用者に尋ね、案内しましょう。(土・植え込みやアスファルト・コンクリートなど)また、それらの場所について、事前に確認しておくとよいでしょう。  厚生労働省ホームページ参照  http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/hojyoken/