「言ったようには育たない。やったように子は育つ」というように、子どもは良きにつけ、悪しきにつけ、親の姿のまま行動するようになります。親の無意識の習慣を子どもは日々学んで、それを再現しているのです。
わが子に対して、「こうなって欲しい」「こう育てたい」と思うなら、まず、親である私たちが、『子どもは自分の姿を映してくれている鏡』と子どもの姿から学んで反省し、行いを変えようと努力する必要があります。「この子のために、自分がまず変わらなければ!」という親の思いは、必ず子どもに通じます。親が育てば子どもも共に育ちます。【共育】
では、「子どもの姿から学ぶ」とはどういうことでしょうか?子どもは今、何を考えているか?何に興味を持っているか?どんなことを求めているか?などと、子どもの実態を知ることです。そのうえで、子どもの立場を考え、能力の芽をその子なりに伸ばしてあげましょう。
【共育】とは?
子どもが50点なら親も50点、子どもが80点なら親も80点なのです。
「こんな風に育てたい」と一方的に考えるのではなく、親が子どもにとって「どんな親になりたいか?」を考えてみてください。
庭を掃きながら 庭の掃き方を教える
謝りながら 謝り方を教える
挨拶しながら 挨拶の仕方を教える
返事をしながら 返事の仕方を教える
感謝をしながら 感謝の仕方を教える 【感化の教育】
つまり、子どもに片付けをさせたければ、親自身が日ごろから片付けをすることです。その姿から子どもは片付け方を学び、さらに、片付けの後に「お部屋がきれいになって気持ちがいいわ」と親がニコニコすれば、子どもも一緒に「お片付けすると気持ちがいいね」と喜び、その喜びが子どもの心に刻まれていくのです。
子どもを変えようと思うならば、まず親の私たちが変わらなければなりません。子どもが変わらないということは、親が変わっていない証拠です。
こうして自分を律し、わが身をもって行動で示すことも、子どもへの大きな愛情です。
「子どもにとってどんな親になりたいか?」を考え、その理想を目指して日々行動しましょう。
一日中とても忙しいお母さんですからいつも子どもに向き合ってばかりいられません。また常にその場で子どもの欲求を満たしてばかりいては、子どもが我慢する事を覚えられません。その場の状況に応じてお母さんの用事を優先してもいいのです。
ただその時に大事なのは、子どもの話を聞かずに親の都合だけをいうのではなくまず子どもの気持ちを受け止めてあげることです。子どもが「お母さん」とよびかけてきたとき「はい、なあに」と優しく振り向いてあげてください。「あなたを受け止めるよ」という温かなまなざしが「愛されている実感」として子どもの心に積み重なります。
とはいえ、忙しいお母さんですから「せめてこの用事がすむまで待ってほしい」と思ってしまいますよね。そんな時は「ちょっと待って」と我慢も必要です。ただ待ってもらった後に「待っててくれてありがとう。ママうれしいわ」とフォローもしっかりしてあげてくださいね。
スキンシップ・・・特に幼児期は「抱っこ」が必要です。
スキンシップ、最大のチャンスは一日二回訪れます。
①朝、起きてきたとき ②幼稚園・保育園から帰宅したとき
それは母親の手を離れ<一人旅>から帰ってきたときです。 「おかえり」とギュッと抱っこ・・お母さんに抱きしめられて子どもの心は安心感と幸せに満たされて安定します。スキンシップを日々積み重ねることで子どもの心に豊かな情緒が培われていくのです。又、不思議なことに抱きしめることによってお母さんも優しい気持ちになれます。イライラすることがあっても不思議と心が落ち着きます。
“スキンシップは親と子の心をつなぐ魔法”
ぜひ試してみてください。
長引く自粛生活、新しい生活様式が取り入れられ、日々の生活が大きく変化してきています。規制の多い生活の中、親自身のストレスからイライラしてついつい子どもに怒ってしまうことも多々あるのではないでしょうか?『怒る』と『𠮟る』とは違います。『怒る』とは自分の感情が入ってしまい八つ当たりに近くなってしまいます。今回は『ほめ方・𠮟り方』をお話しさせて頂きます。
<ほめる・𠮟るの目的>
子どもが自分で考え善悪良否を正しく判断してそれに基づいて行動できるよう育てる。つまり人間らしい人間にすることです。
★子どもの能力をのばすほめ方
(1)ほめるときは行動をした時すぐほめる
(2)ほめる対象をはっきりとさせる
(3)努力したことをほめる
(4)親の思いに応えた時ほめる
★子どもの人間性を育てる𠮟り方
(1)感情的に𠮟らない
(2)子どもの人格を傷つける𠮟り方はしない
(3)𠮟る時は𠮟る対象を限定する
(4)失敗や過ちは𠮟らない
(5)子どもの成長に合わせた𠮟り方をする
特に幼児期には『さっき』という時間の観念が無いので「ほめる」「𠮟る」はすぐに行ってあげてください。
また幼児期の子どもは自分のしていることが良いことか悪いことかわかっていないので「ほめる」「𠮟る」を使って善悪良否の判断ができるように育ててあげてください。
とは言ってもついカッ!となって怒ってしまうことが多々あるかと思います。そんな時は「私、怒りすぎたね。ゴメンね。」と優しく抱いてあげてください。
またアンガーマネジメントとして怒ろうとする時少し深呼吸をしてみる・数秒、間をおく・その場から離れるなどの方法があります。是非意識してみてください。
自分のことが自分でできる。
人の為に動ける子になる。
人と助け合う喜びを味わう。
コロナと共存する。あるいはしていかなければならない、家庭で皆が、協力し生きていかなければならないこの時代―幼い子供さんにも“お手伝い”を通して【私も大切な家族の一員】という自覚をさせてあげるのもいいのではないでしょうか?
今回は“お手伝い“のお話をさせていただきますね。
お手伝いをさせている家庭に伺ってみると子どもにお手伝いをさせている理由には、
①親子で一緒の時間を楽しむ
②「やりたい」という気持ちを大切にしよう…などと聞かせていただきました。
かと言って幼児期にどんなお手伝いを?と思いますよね。この時期の子どもは親が「やめて~!」と言いたくなることをたくさんします。子どもは親のすることをよく見ているのでティッシュやリモコンなど名前や置き場所のわかる物を取ってきてくれたりします。又、自分の事を自分でしようとすることも立派なお手伝いです。配膳は是非挑戦させてあげてください。「これは○○、これは○○のお箸」などと子どもは積極的に手伝ってくれるはずです。又、サラダ作りなど、レタスを手でちぎる、トマトを洗うなど“したい“と言ってきたら安全なことからさせてあげてください。
おもちゃの片付けもお手伝いの一つです。「おもちゃもおうちに帰れて喜んでいるよ」などと、“物に気持ちがある”と思っている子どもの気持ちを大切に言葉かけしてみてあげてくださいね。
お手伝いの成功体験を重ねることによってやる気もぐんぐんアップします。
【できた!】という体験を是非沢山させてあげてください。
親としては「後片付けが大変!」と、思う時があるかもしれませんが“大好きな人の役に立つ”という体験は子どもの大きな自信となります。
その自信が成長していく子どもには大きな役割を果たしていきます。
子どもは人から聞いたことは忘れやすいのですが、自分で体験したことや、人から身をもってしてもらった体験は心に残ります。
お手伝いを進んでしてもらえるようにするには、「指示」したり「𠮟る」言葉は控えて自発的にしてくれた時にしっかり褒めて共に喜びを味わってあげてください。その時に感じた喜びや誇らしさが【またやろう】という意欲になります。是非、失敗を恐れず挑戦させてあげてみてくださいね。
水遊びが楽しい時期がやってきましたね。夏休みも近づいてお父さん・お母さんにとっては大変ですが子ども達にとっては公園・プール・キャンプ等自然の中で遊ぶ機会が沢山あることでしょう。子どもが熱中するのは遊んでいる時です。「遊び」の経験こそが“情緒面”“学習面”等子どもの能力を伸ばすのに生きてきます。今回はその「遊び」がテーマです。遊びの中には対人的抵抗力(人に慣れる力)と社会性(人と仲良くする力)の二つの条件が備わっていてこの二つの条件は友達と遊ぶ中で体験しながら身に付けていきます。
★幼児期の遊び
・傍観遊び(1~2歳頃)
他の子が遊んでいる様子を見て自分も遊んでいる気持ちになる。
・平行遊び(2~3歳頃)
同じ遊び場にいてもバラバラの遊びをしている状態。友達と本格的
に遊んでいくための準備段階。
・ケンカ遊び(3~4歳頃)
「悪意のない自己中心性」で全て自分中心に考えるので友達と衝突
したりするがケンカから仲直りの仕方、我慢の心を学び社会性を身につける。
・連合遊び(4~5歳頃)
友達との協調性を発揮するようになる。
物の貸し借りができるようになる。
・協力遊び(5~6歳頃)
一つの物を作り出すために友達と協力できるようになる。
何にでも興味が動く好奇心、やりたい事を見つけて取り組む意欲、失敗してもチャレンジする柔軟性、「今、この時」に没頭できる集中力など人間として自立するために必要な能力が遊びの中で培われます。
親が友達を選ぶのではなく、沢山の子ども達と遊ぶ機会を是非与えてあげてくださいね。
ぐずりや反抗などの困った行動は「わがまま」と見ずに「成長」や「可能性」として尊重することが大切です。これらを尊重することは何も“子どもの言いなりになる”という事ではありません。それを機会として我慢を学んだり、親との信頼関係を築いたりするチャンス!と受けとめることです。
もし、子どもが“かんしゃく”を起こしたならそれは親子関係がうまくいっている証拠です。親が自分の思い通りに子どもを抑えつけていたら子どもは“かんしゃく”すら起こせません。子どもがかんしゃくを起こしたとき
①子どもの気持ちをよく聞いて共感してあげる。そのうえで『ダメなことはダメ!』と毅然とした態度で
優しく諭せば本当の我慢する心は育ちます。
②『買い物に行ったら子どもがおねだりする』等よくありますね。“おねだりしない表”を作るなどしておねだり
しなかった時には表にシールを貼ってほめてあげるなどしてあげてください。
【我慢の心】とは・・・?
自己の欲求の充足を自らの力でコントロールすることで、我慢することは社会生活を送るために必要なことです。
【我慢の心の育て方】
⑴ 乳児期・・・親自身が自己中心性の心を我慢して、泣いたらすぐに返事をしてあげ、まず信頼関係を
作ってください。(原信頼)
⑵幼児期・・・〇欲しいものがあっても“お誕生日まで待とうね。”などと時を稼ぐ
〇共感し納得させる。
〇“ママ、嬉しいわ”などと理論よりも情で話しかける。
〇食事のマナー、着衣、手洗いなど基本的な生活習慣を自分でできるように身に着けさせる。
〇一度『いけない!』といったことは最後まで我慢させ親が折れない。
乳幼児期からの日常の温かい触れ合いで我慢という配線が組み込まれます。我慢の心が育ってないと、目標を立てても挫折しやすかったり、異性間の問題、犯罪にブレーキが掛けられなくなってしまいます。
我慢できる子に育つと、我慢することによる苦痛や不快感を知るので、人への優しさが育ちます。 小さいときからの触れ合いで我慢を育てることは、大人になった時に自らブレーキが掛けられるようになるということに繋がっていきます。
幼児期の今からしっかり我慢の心を育ててあげてくださいね。
現代の子どもたちに不足しているのは「自己統制能力~我慢する心~」と言われています。“我慢”をしつけておかないと、我慢しなくてはならない場面で 自分の欲求をコントロールできない大人になってしまいます。“我慢”は『性欲』のコントロールにも必要です。
~我慢を育てるポイント~
① 欲しいものがあっても「誕生日まで待とうね」などと時を稼ぐ。
② 衣服の着脱など自分でできることは自分でさせる。
③ 一度「いけない!」と言ったことは最後まで我慢させる。
~幼児期の性教育~
思春期を待たず、幼い子どもの頃から性についての話を始めることで、メディアや友達からの不正確な情報ではなく、保護者が信頼できる情報源や相談相手となることができます。また幼児期は、性に対して先入観がないこと、教えられたことを、素直に受け止め吸収していく時期だからこそ伝えやすさもあります。
★質問から始まる性教育
⑴「わたしはどこから生まれてきたの?」「ママのお腹からよ。出てきた時とても可愛かったのよ。」などと子どもが納得するよう応えてあげる。
⑵「ママにはどうしてオチンチンがないの?」「オチンチンはないけれど、ママにもオチンチンと同じくらい大切なものがあるのよ。」などと応え、子どもに嘘をついたりごまかしたりしない。
⑶「私はどうして生まれたの?」「パパもママもあなたがとても欲しいと思ったから生まれたのよ。」などと応え子どもの成長に適さない性教育はしない。
★自分の身体そのものが大切だと感じるように伝える。また、周りの人、友達の身体も大切にできるよう「プライベートゾーン」について繰り返し伝える。
★愛情と性欲は一致しなければならず、本当の愛情を見極めるためにも、豊かな心を育てる。
★性をタブーにしている家庭の方が、性への関心が強くなりがちなので、性をタブー視しない家庭の雰囲気を作るようにする。
★両親が不仲だと、子どもは外に拠り所を求めるようになるので、両親が仲良くできるよう努力する。 性教育は人間の“性”についての教育であり、究極には、人間の生き方としての教育です。 子どもが“性”に興味を持った時、『あなたはとても大切な存在』そして『尊い命』であることを伝え、子ども自身の自己肯定感を育んであげてください。